【インタビュー】さらに期待を超えていく、舞台『ブルーロック』3rd STAGE 竹中凌平・佐藤信長・伊勢直弘

インタビュー

8月9日(金)、舞台『ブルーロック』3rd STAGEが、大阪・東大阪市文化創造館 Dream House 大ホールを皮切りに上演中。本作は、2018年から「週刊少年マガジン」(講談社)にて連載中の「ブルーロック」(原作・金城宗幸、漫画・ノ村優介)の舞台化作品。

メディアクトでは、本シリーズ第3弾である3rd STAGEの開幕にあたり、潔 世一役の竹中凌平、蜂楽 廻役の佐藤信長、脚本・演出の伊勢直弘にインタビューを実施。原作「ブルーロック」の魅力から、舞台『ブルーロック』の脚本の作り上げ方、本作で挑戦したいことなどを熱量たっぷりに語ってもらった。

――このたび、舞台の第3弾が上演されることになりました。『ブルーロック』という作品そのものの魅力について、どのように感じていますか?

竹中凌平(潔 世一役):初めて原作に触れたときは衝撃的でした。批判を恐れず、伝えたいことをどんどん表現していく強さがあります。読んでいて「これは、サッカーだけではなく年齢職業問わず必要なことだ」と自分に強く刺さったのを感じました。メッセージ性が強い作品ですね。

佐藤信長(蜂楽 廻役):次々に困難や課題がふりかかって来て、それらを乗り越えていくところがおもしろいです。僕が演じる蜂楽で言えば、“かいぶつ”と決別して強くなったと思ったら、すぐに世界選抜のメンバーたちという大きな壁にぶちあたります。そうやって、新しい絶望に出会ってもそれらを打ち破っていくキャラクターたちの姿にワクワクします。

伊勢直弘(脚本・演出):個性的なキャラクターたち、熱い試合展開…といったエンタメ性はもちろん、ストーリーに中毒性がある作品だと感じています。ひとつの困難に打ち勝ってゴールにたどり着いたと思ったら、実はそれは通過点だった。別のところで見つけたピース同士を組み合わせたらぴったりとハマった! …と思ったらまだまだ上があった、のような。この“一難去ってまた一難”感がたまりませんね。

――伊勢さんは、シリーズ3作目となった本作を背負う竹中さんの“座長力”をどのように見ていますか?

伊勢:絶対的な安心感のある、ぶれない人です。安定感があって、でも小さくまとまるのではなく常に全力。自分から何らかの強いアクションを起こして周りに影響を与えていくタイプではなくて、自分の仕事をしっかりと全力でこなしていきます。背中で見せるタイプの座長ですね。

佐藤:凌平くんが演じる潔はものすごいセリフ量があるのですが、稽古の初日からすでにしっかりセリフを覚えていて台本を持っていないことも多いので…ちょっと…ヤメテホシイ(笑)。

竹中:何でだよ!(笑)

佐藤:というのは冗談ですが、そういった姿勢が座組全体への刺激になっています。

――佐藤さんについてはいかがですか?

伊勢:ムードメーカーのひとりですね。スペックが高いのに、いい意味で抜けているところもあっていじりやすい。佐藤信長さん、佐藤たかみち(凪 誠志郎役)さん、この“ダブル佐藤”は、座組の居心地を良くしてくれる存在です。今作では、遊馬晃祐(雪宮剣優役)さん、阿部快征(七星虹郎役)さんといったムードメーカーも加わるので、さらに明るい雰囲気になりそうですね。

竹中:遊馬さんとはご一緒するのが初めてです。楽しみだなぁ。

――第3弾も明るい座組になりそうですね。そんな明るい座組で作られる本作ですが、伊勢さんが原作のある2.5次元舞台の脚本を書くときに大事にしていることは何でしょうか?

伊勢:その原作を大好きになることです。原作のすべてのシーンをそのまま舞台にはできないので、脚本を書くにあたってシーンの取捨選択や構成の変更、工夫などが必要になってきます。そんなとき、ファンの目線になって「このシーンは必ず見たい」「ここは原作に忠実に」とピックアップしていくんです。でも、愛があればあるほどシーンを選ぶのは本当に難しいです。どうしてもここを! という場合には「ほらここ、コマが大きいじゃないですか!」なんて制作サイドを説得するときもあります(笑)。本作で言えば、スピンオフの「ブルーロック-EPISODE 凪-」の要素を入れたのもそうですね。「あったらいいよね、アガるよね!」という思いで。

作品の魅力はそのままに、3次元の舞台として成立させる。そのためには、“変換”が必要です。何もかも原作のままやろうとすると無理が出てしまうこともあります。そのような場合は、構成を少し組みかえたり変更することでシームレスにできるので、制作や原作者さんへ提案します。そのセリフを言っている人物を変えたり、シーンを組み合わせたり。例えば本作の2nd STAGEで言えば、(原作では)お風呂場での会話シーンからの変更がそうですね。

そうやって“変換”をしながらも丁寧に作っていきますが、やはりキャクター同士の関係性があってこそですから、極力いろいろと変更はしたくありません。お客さまと同じく、僕も作品のファンですから!

――伊勢さんの脚本について、演じる側のお2人はどのように感じていますか?

竹中:リスペクトと愛でできていますね。原作の伝えたいことからブレることなく話が進んでいくので、脚本を読んでいると「あのシーンだ!」と思います。すごく分かりやすいです。

佐藤:僕も、原作へのリスペクトを強く感じます。脚本を読んでいて「原作にあったあのシーンだ!」というのがたくさんありますし、演じていて楽しいです。ここはどう演じよう…と悩むことがあっても、伊勢さんは一緒に考えて答えを出してくださいます。

伊勢:キャラクター1人ひとりへの思い入れは、全体を俯瞰(ふかん)で見ている僕よりも役者さんたちの方が強いです。だから、カットしてしまったセリフでも「このセリフがあった方が気持ちが繋がりやすい」などの相談をしてもらえると非常にありがたいですね。

――次に、演出についてお聞きします。取材会では“ビューチェンジ”と呼ばれる、試合中の視点移動についてのお話も出ました。本作の大きな魅力のひとつである、臨場感と迫力のある試合シーンはどのように作っているのでしょうか?

伊勢:まずは大まかにざっくりと作ってから整合性を取っていきます。演出補で入ってくれている村松洸希(我牙丸吟役)さんと事前に打ち合わせをして、アイデアをもらいながら。それから、役者さんからも意見をもらいます。彼らは頭の中で立体的に想像ができているのと役への解像度が非常に高いので、たくさん意見を言ってもらえると助かるんですよ。そうやって細かくブラッシュアップして作りこんでいきます。

佐藤:特に、牧野裕夢(アダム・ブレイク役他)くんはずっとサッカーをやってきているので「選手だったらこう動きたいと思います」など、選手としての視点でアドバイスをしてくれて、とても助かっています。

――本作は、可動式のパネルを使用したり、舞台袖への出入りも非常に多いアクティブな舞台です。こちらについてはいかがですか?

竹中:本当に出ハケ(舞台に出ることと、舞台袖に入ること)が多くて! 1度でも間違えたら大変なことになってしまうのですが、稽古の最初のうちは「間違えた!」と走って戻ることも何度もありました(笑)。

伊勢:今回の東京公演は、新しくできたシアターHで上演します。劇場が変われば、その劇場の特性に合わせて、できることとできないことが大きく変わってきます。例えば、第1弾を上演したサンシャイン劇場は上手(かみて)の袖が少ない、第2弾のヒューリックホール東京は出ハケが複雑…など。地方公演の劇場も含めて、その劇場でやれることの中で工夫しながら最大限のものをお見せできるように努めています。今作でも、シアターHという新しい劇場の持ち味を生かせるようなものを見つけながら、皆さんが驚くような作品を作っていきたいですね。

――新しい劇場での新しい挑戦ですね。最後に、皆さんが第3弾の本作で挑戦したいことは何でしょうか?

伊勢:ありがたいことに、座組一同、お客さまからの高いご期待を感じています。現状維持は絶対にせず、何かひとつでも「こう来たか!」と思っていただけるような新しいものを提示したいですね。お客さまを驚かせたいというのが、自分への課題です。「どこまで上がっていくんだろう?」と感じていただける作品をお届けできるように。今作は前回をさらに超えていきますので、ご期待ください!

佐藤:第1弾は、ゼロからみんなで作品を作り上げました。その土台ができていたからこそ、第2弾ではさらに深いところまで行けたと感じています。役としても自分としても成長できましたが、今回はさらに「成長した!」と思っていただけるようなものを表現していきたいです。前作では、蜂楽くんはひと皮むけた大きな成長を遂げましたが、それを超えた姿をお見せしたいと思っています。

竹中:第1弾、第2弾と、伊勢さんをはじめとしたみんなでアイデアを出し合って作品を作ってきました。今回も、新しいキャストの皆さんが加わって盛り上がるのは間違いありません。その中でも「潔くん、成長したな」と思っていただける部分をたくさんお見せできたらいいですね。キャストが増えるので、爆発力はさらにものすごいことになると思います。ぜひ期待して劇場にお越しください!

取材・文:広瀬有希/写真:ケイヒカル

■ライブ配信概要
大阪&東京千穐楽公演のライブ配信がDMM TVにて配信!

■配信公演
・大阪公演
 2024年8月12日(月・祝) 17:30公演
・東京公演
 2024年8月25日(日) 16:00公演

<配信情報>
舞台『ブルーロック』、舞台『ブルーロック』2nd STAGEをDMM TVにて無料配信決定!

舞台『ブルーロック』無料配信 2024年8月13日(火)18:00〜
URL:https://tv.dmm.com/vod/detail/?season=mcjzkbvwze4qqavbyjaj35g4m 

舞台『ブルーロック』2nd STAGE無料配信 2024年8月14日(水)18:00〜
URL:https://tv.dmm.com/vod/detail/?season=3ihtutzgdsvqgvdybrz0qzb11

また、8月15日(木)18:00より、
舞台『ブルーロック』3rd STAGE 8月12日(月・祝)17:30公演の同時視聴会の実施も決定!
詳細は舞台ブルーロック公式Xをチェックお願いいたします。

■舞台『ブルーロック』3rd STAGE 公演概要

【タイトル】            舞台『ブルーロック』3rd STAGE(読み ブタイ『ブルーロック』サードステージ)
【原作】            原作:金城宗幸 漫画:ノ村優介『ブルーロック』(講談社「週刊少年マガジン」連載)
【脚本・演出】       伊勢直弘

【出演】                         
潔 世一:竹中凌平         糸師 凛:草地稜之                                                                  
蜂楽 廻:佐藤信長         御影玲王:菊池修司        凪 誠士郎:佐藤たかみち                         
士道龍聖:松田 岳         烏 旅人:宇野結也         乙夜影汰:健人              雪宮剣優:遊馬晃祐
氷織 羊:三浦海里         七星虹郎:阿部快征                                                                 
蟻生十兵衛:磯野 大      時光青志:中林登生        國神錬介:織部典成        千切豹馬:佐伯 亮
我牙丸 吟:村松洸希      五十嵐栗夢:書川勇輝                                                   
ジュリアン・ロキ:上山航平  
レオナルド・ルナ 他:土居健蔵         アダム・ブレイク 他:牧野裕夢        
パブロ・カバソス 他:窪寺 直          ダダ・シウバ 他:秋山皓郎
絵心甚八:横井翔二郎

【日時】              2024年8月9日(金)~12日(祝月)〈大阪公演〉
               2024年8月17日(土)~25日(日)〈東京公演〉 
【会場】           〈大阪公演〉東大阪市文化創造館 Dream House 大ホール
               〒577-0034 大阪府東大阪市御厨南2丁目3‐4
                〈東京公演〉シアターH
                       〒140-0012 東京都品川区勝島1丁目-6-29
【チケット】         価格:11,500円(税込)※全席指定
               詳細は公式サイトをご確認ください。
https://officeendless.com/sp/bluelock_stage/schedule

◆チケットに関して:公演事務局 0570-200-114(11:00~18:00 日祝休業)

【制作】             Office ENDLESS
【主催】             舞台『ブルーロック』3rd STAGE製作委員会
【お問合せ】         Office ENDLESS
               公演事務局: info@officeendless.com(平日10:00~17:00)
※お問い合わせは24時間承っておりますがご対応は営業時間内とさせていただきます。
               ※お問い合わせの際は必ず公演名をお伝えください。

【公式HP】        https://officeendless.com/sp/bluelock_stage
【公式X】            @BLUELOCK_STAGE 
               ハッシュタグ「#ブルーロック」「#BlueLock」「#ブルステ」「#エゴい」

©金城宗幸・ノ村優介・講談社/舞台『ブルーロック』3rd STAGE製作委員会