【インタビュー】初演から10周年となる節目の公演『デスノート THE MUSICAL』Lというキャラクターへの想いを綴る(L役・三浦宏規)

インタビュー

11月24日より公演が開始された『デスノート THE MUSICAL』。東京・東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)ほかで上演される。
マンガ「DEATH NOTE」(集英社)を原作とした本作は、演出:栗山民也、作曲:フランク・ワイルドホーンによるミュージカル。2015年の初演後、2017年、2020年と再演を重ね、韓国やイギリスでも上演された人気作だ。今年は初演から10周年となる節目の公演となる。

メディアクトでは、この上演に対してL役の三浦宏規にインタビューを実施。この新たなキャストで演じられる本作に対しての想いを聞いた。

――本作に出演が決まった時の気持ちを教えていただけますか?

三浦:そうですね、ずっとやりたかった作品で、初演から拝見していたので、すごく嬉しかったです。

――原作の『DEATH NOTE』の好きなところ、作品についての印象などを教えてもらえますか?

三浦:この作品をどう受け取るかによって、読む人や観る人によって色々な意見が分かれると思います。漫画原作なので、漫画としての面白さもありながら、ミュージカルになったことによってそれだけじゃなく、すごく演劇的に面白い作品だなとか感じます。
もちろんキラとLの頭脳戦という部分が見どころにあるのは間違いないですし、ミサとレムの関係とか、月と父親の関係とかもとてもしっかりしたストーリーになっています。

これらの群像劇というか、民衆の使い方というのがすごく面白いなと思ったんです。キラって冷静に考えたら絶対に悪なんですけど、だけど本当に「彼は悪なのかな」ってちゃんと考えさせられるんですよね、漫画を読んでいてもミュージカルを観ても。一部の民衆たちはそっちについていこうとする人もいて、個人の揺れ動きだけではなく、社会全体が動いているという内容が僕がすごく普遍的だと思いますし、そこがこの『DEATH NOTE』の面白さなんじゃないかな? って思っています。

――今回、演じるLというキャラクターの印象を教えてもらえますか?

三浦:印象……。天才、猫背、天才型……これですかね。

――そんなLに対して、ご自身と似ているところであったり、尊敬できるところだったり、もしくは真逆だと思うところなど、ご自身との対比を教えてもらえますか?

三浦:似ているところはないと思います。

すごく特徴的なキャラクターで、出自も明らかになっていなくて、ワタリが作った孤児院出身というくらい。
それぐらいの設定だけで、どこで生まれたかといったことなどは明らかになっていないことが多いんです。

でも、自身のやるべきことや信念みたいなものはすごく強く持っているし、そこに行き着くために手段は問わない。そういったやり方には共感は持てないけど、Lがやることは理解できるし、そこが月と似ているところなんですよね。自分の正義に向かっていく姿がすごいと思います。

あと、不健康そうですよね。まともな食事を摂ってなさそうで、心配にはなりますね。自分とはやっぱり違うと思います(笑)。

――逆に、ライバルとなる夜神月に対する印象なども教えていただけますか?

三浦:原作の中ではLが月のことを「友達」と呼ぶシーンがあるんですけど、あれは本心で、いやもちろん挑発的な意味もあるとは思うんですけど、本当にそうなった世界線もある気もしています。

僕は月のことを普通の人間だと思っていないんですよ。

普通の高校生がデスノートを拾ったことによって、キラとして人を裁く姿になっていってしまったという見方もあるかもしれないけど、そもそもそうじゃなく潜在的なものがやはりおかしかったんだと思います。
頭が良すぎるが故に全ての物事を俯瞰して、達観して見ている。それだけに自身が置かれている状況へのフラストレーションによって、異常な責任感、異常なまでの執着心などが普通じゃないと思います。

ただ、それはLも同じなんですよ。普通じゃない人間同士。分かり合えないんですよ、普通の人とはあまり。賢すぎて共感できる人はいないんですけど、人の考えていることが全て読めてしまう。
裏の裏まで読み解くことができるくらいの頭脳を持っているからこそ、生きづらい。それくらい頭が切れる者同士が間近に現れた時、実際には敵として現れているから戦うことになりますが、ライバル的な意識が生まれていく。出会い方が違ったらいい友達になれそうですよね。

――全編を通して、演じるのが楽しみなシーンはありますか?

三浦:楽しみなシーン……テニスをするシーンがあるんですけど、やるんだ! と。
原作では面白く、そして大事なシーンです。「急にテニス漫画になった」って、当時読んでた時も思いました。
それくらい印象的なシーンだし、それを実際に曲に乗せてテニスしながら歌うというのは、演劇的にも面白いような気もして……テニスは得意なんで。いや、実際のテニスは得意じゃないです。テニスする振りは得意なんで(笑)。

――楽しみにしています(笑)
今回、夜神月はダブルキャストになっていますが、お二人の印象などはございますでしょうか?

三浦:やはり二人とも本当にちゃんとしっかりしてます。
自分の考えとか自分のシーンとか、自分が魅せたい表現っていうのが明白で、それを表現してどんどん追求していく姿っていうのはすごく刺激をもらいます。
やっぱり貴重な同年代だし、年下なんて信じられないですけど、それぐらいしっかりしてるから、この作品ではライバルとしてやってるけど、また別の世界線の作品とかでも一緒になれたらいいなと思います。

――稽古も始まってると思いますが、現場の雰囲気などはいかがでしょうか?

三浦:和気藹々としていますよ。
テーマがテーマなのですが、その割には意外と稽古場内ではしっかりとコミュニケーションを皆さんで取って、笑い声も出ています。
だけどシーンごとにメリハリがすごく効いた稽古だと思うし、浦井さん(浦井健治)や今井さん(今井清隆)がムードメーカー的な立ち位置で和ませてくれています。そこに、めぐさん(濱田めぐみ)がどしっと聖母のように見守っている。

皆さんのようにしっかりやらなければならない、というような関係になっているので、良い稽古場だと思います。

――他のキャスト、キャラクターで面白いシーンなどがあれば教えてください。

三浦:そうですね。浦井さんとめぐさんの二人の死神ナンバーとか今日も発表会で披露されていましたけど、面白いです。実際、お二人は初演で、夜神月とレムで一緒に対峙されていたので、今は死神同士で対峙しているということが面白い。
なんか浦井さんのリュークって場をかき乱してかき乱して、それをめぐさんのレムがそっと後ろから見ているみたいな構図が、怖さもあるんだけど可愛さもあるというか、そこに怖さと面白さと美しさが同調しているのはお二人の技術を感じますね。
あとは、ミサのナンバーも急に画面が変わるので面白いです。鞘師さん(鞘師里保)もダンスが得意だったり、これまでの公演とも振付が違うらしくて、そこも見どころの一つだと思います。急なダンスということもこの作品において、大事なポイントだと思います。

――最後に、この公演を楽しみにしているファンの皆様にコメントをお願いします。

三浦:この『デスノート THE MUSICAL』も10周年を迎えたということで、節目である記念すべきタイミングで、自分がLとして参加できることを非常に光栄に思っております。
初演や前回から出ていらっしゃるキャストの方々、そして役を変えて出演される方や、そして我々のように新しく入るキャストが加わり、新しい融合反応が生まれて、新しい『デスノート THE MUSICAL』が生まれたらいいなと思っていますし、僕自身すごくやってみたかった役なので、楽しみにしています。
自信を持ってお届けできるようになるまで、稽古に励みたいと思っているので、ぜひ劇場に会いに来てください!

――ありがとうございました。

取材・文:木皿儀/写真:ケイヒカル

■公演概要
『デスノート THE MUSICAL』

原作:「DEATH NOTE」(原作:大場つぐみ 作画:小畑健 集英社 ジャンプコミックス)
脚本:アイヴァン・メンチェル
作曲:フランク・ワイルドホーン
歌詞:ジャック・マーフィー
翻訳:徐賀世子
訳詞:高橋亜子
演出:栗山民也

日程:
2025年11月24日(月・振休)~12月14日(日)
 東京都 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
2025年12月20日(土)〜23日(火)
 大阪府 SkyシアターMBS
2026年1月10日(土)~12日(月・祝)
 愛知県 愛知県芸術劇場 大ホール
2026年1月17日(土)・18日(日)
 福岡県 福岡市民ホール 大ホール
2026年1月24日(土)・25日(日)
 岡山県 岡山芸術創造劇場ハレノワ 大劇場

キャスト:
夜神月:加藤清史郎 / 渡邉蒼
L:三浦宏規
弥海砂:鞘師里保
夜神粧裕:リコ (HUNNY BEE)
死神レム:濱田めぐみ
死神リューク:浦井健治
夜神総一郎:今井清隆
俵和也 / 石丸椎菜 / 岩橋大 / 大谷紗蘭 / 小形さくら / 尾崎豪 / 上篠駿 / 川口大地 / 神田恭兵 / 咲良 / 田中真由 / 寺町有美子 / 照井裕隆 / 藤田宏樹 / 増山航平 / 町屋美咲 / 松永トモカ / 望月凜 / 森下結音 / 安福毅 / 德岡明 (スウィング) / 森内翔大 (スウィング)

公式HP:https://horipro-stage.jp/stage/deathnote2025/

©大場つぐみ・小畑健/集英社