【インタビュー】『PERSONA3 Lunation the Act』主演・汐見彼方役 梅津瑞樹インタビュー

多くのファンに愛され続ける『ペルソナ3』が、新規キャスト・構成を迎えて再び舞台化!
「主人公が月光館学園にやってきてから、エンディングまで」を数公演に分けて描いていく、舞台「the ACT」シリーズ第1弾──『PERSONA3 Lunation the Act』が、2025年7月6日(日)~7月13日(日)まで、東京ドームシティ「シアターGロッソ」にて上演されます。
主人公を演じるのは、確かな演技力と繊細な表現で観客を魅了する梅津瑞樹さん。メディアクトでは原作ゲームをリアルタイムでプレイしていたという梅津さんに、作品への思い、演じるうえでの心構えなどを伺いました。

・出演が決まった際の気持ちをお聞かせください。
原作ゲームを当時ものすごく遊んでいたので、その世界観に自分の身を通して浸れることがとても嬉しかったです。プレイヤーとしてゲームの世界に入り込むのと、お芝居としてその世界に飛び込むのはまったく別の体験で、それができるのは役者として本当に貴重なことだと感じました。
作品に参加する際は普段は予習として原作を触れることが多いんですが、今回はもともと心から好きだった作品。そんな作品に出演できるなんて、本当にあるんだな、と驚きました。
・『ペルソナ3』の魅力はどんなところだと思いますか?
当時は子どもだったので、自然と自己投影してプレイしていました。32歳になった今、改めて見ると、子どもたちが頑張っている姿がとてもまぶしく映るんです。僕は精神的にはまだまだ未熟なんですけど、この年になると、自転車に乗って走っている子どもを見るだけでこみ上げてくるものがある。そんな感覚に近いかもしれません。
自分にはなかったような青春の1ページを、ゲームを通して疑似体験させてもらえるようなところも魅力のひとつだと思っています。

・プレイヤーによって主人公像が変わる中で、どんな印象を持っていますか?また、役作りで大事にしたいポイントは?
『ペルソナ3』の主人公は、クールで寡黙なビジュアルという印象があります。無感情に見えるキャラクター性というか、1作目の雰囲気にも少し近い感じがするんですよね。
でも実際にプレイしてみると、選択肢によってはノリのいい行動を取ったり、ごく普通の学生らしい振る舞いもしたりするんです。プレイヤーが自己投影をしやすくするために幅広い選択肢が用意されているというメタ的な理由もあると思いますが、それも含めてクールなだけじゃない主人公像が作れるのかな、と。そういった点も楽しみにしています。
・今作ならではの挑戦や、楽しみにしていることはありますか?
もうすぐ動けなくなる年齢なので(笑)。今は言ってもまだ「いや、俺は動けるぞ」と思ってはいるんですが、あと5年もすれば本当に厳しくなるという予感があるんです。だから今のうちに、しっかり動こうと思っています。
今回はミュージカルではないので、『PERSONA3 the Weird Masquerade』と差別化の意味でもアクションや殺陣に力を入れたいです。キレのあるアクションをぜひお見せしたいですね。

・ビジュアルが公開された時には、大きな反響がありました。ご自身でビジュアルを見た感想はいかがですか?
主人公の扮装をした自分の姿には、自分でも驚きや新鮮さがありました。今回の舞台は『ペルソナ3 リロード』がベースなので、僕の中にあった旧作のイメージと少し差があったのが正直なところです。
初代の主人公はどこか細身で面長な印象がありましたが、リロード版は目がキラキラしていて爽やか、少し童顔にも見える。ウィッグもその雰囲気に寄せていますし、僕自身の見た目も相まって、リロードの主人公ともまた少し違った存在になっている気がします。強いて言えば、初期とリロードを足して2…いや、5で割ったくらいでしょうか(笑)。
・今作に挑戦するうえでの心構えや、観客に届けたい想いはありますか?
僕の中では、青春の終わりがこの物語の終点なのかなと感じています。子ども時代の終わり、巣立ちの瞬間というか…。大人と子どもの中間にいる年齢の、心の揺れ動きや脆さ、柔らかさ。そういったものが、32歳の僕たちからも垣間見えるような表現ができればと思っています。
そこが瑞々しく描けたなら、物語の中で誰かが「その先」に進んでいく瞬間が、きっと大きな感動につながるんじゃないかなと。ちゃんと“青春”したいですね。

・共演キャストの皆さんについて、現時点での印象や、楽しみにしていることを教えてください。
どうしても武子直輝くんの話になってしまうんですが…(笑)。彼とは別の作品で初めて会って、その後すぐにまた共演して、それをきっかけに仲良くなりました。
その後はなかなか共演の機会がなかったんですが、プライベートでは今でもよく会っています。実は僕、友達ってあまり多くないんです(笑)。そんな数少ない大切な友人と、数年越しに同じ舞台に立てるのは、役者としても友人としてもすごく嬉しいです。
・もしご自身に“ペルソナ”があったら、どんな姿や能力が欲しいですか?
ペルソナって神話や逸話がモチーフになっているものが多いので、どれを選んでも烏滸がましくて「いやいや自分なんかが」って感じにはなっちゃいますよね(笑)。
使えたら楽しそうだなと思うのは、獣っぽいタイプ。ゲーム内ではカタカナでしゃべったりして、可愛いんですよね。人型のペルソナって「我は〇〇…!」みたいに偉そうにしゃべるんですが、切羽詰まったときにそんなふうに出てこられると、ちょっとイラっとするかもしれない(笑)。一緒に頑張ってくれる、相棒みたいな獣タイプがいいなと思います。
・最後に、今作への意気込みや、楽しみにしているファンの方々へのメッセージをお願いします。
まだまだ、僕自身の中でも想像の域を出ていないというのが正直なところです。この舞台がどんな形に構築されていくのか、楽しみでもあり、怖さも半分あります。
自分が心から愛してきた作品ですし、おそらく僕以上に深く愛してきた方々が劇場に足を運んでくださると思います。『ペルソナ3』をまったく知らない方々にも、僕たちの演技を通して作品の魅力を感じていただけたら嬉しいです。
個人的には、たくさん殺陣をやりたいですね。ペルソナや敵を成立させるためには、僕たちができることとしてアクションが非常に重要だと思っています。そこがしっかりしていないと全体が薄っぺらくなってしまうので、全力で取り組んでいきたいです。
〈衣装クレジット〉· CULLNI (03-6416-1056)
取材・文:水川ひかる/写真:ケイヒカル
<公演概要>
『PERSONA3 Lunation the Act』
原作:「ペルソナ3」(アトラス)
演出:キムラ真(ナイスコンプレックス)
脚本:神楽澤小虎(MAG.net)
主催:株式会社 Lol
日 程 2025年7月6日(日)~13日(日)
劇 場 シアターGロッソ
キャスト 汐見彼方:梅津瑞樹
岳羽ゆかり:大西桃香、伊織順平:武子直輝、桐条美鶴:太田夢莉、真田明彦:前川優希、山岸風花:船戸ゆり絵、幾月修司:瀬戸祐介、
ファルロス:中西智也
Performer:磯優貴乃、川代峻平、木下桜、翔悟、冨永尚毅、中村深月、本田真子、渡邉和輝(五十音順)
スタッフ 原作:『ペルソナ3』(アトラス)
演出:キムラ真(ナイスコンプレックス)、脚本:神楽澤小虎(MAG.net)、
音楽:目黒将司、アトラスサウンドチーム/桑原まこ、
マイム:いいむろなおき、振付:IYO-P、アクション:栗田政明
<公式HP>https://www.lol-w.com/p3l_act
<公式X>https://x.com/p3l_act
<お問い合わせ>info@lol-w.com
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