【インタビュー】期待のハードルを超える一作を目指して。『ワールドトリガー the Stage』ガロプラ迎撃編 高橋健介×山本一慶

インタビュー

『ワールドトリガー the Stage』ガロプラ迎撃編が、10月25日(金)より上演される。原作は、近界民(ネイバー)と呼ばれる異世界からの侵略者と戦う組織「ボーダー」を描いた大人気SFアクション漫画作品。舞台化第4弾となる今作では、ボーダーに攻め入る新たな刺客・ガロプラとの激しい攻防戦と、その裏で熱く繰り広げられるボーダー隊員たちのB級ランク戦ROUND5が描かれる。

メディアクトでは、迅 悠一 役の高橋健介、ヒュース 役の山本一慶にインタビュー。今作に込める思いや公演に向けての意気込みなどを聞いた。

――今作への出演が決まったときのご感想を教えてください。

高橋健介(迅 悠一役):僕にとって『ワールドトリガー the Stage』(以下『ワーステ』)は、もう自分の一部みたいなもの。第4弾となる今作も、お話をいただいて真っ先に感じたのは、季節の訪れを感じるような「ああ、もう『ワーステ』の時期が来たのかぁ」という不思議な気持ちでした。前回(第3弾)の「B級ランク戦開始編」は映像のみでの出演でしたが、今作はまた、迅 悠一をがっつり演じさせていただきます。山本一慶くんをはじめとする新メンバーも迎え、新たな『ワーステ』が僕自身も楽しみです。

山本一慶(ヒュース 役):僕はもう、以前からずっと「ワーステに出たい」と思っていて、事あるごとに周囲にも言っていました。脚本・演出の中屋敷法仁さんとは昔からの友人なんですが、お仕事でご一緒する機会がなかなかなくて。ずっと中屋敷さんとお芝居を作ってみたかったし、中屋敷さんらしさが爆発している『ワーステ』にはとくに「いつか絶対出演したい」と願い続けてきたんです。だから、今回お話をいただいたときはめちゃくちゃ嬉しかったですね。

――そんな『ワーステ』の衣装に袖を通したビジュアル撮影は、いかがでしたか?

山本:衣装もすごく素敵ですよね。ボーダー側はそれぞれの隊服に特色があって、可愛かったり格好良かったりするし、ネイバー側も形が凝っていて。ヒュースが着ているアフトクラトルの戦闘服は、全体のシルエットはふんわり、内側はきゅっとタイトで、バランスが最高。僕はマントを使ったお芝居が大好きで、撮影のときもマントをひらひらさせることができてすごく楽しかったです。

高橋:僕は、自分の衣装については「(自分の)体型が変わってなくてホッとした」というのが一番の感想でした(笑)。それよりも、玉狛支部の仲間たちの変化が眩しくて。初演から時を経て衣装が変わったメンバーもいますし、それぞれに頼もしい表情を見せていて、作中でのキャラクターたちの成長をあらためて実感しました。公演でいつものみんなの新たな一面も見られるのかと思うと、それも楽しみですね。

――『ワールドトリガー』という作品の魅力はどんなところにあると思いますか?

高橋:魅力はたくさんありますが、とくに感じるのは、ボーダー視点から見た「敵」は存在するけれど「絶対悪」は存在しないところです。この作品って、どんなに嫌なヤツに見えるキャラクターでも、視点を変えると印象が変わるんですよね。たとえば、エネドラなんかは初見ではすごく感じが悪いキャラクターだったけど、最終的には可愛いところがちょっと見えてきて、愛せちゃう。

ましてやB級ランク戦は、ボーダーの仲間同士の試合です。激しい戦いも、きついセリフも、一人ひとりが守りたいもののために正義をぶつけ合った結果なんだと感じられるところが「いいなぁ」と、いつも思っています。

――迅 悠一というキャラクターの印象はいかがですか?

高橋:ものすごく魅力的です。とくに、人に見えないところで努力や覚悟を積み重ねているところが愛おしい。人気の高いキャラクターでもあるので、演じさせていただけることがありがたい気持ちもあります。僕自身、迅としてお客様の前に立つときは気合いが入ります。ただ、迅はいつでも「気合いが入っていないように見える」ところも大きな魅力の1つなので、肩肘を張った姿を見せないように意識しています。

――ありがとうございます。山本さんは、作品のどんなところに魅力を感じますか?

山本:シンプルに面白いし、少年心をくすぐられます。多様な武器の使い分けや、戦術、サイドエフェクト……少年の夢の詰め込みセットなんですよね。主要なキャラクターたちが全員若いこともあって、学園モノのような楽しさもあります。ランク戦で普段バチバチやっているライバル同士が、いざというときには力を合わせて戦うところも「ああ、いいなぁ!」って思います。いちファンとしても大好きな作品です。

――とくに好きなエピソードはありますか?

山本:迅が、自分の持つ「未来視」の能力について、葛藤して、それでも自分なりの答えを選択していく姿がすごく好きです。僕の感覚としては、未来が見えるのはきっとつらいことでもある、というか、むしろネガティブな要素が見えてしまうことのほうが多いんじゃないかと思うんです。でも迅は、見えた未来を「どうしたら少しでもポジティブな方向に持っていけるか」を考えられるところがすごいと思う。そんな迅のことを信じて動ける仲間たちのチームワークも素敵です。

高橋:それでいうと、今作(第4弾)は迅の葛藤が垣間見えるシーンが多いかもしれないですね。迅としては、自分が選択した道の上で(三雲)修や(雨取)千佳が大変な目にあうのを見てきた。だから、「もっと良い選択があったんじゃないか」という葛藤が常にあるわけです。

普段はあまり弱さを見せない迅ですが、今回は心情を吐露するシーンも描かれます。迅のような人間がそうした部分を見せるというのは、積もり積もった感情のボルテージが相当高まって噴出した結果だと思います。「迅さんにも人間らしいところがあるんだ」と実感していただけるよう、大切に演じたいです。

――なるほど。初演から演じてきた高橋さんから見て、迅 悠一は、一言で表すとどんな人物ですか?

高橋:なんだろう……すごい能力を持っているけど、本質はそこじゃない気がする。一言でいうと「安心感」かな。

――安心感、ですか?

高橋:作中のみんなが醸し出す「迅さんがいればなんとかなる」という空気感が、僕はとても好きなんです。「大黒柱」っていうのとはまた違うんですよね。大黒柱は必要不可欠なもので、いないとその場が崩れてしまう存在。だけど、迅の場合は「いてもいなくてもいい。でもいてくれたら、もう大丈夫」みたいな温かい安心感があると思う。実際その場にいてくれたらすごく心強いし、その場にいないときも、迅が教えたことが誰かの力になっています。火事場の馬鹿力を出すときに、迅の「存在」が背中を押してくれたりする。そういう「安心感」が、迅にはあるなと思います。

――なるほど。では、山本さんから見たヒュースは、一言で表すとどんな人物ですか?

山本:まだ舞台上で演じていないので難しいところもありますが、今、自分の中で一番しっくりくる言葉は……「かわいい」ですかね。

高橋:たしかに、かわいい!

山本:目に入るもの何もかもに興味津々で、どんどん質問して、教えてもらったことは素直に学習して満足する。そういうところがすごくかわいいですね。忠誠を誓った相手に対しては本当にまっすぐで、どんな状況でもどうにかして帰ろうと試行錯誤している姿は、切なくなるほど純粋だなと思います。疑うことを知らないわけじゃなく、何かを疑っていてもなお純粋さを貫けるところが素敵です。

――ありがとうございます。続いて、お二人に質問です。舞台ならではの「ワーステ」の魅力はどんなところにあると感じますか?

山本:何と言っても、フィジカライブです! バトルをダンスで表現したり、テンポよくセリフや情景を挟み込んだりする手法は、新鮮で、でも同時に中屋敷さんならではの「らしさ」にも溢れていて素敵です。あえて歌唱を入れないところも面白いですね。バランスの取り方が絶妙で、観ていてすごく楽しいです。ただ、出演する側となると……僕自身は「ダンスをものすごく頑張らなくては」という緊張感も覚えています。

高橋:ダンスの稽古はこれからなんですが、公演を重ねるごとにダンスはどんどん激しくなっています。第4弾は今まで以上にすごいことになるんじゃないかな……。

山本:そもそも、ヒュースが踊っている姿がまだあんまり想像できない。

高橋:「蝶の盾(ランビリス)」を使うシーン、一慶さんめっちゃ踊るんじゃないでしょうか。

山本:脅かさないで!(笑)

高橋:今回から、キャストとして2名のアンサンブルさんが新たに加わります。アンサンブルというポジションが加わることで、フィジカライブはさらに進化するかもしれないですね。

また、『ワーステ』の魅力といえばもう1つ、「兼役」も楽しみにしていてほしいです。1人の役者がいろいろな役を演じる姿を見られるのは、登場人物の数が多い作品ならではの醍醐味でもあります。とくに『ワーステ』では、兼役に意味が込められていると感じることも多いので、「今回は誰がどんな役を演じるんだろう?」とか、「どんなふうに演じ分けるのかな?」とか、そういったところにもぜひ注目してください。

――ありがとうございます。続いて、初演から出演されている高橋さんから、今作より新たに参加される山本さんに伝えたい「ワーステの心得」はありますか?

高橋:うーん、心得じゃなくて、もっとシンプルに「伝えたいこと」ならあります。

山本:なになに?

高橋:『ワーステ』の現場はめちゃくちゃ楽しい、ってことです! ダラダラした馴れ合いじゃなくて、メリハリのある楽しさです。それは、植ちゃん(植田圭輔)がキチッと締めてくれるおかげでもありますね。メンバーみんなで支え合って楽しく頑張れる座組なので、大変なことがあっても笑顔でだいたい何とかなっちゃいます。お客さまの熱量も高くて、毎回すごく楽しんでくださる様子が伝わってきて嬉しくなる現場ですよ。

山本:ああ、そういえば僕も、俳優仲間からよく「ワーステの現場は楽しい」という話を聞くことが多かったです。そのおかげもあって、今作からの合流に対する不安は全くなかったし、これから本番に向けて「楽しみ」っていう気持ちしかないですね。ワクワク120%です!

――ありがとうございます。では最後に、公演を楽しみにしている方々に向けてメッセージをお願いいたします。

山本:大好きなこの作品の一部になれることを光栄に思いますし、ヒュースという素晴らしい役をいただけたことをとても嬉しく感じています。ヒュースの魅力をしっかりと伝えられるよう、また、自分が演じることに意味があったと感じていただけるよう、稽古に励んでまいります。新しい表現方法にあふれた『ワーステ』の中で、僕も皆さんを驚かせるような表現ができたらなと思っています。ぜひ楽しみにしていてください!

高橋:新たなキャストも加わり、『ワーステ』の世界がどんな色合いに変化するのか、僕自身とても楽しみです。今作は、東京、福岡、大阪、そして東京凱旋と、4会場での上演となります。こんなにたくさんの場所で公演ができるのは、本当に皆さまの応援のおかげです。支えていただいている分、しっかりとお芝居でお返ししたいです。絶対にハードルを超えていきますので、ぜひ期待を膨らませて待っていてください!

取材・文:豊島オリカ/写真:ケイヒカル

公演概要
『ワールドトリガー the Stage』ガロプラ迎撃編

■公式HP:https://worldtriggerthestage.com/
■公式X:@W_Trigger_Stage

2024年10月、11月 東京・大阪・福岡にて上演
■東京公演 シアターH 2024年10月25 日(金)~11月4日(月・休)
■福岡公演 キャナルシティ劇場 2024年11月9日(土)~11月10日(日)
■大阪公演 COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール 2024年11月15日(金)~11月17日(日)
■東京凱旋公演 天王洲 銀河劇場 2024年11月22日(金)~11月24日(日)

原作 『ワールドトリガー』葦原大介(集英社「ジャンプSQ.」連載/ジャンプ コミックス刊)
脚本・演出 中屋敷法仁
音楽 GIRA MUNDO  振付 泰智(KoRocK) キムラモトコ  美術 松生紘子  照明 吉枝康幸
音響 田中 忍 山本能久  映像 O-beron inc.  殺陣 新田健太  衣裳 摩耶  衣裳造形 藤好信暁  
ヘアメイク 松野亜莉沙  小道具 羽鳥健一  演出助手 石井麻莉(SPM)  
舞台監督 川除 学 山下翼 八重樫慎一  宣伝美術 江口伸二郎(SENRIN)   宣伝写真 三宅祐介

キャスト:
空閑遊真 役 植田圭輔 三雲 修 役 溝口琢矢
雨取千佳 役 其原有沙 迅 悠一 役 高橋健介 小南桐絵 役 浜浦彩乃 太刀川 慶 役 井澤勇貴
出水公平 役 飯山裕太 風間蒼也 役 廣野凌大 木虎 藍 役 河内美里 絵馬ユズル 役 百瀬 朔 
香取葉子 役 竹内 夢 三浦雄太 役 古賀雄大 若村麓郎 役 松原 凛 村上 鋼 役 元木聖也
那須 玲 役 田中梨瑚 熊谷友子 役 美麗 柿崎国治 役 松村龍之介 武富桜子 役 伊波杏樹
林藤陽太郎 役 芝﨑郁久也、立花利仁(Wキャスト) 
ガトリン 役 小柳 心 ヒュース 役 山本一慶
アンサンブル:SHIMa 巽imustat
声の出演:宇佐美 栞 役 茜屋日海夏 レプリカ 役 鯨井康介 ハイレイン 役 中村誠治郎
     エネドラ 役 丸山龍星 ミラ 役 松葉朋実

《チケット価格》
S席 11,000円(税込/全席指定)
★S席特典▶公演ご当地レプリカデザインのショップバッグ(非売品)を劇場にてお渡しいたします

A席 8,000円(税込/全席指定)

《チケット販売スケジュール》
一般発売中
ローソンチケット https://l-tike.com/s-wt/
キャナルシティ劇場MEMBERSHIP https://canalcitygekijo.eplus.jp/ ※キャナルシティ劇場MEMBERSHIPでは福岡公演のみのお取り扱いとなります。
銀河劇場チケットセンター https://www.gingeki.jp/ ※銀河劇場チケットセンターでは東京凱旋公演のみのお取り扱いとなります。

●配信情報
動画配信サービスDMM TVにて、『ワールドトリガー the Stage』ガロプラ迎撃編 ライブ配信・アーカイブ配信決定!

配信実施公演
≪東京公演≫
2024年10月26日(土)13:00公演(全景映像)
2024年10月26日(土)18:00公演(スイッチング映像)

≪東京凱旋公演≫
2024年11月24日(日)12:00公演(全景映像)
2024年11月24日(日)17:00千秋楽公演(スイッチング映像)

ライブ配信+見逃し配信
■販売価格■
昼公演(全景映像)                        :各2,800円(税込)
夜公演(スイッチング映像)          :各3,700円(税込)
昼夜公演セット                               :各6,000円(税込)

■販売期間■

≪東京公演≫2024年10月19日(土)12:00〜11月1日(金)23:59

≪東京凱旋公演≫2024年11月17日(日)12:00〜11月30日(土)23:59

■配信期間■
ライブ配信(見逃し配信付):
ライブ配信…各公演上演開始~公演終了まで

見逃し配信…
≪東京公演≫2024年10月27日(日)18:00〜11月2日(土)23:59
≪東京凱旋公演≫2024年11月25日(月)18:00〜12月1日(日)23:59

アーカイブ配信
■販売価格■
昼公演(全景映像)                        :各2,800円(税込)   
夜公演(スイッチング映像)          :各3,700円(税込)
昼夜公演セット:各6,000円(税込)

■販売期間■
≪東京公演≫2024年11月9日(土)12:00〜11月22日(金)23:59
≪東京凱旋公演≫2024年12月7日(土)12:00〜12月20日(金)23:59
※販売開始と同時に配信を開始いたします。

■視聴期間■
ご購入から1週間
※ライブ配信については、各公演開始30分前からライブ配信ページに入場可能となります。
※詳しい視聴デバイスに関してはサービスサイトをご覧ください。

配信特設サイト:https://www.dmm.com/digital/stage/-/theater/=/name=worldtrigger-4/

<配信に関するお問合せ>
DMMサポートセンター(24時間・365日受付)
https://support.dmm.com
TEL:03-6670-3911


©葦原大介/集英社 ©『ワールドトリガー the Stage』製作委員会