【インタビュー】俳優・吉野俊矢「舞台版「ハイキュー!!」“山口 忠”としてキャラクターへの理解、稽古場での出来事、俳優としての素顔を語る

2025年5月17日より上演される、劇団「ハイキュー!!」最新作『〝出逢い〟』。これまで多くのファンに愛され続けてきた舞台版「ハイキュー!!」の世界に、今回も再び“山口 忠”として登場するのが、俳優・吉野俊矢さん。2023年公演からの続投となる吉野さんに、キャラクターへの理解や演じるうえでの工夫、稽古場でのエピソード、そして俳優としての素顔について語っていただきました。

――2023年に続き、劇団「ハイキュー!!」への続投が決まったときのお気持ちは？

とにかく嬉しい気持ちでいっぱいでした。前作に続いて、また大好きな山口くんを演じられることに、感謝しかありませんでした。

――山口 忠というキャラクターを、どのように捉えていますか？ また、演じる上で意識していることは？

山口くんは、本当に努力家で仲間思いな人だと思います。前回はツッキー（※月島 蛍）にべったりという感じだったんですが、今回は少し時間も経っていて、山口くん自身の成長した姿を見せたいです。

烏野高校の1年生の中で、山口くんだけがレギュラーになれていない。でも「試合に出たい」「チームの一員になりたい」という気持ちから、少しずつ独り立ちしていくんですよね。今作では、先輩との関係も大事にしながら、そんな山口くんの成長をしっかりと演じられるように頑張っています。

――演出の須賀さんとは、稽古中どんな関わりがありますか？

須賀さんには本当にお世話になっています。すごく優しくて、温かい方なんです。「わからないことがあったら、何でもすぐに聞いていいよ」と言ってくださって。実際に質問すると、いつもとても丁寧に、優しく教えてくださるんです。

――ご自身と山口くんの“似ているところ”“違うところ”は？

自分で言うのもアレなんですけど…（笑）、努力家なところは似てると思います。僕、負けず嫌いなんですよ。学生時代は「絶対負けたくない！」っていう思いで、3年間ずっと学年1位を取り続けました。ちょっと自慢っぽくなっちゃってすみません（笑）。

実は違うところって、あんまり見つからないんです。山口くんって内気でシャイで、ちょっと恥ずかしがり屋な性格だと思いますが、そこもけっこう似ているなと感じています。

――努力を続けられる秘訣ってありますか？

とにかく一位が好きなんですよ（笑）。そのために夜通し勉強して、朝5時まで頑張ったこともあります。負けず嫌いって、ある意味自分のエネルギー源かもしれません。

――稽古が始まって2週間。キャストの皆さんとの雰囲気は？

皆さん本当に優しくて、温かい方たちばかりです。僕は舞台経験がまだ浅くて、最初は右も左もわからない状態でしたが、須賀さんをはじめ、みなさんが本当に丁寧に接してくださって。安心して稽古に取り組めています。

――印象に残っているエピソードはありますか？

振り返ってみると全部が印象的なんですが…特に烏野高校の1年生たちは本当に仲が良くて、いつも一緒にいます。お昼ごはんを一緒に食べたり、ゲームの話をしたり。役としてだけでなく、人としてもすごくいい関係が築けていて、楽しい時間が多いです。

――本番に向けて、いま一番楽しみにしていることは？

とにかく早くお客様に届けたいです！今回も須賀さんが演出してくださっているんですが、『ヤバい』くらい素敵で楽しい作品に仕上がっていて。本当にワクワクしています。皆さんに観ていただける日が待ち遠しいです。

――俳優を目指すようになったきっかけを教えてください。

もともとは歌をやっていて、小学6年生の時に事務所に入ったのがきっかけで、初めて演技に触れました。そこで演じることの楽しさを知って、俳優を目指すようになりました。

――理想とする俳優像や、これから挑戦してみたいことは？

主演を務めてみたいですし、作品の主題歌も担当してみたいですね。映像系にもどんどん挑戦していきたいと思っています。僕自身は不良っぽくはないんですけど（笑）、だからこそ不良役とか、普段の自分とまったく違う役に挑戦してみたいです。

――最後に、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。

大好きな「ハイキュー!!」という作品に関われて、本当に光栄です。そして須賀さんが演出してくださる今回の舞台も、キャスト・スタッフ全員が一致団結して作り上げています。素敵な作品になっていると思いますので、ぜひ楽しみにしていてください！

取材・文：水川ひかる／写真：ケイヒカル