【インタビュー】「相当熱い夏になると思います」小辻 庵&酒寄楓太 ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs氷帝

7月6日(日)、Kanadevia Hall(旧TOKYO DOME CITY HALL)を皮切りに、ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs氷帝が開幕する。本作は2021年7月に始まった『テニミュ4thシーズン』の7作目。


メディアクトでは、公演に先立ち、氷帝学園の向日岳人を演じる小辻 庵と日吉 若を演じる酒寄楓太にインタビューを実施。公演や役に対する思いなどを語ってもらった。
――昨年ドリライ(※)がありましたが、本公演だと約2年ぶりに役を演じることになると思います。それぞれ、最初に演じられた関東大会 氷帝公演の時に、向日、日吉に対して抱いていた印象と、今抱いている印象を教えてください。
(※)2024年5月25日~6月2日にかけて開催されたミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン Dream Live 2024~Memorial Match~
小辻 庵(向日岳人役):最初は、岳人くんは生意気な感じのキャラクターだな、という印象でした。関東大会のときは、仲間に対して熱い想いを持っているな、と思いながら演じていました。今は、全国大会に行けて、「自分達が勝たないといけない」という思いがより強くなり、最初の生意気さが少し抜けたように思います。仲間に対して、先輩としてかっこいいことをたくさん言うようになったな、と感じています。
酒寄楓太(日吉 若役):日吉だけではないのですが、氷帝のみんなは少しドライな部分があるな、という印象でした。
一番最初は、周りにも対戦相手にも興味ないのかな、と思っていたのですが、日吉を自分の中に落としていくことをしていくうちに、どんどん跡部さんに対しての気持ちや、下剋上したい、超えたいという気持ち、2年生同士でも負けたくない、1年生にも負けたくないという気持ちがみえてきて、勝負ごとに関して、内なるものが強いんだな、という気持ちで演じるようになりました。
あまり感情を外には出さないのですが、全国大会の時には、内に秘めているものが色々と表情に出てくるので、意外と感情が昂りやすいタイプなのかもしれないな、という印象に変わってきています。

――関東大会と今回の全国大会とで、役を演じるうえで何か変わったことや、逆に変わらずに大事にしていることなどがあれば、教えてください。
小辻:変わったことは、ベンチワークなどのメインではないところで、他のキャラクターとの関係性を演じやすくなったことです。
関東大会の時はみんなと初めましてで、例えば、栗ちゃん(樺地崇弘役 栗原 樹)は年上なんですけど、役では僕が年上の設定なので、ベンチワークでの言葉遣いは少し躊躇っていました。今はそういう躊躇いが無くなって、ベンチワークだけに限らず応援などでも岳人君らしさを表現するようにしています。
酒寄:変わったことはあまりないと思います。役を演じるうえでというより、自分として大事にしていることになりますが、テニミュが初舞台だったので、最初に教えてもらった色々なことや、がむしゃらにやること、真面目にコツコツやることは大事にしています。
――お二人の初対面のお互いの印象と、今の印象を教えてください。
酒寄:見た目とか、緊張してそうだけど言葉の節々から感じられた生意気さから、若いな、スカしてるな、と思っていました(笑)。
今まで自分が一番年下のことが多かったのですが、庵が自分より年下だったので、どんな人なんだろう、と思っていて、会ってみたらめちゃくちゃ物静かだったのですが、多分人見知りだろうな、猫を被ってるんだろうな、と思っていました。実際そうでした!(笑)
小辻:楓太も一緒です。最初めちゃくちゃ静かでした。番手順に並ぶと楓太と席が遠くて、どう話しかけたらいいんだろう、仲良くできるのかな、と思っていました。
どこかから仲良くなったんですよね。仲良くなったきっかけは・・・あ、輝琉くん(青学(せいがく)11代目越前リョーマ役 今牧輝琉)かな?
酒寄:輝琉と僕は対戦相手で歳も近くて、一緒にいる時間も多くかったので、輝琉を介して仲良くなったような気がします。青学(せいがく)11代目の加藤勝郎役の戸塚世那くんも一緒に、4人で遊びに行ったりもしましたね。
――今回から氷帝の部長・跡部を石川志泉(いしかわしせ)さんが演じます。氷帝のチーム全体としての空気や雰囲気はいかがですか?
小辻:志泉は結構ほわほわしてます。志泉は氷帝のなかで一番年下で、氷帝が可愛くなったような気がします。漫画の関東大会と全国大会の違いくらいの空気感の違いがあるように思います。
酒寄:中学生らしさが増したのかな。でも志泉はめちゃくちゃ跡部です。
小辻:熱いよね。
――今回の氷帝の魅力を一つ上げるとしたら、何になりますか?
小辻:がむしゃらで熱いところです。関東大会のときと比べて、キャラクター一人一人ががむしゃらさみたいな想いを強く持っていて、すごく良いな、と思います。
前は、強い人を演じないといけない、かっこよく、静かな感じでいないといけない、という気持ちがあったのですが、今は人の試合を見ていて泣きそうになるくらい熱い想いを感じます。
酒寄:いい意味で余裕が出てきたところです。庵と同じになってしまうのですが、関東大会の時は氷帝でいないと、負けちゃいけない、強くなきゃいけない、と思っていました。でも、関東大会での敗北を経験して、下から挑戦していくというがむしゃらさ、でも強い、という余裕が出てきたのかな、と思います。
あとポテンシャルが高いです。みんなダンスができます。ベースがしっかりできている人が多いと思います。


――新しい青学(せいがく)に対する印象や、青学(せいがく)の好きなところを教えてください。
酒寄:もちろんプロとしてお仕事はしっかりしているし、努力もたくさんしているし、ダンスも歌もできる人達だなという印象ですが、初々しさもあって可愛いなと思います。
小辻:フレッシュだよね。
酒寄:うん。僕らが初めて『テニミュ』に出たときを思い出して懐かしいというか・・・僕らも先輩達から見たらほぼ変わらないんだろうとは思いますが、僕らなりに、可愛いなと思います。
小辻:あと、努力家が多いイメージがあります。稽古中も時間があればみんなで集まって話したり、自主練をしたりしていて、そういうところが好きです。偉そうに聞こえてしまうかもしれませんが、みんな努力家で良いな、と思います。
この前、青学(せいがく)と氷帝みんなでラケットトスの練習をしたとき、僕達は本公演で何十回もやっているので大分安定していたのですが、青学(せいがく)のみんなは最初の頃の僕達をみているような感じでした。
酒寄:正直、あまりうまくなかったよね(笑)。
小辻:言葉を選ばずに言うとね(笑)。 それで氷帝が青学(せいがく)一人一人にマンツーマンで教える時間があって、僕は乾役の世良大雅くんにラケットトスを教えました。ずっと教えてもらう側だったので、先輩になったというか、不思議な感じがしたよね。
前までは追いつかないと!という思いが大きかったのですが、教える側になることで、先輩としての焦りも生まれてきました。
逆に氷帝みんなラケットトス上手いよね?
酒寄:上手い!本当に上手い。栗ちゃんが一番上手い。


――今回対戦相手となる乾役の世良大雅さん、海堂役の渡邊 樹さんの印象を教えてください。
酒寄:二人ともすごく真面目で、特に大雅くんは群を抜いて真面目だなという印象です。まっすぐな印象。
樹は何でもできるんですけど、可愛い(笑)。 僕が稽古に合流したときには既にセリフが完璧で、真面目で、まっすぐで、精一杯やる感じが良いなと思います。
小辻:大雅くんは、お芝居でも稽古場の空間を自分のものにすることができるんですよね。アドリブで面白いことを言うんですけど、その場が大雅くんの空間になります。
酒寄:僕が『テニミュ』初めての時はアドリブとか全然できなかったんですけど、大雅くんはこれが2作目なのにすごいな、と思いました。人生経験の差を見せつけられました。
小辻:樹は結構ボケてくる。面白いです。


――稽古で特に苦労しているポイントや、力を入れているポイントを教えてください。
小辻:関東大会のときは、各々で自主練をすることが多かったように記憶してるんですが、今、「前こんなにやってたっけ?」と思うくらい、稽古後にチーム全体で自主練をしています。
酒寄:関東大会の時は僕も一人で自主練をしていましたが、今はチーム全体での自主練が多くなって、全国みんなで頑張ろう、という雰囲気に繋がっているように思います。
――自主練はどなたが声をかけることが多いですか?
小辻:特に誰からというか、自然とみんなでやり始める雰囲気です。でも志泉とか栗ちゃんが言ってくれますね。あと稜之くん(忍足侑士役 草地稜之)すごいんですよ。
大体稽古の1時間前くらいに来て、ずーっと練習してます。本当に毎日やってます。
酒寄:関東大会の千穐楽が終わったときも練習してました。
――全国大会 青学(せいがく)vs氷帝で一番好きなシーンや、特に注目してほしいシーンを教えてください。
小辻:今の稽古段階でいうと、D(ダブルス)1(大石・菊丸vs宍戸・鳳)が熱いです。稽古でも泣きそうになりました。黄金(ゴールデン)ペアもすごく良いんですけど、氷帝側としては雄士(宍戸 亮役 広井雄士)くんと陸くん(鳳 長太郎役 明石 陸)に注目してしまいます。二人のお芝居が、曲も相まってすごく良くて、演じている僕たちからしても実際に漫画を見ているような感じがします。俺達も頑張らないといけないな、という焦りも出てきます。
日吉とのダブルスもすごく楽しみです。日吉が向日に対して「まだ諦めんじゃねぇ」というところがすごく好きです。二人とも勝ちに対して貪欲で、全然喋らなかった日吉がそういう発言をするのが、自分自身にも刺さりますし、好きだなと思います。
酒寄:関東大会で目の前の対戦相手のことすら見えていなくて、舐めてかかって負けてしまいましたが、全国大会ではダブルスのペアのことも見られるようになって、先輩後輩の関係を忘れて「まだ諦めんじゃねぇ」と言えるようになるくらいの成長をしています。ダブルスを組んでいる時点で進化していると思いますが、日吉が熱くなれるものを跡部さん以外に見つけられたんだな、と感じました。そういうというところが好きです。
小辻:あと、全部の試合、最後までどっちが勝つのかわからないライブ感が出ていると思います。その感じもすごく好きです。

――最後に、公演を楽しみにしているファンの方へのメッセージをお願いします。
酒寄:関東大会を経て、心も実力も共に強くなった氷帝学園を、またみんなと演じられるのがすごく楽しみです。相当熱い夏になると思いますので、楽しみに待っていただけると嬉しいです。劇場にてお待ちしております。
小辻:お客様にも変わったなと思ってもらえるように、今すごく稽古を頑張っていますし、『テニミュ』あっという間だったなと思ってもらえるくらい、魅力たっぷりな楽しい公演にしたいな、と思っています。劇場でお待ちしております。
取材・文:大崎みき/写真:ケイヒカル












ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 全国大会 青学vs氷帝 公演概要
タイトル ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 全国大会 青学vs氷帝
原 作 許斐 剛『テニスの王子様』(集英社 ジャンプ コミックス刊)
脚本・作詞・演出 三浦 香
音 楽 坂部 剛/Yu (vague)/大石憲一郎
振 付 遠山晶司(梅棒)/YOU
主 催 東京・大阪公演:テニミュ製作委員会
岐阜公演:中京テレビ放送
福岡公演:福岡放送
共 催 岐阜公演:公益財団法人 土岐市文化振興事業団
協 賛 ファミリーマート
出 演
<青学(せいがく)>
越前リョーマ役:竹内雄大、手塚国光役:寺田友哉、大石秀一郎役:藤本力翔
不二周助役:橋本勇大、乾 貞治役:世良大雅、菊丸英二役:長嶺龍汰
河村 隆役:坂上翔麻、桃城 武役:有岡歩斗、海堂 薫役:渡邊 樹
堀尾聡史役:大山蓮斗、加藤勝郎役:加藤央睦、水野カツオ役:中川湊斗
<氷帝>
跡部景吾役:石川志泉、忍足侑士役:草地稜之、宍戸 亮役:広井雄士
向日岳人役:小辻 庵、芥川慈郎役:横山賀三、滝 萩之介役:中田凌多
樺地崇弘役:栗原 樹、鳳 長太郎役:明石 陸、日吉 若役:酒寄楓
<立海>
幸村精市役:潮見洸太、真田弦一郎役:速川大弥
丸井ブン太役:白金倫太郎、ジャッカル桑原役:大村征弥
<比嘉>
木手永四郎役:二階堂 心、甲斐裕次郎役:益川和久、平古場 凛役:桜井 一
<テニミュボーイズ>
中川月碧、原田悠希、吉村空我
公演日程
東京公演 2025年7月6日(日)~7月13日(日) Kanadevia Hall(旧TOKYO DOME CITY HALL)
※諸般の事情により東京公演の初日を変更させていただきます。
大阪公演 2025年7月19日(土)~7月27日(日) SkyシアターMBS
岐阜公演 2025年8月1日(金)~8月3日(日) 土岐市文化プラザ サンホール
福岡公演 2025年8月15日(金)~8月17日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
東京凱旋公演 2025年8月23日(土)~8月31日(日) 日本青年館ホール
チケット料金 7,800円(全席指定/税込み)
一般発売日 2025年6月1日(日) 10:00~
チケット取扱い イープラス/チケットぴあ/ローソンチケット
お問合せ ネルケプランニング https://www.nelke.co.jp/contact/
公式サイト https://www.tennimu.com/
テニミュ・モバイル https://sp.tennimu.jp/
©許斐 剛/集英社・テニミュ製作委員会