【ゲネプロレポート】別れの度に強くなる"ある少年"の物語。舞台「幻想水滸伝-門の紋章戦争篇-」開幕

レポート

舞台「幻想水滸伝」-門の紋章戦争篇-が、12月6日(土)東京・シアターHにて開幕した。

原作は、不朽の名作RPG「幻想水滸伝」シリーズ(KONAMI)。108人の仲間を集める画期的なゲームシステムと多彩なキャラクター、重厚な物語が人気を博し、1995年の第1作発売から30周年を迎えた今も幅広い層に支持されている。

シリーズ初の舞台化となる本作は、脚本・演出に『ワールドトリガー the Stage』『演劇【推しの子】2.5次元舞台編』などでおなじみの中屋敷法仁を迎え、メインキャラクターに和田琢磨、長江崚行、山田ジェームス武、磯貝龍乎ら実力派俳優が集結。主演のリアン・マクドール(ぼっちゃん)役は、本作が初舞台・初主演となる岡村直樹が務める。

メディアクトでは、初日に先駆けて行われたゲネプロ(公開通し稽古)と囲み取材の模様をお届けする。

舞台「幻想水滸伝-門の紋章戦争篇-」ゲネプロレポート

太陽暦446年。トラン湖周辺を支配する大国「赤月帝国」では、継承戦争と呼ばれる内乱が勃発。その内乱で勝利をおさめた皇帝バルバロッサ・ルーグナー(演:鍛治直人)は、人々に「黄金皇帝」と称えられるほどの名君であった。

ところがその後、女魔術師ウィンディ(演:大湖せしる)に魅了されたバルバロッサは徐々に変貌。時が経つにつれ、国や政治をまるきり顧みなくなってしまう。やがてウィンディは宮廷魔術師となり、軍部や宮廷内には汚職が氾濫。赤月帝国は、今や崩壊の道を歩み始めていた。

そんなある日、一人の少年が皇帝との初めての謁見を迎える。少年の名は、リアン・マクドール(演:岡村直樹)。帝国の大将軍テオ・マクドール(演:高木トモユキ)の一人息子だ。年若きリアンは帝国の内情など知らず、偉大な父の背中を追って軍人として活躍すべく、希望に胸をふくらませていた。

リアンは幼い頃に母親を亡くしていたが、決して孤独ではなかった。マクドール家では、テオの部下であるパーン(演:山沖勇輝)とクレオ(演:桜樹楓)、リアンの世話係のグレミオ(演:和田琢磨)、そして親友のテッド(演:長江崚行)が暮らしている。血の繋がりがなくとも、彼らはリアンの家族そのものであり、任務のため遠方へと出立した父・テオに代わり、リアンを守り支えることを誓い合うのだった。

さて、帝国軍の一員となったリアンとその一行は、山賊をとらえる任務のため、清風山という山へ向かう。そこで大蟻の化け物クイーンアントと遭遇した彼らは危うく全滅しかけるが、同行していたテッドの機転と謎の強力な魔法により、なんとか難を逃れる。

リアンたちの前で、初めて魔法を使ったテッド。彼の右腕には、生と死を司る紋章"ソウルイーター"が刻まれていた。これは、世界の根源に関わるとされる"27の真の紋章"の1つであり、この"ソウルイーター"の存在を巡って、リアンたちを取り巻く状況は突如大きく変化する。運命の波に翻弄されたリアンは、意図せず帝国を追われる身となってしまった。

お尋ね者となり、故郷グレッグミンスターを後にしたリアンたちに、救いの手が差し伸べられる。その手の主は、帝国に反旗を翻し、皇帝打倒を掲げる地下組織。ビクトール(演:磯貝龍乎)やフリック(演:山田ジェームス武)を擁する、自称"解放軍"の面々だった——。

数奇な運命に導かれる主人公・リアンを演じるのは、注目の若手俳優・岡村直樹。初舞台とは思えないほどの、確かな表現力とアクションで「ぼっちゃん」を描き出す。演出の中屋敷が惚れ込んだ「目」と「声」の力強さには、思わず圧倒され惹きつけられる観客も多いのではないだろうか。

ゲームの性質上、原作の主人公にはセリフがほとんど存在しないが、今作におけるリアンは、自身が発する言葉のほかにストーリーテラーの役割も担っている。それが見事に成立しているのは、岡村の持つ極めて鋭い感性と演技力、そして役への深い理解があってこそだろう。今後の活躍が楽しみな、超大型ルーキーである。

そんなリアンを支えるグレミオ役には、柔軟な表現力と愛情深い芝居に定評がある和田琢磨。グレミオらしい忠誠心と優しさに加え、チャーミングな魅力も存分に引き出している。

謎多き少年・テッドには、圧倒的な表現技術を持つ長江崚行。俊敏なアクションと、役をどこまでも深堀りするイマジネーションの強さで、脚本には描かれないテッドの"人生"まで想起させる。

さらに、エネルギッシュかつ繊細な芝居でフリックを描き出す山田ジェームス武、優しさと男気がにじむ熱い男・ビクトールを体現する磯貝龍乎など、多彩な個性を持つ俳優陣が物語に深みを与える。

座組全体を通して、原作への底知れぬリスペクトを感じる本作。ただ、「長年愛されてきた作品の初舞台化」と聞くと、原作に触れたことのない演劇ファンや俳優ファンにとっては、敷居が高く感じられるかもしれない。

しかし安心してほしい。本作には、原作を知らない観客にもきちんと物語が届くよう、随所に工夫が施されている。

まず注目したいのが、ストーリー構成だ。原作の壮大な世界観はそのままに、膨大な要素を約3時間にぎゅっと凝縮。やや急ぎ足で駆け抜ける部分はあるものの、重要なシーンは必ず丁寧に描く、という姿勢が徹底されている。原作を知っている人、知らない人、どちらもしっかり楽しめるはずだ。

劇伴には原作ゲームのBGMが採用され、戦争イベント、一騎打ちなど、「幻想水滸伝」らしい要素もしっかり盛り込まれている。なおかつ、それらが1本の舞台作品として自然に組み込まれているため、原作を知らない観客は違和感なく物語を楽しむことができ、原作ファンは「お、これは」とひそかに嬉しくなるような作りだ。

また、舞台装置をあえてシンプルにしている点も見逃せない。広範囲を移動する主人公たちと一緒になって、観客がさまざまな景色を自由にイメージしやすい構造になっている。現在地が次々切り替わってもせわしなさを感じさせないのは、中屋敷の演出手腕とキャスト陣の表現力によるところだろう。

ファンが愛する要素はふんだんに盛り込み、舞台まわりの要素をあえて大胆に刈り込むことで、観客のイマジネーションを最大限刺激することに成功している本作。原作を知っているか否かに関わらず、「舞台が好き」「お芝居が好き」という人にこそぜひとも観てほしい。

囲み取材レポート

囲み取材では、リアン・マクドール(ぼっちゃん)役の岡村直樹、グレミオ役の和田琢磨、テッド役の長江崚行、フリック役の山田ジェームス武、ビクトール役の磯貝龍乎の5名が登壇し、公演への意気込みなどを語った。

——まずは、フリック役の山田さん、ビクトール役の磯貝さんに質問です。ついに明日より開幕を迎える、舞台「幻想水滸伝-門の紋章戦争篇-」。公演に向けて、今の率直なお気持ちをお聞かせください。

磯貝龍乎:素直に「嬉しいな」という気持ちが一番大きいです。長く続く公演ですしアクションもたくさんあるので、怪我をしないよう気をつけたいですね。それと同時に、観客の皆様にはこの最高の物語をお届けし、感動していただけるよう努めます。劇場でお待ちしています!

山田ジェームス武:大好きな「幻想水滸伝」の世界にこうした形で携わらせていただくこと、フリックとして板の上に立てることが、めちゃくちゃ嬉しいです。稽古が始まる前から「早くやりたい」と思っていたし、稽古をしている間もずっと「うわあ、本当に舞台の上にいる!」と思うと楽しくて、嬉しくて。キャストのみんなのお芝居を、共演者というより観客の皆さんと同じ気持ちで楽しんでいました。本番では、原作とキャラクターをリスペクトしながら、より原作を好きになっていただけるような、舞台ならではの「幻想水滸伝」の世界をお届けしたいです。

——ありがとうございます。続いて、テッド役の長江さんに質問です。今作は「幻想水滸伝」シリーズとして初の舞台化となりますが、舞台としての見どころはどんなところでしょうか。

長江崚行:長く愛されてきた作品ということで、ファンの皆様の中には、「このキャラクターのここが好き」「このシーンが本当に好き」という思い入れがあるかと思います。今作は、舞台ならではのスピード感のなかにあっても、皆さんが愛しているキャラクターの人生や背景、生き様を確実に感じていただける作品になっていると思いますし、そこが舞台ならではの楽しさにもつながっていると思うので、ぜひ一緒に駆け抜けながら隅から隅まで楽しんでいただけたら嬉しいです。

——ありがとうございます。続いて、グレミオ役の和田さんに質問です。東京・京都の2都市での上演にて、たくさんのファンの方にお届けできる今作。上演に向けて、意気込みをお聞かせください。

和田琢磨:そうですね。東京・京都、全19公演となります。私自身、幼少の頃に原作ゲームを楽しんでいた側でした。大人になった今、稽古を通して改めてこの作品に触れて、また違った魅力を発見できましたし、観に来てくださる原作ファンの方にもきっと新たな魅力を感じていただけるのではないかと思います。ぜひ、我々と一緒にこの旅を楽しんでいただけたら嬉しいです。

——(媒体記者)原作をまだ知らない方向けに、見どころや「こんなふうに楽しんでほしい」といったポイントを教えてください。

——(司会)では、代表して山田さんからお願いいたします。

山田:僕でいいんですか!? それでは、ファンとキャストの両方の立場から……そうですね。そもそも、原作がとても面白く、のめり込んでしまうような魅力を持っている作品です。そんな原作の魅力の中でも、濃密な人間ドラマ、人間模様をさらに色濃く作り込んだ舞台ですので、人と人との関係性に注目していただけたら嬉しいです。胸が苦しくなるような展開もたくさんありますが、そこをどう乗り越えてキャラクターたちが成長していくのか、というのを、リアルタイムで一緒に体感していただけるのは、演劇ならでは良さであり、楽しみ方なのではないかと思います。

——ありがとうございます。それでは最後に、主人公リアン・マクドール役の岡村さんから、上演に向けての意気込みとお客様へのメッセージをお願いします。

岡村直樹:初めて舞台に立たせていただく今作、本当に分からないことばかりで、稽古中は不安もたくさんありました。でも、素敵な仲間たちが支えてくださったおかげで、主人公のリアンという人物を完成させることができました。舞台「幻想水滸伝-門の紋章戦争篇-」、みんなの力で、とても素敵かつボリュームのある作品に仕上がっています。一瞬も見逃すことなく、この世界を楽しんでいただけたら嬉しいです!

舞台「幻想水滸伝-門の紋章戦争篇-」は、12月6 日(土)〜14日(日)東京・シアターH、12月18日(木)〜21日(日)京都・京都劇場にて上演される。

取材・文:豊島オリカ、撮影:広瀬有希

公演概要

◆公演タイトル:舞台「幻想水滸伝-門の紋章戦争篇-」
◆日程:
[東京公演] 2025年12月6日(土)~12月14日(日)
シアターH(東京都品川区勝島1-6-29)
[京都公演] 2025年12月18日(木)~12月21日(日)
京都劇場(京都市下京区烏丸通塩小路下ル 京都駅ビル内)

◆原作:「幻想水滸伝」(KONAMI)
◆脚本・演出:中屋敷法仁

◆キャスト
リアン・マクドール(ぼっちゃん)役:岡村直樹、グレミオ役:和田琢磨
テッド役:長江崚行、フリック役:山田ジェームス武、ビクトール役:磯貝龍乎
パーン役:山沖勇輝、クレオ役:桜樹楓、オデッサ・シルバーバーグ役:桜井しおり、マッシュ役:伊勢大貴
カスミ役:山内優花、ルック役:日暮誠志朗
テオ・マクドール役:高木トモユキ、ウィンディ役:大湖せしる
バルバロッサ・ルーグナー役:鍛治直人

アンサンブル:加藤ひろたか、とよだ恭兵、蓮井佑麻、白崎誠也、結木 雅

◆制作:ゴーチ・ブラザーズ
◆協力:株式会社コナミデジタルエンタテインメント
◆企画制作・プロデュース:4cu(Frontier Works Inc.)
◆主催:舞台「幻想水滸伝」製作委員会

TICKET
チケット料金
・プレミアムグッズ付きチケット 14,000円(非売品グッズ付き/全席指定 ・税込)
・一般チケット    11,000円(全席指定 ・税込)
※未就学児入場不可 ※営利目的の転売禁止
※プレミアムグッズ付きチケットには非売品グッズ「オリジナルフォトフレーム&ビジュアルカードセット」が付属します。
※プレミアムグッズ付きチケットは前方のお席を保証するものではございませんので予めご了承ください。
※公演中止の場合を除き、お客様の体調不良ほか天変地異及びそれに伴う交通機関トラブルなど、事情の如何に関わらずチケットの変更・キャンセル・払い戻しは一切いたしません。ご了承の上、お買い求めください。


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