【インタビュー】「ドイツ代表チームのファンになって!」ミュージカル『新テニスの王子様』The Fourth Stage ユルゲン・バリーサヴィチ・ボルク 役:ザック小林×Q・P 役:パース・ナクン インタビュー

インタビュー


8月9日(金)、東京・日本青年館ホールを皮切りに、ミュージカル『新テニスの王子様』The Fourth Stage が開幕する。本作は、2020年12月から始まった『新テニミュ』シリーズの第4弾。U-17W杯(アンダーセブンティーンワールドカップ)での激闘が描かれ、日本代表、ドイツ代表、アメリカ代表、フランス代表に加え、新しくスペイン代表チームも加わり、より国際色豊かな作品となる。

メディアクトでは、ドイツ代表チームのキャプテン、ユルゲン・バリーサヴィチ・ボルク役のザック小林と、Q・P役のパース・ナクンに対談取材を実施。稽古場での様子から、お互いをどう思っているか、本作に出演して驚いたことなどをたっぷりと語ってもらった。ビジュアルや舞台上での厳しい表情とは大きく違った、笑顔と笑いでいっぱいの対談の様子をお届けする。

――ミュージカル『新テニスの王子様』The Third Stageに続いてのご出演です。振り返って、この役に決まった時のお気持ちから教えてください。

ザック:緊張したのと同時に「素晴らしい体験になる!」と感じましたし、実際にミュージカル『新テニスの王子様』The Third Stage は素晴らしい体験でした。今、ミュージカル『新テニスの王子様』The Fourth Stage を稽古でどんどん作り上げていっているところですが、まだ本番が始まってもいないのに「始まったということは終わりがあるんだ…」と、もう寂しくなってきちゃって(笑)。稽古も本番も、終わりたくないです。ずっとドイツ代表チームのみんなと一緒にいたいです!

パース:Q・P役に決まったと聞いたときは「おお~すごい!」と思いました! 日本の2.5次元ミュージカルファンの皆さんのパッションはすごいと聞いていたので、リスペクトの気持ちを持って、がっかりさせないようにしなければ、と気持ちを引き締めたのを覚えています。

――現在稽古中とのことですが、稽古場の雰囲気はいかがですか?

ザック:前回は「誰も知らないところに入っていくんだ」と、ものすごく緊張していたのですが、今回は家族といるような気持ちです。休憩時間は、チームに関係なくみんなで仲良くしています。カンパニー全体が良い空気なのですが、ドイツ代表チームで言えば、誰か1人がチームの雰囲気を作っているのではなくて、みんなそれぞれが持っている別々の雰囲気が合わさって、良い空気を作っています。僕たちドイツ代表チームは、モデルやシンガーなど、全員がまったく違うキャリアを持っているんです。だからこそここまで深く、仲良くなれたのかもしれません。

パース:僕も前回のときは緊張したし、正直なことを言うと怖かったくらい。公演を重ねて関係性ができているカンパニーに入っていくのだから、大丈夫かな…って。はじめのうちは、日本人キャストの皆さんも僕たちに対してどう伝えればいいのか、と気を遣っている様子が見えました。でも、どんどん距離が近くなっていって、とてもいい関係を築けたんです。今回は2度目ですからね、もう最初から親しんで楽しく稽古をしています。

――お互いをどんな役者だと感じていますか? 初対面からの印象の変化も教えてください。

パース:ザックは、台本を覚えるのが早い! 今回のドイツ代表チームの中で1番セリフの量が多いのに、本読みのときにはもう全部覚えてしまっていたんですよ。学校の宿題をためずにちゃんとやるタイプなんだろうなと思いました(笑)。

ザック:宿題はそうでもないけれど、お芝居の準備はしっかりやるよ!(笑) 今回のボルクは、セリフの量がとても多いんです。だから、まずセリフをちゃんと覚えること。それから、ボルクの内面をもっと(観に来られているお客さまに)深く感じてもらうには…? と、彼の気持ちを表現するのを頑張っているところです。

パース:本当にすごいよ! ザックに初めて会ったときの印象は…背が高くてものすごくかっこよくて、さらには、“ザック”っていう名前の響きがすごく強そうに感じて、仲良くなれるかなぁ、と心配しました。でも、お互いに話す言葉が英語だったり、楽屋で隣の席だったり、そういうことでものすごく仲良くなりました。はじめはお互いが英語でOKなのを知らなかったから、日本語でぎこちなく会話していたんですよ。「ハーフですか?」「僕、NBAが好きなんですよ」なんて(笑)。

ザック:そう、はじめのうちはお互いに日本語で様子を見ていたよね(笑)。パースは、最初は静かな人だと思っていたんです。でもまったく違いました! カンパニーの中で1番と言ってもいいくらい、1人ひとりとたくさん話す人です。いつも誰かに話しかけています。明るくて、話すのが上手で、誰とでもすぐに仲良くなる。僕はたくさんの人と話すのが上手ではないから、彼はすごいと思っています。

パース:うん、話をするのは大好き。でも、まったくの初対面から仲良くなっていくのはやっぱり難しいから、頑張っているよ!

ザック:役者としては、パースは、とてもまじめで細かいところまで考える人です。手の動きであれば、指先まで丁寧に「どう見えるか?」を考えて動いています。前作では彼のソロがあったのですが、全部の公演で「今日の歌はどうだった?」と聞いてきて、僕がアドバイスや感想を伝えると「よし、次はそこを直してみよう」と。完璧を目指しているんだなと思いました。

――『新テニミュ』の稽古や本番などで、驚いたことはありましたか?

ザック:この世界に存在していないものをステージで実現させてしまうことに驚きました。漫画やアニメで見ていたとき「これをどうやって舞台でやるんだろう?」と思っていたのですが、映像を使ったり、映像とお芝居を組み合わせたりして「こうなるんだ!」と。今回も、いろいろなことでまた驚きがたくさんあると思いますし、楽しみですね。

パース:本番の舞台が何度もあるのが、まず大きな驚きでした。ドラマは、ひとつのシーンでいくつかテイクを重ねることもありますが、ミュージカル『新テニスの王子様』The Third Stage は39回もの公演があると聞いて「そんなにやるの?」と(笑)。しかも、1本の物語を39回も…「フレッシュな気持ちで演じ続けられるだろうか?」とはじめは心配していました。でも、まったく逆だったんです。もっともっとやりたい! 完璧なパフォーマンスを目指したい! と、公演を重ねていくのが楽しくなっていったんです。公演が進んでいくにつれて不安が消えていくし、自信も持てるようになって「自信を持って演技をするのは楽しい!」と思うようになりました。今作は全46公演。今からとても楽しみです!

――お芝居をしていて楽しいと感じるのはどんな時ですか? ルーツや、ふだん心がけていることなどもお聞かせください。

ザック:“演じる”のを忘れて、その人そのものになって生きていると感じる瞬間です。その人と、その世界に自分が溶け込んでいる、と言うんでしょうか。僕は、子どものころから舞台やマーチングバンドなど、さまざまなパフォーマンスに関わることをやってきました。大人になってからは、役者とは別のキャリアを歩みながらも在日外国人の方々で構成される劇団に入ってお芝居は続けていたのですが、もっとお芝居に深く、長く関わりたいと思うようになって…。「僕がパッションを注ぎたいのはパフォーマンスなんだ」と心に決めて、役者として生きていく道を選びました。その「演じるのを忘れてその人として生きている」瞬間をたくさん味わうために、これからもっと頑張っていきたいです。

パース:僕は人を笑わせるのが好きなので、コメディのお芝居をしているときがものすごく楽しいです。正解のない、自由なお芝居も。まったくのアドリブや“全部お任せ”となると困ってしまうのですが(笑)、台本があってそれをベースとして自由にお芝居をしているときはとても楽しいです。

僕がお芝居をするときに1番大事にしていること…2つ言ってもいいですか?(笑) ひとつは、ドラマでも舞台でも変わらずに、言葉が持っている裏の意味まで伝えること。例えば「寒いね」の言葉の裏に「ハグしてほしい」の気持ちがあったら、「寒いね」と言うだけで伝わるように。言葉と気持ちをちゃんと理解する。それから、動きにも意味を持たせること。何か飲み物を飲む演技をするのも、どうして飲んでいるのか? 暑くて喉がかわいているから? すべての動きに意味を持たせてお芝居をしていきたいんです。そういうことを大事にしているんだ、と僕のお芝居から皆さんへ伝わっているといいなと思います。

――本作に出演して、舞台やお芝居に対しての考え方は変わりましたか?

ザック:たくさん変わりました! 僕はこれまで、リアルな世界の人間を演じてきたので、初めての2.5次元ミュージカルの世界は新鮮で楽しいです。演じ方も、もっと思い切ったお芝居ができると思っていろいろと試しているところです。僕は、変化することと挑戦が大好きなので、これから稽古しながらどんどん変化と進化をしていきたいですね。

パース:僕は『新テニミュ』が初舞台なので、新しい経験ばかりです。ドラマとは、声の出し方も口の開け方も、歌い方も違う。僕は70パーセントの力を出しているつもりでも、周りから見たら40パーセントにしか見えていない。劇場の1番後ろに座っているお客さまに、どうやって気持ちを届けたらいいんだろう? など、舞台での演技の大きさややり方を理解するのに、少し時間がかかりました。

役も、今まで演じたことのないクールなキャラクターなので難しかったですね。特にこの2.5次元ミュージカルでは、原作のキャラクターを守ることがとても大事だと思っているので、前回はキャラクターを守りながらも、「クールさ」に必要以上に縛られてしまっていたように思います。でも、演技は楽しいものなんだから、重く考え過ぎずにもっと楽しめばいいんじゃないかなって考えるようになりました。それが大きな変化だったと感じています。

――今作でのドイツ代表チームと、特に注目してほしいご自身の見どころはどこですか?

ザック:ドイツ代表チームには、真面目で厳格なイメージを持っている方が多いと思います。演じている僕たちは、もちろん真面目ではありますが、とても仲がよくて良好な関係を築いています。僕たちのその関係性を、そのままドイツ代表チームの信頼と絆として感じてもらいたいですし、素晴らしい芝居をお見せしたいと思っています。

ボルクは、チームメイトやファンの人たちを心から尊敬しているし、その気持ちを活動のモチベーションにしていると感じています。それから自分にとても厳しくて、でもただ怖い人ではなく、相手をケアする内面も持ち合わせている人なんじゃないかなと。僕自身も「道は厳しいかもしれないけれど、新しい環境に身を置きたい」と思い切ってキャリアチェンジした経験があります。厳しい道でも怖がらずに頑張っていく。その点が、ボルクを演じる上で役立っていると思いますし、今作では彼の内面の深いところまで感じてもらいたいです。

パース:今(取材時)、岡本悠紀(鬼 十次郎役)さんとラリーを作っているところで、それはぜひ楽しみにしていてもらいたいですね! 初めてチャレンジすることが多くて、大変だけれどもすごく楽しい。先日は、その試合の稽古があまりにも熱すぎて、終わってからお互いに目を合わせて「いい感じじゃない?」って無言でうなずきあってしまいました(笑)。僕たちのこの試合は本当に熱いものになるので、周りのキャストの皆さんは「その後の試合はもっと熱いものにしないと!」と思っているかもしれませんね(笑)

――最後に、ドイツ代表チームのキャプテンから、本作を楽しみにしているファンの皆さんへメッセージをお願いします!

ザック:皆さまの期待にこたえられるように、今までで1番すごい試合をお見せします。それから、皆さまにはぜひドイツ代表チームのファンになっていただきたいです(笑)。劇場でお待ちしています!

取材・文:広瀬有希/写真:ケイヒカル

・動画配信サービス「DMM TV」にて、
ミュージカル『新テニスの王子様』The FourthStage
のライブ配信・アーカイブ配信の実施が決定!

詳しくは、下記HPをご覧ください。
https://www.dmm.com/digital/stage/-/theater/=/name=tennimu2_2024

ミュージカル『新テニスの王子様』The Fourth Stage 公演概要

タイトル:ミュージカル『新テニスの王子様』The Fourth Stage
原作:許斐 剛『新テニスの王子様』(集英社「ジャンプSQ.」連載)
脚本/演出:上島雪夫
作詞:三ツ矢雄二
音楽:兼松 衆
振付:上島雪夫/井餘田 修
出演:
<日本代表>
越前リョーマ 役:今牧輝琉、跡部景吾 役:高橋怜也、幸村精市 役:藤田浩太朗、
仁王雅治 役:内海太一、切原赤也 役:古川流唯、平等院鳳凰 役:佐々木 崇、
種ヶ島修二 役:秋沢健太朗、デューク渡邊 役:大久保圭介、鬼 十次郎 役:岡本悠紀

<ドイツ代表>
ユルゲン・バリーサヴィチ・ボルク 役:ザック小林、Q・P 役:パース・ナクン、
ミハエル・ビスマルク 役:バーンズ勇気、エルマー・ジークフリート 役:チャーリー、手塚国光 役:手島章斗、
ダンクマール・シュナイダー 役:冨森ジャスティン、ベルティ・B・ボルク 役:ハルバーソン太陽

<アメリカ代表>
ラルフ・ラインハート 役:ルーク・ヨウスケ・クロフォード

<フランス代表(日替わり出演)>
トリスタン・バルドー 役:鮎川太陽、ティモテ・モロー 役:ジェレミー・クロディス、
プランス・ルドヴィック・シャルダール 役:DION

<スペイン代表>
アントニオ・ダ・メダノレ 役:當間ローズ、ロミオ・フェルナンデス 役:Sion

越前リョーガ 役:井澤勇貴
ケン・レンドール 役:アイル・シオザキ
Q・P(幼少期) 役 ※Wキャスト:トレン P/クーチン埜亜

<テニミュボーイズ> 安宅波颯、内藤光佑、吉開一生

東京公演          2024年8月9日(金)~8月18日(日)   日本青年館ホール

8月9 金10 土11 日・祝12 月・休13 火14 水15 木16 金17 土18 日
12:30 ☆A★A☆A休 演 日   ☆A★A
13:00     ☆A   
17:30 ☆A ☆A   ☆A 
18:00★A   ★A(※) ★A  
<Q・P(幼少期)役>
★・・・トレン P ☆・・・クーチン埜亜
 <フランス代表>
A・・・トリスタン・バルドー B・・・ティモテ・モロー C・・・プランス・ルドヴィック・シャルダール
 (※)イープラススペシャルデー

愛知公演 2024年8月23日(金)~8月25日(日)   一宮市民会館

8月23 金24 土25 日
12:30 ☆B★B
17:30 ☆B★B
18:00★B  
<Q・P(幼少期)役>
★・・・トレン P ☆・・・クーチン埜亜
 <フランス代表>
A・・・トリスタン・バルドー B・・・ティモテ・モロー C・・・プランス・ルドヴィック・シャルダール

大阪公演 2024年8月30日(金)~9月8日(日)            SkyシアターMBS

8月/9月30 金31 土1 日2 月3 火4 水5 木6 金7 土8 日
12:30 ★C☆C休 演 日    ★C☆C
13:00    ★C    
17:30 ★C☆C    ★C☆C
18:00☆C  ★C★C☆C☆C(※)  
<Q・P(幼少期)役>
★・・・トレン P ☆・・・クーチン埜亜
 <フランス代表>
A・・・トリスタン・バルドー B・・・ティモテ・モロー C・・・プランス・ルドヴィック・シャルダール
 (※)イープラススペシャルデー

東京凱旋公演      2024年9月13日(金)~9月23日(月・休)   日本青年館ホール

9月13 金14 土15 日16 月・祝17 火18 水19 木20 金21 土22 日・祝23 月・休
12:30 ★B☆A★C休 演 日   ☆B★A☆C
13:00     ★A    
17:30 ★B ★C   ☆B★A 
18:00☆C   ☆B★A☆C   
<Q・P(幼少期)役>
★・・・トレン P ☆・・・クーチン埜亜 
<フランス代表>
A・・・トリスタン・バルドー B・・・ティモテ・モロー C・・・プランス・ルドヴィック・シャルダール

チケット料金      S席:9,500円/A席:7,500円(全席指定/税込み)
一般発売日         2024年7月21日(日) 10:00~
主催                東京・大阪・東京凱旋公演:新テニミュ製作委員会
愛知公演:中京テレビ放送
共催                愛知公演:一宮市市民会館等指定管理者JNP一宮パートナーズ
協賛                ファミリーマート