【インタビュー】散りゆく花に歴史と思いを重ねて…鮎川太陽・瀬戸かずや 「花語り 源氏物語~いにしえの恋、散リ咲ク花~」

7月10日(金)、東京・草月ホールにて「花語り 源氏物語~いにしえの恋、散リ咲ク花~」が開幕する。本作は、いけばなと朗読劇を融合させた新たなステージ。日本古典小説の不朽の名作「源氏物語」を、美しい平安装束をまとった豪華キャストたちが口に乗せ、世界観を紡いでいく。
メディアクトでは、光源氏役の鮎川太陽と六条御息所役の瀬戸かずやに対談インタビューを実施。朗読劇で大事にしていることや、花に対する美意識、花にまつわるエピソードなどについて話を聞いた。インタビュー当日がビジュアルの撮影日ということもあり、2人の扮装姿も目で楽しみながら記事を読み進めてほしい。
――まず、本作へご出演が決まったときのお気持ちからお聞かせください。
鮎川太陽(光源氏役):約1000年も前から愛されている作品に携われるのが、まずはとてもうれしいです。実績のある共演者の皆さま、生け花がテーマであるという点。ビジュアルの撮影もわくわくしているので、早く稽古に入りたいと思っています。
――瀬戸さんは特に近年「源氏物語」にご縁が続きますね。
瀬戸かずや(六条御息所役):そうですね、こんなにご縁があるとは! こうしてまた関わらせていただけるとは思いませんでしたし、きっと“何か”があるのだろうな、と。また、六条御息所のお役だとお聞きして、挑戦する価値のある素晴らしいお役と感じ、とてもうれしく思いました。


――「源氏物語」のストーリーや今作で演じる登場人物について、どのようなイメージをお持ちですか?
鮎川:学生時代は歴史が苦手だったこともありあまり触れずに過ごしてきたのですが(笑)、年齢を重ねるにつれてその良さが分かるようになってきました。光源氏は、大変モテる人ですよね。たくさんの女性が登場して、光源氏は、その時々の自身の気持ちにちょうど寄り添う人や、心が求めている人と出会って一緒にいられる…。本当にたくさんの女性と出会っていくけれども、出会った人たちすべてが彼にとって特別な人。そうやって一人ひとりの女性たちと接してきた人なのかな、という印象を持っています。
瀬戸:光源氏の幼少期から、彼の子供世代にまで話が続いていく、ドラマチックで壮大なお話ですよね。下の世代の登場人物たちの運命や行く末なども、はじめから考えて書いていたのだろうか…など考えると、深すぎるものがあると感じます。私が今作で演じます六条御息所は、思いが膨れ上がって生霊(いきりょう)として現れ出てしまうほどの強い想いを持った情熱的な方ですね。凛とした強い心を持っているからこそ、心の火は消えずにあのような形として現れてしまう。今作では、特にその強さに挑んでいこうと思っております。
――今作は、いけばなと朗読劇を融合させたステージです。いわゆる“舞台作品”と朗読劇で、演じ方やセリフの発し方への意識で違う部分はありますか?
鮎川:ダンスなどの大きな動きや歌唱が無い分、繊細な機微がより必要とされますし、大事にしたいと感じます。本作で言えば、光源氏はとても多くの女性に会って、その時々で甘えたり、表には出しづらい思いを吐露したりします。その細かい変化を、声と、そしてお客さまの前で演じるからには見える限りの動きや表情などで伝えられたら、と思っています。特に本作は、いけばなとの融合と伺っているので、演出の松多壱岱(ILCA)さんと細かくお話をしながら作っていきたいですね。
瀬戸:大変興味深く、難しい表現方法ですよね。お客さまは、私たちが主に声だけで発したものを耳で受け取って情景を描いてくださる…。それができるようにお届けしなければなりません。それから、朗読をする側としても本ばかりを見ていてはいけませんし、かといってすべて暗記しては「朗読」にはならないのでは? と感じるので、その塩梅が難しいですね(笑)。ふだんから、日本語はとても美しくも難しいととらえていますので、このような美しい日本語で綴られた作品を朗読するにあたり、自分が感じたニュアンスが果たして合っているのか、それをお客さまに伝えられるのか。その壁にぶつかりそうなので、ひとつひとつを大事に読みほどいていきたいと考えています。
――次に、本作にちなんでお花のことについてお聞きしていきますね。最近、身の周りの方にお花を贈ったり贈られたりしたことはありますか?
瀬戸:先日「日ごろ伝えられないメッセージを送ろう」をテーマにしたイベントがありまして、その時に「母に」と思いつきました。もちろん母の日や折に触れて感謝を伝える機会はあるのですが、何でもない日にそうやってメッセージを伝えることはほとんどないですからね。どんなメッセージを送ろう…と色々考えたのですが、シンプルに「いつもありがとう」のメッセージをお花に付けて。少しむずがゆくて恥ずかしくはありましたが、喜んでくれていたのでよかったです。
鮎川:今年留学をしていたのですが、その時に同期や後輩から花をいただきまして。造花なので幸い枯れることもなく、今も勉強机に飾っています。気持ちを花に込めるのは、世界共通のすてきな文化ですね。僕は、お花は贈るよりもいただく機会の方が圧倒的に多いのですが、そのたびに本当にありがたいことだと噛みしめています。ファンの方から、お祝いなどでスタンドやアレンジのお花をいただくこともありますし、そのひとつひとつを大事なお気持ちとして受け止めています。


――本作は、サブタイトルに「散リ咲ク花」とあります。花は散るからこそ美しいとよく言われますが、このような美学に共感する部分や花の持つ魅力などについてお聞かせください。
瀬戸:実は私、自宅用にお花を買ってもすぐに枯らしてしまうタイプなんです(笑)。なので、普段自宅で愛でる用のお花については上手に語れないのですが、外を歩いていて、例えば春先に桜を見て「きれい」と感じます。それは、ただ美しいというのだけではなく、雨や風が強く吹けば一晩でその景色が変わってしまう儚さを感じてそう思ったり、毎年咲いてくれる生命力に対してもそう感じたりします。お散歩をしているとき、だんだんつぼみが膨らんでいく様を見て、季節が巡っているのを実感もします。昨今は四季が感じづらくなっていますけれども、四季があるのが日本の美しさであり、歴史上の人物たちも同じように四季を感じてきたのだろう、と。
冬の厳しい寒さに寂しさを覚えたり、夏の暑さに元気をもらったり。四季の感覚やそこで見る風景、情景にも美しさがあります。咲いた花が儚くも散り、季節が巡るからこそ感情や思いも巡っていく。そういった繊細な気持ちを感じ取れるのが、日本人の良いところだと感じております。
鮎川:かずやさんがおっしゃってくださったように、花は天候や季節の移り変わりであっというまに散っていってしまいますよね。だからこそ季節ごとに違う花々を楽しめると思うと同時に、時間帯でもまったく違う表情を見せてくれると思うのです。例えば、月明かりだけで見る夜桜の美しさ。情緒的にライトアップされたり、プロジェクションマッピングなどで演出されたりしたそれらももちろん美しいのですが、やはり自然な姿の美しさに心を強く動かされます。「この下で、友達や知り合いの方々とお酒を飲んだりしたいな」なんて思ったり(笑)。その時、その場所でしか見られない花に思いを重ねて、どんな機会も時間もご縁も大事にしていきたい、と感じています。

――では最後に座長の鮎川さんから、本作を楽しみにしているお客さまへメッセージをお願いします。
鮎川:今作は朗読劇ですので、冒頭でもお伝えしたことと重ねて、にはなるのですが、言葉でお伝えできる限りの全力を尽くしていきたいと思っております。草月ホールという美しい劇場で、素晴らしい出演者の皆さまと一緒に作り上げるこの作品、素晴らしいものになるのは間違いなしです。古典作品ですので少し難しい言い回しや表現があるかもしれませんが、僕たちが“気持ち”でお伝えしていきますので、どうぞ安心してご来場ください。劇場でお待ちしております。
取材・文:広瀬有希/写真:ケイヒカル









【公演概要】
「花語り 源⽒物語 〜 いにしえの恋、散リ咲ク花 〜」
脚本・演出︓松多壱岱(ILCA)
会場︓草⽉ホール(〒107-0052 東京都港区⾚坂7-2-21 草⽉会館地下1 階)
公演⽇程︓2026 年7 ⽉10 ⽇(⾦)〜2026 年7 ⽉12 ⽇(⽇)
7 ⽉10 ⽇(⾦)14:00/18:30
7 ⽉11 ⽇(⼟)13:00/18:00
7 ⽉12 ⽇(⽇)12:00/16:00
出演︓
鮎川太陽、綾凰華、和合真⼀、内⽥秀、⾼井千帆、星守紗凪/瀬⼾かずや/内海光司
アンサンブル 槙原唯、武井和歩、真島淳、七瀬悠
チケット (全席指定・税込)︓
S 席 11,000 円(税込) 、A 席 9,900 円(税込)
※当⽇券は+500 円
※未就学児⼊場不可
※⾞椅⼦でご来場されるお客さまは、チケット購⼊後にお名前・ご観劇回・座席番号をご観劇⽇の
前々⽇までに stage.contact55@gmail.com までお知らせください。
⼀般発売︓4⽉25⽇(⼟)10:00
公式サイト︓https://hanagatari-genji.com
公式 X(旧 Twitter)︓https://x.com/hanagatarigenji
公演・チケットに関するお問い合わせ︓stage.contact55@gmail.com
主催︓「花語り 源⽒物語」製作委員会



