【レポート】舞台『ブルーロック』3rd STAGEの取材会(竹中凌平、佐藤信長、佐藤たかみち 、松田岳、脚本・演出の伊勢直弘)レポート
6月下旬、舞台『ブルーロック』3rd STAGEの取材会がおこなわれた。本作は、2018年より「週刊少年マガジン」(講談社)にて連載中の『ブルーロック』(原作・金城宗幸、漫画・ノ村優介)の舞台化作品。2024年1月に上演した第2弾に引き続き、このたび8月9日(金)から第3弾である3rd STAGEが現在上演中だ。
メディアクトでは、潔 世一役の竹中凌平、蜂楽廻役の佐藤信長、凪 誠士郎役の佐藤たかみち 、士道龍聖役の松田岳、脚本・演出の伊勢直弘が出席した取材会の様子をレポート。現在の心境や、役へ対しての思い、役作りのこだわり、今作への意気込みなどを語ってもらった。
※本記事内では、佐藤信長・佐藤たかみちの“佐藤”混同を防ぐため冒頭より先の部分で「信長」「たかみち」と記載させていただきます。ご了承ください。
――いよいよ3rd STAGEが始まります。今のお気持ちをお聞かせください。
竹中凌平(潔 世一役):3rd STAGEの公演は夏におこなわれるので、これまでのアツかった公演よりも熱くなるんじゃないか、と思っています。キャストもたくさんいらっしゃるので、さらに迫力が増して化学反応が起こるように思えて楽しみです。
佐藤信長(蜂楽廻役):つい最近2nd STAGEの取材を受けたような気がしています、あっという間ですね。今回もさらに新しいキャストが加わるので、新しい風を吹かせてくれるんだろうなと楽しみにしています。
佐藤たかみち(凪 誠士郎役):1st STAGEでは雷市陣吾として、そして今回は2nd STAGEに続いて凪誠志郎として舞台に立たせていただけることになりました。いろいろなご縁やタイミング、皆さまの応援のお力があって、こうしてまたみんなとブルーロックの世界で戦えるので、それをしっかりと……。
竹中:ティッシュいる?(笑)
たかみち:泣かないですよ! 今日は泣かない!(笑) ここでまた戦えることに対して感謝と恩をお返しする気持ちを忘れずに、今度は僕がみんなを引っ張っていけるような人間になれたら。凪自身がそういう人だと思いますし、化学反応しまくって、アツくエゴく戦っていきたいと思います!
――松田さんは今作からのご参加ですね。今の心境はいかがですか?
松田岳(士道龍聖役):もともと原作の『ブルーロック』が好きだったので、舞台化が発表されたとき「どんなものが皆さまの前で繰り広げられるんだろう」と思っていました。この機会を待っていましたし、士道龍聖として出陣できることを嬉しく感じています。(座組には)知っている方もとても多いのですが、それでいながら『ブルーロック』の登場人物を目の前にしている気持ちでもあり、ドキドキしています(笑)。お世話になっている伊勢さんが率いる日本代表のようなチームに飛び込むのが楽しみでなりません。
3rd STAGEで描かれるストーリーは、世界観が大きく広がる『ブルーロック』の転換期でもあるので、お客さまには「新たなステージに行った」と思っていただけるように。僕の演じる士道が起爆剤となれたら、と思っています。
――脚本・演出は引き続き伊勢さんが担当されます。どのようなステージになるのか、構想のヒントをいただけますか?
伊勢直弘(脚本・演出):基本的には今までの世界観を踏襲しつつ、信頼できるキャストの皆さんと丁寧に作っていきます。これまでも化学反応の賜物でものすごいものができあがったので、今回もどういうものができるのだろうと楽しみにしています。
実は、士道役を松田さんにというのは、この企画が立ちあがった早い段階からすでに決まっていたんですよ。絶対的に信頼感があり、エキセントリックで振り切った芝居ができる。ぴったりですよね。彼をはじめとした新しいキャストの皆さんの可能性をどれだけ引き出せるか、というのも楽しみです。
――続投キャストの皆さんから松田さんへ、この座組の雰囲気や稽古で大変だったことなどをお伝えください。
松田:それ、聞きたいですね!(笑)
信長:すごく仲がいいし、男子の部活! という感じです。あと、その場で全力で走っているように見せる(マイムの)動きが本当にキツいです。走りながらセリフも言わなければいけないし。
たかみち:実は、僕は1st STAGEでは走る動きがそれほどたくさんはなかったので、リアルな汗を見せるために舞台袖でダッシュしてから舞台に出ていました(笑)。
竹中:広いサッカーのグラウンドを舞台上で表現するための、“視点”の移動と変え方が難しかったですね。「あれ、今どっちがゴールだっけ?」みたいな(笑)。
信長:視点が変わるのを、「ビューチェンジ」って呼んでいます。誰かが蹴ったらフィールドの向きが変わる。どこに向いているのかをちゃんと理解していないと難しいです。
たかみち:ボールを蹴る時のつま先の向きにも気をつけないといけないんですよね。それから、実際のボールを使うシーンもあるので気を付けてください! 僕は1st STAGEのゲネプロで、蹴ったボールがパネルにぶつかって跳ね返って来て、顔面にヒットしてしまいました(笑)。
松田:実際のボールを使うのは難しそうだなぁ…。
伊勢:みんなでフットサルの練習もしましたね。
信長:そう! 凌平くんはフットサルのときにダイレクトシュートしかしないから、ボール回しには参加しないんですよ! みんなが必死にボールを集めているのに、ゴールの前で待っているだけ(笑)。
竹中:だって舞台のために練習しているからね?(笑) ダイレクトシュートの感覚を掴まなくちゃ。
――次に「今作ではこう演じていきたい」など、ご自身の役に対する思いをお聞かせください。
たかみち:役者は、いろいろな世界線でいろいろな人物の人生を生きることができます。その中でも僕はこの『ブルーロック』の中で、雷市と凪という2つの魂を背負えていて、それは本当に光栄なことだと感じているんです。2つの視点と感情、それぞれの人物の人生からこの作品の世界を見られるのは僕しかいないからこそ、僕だけが生み出せるものがあるのではないかな、と。3rd STAGEでは、続投の皆さんや新しく加わった方々と一緒に、マリアージュしていきたいです!
信長:僕が演じている蜂楽廻は、小さい頃に出会った“かいぶつ”とずっと一緒にサッカーをしてきました。でも、ブルーロックに来て潔と出会って、舞台の前作である2nd STAGEで“かいぶつ”と決別して、ひと皮むけたかのような進化を遂げました。僕自身も、役や作品への向き合い方として「見えてきた」と感じるものがあります。観劇に来てくれた知り合いの方々が「舞台が広く見えた」「立体的だった」と言ってくれたんですけれども、今回はキャストの人数が増えるので、舞台上がぎゅうぎゅうになるかもしれませんね!(笑)
竹中:潔くんを演じていて思うのは、「ずっと何かを考え続けている」のと、成長スピードが凄まじいということです。彼が頭の中で考えていることを、僕は舞台上でセリフとしてずっと口にし続けていますし、彼の成長スピードに追い付きたくて頑張っているのですが、その成長を体で表現するのが難しいと感じています。今作では、また新しい成長の「FLOW」という状態に入るのですが、それをどう表現しようかと…。
たかみち:全身から、もやもや~っとした(ドライアイス状の?)ものを出せば?(笑)
竹中:じゃあ“もやもやが”出せるように準備しておいてくれる?(笑)
たかみち:分かりました、準備しておきます!
信長:口で言えばいいよ「今俺、もやもや出てる…」って!(笑)
――先ほど伊勢さんから「士道は早い段階から松田さんに決まっていた」とお話がありましたが、松田さんは彼をどのように演じていこうと考えていますか?
松田:これだけ、自分の“欲”に素直に生きられる人がいるのか、と衝撃を覚えました。彼を体現するという重大なミッションをこなすには、稽古でのひとつひとつが勝負だと感じております。いろいろな方と相談していくと同時に自分の思いを信じて、どこまでやれるか? という点に重きを置いて頑張っていきます。
――本作は、心情表現はもちろん、プレー中もそのキャラクターらしい動きが魅力的な作品です。フィジカル面での役作りの方法や、動きへのこだわりなどを教えてください。
信長:蜂楽くんの動きは、飛んだり跳ねたりと天真爛漫で自由なイメージです。ドリブルが得意で、アクロバット的な動きもします。僕は長い間バレーボールをやってきたので、その飛んだり跳ねたりするところが、演じる上で生かされていると思います。(2nd STAGEの試合中に)凪を振り払うときに空中でぐるぐると回転するシーンがあるのですが、そういった人間離れした動きは完全に再現するのは難しいです。でも「あのシーンだ」とお客さまに分かっていただけるように、凪役のたかみちに稽古に何度も付き合ってもらって、周りのみんなに助けてもらいながらあのシーンの動きを作り上げました。蜂楽くんの動きはすごく大変です(笑)。
竹中:1st STAGEでのダイレクトシュートのフォームは、船木政秀さん(鰐間淳壱役)に相談しながら「この動きでシュートが打てるのか?」など試行錯誤しながら作り上げました。2nd STAGEでのオフ・ザ・ボールの動きは、僕ひとりでできるものではないので、マッチアップしてくれる周りのみんなに、目線の動きなどを協力してもらって。今回も、1st STAGEで作り上げたダイレクトシュートの動きの感覚を取り戻すために、またフットサルの練習があったらゴール前で待っていようかなと思っています(笑)。
たかみち:まず体づくりの面で言えば、今回もジムに通ってサッカー選手らしい体をしっかりと作り上げていこうと思っています。凪は、余計な力を入れずに力を抜いて、外側はやわらかくても中にしっかりとした芯や軸が通っているイメージです。3rd STAGEでは、それをさらに極めていきたいですね!
伊勢:凪はあえてスピード感を前面に出さず、緩急をつけたやわらかい動きをしています。
――松田さんは、士道の動きをどのように作っていこうと考えていますか?
松田:アクロバティックなプレースタイルなので、たくさんの方に相談させていただきながら「舞台でどう見えるのが最適なのか」を探っていきます。また、実在する元サッカー選手のズラタン・イブラヒモヴィッチ選手の動きを参考にしようかと。プレースタイルやメンタルの面でも「すごく士道っぽい」と感じているんです。荒々しいけれどもヨガをやっていたりもするので、僕もヨガ教室に通いたいですね(笑)。
――伊勢さんは、これまでの舞台でキャラクターとしての皆さんの動きを見てきて、どのように感じていましたか?
伊勢:皆さん、身体能力の高い役者さんばかりなので、自分なりに研究したフォームができている、と思っていました。僕から皆さんへ、動きについて個別に細かい指示をすることはなくて、優先していたのは「舞台でどう見えるか」ということだけです。細かい動きに関しては、ステージング担当の船木さんや、サッカー指導も兼任してくださっている牧野裕夢さんへ委ねていました。個性的な動きを「そのキャラクターらしい」と感じていただけたのであれば、それはもうキャストの皆さんの努力の賜物です。
例えば、御影玲王役の菊池修司さんは、シュートを打つときに動きのクセをわざと強く見せています。それによって、見ていて「あ、これから玲王がシュートする」と期待に繋がるからなんですね。キャラクターそれぞれのフォームをキャストの皆さんはそうやって言語化して自己演出してくれていますので、そこも楽しんでいただけたらと思います。
――本作の脚本を書かれる上で、伊勢さんが強く意識されていることは何でしょうか。
伊勢:役者の皆さんには、キャラクターの心情を表現してもらうことに重きを置いています。声、喋り方、仕草などを再現するよりも、心情の方を。言葉を大事にしながら心情を表現していくことで、彼ら自身が演じてくれるキャラクターの思いが浮き彫りになると思うんです。これは、本作に限らず原作のある舞台では変わらない方針として貫いていきたいと思っていることです。
――では最後に、3rd STAGEへの意気込みをお願いいたします!
伊勢:これまでの本作シリーズを楽しんでくださったお客さまのおかげで、こうして3rd STAGEの機会をいただけました。良い意味で裏切りつつ、「いつもどおり」を貫いていけたらと思います。ぜひ楽しみにしていてください。
松田:士道龍聖を演じさせていただくことを、本当に光栄に思っております。初めて彼を見たときは「悪魔のような存在感だ」と衝撃でした。舞台をご覧になる皆さまにもぜひその衝撃を味わっていただきたいので、自分自身を高めていって頑張ります。3rdステージからの参加である僕は、1st STAGEと2nd STAGEで積み上げてきた皆さまにリスペクトを持って臨みますので、(キャストたちへ)仲良くしていただけたらうれしいです。よろしくお願いいたします。
たかみち:凪誠士郎として戦えることを本当に楽しみにしています。1st STAGEと2nd STAGEとは違う景色が見られると思いますし、その瞬間に立ち会えるのは幸せです。その瞬間を必ず作り上げて皆さまにお届けします。“瞬間”と書いて“とき”と読みます。ぜひ楽しみにお待ちください!
信長:(1st STAGEの千秋楽で)2nd STAGEの発表したときと同じように、(2nd STAGEの千秋楽で)3rd STAGEの制作発表をしたときのお客さまの反応を、その場で感じさせていただいて、期待されていると伝わってきました。これまでみんなで作り上げてきたものをさらにパワーアップして、進化したものをお届けするのが楽しみです。皆さまもぜひ楽しみにしていてください。
竹中:今作では、まだアニメで放映されていない部分を舞台で上演します。原作をしっかりと読み込んで、皆さまの解釈と違わないように、リスペクトを持って作品を届けられたらと思っています。楽しみにしていてください!
取材・写真・文:広瀬有希/写真:ケイヒカル
■舞台『ブルーロック』3rd STAGE 公演概要
【タイトル】 舞台『ブルーロック』3rd STAGE(読み ブタイ『ブルーロック』サードステージ)
【原作】 原作:金城宗幸 漫画:ノ村優介『ブルーロック』(講談社「週刊少年マガジン」連載)
【脚本・演出】 伊勢直弘
【出演】
潔 世一:竹中凌平 糸師 凛:草地稜之
蜂楽 廻:佐藤信長 御影玲王:菊池修司 凪 誠士郎:佐藤たかみち
士道龍聖:松田 岳 烏 旅人:宇野結也 乙夜影汰:健人 雪宮剣優:遊馬晃祐
氷織 羊:三浦海里 七星虹郎:阿部快征
蟻生十兵衛:磯野 大 時光青志:中林登生 國神錬介:織部典成 千切豹馬:佐伯 亮
我牙丸 吟:村松洸希 五十嵐栗夢:書川勇輝
ジュリアン・ロキ:上山航平
レオナルド・ルナ 他:土居健蔵 アダム・ブレイク 他:牧野裕夢
パブロ・カバソス 他:窪寺 直 ダダ・シウバ 他:秋山皓郎
絵心甚八:横井翔二郎
【日時】 2024年8月9日(金)~12日(祝月)〈大阪公演〉
2024年8月17日(土)~25日(日)〈東京公演〉
【会場】 〈大阪公演〉東大阪市文化創造館 Dream House 大ホール
〒577-0034 大阪府東大阪市御厨南2丁目3‐4
〈東京公演〉シアターH
〒140-0012 東京都品川区勝島1丁目-6-29
【チケット】 価格:11,500円(税込)※全席指定
詳細は公式サイトをご確認ください。
https://officeendless.com/sp/bluelock_stage/schedule
◆チケットに関して:公演事務局 0570-200-114(11:00~18:00 日祝休業)
【制作】 Office ENDLESS
【主催】 舞台『ブルーロック』3rd STAGE製作委員会
【お問合せ】 Office ENDLESS
公演事務局: info@officeendless.com(平日10:00~17:00)
※お問い合わせは24時間承っておりますがご対応は営業時間内とさせていただきます。
※お問い合わせの際は必ず公演名をお伝えください。
【公式HP】 https://officeendless.com/sp/bluelock_stage
【公式X】 @BLUELOCK_STAGE
ハッシュタグ「#ブルーロック」「#BlueLock」「#ブルステ」「#エゴい」
©金城宗幸・ノ村優介・講談社/舞台『ブルーロック』3rd STAGE製作委員会