【インタビュー】「誰も置いて行かない作品に」『Dancing☆Starプリキュア』The Stage2 田村升吾・滝澤諒インタビュー
2025年2月から上演される『Dancing☆Starプリキュア』The Stage2。今作は舞台の第二弾で、人気アニメ『プリキュアシリーズ』放送開始20周年の2023年に第一弾を上演。主に女子中学生がプリキュアに変身して戦うアニメと違い、ダンス部に所属する男子高校生たちがプリキュアとして活躍するストーリーだ。
今回は、キュアトップ/星河楽を演じる田村升吾と、キュアロック/夏目颯斗を演じる滝澤諒にインタビュー。今作の見どころやプリキュアキャストたちの普段の仲の良さについて、和気藹々と語ってもらった。
ーー来年2月からいよいよ、ファン待望の『Dancing☆Starプリキュア』The Stage2が始まります。今の気持ちを教えてください。
滝澤 シンプルに、また皆に会えるんだ!やったー!っていう気持ちです。初演で最初に集まった頃は年齢もバラバラだし、話とか合うのかな?と思っていたんですが、終わる頃にはすごく仲良くなっていたので。(小辻)庵(キュアブレイク/黒瀬舞人役)も最初は敬語だったんですけど、徐々にタメ口になっていって…(笑)。まあ、僕がやらせたんですけど。年下にタメ口きかれるのが好きなので。
田村 変な人だなぁ(笑)。
滝澤 だから、また懐かしいカンパニーに戻れて嬉しいです。
田村 僕も嬉しい気持ちは同じくで、加えて今作はダンス部が全国大会の予選に通過したところから始まります。プリキュアとしての活動も大事ですが、ダンスの練習も前作以上に必須だなと思っています。
滝澤 そうだね。高校ダンス部の全国大会って相当レベル高いから。
ーー『ぼくプリ』がない期間も、皆さん各々でダンスの練習などされていたのでしょうか?
滝澤 最近は他の舞台でもダンスを踊る機会は多いので、そういう現場で学んだりはしていますね。あと、僕はアーティスト活動で踊ることも多いので。
田村 見てますよ〜! SNSにもかっこいい動画、あげてるんですよ。『ぼくプリ』のダンスは諒ちゃんを筆頭に固まっていく感じがあるので、ダンスリーダーです。
滝澤 いやいや、ありがとうございます。
ーー田村さんも他の舞台で踊ることも多いですよね。
田村 そうですね。芝居だけじゃなく、歌もダンスも殺陣も。なんでも屋ですよね、役者は(笑)。でも『ぼくプリ』のようにダンスをメインテーマに据えられると、また違った責任感があります。俳優としてお芝居を作っていくのとはまた別のベクトルで頑張らないといけないというか。気合を入れなきゃいけないなと改めて感じています。
ーー前作上演の前にお二人で受けていたインタビューで「情報解禁の時に日本トレンド1位になっていたりして、プレッシャーがすごい」というお話をされていたのが印象的でした。その頃と比べて、心境に変化はありますか?
滝澤 プレッシャーはより感じています。前作の時は、始まるまで評判が本当にわからなくて。それこそ批判を受ける可能性もゼロじゃないと怖かったんですが、ありがたいことにお客様に『ぼくプリ』という作品を受け入れていただけた。好評をいただけたからこそ、前作をなぞるだけでもいけないし、かと言って新しいことに挑戦しすぎて、前作を受け入れてくれたお客様に「全然違うじゃん」と思われるのも違うし…。
田村 確かに。前回のお客様は「『ぼくプリ』?どうなんだろう?」と思って観に来てくださったと思うんですが、今作は「『ぼくプリ』面白かったから、また観に行こう!」と思って来てくださる方が多いと思うので、また別のプレッシャーですね。
滝澤 でも、前作の稽古を詰めていく過程で、『ぼくプリ』も従来のプリキュアと形は違えど、同じ意志持って生まれた作品なんだと確信が持てました。なので今回は、何も分からないところからのスタートではなく、「自分たちはこうやるべきなんだ」という方向性が見えている。そこをどんどん詰めていきたいなと思っています。
田村 そうだね。
滝澤 あとはステラダンサーの皆さんも含めてこのカンパニーは皆、ダンスも大好きだし、同じくらい熱い気持ちで作品を作ってくれるメンバーばかりなので、心強いです。
ーーでは現時点での、今作の見どころを教えてください。
田村 今回はキュアソウル/月宮爽々奈(演・森田桐矢)とキュアカグラ/天弦晃雅(演・寺坂頼我)がメインになるお話で、二人の過去やプリキュアになった経緯などが明らかになる予定です。詳しくは舞台を観ていただきたいですが、どんな人でもなりたい自分になっていいんだよというメッセージ性が込められている作品です。
滝澤 観終わった後、お客様が「自分も新しいことに挑戦したいな」と思える舞台になっているんじゃないかな。ダンスってジャンルによっていろんなルーツがあるのですが、ほさかようさんの脚本はそれがうまく物語に落とし込まれているんです。例えば昔は女性がメインで踊っていたようなダンスも、時代が変われば踊る人も変わるとか。そういう中で、キャラクターたちがそれぞれの思いを持ってそれぞれのジャンルのダンスに取り組んでいる姿は、お客様に勇気や希望を与えるはずです。
田村 僕たちプリキュアが中心となって、年齢、性別関係なくいろんな人に希望を与えるところは前作と変わらないです!
ーーお二人が演じるキュアトップ/星河楽とキュアロック/夏目颯斗の見どころは?
田村 そうですねぇ…。どこまでならネタバレにならないかな?「学生ならではの◯◯◯がある」とかは言ってもいいですか?(笑)
滝澤 具体的な話をすると、伏字だらけのインタビューになっちゃいそう(笑)。なんにせよ、今回は爽々奈と晃雅がメインなので、僕ら二人と舞人は癒し系というか。メインの二人をうまくサポートできたらいいなと思っています。あとは台本を読んだ時に、すごく「第二弾」って感じがしたんですよ。
田村 めっちゃ分かる!
滝澤 前作を経て、ほさかさんが各キャラクターのいいところをどんどん掘り下げてくれているように感じて。ほさかさんって、僕らがキャラクターを作り上げる積み重ねの過程までしっかり見ていてくれたんだなと感じました。それは皆さんも、見てくださったら分かると思います。
ーープリキュア5人は前作から続投となりますが、ここにいない3人も含めて、5人のチームワークはどんな感じですか?
滝澤 皆、基本的にはキャラクターに近い性格をしていると思います。寺坂頼我を除いて(笑)。晃雅先輩は僕らがふざけていたら喝を入れてくれるけど、頼我は混ざってくるので。ツッコミはいないかもしれないですね。
田村 ツッコミは諒ちゃんがやってくれてるじゃん。
滝澤 そうかも。あとは(森田)桐矢くんが、ツッコミというか「はい、もう終わり」みたいな感じで強制終了してくれます(笑)。
田村 チームワークという点でいうと、「頑張って仲良くしよう」みたいな雰囲気はないです。いい意味でフラットな状態で作品と向き合えてるし。それぞれが好きな時にアップして、好きな時に練習して、それをお互いが受け入れている雰囲気がありますね。気兼ねなく付き合える関係です。
滝澤 あとは柔軟な考えを持った人が多いですね。「俺は絶対にこう!」って人がいない。
田村 確かに!それ、すごいことだね。
滝澤 うん、僕もすごく好きな人間関係の作り方です。自分の考えをしっかり持つのも大事なんだけど、周りの人の考えも自分の中に落とし込めるというか。例えば升吾くんも、お芝居のキャリアはすごくある人なのに、僕に「ここのダンス、初めてやるんだけど教えてくれない?」って言ってくれる。本人は当たり前のようにやってるけど、それって頼られる側も嬉しいじゃないですか。そういう雰囲気がカンパニー全体にあるので、皆で作品を作ってるんだなって感じがします。
ーー今作は「自分らしさとは何か」というのがキーワードだそうですが、お二人は普段、何をしている時が一番「自分らしくいられるな」と感じますか?
田村・滝澤 自分らしさ…。
田村 自分らしさってなんだろう?改めて聞かれると、言語化するのって難しいですね。
滝澤 昨日、2〜3年ぶりに親戚のおじいちゃんの家に遊びに行ったんですよ。そこで家族や親戚と喋っている時、自分がすごく素でいられるなって感じました。別に、普段の仕事の時も取り繕っているつもりはなかったんですけど、どこかひとつスイッチが入っていたのかなと気づいて。なので自分らしさというか、一番素でいられるのは、僕は家族といる時ですね。
田村 確かに。普段、繕って生きてるのかなぁ。
滝澤 でも、それも大事だけどね。繕うこともある程度は必要だよ。
田村 まあね。好きなことだけやって生きていけるなら、それが一番幸せだよな…。
滝澤 ちょっと、空気が重くなってきてるよ! このままじゃインタビュー終われないから(笑)。
田村 ごめんごめん(笑)。でも、それこそ楽たちは好きなことに全力で取り組んでいて凄いよね。大人になると、どうしても好きなことだけじゃ生きていけないなと思う瞬間ってあるじゃないですか。だから、そういう楽たちを演じるのって、やっぱり相当なエネルギーが必要だなと改めて思います。
滝澤 うんうん。
田村 自分を押し殺して人に合わせたり仕事に合わせたりする方がラクなこともあるじゃないですか。でも楽たちはそれをしない。自分らしい、自分が好きだと思うことをやっていて、それはすごく強いパワーがありますよね。そのパワーを舞台上から放って、それがお客様の目に輝きとして映ればいいなって、今「自分らしさ」について考える中で思いました。
滝澤 そうだね。じゃあ、升吾くんの「自分らしさ」についてはまだ考え中ってことかな?
田村 うーん。分からないよ〜。
滝澤 でも、ゲーム好きだったりするじゃん。ゲームやってる時は「自分らしいな」って思わない?
田村 好きだけど。そもそも普段生きてて、無理はしてないと思うんですよ。人に嫌われるのとかも怖くないし。だから今の自分がそのまま自分らしいのかな?と思うんですけど、これも実は本当の俺じゃないのかも…。
滝澤 ええ⁉︎(笑)
田村 考えていくうちに分からなくなってきました。今の俺も自分らしいよ!とか思ってたけど、それは本当か?って疑い始めてきました、自分を…。
ーーすみません、難しい問いかけをしてしまって。
滝澤 いや、こちらこそ気を使わせてすみません(笑)。
田村 作品を演じながら探してみます!
ーーもう一つお二人自身のことについてお伺いしたいです。お二人が演じる楽と颯斗は高校2年生という設定ですが、お二人が高校2年生の時はどんな高校生でしたか?
田村 僕はちょうど高校生くらいの時に芸能活動を始めたんですが、当時通っていた高校が芸能活動禁止の学校だったんですよ。芸能活動OKの学校に転学したんですけど、このまま高校を続けるのか、芸能を本格的にやっていくのか、すごく悩んでいた時期でしたね。
滝澤 僕の高校時代は、とにかく寝て起きては食べ…。
田村 何言ってんの?ペットみたいな生活?(笑)
滝澤 なんか、とにかく眠かったんだよ(笑)。僕が通ってた高校が、駅から徒歩15分くらいのところにあったんですけど、学校までの道が全部坂道だったんです。僕は毎朝、チャイムが鳴る5分前くらいに駅に着いていたので、そこから猛ダッシュで一限セーフ、みたいな。で、走ると眠くなる。お昼休みはダンス仲間と学食に集まって、唐揚げ丼とか食べながらダンスの動画とか見てたんですけど、お腹いっぱい食べるとまた眠くなるし…みたいな。
田村 高校生らしいな〜(笑)。
滝澤 僕らは部活じゃなくて同好会だったので、練習スペースもなくて。放課後は柔道場の横にある狭いスペースに全身鏡を無理やり何個もくっつけて並べて、「鏡と鏡の境目で立ち位置がわかんねえよ」とか言いながら、楽しくダンスしてました。
田村 いいな。なんか、学生!って感じだね。
滝澤 そうそう。色々ぶつくさ言うことはあったんだけど、総じて楽しかったなって。そういう高校時代でしたね。
ーーありがとうございました。最後に、舞台を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします!
滝澤 前作あっての今回の第二弾だと思うので、本当に前作を見守ってくださったみなさんにはありがとうございますという気持ちです。また、前回気になったけどタイミングが合わなくて観に行けなかったという方も、ぜひ来ていただけたら嬉しいです。個人的には、観終わった後にお客さんに「自分もダンスをやってみたいな」と思わせたい、と言う密かな目論見もあります。そのくらい熱量を込めて作品を作っていきますので、楽しみにお待ちください。
田村 第二弾と銘打ってやりますが、諒ちゃんも言った通り、第二弾から見ても十分、物語や作品が伝えたいテーマを感じ取っていただけると思います。もちろん前作を観たからこその面白さもありますし、今回観てみて、面白かったからDVDで前作も見てみよう!っていう入り方でもいいですし。誰も置いて行かないつもりで、この作品を観た全員が、ダンスっていいな、プリキュアっていいなって思えるような作品にしますので、ぜひ楽しみにしていてください!
取材・文:井上明日香/写真:ケイヒカル
公演概要
『Dancing☆Starプリキュア』The Stage2
原作 東堂いづみ
スーパーバイザー 鷲尾 天(東映アニメーション)
キャラクターデザイン 川村敏江
脚本・演出 ほさかよう
テーマソング 作詞 こだまさおり 作曲 楠瀬拓哉
音楽 Elements Garden
振付 YOKO(HIGH-ENERGY)
殺陣 六本木康弘(ジャパンアクションエンタープライズ)
美術 乘峯雅寛
照明 鈴木健司(ルポ)
音響 高橋秀雄 水木さやか(アントラクト)
映像 森すみれ
衣裳 摩耶
ヘアメイク AKi
特殊造形 平野雅史
演出助手 千田阿紗子
舞台監督 DDR
宣伝美術 LT Graph
ロゴデザイン 栗原高明
グッズデザイン 樋口敬太
宣伝写真 大柳玲於
制作進行 杉田智彦(アズプロジェクト)
出演
キュアトップ/星河 楽 役 田村升吾
キュアロック/夏目颯斗 役 滝澤 諒
キュアソウル/月宮爽々奈 役 森田桐矢
キュアカグラ/天弦晃雅 役 寺坂頼我
キュアブレイク/黒瀬舞人 役 小辻 庵
パドドゥ 役 和合真一
姫沼のばら 役 鳳翔 大
音切百合夜 役 安藤夢叶
音切 眠 役 梶田拓希
天弦総一郎 役 川久保拓司
【ステラダンサーズ】
大澤信児、壁、川北和郁、Daikichi、安久真修、KESO、HARUYOSHI、平井颯太
<日程・劇場>
【TOKYO】2025年2月15日(土) 〜 2月23日(日) シアターH
【KYOTO】2025年3月1日(土) 〜 3月2日(日) 京都劇場
<チケット料金> 全席指定 12,000円(税込)
<チケット>
■一般発売 2025/1/11(土)12:00~
https://l-tike.com/precure_stage-2
【チケットに関するお問い合わせ】ローソンチケット https://l-tike.com/contact/
【公演に関するお問い合わせ】
マーベラス ユーザーサポート https://www.marv.jp/support/st/
主催 Dancing☆StarプリキュアThe Stage製作委員会