【インタビュー】武子直輝×佐奈宏紀、最強バディが時空を超えて事件に挑む「時光代理人」対談インタビュー

インタビュー

「時光代理人-LINK CLICK- Game of Rules」THE MUSICAL が、6月18日(木)から東京・IMM THEATERにて上演される。

原作は、2021年4月よりbilibili動画にて配信されたオリジナルアニメーション『時光代理人 -LINK CLICK-』。中国でのドラマ化、舞台化、そして日本でのアニメ放送など、国境を越えて多彩な展開を見せる人気作が、日本では初の舞台化となる。

メディアクトでは、本作でトキ/程小時(チョン・シャオシー)を演じる武子直輝、ヒカル/陸光(ルー・グアン)を演じる佐奈宏紀に対談インタビューを実施。原作の印象や役柄について、上演に向けて楽しみなことや意気込みなどを聞いた。

——原作の印象や、ご出演が決まったときのご感想を教えてください。

武子直輝(以下、武子):『時光代理人』は以前から気になっていた作品で、出演のお話をいただいてすぐにアニメの1話を見始めました。気づいたら、その日のうちにノンストップで2期の最終話まで見終えてしまっていて、「なんて面白い作品なんだろう」と感銘を受けました。キャラクターのビジュアルもかっこいいし、トキとヒカルの関係性にもグッと来るものがあり、「このストーリーをぜひやりたい(演じたい)」と。出演させていただけることを、改めて嬉しく感じました。

原作については「タイムリープするお話」とだけ認識していて、1話の始まり方もわりとコミカルな雰囲気だったので、スタイリッシュながらもハッピーエンドを目指してほのぼのと進む作品なのかな……と想像していたんです。でも1話のラストで衝撃の展開があり、「え、これどうなっちゃうの?」とびっくりして。良い意味で、第一印象を見事に打ち砕かれましたね。

挿入歌やBGMも素敵で、アニメの雰囲気やストーリーとマッチしていて、何度も泣かされました。一筋縄では行かせてくれないハラハラ感と、音楽との相乗効果で、ものすごく壮大なドラマを感じることができて、完全にのめり込んでしまいました。

佐奈宏紀(以下、佐奈):僕も、出演のお話をきっかけにアニメを全話一気見しました。全体で見れば壮大なSF、でも実際に展開していることは身近な単位でのヒューマンドラマ。日常の感覚のままお話を受け止められる作品で、舞台という表現媒体にもすごくマッチしそうだと思いました。登場人物それぞれの抱えているものが少しずつ紐解かれていくところが好きで、ヒカルを演じるにあたっては、そうした「人間と人間とのやり取り」をうまく表現したいな、と考えながら見ていましたね。

個人的には、久々に武子くんとがっつり絡むお芝居ができるのも楽しみです! さらになんと、脚本・演出の鄭光誠さんは、僕が初めて出演した舞台で演出助手を務められていた方なんですよ。

武子:そうなの!?

佐奈:そうなのよ。初舞台の当時は17歳で右も左も分からず、必死に目の前のことをこなしていた僕ですが、10年以上の時を経た姿を見せて「成長したな」と思ってほしくて。そんな思いもあり、今作のオファーに「ぜひお願いします!」とお返事しました。

——本作は、「写真の中にダイブして、過去の世界に介入できる」という設定を軸に、さまざまなエピソードが展開されていきます。この設定やストーリー全体について、どんなふうに感じられますか?

佐奈:見れば見るほど味が出てくる作品ですね。アニメを全話見た後、もう一度はじめに戻ると、また新鮮な驚きと納得感を味わえます。最初のうちは頭の中で設定がこんがらがってしまって、「制限時間がこうで、視点がこうだから……」とぐるぐるしてしまったり、「もっと別の写真にダイブできたらどうなるの?」と想像が広がったりしてしまい、ストーリーに置いていかれそうになることもありました。でもその分、原作のレビューや考察を見るのも楽しかったですし、複雑な設定がちゃんと物語のキーになっている点もすごく面白いです。

ネタバレにならないよう詳細は避けますが、アニメは衝撃の連続でした。「ヒカルをどう演じようか」と考えながら最新話まで見終えましたが、ますます「どう演じようか!?」と頭を抱えてしまっています。途中まで組み立てていた演技プランやイメージは、いったん全部手放しました。その上で「最初からストーリー全体を見越した役作りをすべきか、それとも……」と悩んでいる真っ最中です。その辺りは演出の鄭さんと話し合いながら、稽古の中で探っていけたらと思っています。

武子:僕は「過去に戻れる」という設定の物語が好きで、映画やドラマを、邦画でも洋画でもたくさん見ます。なので、この作品についても一発で「好きな作品だ」と思い、夢中で見てしまったわけですが……タイムリープに付随するジレンマについては、原作のトキを通していろいろ考えさせられました。

過去の世界の出来事に対して、本来起こり得ない干渉をすると、思いもよらない結果を招くこともある。トキの場合、それが分かっていてもなお、自分の感情に従って動くことがあります。感情を冷静にコントロールできないのは彼の優しさの現れだし、場合によっては「優しさ」という感情が強すぎるからだと思うんです。

そんなトキの行動を見ながら、最初のうちは共感して「自分も同じ行動を取るだろうな、なんならもっと露骨に過去に干渉してしまうかも」と思っていたんです。でも、ストーリーが進んだ先で価値観をひっくり返される瞬間があり、「自分だったらどうするか?」を本気で悩んでしまいました。

何が起こるか分からない、他の登場人物から見たら最悪の結果になるかもしれない。でも、トキの目線から見れば悪いことばかりではないのかもしれない……。トキの理屈や感情も痛いほど分かるし、いろいろな視点から考え込んでしまって。今も答えは出ないままですね。

——なるほど。同じ場面でも、トキ目線とヒカル目線で全く異なる世界が見えそうですね。

武子:そうですね。もしかしたら、「それぞれが何を目的として動いているのか」に注目していただけると、何度観ても新鮮な発見をしていただけるかもしれません。

——今作、ご自身の役柄を演じる上で「とくに楽しみな点」と「難しそうだと感じる点」はどこですか?

武子:楽しみなのは、トキを通して「トキ以外の人物」もたくさん演じられることです。トキは写真の撮影者の意識に入り込むので、今回はトキでありながら、別の人物も演じる場面がたくさんあるんです。役者としては、そうした形で色々な役を演じられることがすごく楽しみですね。

アニメのトキは、過去の世界では完全に別のキャラクターの顔と声になるので、「舞台でこれをどう表現するんだろう? というか、俺の出番無かったらどうしよう?」とちょっと不安にもなりましたが(笑)、そこは鄭さんが上手に味付けしてくださいました。とはいえ、特殊なスタイルには変わりないと思うので、他のキャストさんとしっかり連携していきたいです。

難しそうだと感じるのは、その状況下でトキの感情の起伏をどのように演じていくか、という点です。たとえば「恋をした」という感情を演じるとして、通常であれば演じている人物が「ドキドキする」「これが恋だ」と感じているところをダイレクトに見せるわけですが、トキが別の人物に入り込んでいるタイミングでどちらかが「恋をした」場合、どう表現するのが良いのかなと。

佐奈:たしかに、難しそう……。

武子:シンプルな会話劇なら、向き合っている相手と一緒に盛り上げていけるけれど、「写真の撮影者」という別の人物・別のキャストを挟むことで、舞台上での表現も大きく変わるはず。その状態で、どうシンクロして、どんなふうに感情を盛り上げていけるかという点は、今回の大きな課題かなと感じています。

——ありがとうございます。佐奈さんはいかがですか?

佐奈:僕が一番楽しみなのは、トキ、ヒカル、そしてリン(演:小泉萌香)の3人での会話シーンです。作品としてはサスペンスの部分が肝になると思いますが、シリアスじゃないシーンの会話も原作の醍醐味でしたし、お芝居の楽しみもそういう何気ないシーンに溢れているので。自分はいつも、日常シーンや会話のやり取りを演じるときに「ああ、お芝居してるな」と感じられて、楽しいんですよね。

そういう瞬間の数々を、この気心知れた武子くんと演じられることが嬉しいし、リン役の小泉さんも、ビジュアル撮影の際にすごく気さくに話してくださって、「この3人ならすごくいい空気感を作れそうだな」としみじみ感じられました。

難しそうだなと思うのは、その日常会話のシーンで、僕自身が楽しくなりすぎないことですかね……。

武子:(笑)たしかに、佐奈は危険だなぁ……!

佐奈:素の状態の僕は、どちらかといえばヒカルよりもトキに近くて、楽しいことに全ツッパしちゃう方なんです。でも今回演じるヒカルは、場を制御するキーパーにならなきゃいけないから。

武子:でも佐奈って意外と、舞台上では笑わないよね? 面白いことが起きても、素の笑いを見せることはあんまりないから、大丈夫なんじゃないかな。逆に僕のほうがめちゃくちゃゲラなので、今「役柄が逆じゃなくて良かった」って心から思いました。もし佐奈がトキで僕がヒカルだったら、笑いを仕掛けられたときに耐えられなかっただろうから……逆で良かったなぁ。彼をひっかき回すのは僕、得意なんですよ。

佐奈:イヤな予感がするな〜(笑)。舞台上ではしっかりヒカルを保ち続けられるよう、頑張ります!

——息の合ったお二人ならではの空気感も、楽しみの一つになりそうですね。ありがとうございます。では最後に、上演に向けた意気込みと読者の方へのメッセージをお願いします。

武子:『時光代理人』、日本では初のミュージカルとなります。あの素晴らしい歌と音楽で色づく世界を、演劇ならでは、ミュージカルならではの表現で、さらに色彩豊かにお客様にお見せできればと思っております。原作のファンの方も、舞台化で興味を持たれた方も、ぜひお気軽に劇場にお越しください。『時光代理人』という世界観の良さを、さらに拡大してお届けできるよう、我々一同尽力してまいります。楽しみに待っていてくださいね!

佐奈:日本では初めてのミュージカル化ということで、どのようになるのか想像がつかないファンの方もいらっしゃるかもしれません。でも原作がとにかく面白いので、絶対に面白くなることは、キャストとしても確信しています。その上で、絆の深い武子くんと最強タッグを組めるということで、僕の中ではもう「勝ち」しかありません。良いものになることは前提として、さらに最高の作品になるよう、高みを目指して稽古を重ねてまいります。皆さまにお見せするときには完璧な仕上がりになっているとお約束します。

『時光代理人』を好きな方も、まだ内容を知らない方も、絶対に「観に来て良かった」と思える作品に仕上げていきますので、安心して劇場に足を運んでいただけたら嬉しいです。ぜひお楽しみに!

取材・文:豊島オリカ

■舞台概要
公演タイトル:「時光代理人-LINK CLICK- Game of Rules」THE MUSICAL

出演:
トキ/程小時(チョン・シャオシー)役:武子直輝
ヒカル/陸光(ルー・グアン)役:佐奈宏紀
リン/喬苓(チャオ・リン)役:小泉萌香
エマ/呉麗華(ウー・リーホワ)役:石井陽菜
劉旻(リウ・ミン)役:上山航平
徐姗姗(シュー・シャンシャン)役:陽高真白
董易(ドン・イー)役:影山達也
朱叶(ズゥー・イエ)役/劉晶(リウ・ジン)役:早乙女じょうじ(兼役)
肖力(シャオ・リー)役:倉貫匡弘
陳彬(チェン・ビン)役:飯田寅義
エマの父親役:加藤大騎
エマの母親役:浅見静江 他

上演日程:2026年6月18日(木)~28日(日) 全14公演
会場:IMM THEATER(〒112-0004 東京都文京区後楽1丁目3-53)

チケット
[料金(全席指定・税込)]
S席(前方5列) 13,500円(税込)
A席 12,000円(税込)
※未就学児はご入場できません。
※開演後は本来のお席にご案内できない場合がございます。あらかじめご了承ください。
※公演中止の場合を除き、原則としてチケットの変更・払い戻しはいたしません。
※営利を目的とした入場券の転売は、いかなる場合にも固くお断りいたします。
※申込状況により、一般発売まで抽選の受付がない公演、または、受付がない席種があることもございます。予めご了承ください。

原作:bilibili動画配信 オリジナルアニメーション『時光代理人 -LINK CLICK-』
版権許諾:Zero Generation Production、bilibili
作曲:李嘉笛(FeiJi)
脚本・演出:鄭光誠
振付:BUNTA
オリジナル制作:Zero Generation Production
監修:Zero Generation Production、bilibili
舞台監修:金欢欢
ライセンスビジネス:申培娜、张迪
原作監修:金程、郭欣怡、申雨晨、何莺、杭晓瑜
主催:舞台「時光代理人-法则游戏」製作委員会

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