【インタビュー】高橋健介「拝啓、皆さまへ」朗読劇「三島由紀夫レター教室」にちなみ送るファンへの手紙

10月7日(火)、東京・紀伊國屋ホールにてVISIONARY READING 「三島由紀夫レター教室」が開幕する。本作は、5人の登場人物が交わす手紙で進んでいくストーリー。声優キャストの回と俳優キャストの回に分かれ、全11公演が“一期一会”のマルチキャストでの上演となる。
メディアクトでは、10月9日(木)19:00の回に出演する高橋健介にインタビューを実施。朗読劇への向き合い方や手紙に対する思いの他、本作のモチーフにちなみ、ファンへのメッセージを“手紙の朗読”として言葉でつづってもらった。


――はじめに、本作へ出演のお話が来た時のお気持ちを聞かせてください。
あまり多くの小説を読んでこなかった僕でも名前を聞いたことのある三島由紀夫作品か! でした。それから、6月にコント公演「混頓vol.6」でお仕事をさせていただいたAOI Pro.さんに、今回またお声をかけていただいたのもとてもありがたく、うれしかったです。どんな朗読劇になっていくのか今から楽しみです。
――脚本を読んだ感想はいかがですか?
純粋におもしろかったです。手紙のやり取りで話が進んでいく作品なので、舞台上で登場人物同士の言葉のやり取りがないんですよね。そのため、テンポ感はどうなるのだろう? と思ったのですが脚本を読んだところその心配はなさそうですし、しっかりと話が成り立っている。キャストの皆さんとどうつないでいくかが今から楽しみですし、この作品を読んではじめに僕が感じたことを皆さまにお伝えするにはどうしたらいいかな、と考えているところです。

――本作はさまざまなキャストの組み合わせでおこなわれ、高橋さんのご出演は10月9日(木)19時回のみという、ご自身にとってもお客さまにとっても一期一会の公演となります。役作りや作品への向き合い方、稽古の仕方など、普段の舞台作品との違いを教えてください。
公演ごとにキャストさんが変わるマルチキャストでの朗読劇は、ここ最近ビジネスモデルとしてかなり多いですね。僕のチームは“俳優チーム”となっていますが、お笑いの溜口佑太朗さん(ラブレターズ)、中野周平さん(蛙亭)もいらっしゃるので、どうなるのかな…? 今から稽古が楽しみです。
役作りの面では、舞台では、細かい動きの面でも役を理解していないといけないので、例えばバイオリニストの役を演じるにあたってはバイオリンを弾く動作を身につける必要があります。朗読劇でもそこまでできればベストかもしれませんが、重要なのは声のお芝居なので、動作よりも声や解釈の方が優先度高いです。視覚の情報よりも聴覚、ですね。舞台では、例えば怒りのお芝居では、セリフが聞き取りづらいほどの怒鳴り声であっても、表情や動きなどで補完してシーンを成立させることができます。でも朗読劇では、動きよりも、より丁寧に言葉を発して情報をお伝えできるようにというのを意識しています。

――本作にちなみ「手紙」についてお聞きしていきます。本作の公式サイトでもコメントされているように、昨今はお手紙を書く機会が減りましたね。
そうですね、僕自身も手紙を書くことは今ほとんどないです。大学を卒業してから、文字を書く機会自体が減りましたし…。でもありがたいことに、舞台の途中や終わってから感想のお手紙をいただいたり、誕生日などのイベントのときにお手紙をいただく機会は多いです。夏の暑中見舞いや絵葉書などもありますし、海外の方からわざわざ日本語でお手紙をいただくこともあります。それと同時に、ファンサイトのメッセージ機能で言葉を送っていただくことも多いです。送ってくださる皆さまも、リアルタイムでさっと送れるので、お手紙よりも気楽なのかもしれませんね。
それから、ヒーローとして被災地やあちこちを回ったときなどには、お子さんから似顔絵やお手紙をいただくことも多くて、たくさんの手紙と一緒に家のレターボックスにしまってあります。たったひとことであっても、長い文章でたくさん思いをつづっていただいたものも、それからWEBでのメッセージも、どれも僕にとっては大事なものです。長さや形式は気にせずに、気軽にお手紙やメッセージを寄せていただけたらうれしいです。
――本作で演じられる“炎タケル”は、演出を勉強中の役者です。演出に興味はありますか?
いや、まったく!(笑)お芝居の演出よりも、相談されてのアドバイスや、プロデュースの方がいいです。
――そういえば以前、ヒーローショーをプロデュースしたいとおっしゃっていましたね。
そうですね、それは変わらず。僕がヒーローショーをプロデュースすることで、ヒーローものの従来のファンの方々だけではなく、普段ヒーローショーを見ていない方々にも興味を持っていただけるのではないかな、と。そうなれば、もっとヒーローショーを見てくださる方の層が広がりますしね。とはいえ、何のイベントでもそうですが、僕ひとりの力で実現できるわけではありません。周りの方々をはじめ、たくさんの皆さまのお力があってこそ実現できるものです。でもいつか実現できたら…と願っています。

――最後に、本作にちなんでお手紙形式でファンの皆さんへメッセージをお願いします。
手紙ですか?(笑) そうですね…。
拝啓
いつも僕のことを応援してくださっている皆さま。そして、このインタビュー記事を読んで僕を知ってくださった皆さまへ。あらためまして、高橋健介です。僕は毎日楽しく日々を送っております。
そんな僕が、役者として皆さまに何かお届けできるように毎日模索している中で、今回は「三島由紀夫レター教室」という作品に出させていただくことになりました。“手紙”というものに向き合える作品です。
皆さまも人生の中で、楽しいことやつらいこと、いろいろなことがあると思います。けれども、この作品をご覧になることで、皆さまの人生が少しでも前向きになったり、悩んでいたことが解消されて新しい一歩を踏み出せたりする助けになれたら、と思います。
そして、ご覧になった後は、ご感想をお手紙やメッセージなどで送っていただけましたら幸いです(笑)。では、劇場でお待ちしております! 敬具
取材/文:広瀬有希・写真:ケイヒカル
■公演概要
VISIONARY READING『三島由紀夫レター教室』
原作:三島由紀夫『三島由紀夫レター教室』
脚本・演出:大和田悟史
上演日時・出演:
・10月7日(火)19:00
下屋則子 井上和彦 野中ここな 狩野翔 山口智広
・10月8日(水)13:00
美弥るりか 溜口佑太朗(ラブレターズ) 北野瑠華 田中雅功(Sakurashimeji) 中野周平(蛙亭)
・10月8日(水)19:00
中村繪里子 吉野裕行 佐々木琴子 比留間俊哉 益山武明
・10月9日(木)13:00
小沢真珠 川久保拓司 太田夢莉 田中雅功(Sakurashimeji) 森もり(破壊ありがとう)
・10月9日(木)19:00
小沢真珠 溜口佑太朗(ラブレターズ) 太田夢莉 高橋健介 中野周平(蛙亭)
・10月10日(金)13:00
小沢真珠 新木宏典 小栗有以(AKB48) 樋口裕太 三瓶
・10月10日(金)19:00
阿澄佳奈 岸尾だいすけ 月音こな 重松千晴 中澤まさとも
・10月11日(土)13:00
下田麻美 川田紳司 礒部花凜 畠中祐 増元拓也
・10月11日(土)19:00
椎名へきる 三宅健太 鬼頭明里 寺島惇太 山中真尋
・10月12日(日)12:30
井上麻里奈 神尾晋一郎 土屋李央 市川蒼 石谷春貴
・10月12日(日)18:00
井上麻里奈 高橋広樹 小泉萌香 土田玲央 小林竜之
[ナレーション] 津⽥健次郎
会場:紀伊國屋ホール
公式サイト:https://aoi-stage.jp/mishima_letter/
公式X(旧Twitter):@mishima_letter



