【インタビュー】舞台「桃源暗鬼」-練馬編-桃寺神門役の酒寄楓太、桃華月詠役の岸本勇太インタビュー

インタビュー

舞台「桃源暗鬼」-練馬編- が、2025年1月、東京・天王洲 銀河劇場にて上演される。原作『桃源暗鬼』(作/漆原侑来)は『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)にて連載中の漫画作品。桃太郎の物語を題材に、現代まで続く鬼と桃太郎の子孫同士の戦いを鬼側の視点から描く新世代ダークヒーロー現代劇。

本作は、2024年2月に上演された舞台「桃源暗鬼」の続編となる舞台化第二弾。初演に引き続き主人公の一ノ瀬四季を阿部顕嵐が演じ、無陀野無人役の立花裕大、皇后崎迅役の高橋怜也ら続投キャストに加え、多くの新キャラクター・新キャストが登場する。

メディアクトでは、舞台初登場となる桃太郎機関の2人、桃寺神門役の酒寄楓太、桃華月詠役の岸本勇太にインタビュー。出演にあたっての意気込みや桃太郎機関に感じる魅力を聞いた。

――まずは、今作への出演が決まった際のご感想をお聞かせください。

酒寄楓太(桃寺神門役):原作を兄に勧められて読み始め、それ以来ずっと『桃源暗鬼』のファンでした。初演のキャストには他作品で共演したことがある俳優仲間が何人もいて、心から羨ましくて。「俺も出たかった!」とメッセージを送ったくらいです。だから、出演が決まったときにはめちゃくちゃ嬉しかったですね。

岸本勇太(桃華月詠役):僕もとても嬉しかったですし、同時に「頑張らねば」と気合も入りました。2作目の上演が決定したのは、初演のカンパニーのみなさんが素晴らしい作品を築き上げたからこそだと思います。そんな初演を超える良い作品を目指して、座長を務める阿部顕嵐くんのもと、精一杯つとめます。

――原作漫画『桃源暗鬼』の印象はいかがですか?

酒寄:何よりもまず、漆原先生の絵がめちゃくちゃカッコいいですよね。キャラクターのビジュアルも個性的だし、なにげない構図もダイナミックで素敵です。僕は銃を使いこなすキャラクターに憧れがあって、神門君や四季が技を使うシーンは読んでいて特にしびれます。お話の軸となる設定も個性的だし、独特の世界観も凝っていて大好きです。

岸本:絵に迫力があるから、どのシーンでも自然と引き込まれちゃうよね。僕は特に戦闘シーンが好きなんですが、練馬編は読みながら「これを舞台の上でどう表現しようか?」と、つい考えてしまいます。

酒寄:戦闘シーンには漫画ならではの動きも多いから、どうしたらその動きに見えるか悩みますよね。

岸本:役者が生身で表現する部分と、役者と映像を組み合わせてテクニカルに表現する部分とで、意識すべきポイントが変わってくるかもしれないね。その辺りの比重は、役によっても違うかも。たとえば、僕が演じる月詠は肉弾戦というより頭脳と能力を駆使する戦い方が好きなタイプなので、テクニカルな部分での難易度が高いんじゃないかなと予想しています。

――ご自身が演じるキャラクターの印象は?

岸本:月詠の第一印象としては、まず「おしゃれだな」と思いました。眼鏡の形もそこに付けているアクセサリーも凄くセンスがあってカッコいいなと思って。僕もアクセサリーや眼鏡が好きでたくさん集めているので、ビジュアルに惚れました。

「占いに支配されている」というところにも共感できます。僕もテレビの占いなどをよくチェックするし、プロの占い師さんに見てもらうのも好きなので、月詠の感覚が分かります。朝の占いで「今日は金運が良くないので、買い物は控えましょう」って言われたら、衝動買いをしそうになっても「いや、今日はやめとこう」って絶対思う。さすがに命をかけた経験はないですが、月詠のセリフは腑に落ちるものが多いですね。

――なるほど、ありがとうございます。酒寄さんはいかがですか?

酒寄:神門君は、まだ10代なのに自分の中の「正義」がしっかり確立されているところが、本当に凄いと思います。僕は神門君と同じ19歳ですが、物事の判断基準をあれだけしっかり定めることはなかなか難しいです。ただ、若いからこそ揺らぎやすいというか、いろいろなものに影響される部分もあって、そういうところは可愛らしいなとも思っています。

それとやっぱり、圧倒的な強さも好きなところです。「強いのに、影響を受けて揺らぎやすい」というアンバランスなところが、人間らしくていいですよね。僕自身も感受性が強くて影響を受けやすいところがあるので、共感できます。あとは、大人相手にも遠慮せず本音を言ってしまう、ちょっと小生意気な一面も「分かるなぁ」と思います。

――ありがとうございます。続いて、桃太郎機関について伺います。主人公の四季たち「鬼」とは対立する立場にある桃太郎機関ですが、その魅力はどんなところにあると思いますか?

酒寄:正義と悪が共存している複雑な構図が、とてもいいなと思います。神門君のように正義を最優先に動く人物もいれば、桃巌深夜のように悪いことも容赦なく実行する人物もいる。いろんな種類の感情が入り混じって形成されているところが魅力的ですね。

岸本:桃太郎機関のメンバーたちは、仲良く手と手を取り合うわけじゃなく、各々の信念に従って動いているんですよね。それでも1つの組織として、絶妙のバランスを保って成立しているところが面白いなと思います。今作で初登場する4人の桃太郎についてもそれは同じで、稽古の中で「誰がどんな役割を担うか」を構築していく作業も楽しみです。最初からガチガチに「こうする」と決めて動くよりは、役者4人でバランスを取り合いながら、臨機応変に作り上げていきたいですね。

1人1人が役の良さを活かしてポジションを確立することで、四季たち他のキャラクターの良さも活きてくるし、作品全体の魅力にもつながってくるはずです。原作のキャラクターたちの個性がすごく立っているので、それを舞台の上にうまく落とし込んでいけたらと思います。

酒寄:僕は岸本さんとも初共演なのですが、相澤莉多さん(桃角桜介役)、武子直輝さん(桃巌深夜役)のお2人とも今回初めてご一緒します。なので、4人でどんな桃太郎を作り上げていけるのか本当に楽しみです。

岸本:酒寄くんは、役柄的に深夜と一緒のシーンが多そうだよね。僕は深夜役の武子直輝くんと以前共演していて、プライベートでご飯に行くこともあるんだけど、すごく面白い人だよ。

あとはね、存在感も凄い。寝起きでも夜中でも、常に顔面がはっきりしてて「武子直輝!」っていう存在感を放ってる。稽古場で絶対見失わない男です。

酒寄:深夜は神門君の上司なので、探しやすくて助かります!

岸本:ポジティブだ(笑)。直輝くんは本当に凄い役者なので、彼が深夜を演じると聞いたときには心底ワクワクしました。熱意のある素敵なお芝居で、最高にカッコいい深夜を見せてくれるに違いないと思っています。そして、相澤くんは僕も初共演。この4人でのお芝居は未知数で、とても楽しみですね。

――ありがとうございます。今作、特に力を入れて演じたいのはどんなところですか?

酒寄:個人的には、やっぱり神門君と四季が戦うシーンでしょうか。神門君にとって重要なシーンなので、大切に演じたいです。それから、神門君はクールに見えて、友達に対しては意外とフランクなところがあるので、そうした素顔の魅力も大事に表現したいです。

あとは、原作のコマとコマとの間をつなぐお芝居にも力を入れたいですね。原作を読み込んで、描かれていない部分を想像して表現するというのは、2.5次元の醍醐味だと思います。僕自身もその辺りは楽しみながら演じますし、お客様にもぜひ注目してほしいです。

岸本:月詠という男は美意識が高く、戦い方も優雅で余裕があるタイプ。彼のそういう面を丁寧に表現することで、戦闘にグッと入り込んだときの激しさも引き立つと思います。そうしたギャップは月詠の大きな魅力だと思うので、しっかり意識しながら1つ1つのシーンを演じたいです。

それから、アクションが非常に映える作品なので、お客様にはそこにも期待してほしいですね。原作で引き込まれた数々のアクションシーンを舞台上の殺陣でどう表現するのか、僕自身も本当に楽しみです。

――ありがとうございます。では最後に、公演を楽しみにしている方々へメッセージをお願いします。

岸本:今回から新たに、桃太郎機関の4人が参戦します。初演から引き続き登場するキャラクターたちと僕らの化学変化に、ぜひご注目ください。戦闘シーンもストーリーも、緊迫感を増していきます。お客様にも「ここからどう展開していくんだろう」とドキドキしていただけたら嬉しいです。

酒寄:殺陣に映像、小道具も駆使するアクションシーンは、僕にとって大きなチャレンジになると思います。自分ができることを精一杯やりきって、良いお芝居をしていきたいです。舞台「桃源暗鬼」という作品をもっともっと盛り上げられるよう、熱量をしっかり上げてまいります。ぜひよろしくお願いします!


取材・文:豊島オリカ/写真:ケイヒカル
ヘアメイク:齊藤沙織
スタイリスト:小田優士
衣装:
岸本勇太さん
・ALUDE
・soerte(03-6431-9431)
・seyto(03-6431-9431)

酒寄楓太さん
・LA CORRUPTION(https://www.lacorruption-tokyo.com/)
・ALUDE
・seyto(03-6431-9431)

公演概要
公演タイトル 舞台「桃源暗鬼」-練馬編-

期間 2025年1月4日(土)〜1月19日(日)
劇場 天王洲 銀河劇場

原作 漆原侑来『桃源暗鬼』(秋田書店「週刊少年チャンピオン」連載)

演出 松崎史也
脚本 畑 雅文
脚本協力 竹村晋太朗
音楽 谷 ナオキ

出演
一ノ瀬四季役 阿部顕嵐

無陀野無人役 立花裕大

皇后崎 迅役 高橋怜也
矢颪 碇役 草地稜之
遊摺部従児役 廣野凌⼤
屏風ヶ浦帆稀役 宮河志帆
手術岾ロクロ役 灰塚宗史
漣 水鶏役 山﨑紫生

桃寺神門役 酒寄楓太
桃華月詠役 岸本勇太
桃角桜介役 相澤莉多
桃巌深夜役 武子直輝

淀川真澄役 佐藤永典
並木度 馨役 中村泰仁
花魁坂京夜役 田口 涼

晨火 淡海 優 岡村圭輔 黒田ひとみ 佐竹正充
西分綾香 長谷川桂太 日置 翼 藤島 望 ほか

主催 舞台「桃源暗鬼」製作委員会

チケット情報 【一般発売】2024年11月23日(土・祝)10:00
【料金】¥11,500(全席指定/税込)
【取り扱い】チケットぴあ

◆舞台「桃源暗鬼」公式サイト https://stage-tougen-anki.com/
◆舞台「桃源暗鬼」公式X https://x.com/st_tougenanki


© 漆原侑来(秋田書店)/舞台「桃源暗鬼」製作委員会