【インタビュー】「ROCK MUSICAL BLEACH」~Arrancar the Final~インタビュー(藍染惣右介 役 井澤勇貴 様)

2025年2月8日より東京・大阪で上演する「ROCK MUSICAL BLEACH」~Arrancar the Final~。こちらの公演に先駆けて、藍染惣右介を演じる井澤勇貴様にインタビューを実施した。ブリミュ、原作「BLEACH」にかける想いを語っていただいた。

――前作、「ROCK MUSICAL BLEACH」~Arrancar the Beginning~の出演が決まった時の心境を教えてください。
井澤:僕はもともと「BLEACH」が大好きで、昔からよく色々なシーンを真似してたくらいなので、出演出来ることがシンプルにものすごく嬉しかったです。その中でも藍染惣右介という数々の名言を残している、「BLEACH」を一度でも読んだことのある人ならその名言をみんな知っている、というようなキャラクターなので、「あのセリフを公式に言えるんだ」って思いました(笑)
――原作を読んでいた当時、藍染惣右介に対する気持ちはどうでした?
井澤:「勝てない」って思っていました。
連載当時、僕は、主人公の黒崎一護目線で読んでいて、仲間を助けるために強敵と戦っていく一護に感情移入していたんです。
だからこそ、藍染に対しては「強すぎる、どうやったら倒せるんだろう」って。絶対的な強者だと当時から認識していました。
読んでいて物語が進んでいくと、きっと最後に一護と戦うんだろうなって分かるじゃないですか、だから逆に、それまで誰にも一太刀も浴びせられないでほしいって気持ちがありました。
立ち位置的に、絶対的な強者としてあってほしくて、一護が成長して倒すまでは本気の力を出さずにいてほしい、という気持ちでした。
――後篇「ROCK MUSICAL BLEACH」~Arrancar the Final~も同役で続投されますが、どういった心境でしょうか?
井澤:「Arrancar the Final」の方が、強者として立ち回れると思います。前篇ではまだ戦っていないし、どちらかというと客席に向かって喋ることが多かったんです。実際、そこの難しさはありましたね。「強者」の感じをどうやって出すんだろうって。
――これまで演じられた役と比べて難しい役でしたか?
井澤:ありがたいことに、強いキャラクターを演じさせて頂くことが多いんですけど、飄々と軽い動きをしているけどすごく強い、というキャラクターのことが多いんです。
ですけど、藍染はもう真逆で、言葉も多くなく、動きも少ない。それこそ、手を掲げて喋る……その手すら不要なのかなって思ってしまうほど。周りの人が反応をして、動いてくれることで場面が作れるっていうイメージを持っていたので……だから「強さ」ってどうすれば表現できるんだろうって悩みました。

――前回、藍染惣右介を演じてみて楽しかったことや難しかったこと、キャラクターにまつわるエピソードを教えてください。
井澤:楽しいことは後篇の方が圧倒的に多いだろうなって思っていますけど。
普段、仲の良い役者さん、慕っている役者さんを虫けらみたいに見ることはなかなか無いので、役者としてやりがいがありました。
前篇では、十刃(エスパーダ)の中で(兼役以外だと)ウルキオラやグリムジョーが戦ってくれたんで、それを舞台の高いところから見るという優越感はありましたね。
あとは色々と難しい言葉を言うので、台本を覚える時は大変だったんですけど、段々口なじみが良くなってきて面白かったです。
――後篇でもまたそのようなセリフはあるんでしょうか?
井澤:僕、前篇の時は役回り的に状況説明をいっぱいするんだろうなって公演中に思っていたんです。でも、違うな、後篇の方がいっぱい喋るぞって気づいて。
たとえば起こっている事象に対して、他のキャラクターが戸惑っている時に、藍染が説明をするシーンがすごくあります。
一護にも喋るし、浦原喜助や山本元柳斎重國、京楽春水にも。日番谷にも喋りますね。
――大変な未来が待っていますね。
井澤:そうなんですよ、本当に大変!
でも楽しみです。僕にとって2025年の1発目の舞台でもありますし、こういう試練みたいなものがないと、上に行ける感じもしないんです。これはもう、藍染からの試練だと思ってます。
藍染惣右介を演じるということはそういうことだって言われているんだと思います。

――前篇の話に戻ります。ご自身の役以外で、特に印象深かったエピソードなどありますか?
井澤:一角の卍解シーンですね、稽古場で初めて見た時、本当にカッコ良くてみんなで叫んで盛り上がってました。
衣裳付き通し稽古の時はさらにテンションが上がって「うわーっ!」てなりました。自分が出演者じゃなくてお客さんとして観に行ったら、声出ちゃうなって。
あとはグリムジョーが最初に空座町に攻め込んでくるシーン。背景に青い月がバンッってあって、グリムジョーの植原卓也君が部下を呼び寄せて行くぞって歌に入っていくシーン。男から見てもカッコよかったです。
――今回「ROCK MUSICAL BLEACH」~Arrancar the Finalで、登場する十刃のメンバーも増えますが、どう思っていますか?
井澤:仲間が増えてる感じで嬉しいですよ。
あと、いちファンとして、クオリティ高くキャラクターが存在してくれるっていうのは嬉しく思います。

――藍染惣右介の他に、このキャラクターをやってみたいというキャラクターはいますか?
井澤:もしもやれるなら……浦原喜助ですかね。
カッコイイですよね。過去篇もあるし、千年血戦篇でも活躍するし。
あと、京楽さんが好きなんですよ。……いや、もう全員好きだな(笑)。
――藍染惣右介も色々な姿がありますが、これが好きだなってありますか?
井澤:虚圏(ウェコムンド)に行った後の、服装、髪型が好きです。最初からその姿じゃなくて、
尸魂界篇の最後で変わるじゃないですか、あのインパクトですよね。あれを経て、髪型とかも好きになりました。

――藍染惣右介の他に、原作「BLEACH」の中で好きなキャラクターを教えてください。
井澤:グリムジョー・ジャガージャック。
あんなにキャラクターと名前が一致するキャラクターいますか?
久保帯人先生のネーミングセンスは抜群だと思います
名前だけじゃなくて、たとえばですけど……ノイトラの帰刃(レスレクシオン)が「祈れ『聖哭螳螂(サンタテレサ)』」、ウルキオラだったら「鎖せ『黒翼大魔(ムルシエラゴ)」とか! ハリベルは「討て『皇鮫后(ティブロン)』」ですよ、もう、言葉のセンスがカッコ良すぎます。
――キャラクターも魅力的ですが、斬魄刀も魅力的だと思います。お好きな斬魄刀はありますか?
井澤:うわー(頭を抱えて悩む)。
読んでいた当時は(朽⽊⽩哉の)『千本桜』ですね。カッコイイ、あれはもう。
――あれは当時、勝てるわけないと思いましたね。
井澤:本当に。何度練習したことか。刀から手を離して戦うなんて。
あとは……破面篇だと市丸ギンの卍解「神殺鎗」ですね。
長さが13キロメートル、なにそれ? って思いましたもん。しかもそれが、本質ではなく、その伸縮速度がすごい。と、思っていたら、さらに真の能力があって……いや、どれも好きで選べないですね(笑)。
――2024年も色々とご活躍されたと思いますが、2024年を振り返るとどんな1年でしたか。
井澤:年を重ねるごとに舞台上の物理的な位置が上に行くなっていうのがあって、たとえば、「ブリミュ」でいうと藍染で、その前にやった『ワールドトリガー the Stage』だと太刀川だったり、あとはミュージカル『新テニスの王子様』だと越前リョーガであったり、絶対的な強さというものが魅力的となるキャラクターを演じてきたなっていう印象があります。
それは、僕を選んでくださった方々に感謝ですし、何より今までやってきたことの何か一つでも目に止まっていたのかなって風に思っているので、これまで自分を信じてやってきて良かったなって思いました。
藍染しかり、リョーガしかり、最後に戦うっていうハードルが相当高くなるんですけど、そういう意識をもたらしてくれた1年でした。
――最後に、楽しみにしているファンの方々にメッセージをお願いいたします。
井澤:8年ぶりにブリミュを上演し、破面篇を前後篇の二部作で舞台化しています。上演時間の都合上、どうしても描き切れないエピソードはありますが、なかったことにはなっていなくて、全てのエピソードを踏まえた物語を、全ての役者・スタッフが真剣に作っています。
前篇よりもさらに良いものを作らなければいけないと思いますが、お客様を一人でも置いてけぼりにしないように、しっかりと稽古しています。なにより藍染が戦うので、緊張せず余裕の気持ちで観ていただきたいです(笑)。

取材・文:木皿儀/写真:ケイヒカル
公演概要
「ROCK MUSICAL BLEACH」~Arrancar the Final~
上演期間・劇場
【東京】2025 年 2 月 8 日(土)~2 月 24 日(月・休) 天王洲 銀河劇場
【大阪】2025 年 3 月 1 日(土)~3 月 9 日(日) COOL JAPAN PARK OSAKA WW ホール
原作 久保帯人「BLEACH」(集英社 ジャンプコミックス刊
脚本・演出 児玉明子
音楽 兼松 衆
出演
黒崎一護:木原瑠生
井上織姫:佐當友莉亜
茶渡泰⻁:チャンヘ
⽯⽥⾬⻯:佐藤永典
平子真子:山﨑晶吾
猿柿ひよ里:中野美優
浦原喜助:根本正勝
山本元柳斎重國:平川和宏
京楽春⽔:山⼝⾺木也
砕蜂:齋藤千夏
朽木白哉(浮竹十四郎):山本一慶
阿散井恋次:宇野結也
檜佐木修兵:大友 海
日番谷冬獅郎:松岡拳紀介
松本乱菊:美麗
更木剣八(狛村左陣):岡本悠紀
斑目一角:川﨑優作
朽木ルキア:⽥野優花
内⽥未来 亀井照三 白崎誠也 ⽥邊 謙
細川晃弘 松川大祐 宮川 連 望月 凜 師富永奈
ウルキオラ・シファー:百名ヒロキ
コヨーテ・スターク:唐橋 充
ティア・ハリベル(卯ノ花 烈):護 あさな
市丸ギン:秋沢健太朗
東仙 要:藤⽥浩太朗
藍染惣右介:井澤勇貴
主催 RMBLEACH 製作委員会 2024(ネルケプランニング/ぴえろ/集英社/テレビ東京/電通)
チケット料金 S席12,000円/A席9,800円(全席指定/税込)
チケット一般発売 2025年1月11日(土)10:00~
▼公式サイト
https://www.rmbleach.com/
▼公式 X(Twitter)
@RM_BLEACH2024