【インタビュー】まったく新しい舞台「エクストリーム・シチュエーションコメディ(kcal)」に体当たりで挑む 小越勇輝が語る舞台『汗が目に入っただけ』の面白さ

インタビュー

エクストリーム・シチュエーションコメディ(kcal)『汗が目に入っただけ』が4月3日(金)からスタートする。本作は、死んで霊となった母親と、残された家族を描く抱腹絶倒の“お葬式コメディ”。物語の本筋とは別に、役者が劇中にカロリー消費を競い合うという異色の舞台だ。

今回は、次男・森井翔を演じる小越勇輝にインタビューを実施。舞台の見どころや意気込みについて語ってもらった。(取材は3月下旬)

──本番初日まであと2週間ほどとなりました。今、稽古はどんな段階ですか?

今は脚本・演出の冨坂友さんを中心にみんなで「ここ、こうした方がもっと面白くなりますかね?」みたいな意見交換をする時間がすごく多くて、稽古の序盤の方をずっと続けている感覚です。だからなのか、いい意味で緊張感を持たずに稽古できています。

──今作は「エクストリーム・シチュエーションコメディ(kcal)」と冠されていますが、これはどういう舞台なのでしょうか?

僕たち出演者は『汗が目に入っただけ』という物語に出てくる登場人物を演じながら、役者としてカロリーを稼がなければならないという設定なんです。スポーツの試合のような感じで、物語の合間にハーフタイムが入って、「この役者がここまでの芝居で稼いだカロリーはこのくらいです!」という中間発表もあって……みたいな。なので稽古も、最初は『汗が目に入っただけ』のお芝居をつけていたんですけど、後半からはハーフタイムの稽古が始まって、2作同時に稽古しているみたいな感覚です。

──斬新な設定で、面白そうです。

演劇だからこそできる作品だと思います。物語自体も、登場人物の掛け合いやテンポ感が面白いんですが、そことカロリーの部分のバランスをどう見せていくかが難しくて、試行錯誤している段階です。みんな、カロリーの部分に入った瞬間に表現が大きくなるので、そこから物語に戻ると「あれ?どんな表現で演じてたっけ?」みたいに、自分の芝居を忘れかけちゃうんですよ(笑)。ただでさえ舞台って、稽古中よりも本番の方がいろんな発見があって、表現が大きくなってしまいがちなので、暴走しすぎないように冷静な目線も持っておくことが大事なのかなと思っています。

──その感覚もスポーツっぽいですね。試合に熱中はするけど、俯瞰でも見ておかないといけない、みたいな。

確かに。僕は演じる役柄的にも周りを冷静に見て外からツッコむような人物なので、基本的には登場人物の中でバランサーに徹して、ここぞというところで目立っていきたいです。

──役についてもう少し詳しく教えていただきたいのですが、今回演じる森井翔はどういうキャラクターですか?

森井家の次男で、DJとかカメラマンとかバックパッカーとか、いろんなことをちょっとずつやってフラフラしているような人物です。でもただフラフラしているだけではなく、人間として中身もしっかり描かれているところが、冨坂さんの作品ならではだなと思います。森井家の末っ子として、お兄ちゃんやお姉ちゃんの様子も見ながら、うまく立ち回ろうとしている感じもありますね。

──ご自身と似ているなと感じる部分もありますか?

周りの様子を冷静に見ているところは似ていると思います。あとは、複数のことを同時にできないところ。お葬式のやり方でお兄ちゃんとお姉ちゃんが揉めているけど、翔は仕事でトラブルがあってそれどころじゃない、みたいな展開があるのですが、僕も何かひとつやるべきことがあったら他のことが手につかなくなってしまうタイプなんです。

──最近、ひとつのことに集中してしまった具体的なエピソードはありますか?

電車に乗っているときにスマホで調べ物に夢中になって、気づいたら降りるべき駅を乗り過ごしていたとかは全然ありますね(笑)。何か作業しながら人の話を聞いたりするのも苦手です。でも、スイッチの切り替えはできる方かもしれないです。例えば最近、テレビでWBCの試合を観ていたんですが、試合中は試合に集中して、CMになったら台本を読んで……とかやっていました。

──集中力が凄いってことですね。また今回、脚本・演出を務める冨坂さんとは2023年の『SHINE SHOW!』ぶりにご一緒されると思いますが、いかがですか?

前回の経験があったからこそ、今回も脚本を読んですぐ雰囲気を掴めました。また、前回は冨坂さんは脚本だけだったので、そこまでしっかりお話する機会もなかったのですが、今回は演出も担当されていて。「このツッコミはもう少し止まってから言ったほうが効く」とか、冨坂さんならではの演出をつけてくださるので、ありがたいです。僕自身が面白い人間ではないので、明確に「こうしたら面白くなる」という道筋を示されると安心します。

──共演者の方とのエピソードも教えてください。

西野創人さんはお兄ちゃんと弟という役の関係もあり、意外に年齢もそんなに離れていなくて、仲良くなって「そう兄」と呼ばせていただいてます。お笑いをずっとやっている方だから、間とかテンポとか笑いの見せ方が俳優にないやり方で、すごく面白いです。他の共演者の皆さんもとてもクリエイティブだし、個性豊かで、ある意味、異種格闘技というか。今までいろんな場所でいろんな表現をやってきた方々が集まってコメディをやるというのは、すごく面白いことだと思います。

──ちなみに、小越さんご自身はコメディやお笑いを見るのは好きですか?

はい、R-1グランプリみたいな賞レースを見るのも、バラエティ番組も好きです。自分が面白いかどうかは別ですけど……(笑)。

──先ほども「自分は面白くない」と言ってましたが、見るのとやるのとではやはり違いますか?

そうですね、自分の芝居に活かそうと思って見ているわけではなく、あくまで受け手として楽しんでいるので。あと、それこそ西野さんも言っていたんですが、漫才やコントって長くても15分くらいですが、舞台は2時間くらいあるわけで。その中でコメディをやるのは、お笑いとはまた違った難しさがあるんだろうなと思います。2時間ずっと笑いっぱなしだとお客さんも疲れちゃうし、バランスが大事なのかなと思います。

──ちなみに、小越さんはこれまで映像作品にも多数出演されていますが、映像のコメディと舞台のコメディも、違いはありますか?

あると思います。映像だと画面に映っている限られた画角の中で表現しないといけないけど、舞台は使える場所も広いので、やれることは多いかもしれないです。お客さんの反応も味方にできますし。あとは、映像のほうがよりリアルな感じがありますよね。舞台だと思い切れる瞬間も多いので、日常でそんな動きしなくない?みたいな動きが生まれたりとか、そういう瞬間もありますね。

──ありがとうございました。最後に、舞台を楽しみにしているファンの皆様へメッセージをお願いします。

い意味で何も考えず、カジュアルに観てもらえる作品だと思うので、気軽に観にきて「演劇って面白いな」と思ってもらいたいです。共演者の皆さんも豪華で、鈴木保奈美さんが、蘭寿とむさんが、こんなに全力で面白いことをやってくれるの!?みたいな驚きもあると思います。僕ももちろん体を張って全力で演じているので、笑ってもらえたら嬉しいです。

取材・文:井上明日香/写真:ケイヒカル

■公演概要
エクストリーム・シチュエーションコメディ(kcal)
『汗が目に入っただけ』

脚本・演出
冨坂友


出演

鈴木保奈美

足立梨花

小越勇輝

前田友里子

斉藤コータ

榎並夕起

津和野諒

中田顕史郎

古谷蓮

伊藤圭太

淺越岳人

鹿島ゆきこ

西野創人(コロコロチキチキペッパーズ)

蘭寿とむ

田中要次


公演日程

東京公演
2026年4月3日
〜4月19日
IMM THEATER

広島公演
2026年4月22日 19:00
2026年4月23日 13:00
上野学園ホール

大阪公演
2026年5月2日
13:00/17:00
2026年5月3日
12:00/16:00
梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

富山公演
2026年5月16日 17:00
2026年5月17日 13:00
砺波市文化会館 大ホール

山形公演
2026年5月23日 18:00
2026年5月24日 13:00
やまぎん県民ホール


チケット

東京公演
11,000円(全席指定・税込)

広島公演
S席 11,000円
A席 8,500円

大阪公演
11,000円

富山公演
10,000円
U-25席 6,500円

山形公演
S席 9,800円
A席 8,000円
U-18 4,000円


制作
アガリスクエンターテイメント

主催
フジテレビジョン
LIVE FORWARD
アガリスクエンターテイメント
サンライズプロモーション大阪 ほか


公式HP
https://www.asegameni.jp/

公式X
https://x.com/asegameni