【インタビュー】「全身全霊でお届けします」寺田友哉&速川大弥 ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs立海 前編

7月4日(土)、日本青年館ホールを皮切りに、ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs立海 前編が開幕する。2021年7月にスタートした4thシーズンも、いよいよ9作目。ファン待望の名勝負がついに舞台に描かれる。
メディアクトでは公演に先立ち、青学(せいがく)の手塚国光を演じる寺田友哉と、立海の真田弦一郎を演じる速川大弥にインタビューを行った。役への深い向き合い方、お互いへの敬意、そして公演にかける熱い思いを語ってもらった。


――前のお話になりますが、オーディションの時に印象的だった出来事があれば、お教えください。
速川大弥(真田弦一郎役):僕は立海のオーディションを受けたのがだいぶ前なので、少し記憶が薄れている部分もありますが、『テニミュ』のオーディションでは、2次と3次で違う役が割り当てられることがあるんです。実は山吹あたりからオーディションを受けていて、それまではオーディションが進むごとに役が変わっていたのですが、立海のオーディションでは最初から最後までずっと真田弦一郎役でした。なので、自分でも「真田しかないのかな」と思っていましたし、ここで落ちたらもう『テニミュ』には出られないとも思っていました。
受かった時は「来ましたね」と思いました(笑)。でも、立海ということでプレッシャーはもちろんありました。原作は読んでいて、リョーマや手塚と戦うことは知っていたので、どこまでクオリティを高められるかが重要だと感じました。
寺田友哉(手塚国光役):僕は、最終オーディションで前任の青学(せいがく)11代目の先輩方から直接ダンスや振付を教わったのが印象に残っています。舞台で観ていた方々から目の前で教えていただけることに嬉しさや楽しさを感じつつ、一方で緊張もあり、感情がごちゃまぜの最終オーディションでした。
手塚に決まった時は「やばいな」と思いました。焦りを感じつつ、でも楽しまないと損なので、僕にしか演じられない手塚を作りたいと思いました。
――寺田さんは比嘉公演、速川さんは関東大会 立海公演からそれぞれ手塚と真田を演じていますが、当初、ご自身が演じる役についてどのようなキャラクターだと考えていましたか?
速川:真田については「怖くて強い」と思っていました。でも、バックボーンや過去を知れば知るほど、真田弦一郎という人物は本来、繊細なタイプなのかなと思うようになりました。小学生の時に手塚に負けたり、幸村が病気になったりといったトラウマを乗り越えるために、強くならざるを得なかったのかな、と。そういう真田の中学生らしさを出したいと思いながら演じています。
寺田:実際に手塚を演じるまでは、大弥くんの真田と同じように、強くて無機質というか、ずっと無表情を貫いている人だと思っていました。原作で大人に間違えられることもありますし、中学3年生にしては大人びて見えるので、中学生らしい中学生ではないのだろうと。でも、演じてみると全然そんなことない。セリフにもすごく感情がこもっているし、無表情にも見えないし、一人の中学生だなと思いました。
世間的に、手塚が中学生であることを忘れている方も多いような気がしますが、それが結構もったいないと感じています。不器用さがありつつ、無表情だからこそ魅力的に見えるキャラクターなので、演じる上では、手塚が等身大の中学生であることを常に意識しています。
――寺田さんは、手塚のどのような側面に“中学生らしさ”を感じましたか?
寺田:手塚は、不器用で口が達者な方ではないからこそ、結果を背中で見せて部の秩序を保つキャラクターだと思います。感情があるからこそ部がうまく回るし、手塚自身のテニスでも結果が出ている。ただのロボットだとテニスは上手くはならないと思いますし、みんなから部長として慕われているくらいなので、やっぱり人間くさいところがあると思います。
――役を演じるうえで大切にしていること、特に力を入れているところをお教えください。
速川:たくさんあります! 歌、芝居、ダンスはもちろんですが、真田くんは精神力が強いので、公演中は絶対に気持ちを途切らせないようにしています。真田の持つチームの勝利のためにという信念は、常に忘れないようにしようと思っています。
寺田:先ほど話した、一人の中学生として手塚を見るということは大事にしています。パフォーマンス面で言うと、ミュージカルは歌唱力に強さが表れると思うので、歌は絶対に妥協しません。人の何倍も練習して、少しでも強い手塚をお見せできるよう頑張っています。


――今回の対戦相手のキャラクターについて、それぞれどのように考えていますか?
速川:真田くんは小学生の頃に手塚に負けていて、今回の話はそこからの物語といっても過言ではないと思います。一度負けているからこそ、絶対に倒したい相手なので、今作のS(シングルス)3(手塚vs真田戦)は、命を懸けてでも勝つくらいの気持ちで挑む試合だと思っています。
そんな試合を真田くんと一緒に戦わせてもらえることが光栄だし、友哉の手塚と戦えることも光栄です。絶対に勝ちます。
寺田:強いなあ。
真田は本当に実力者で、自分でも成功するかわからない、本当の本当の切り札を使って賭けに出ないといけないような相手だと思います。「皇帝」と呼ばれているくらいですし、侮っていたら余裕で負けてしまうので、最初から全力を出して倒しに行く相手です。
手塚はこれまで、超全力を出す相手はあまりいなかったのではないかと思っています。今回は全国大会で、手塚自身がある程度強くなっているのにもかかわらず、それが全部通用せず、成功するかわからない賭けの技を出すほどの相手が真田だと思います。
僕も、大弥くんの真田と戦えてよかったと思います。比嘉公演からご一緒していて、大弥くんの真田を見るたびに「いつかこの人と戦うのか。やばい、ボロ負けしそう」と思っていました。いろんな現場でも「いずれ真田と戦うからね」と何度も言われて、本当に準備しないと負けると思っていました。今回の公演のために練習や努力を重ねてきたといっても過言ではありません。真田はそれくらいの強敵ですが、僕も全力で倒しに行きます。


――お二人は比嘉公演時が初対面だったとのことですが、お互いの第一印象は覚えていらっしゃいますか?
速川:手塚だな、と思いました。
青学(せいがく)11代目の(山田)健登の手塚とも共演していますが、健登は、チーム全体を俯瞰して見ている感じが手塚っぽかった。友哉からは、手塚の精神を宿して生まれてきたような印象を受けました。
第一印象から手塚でしたが、公演を重ねて実力をつけ、歌のクオリティもお芝居もどんどん上手になっています。最初は精神的に手塚だと感じましたが、徐々に実力も手塚になってきたという印象です。なんか上から目線になってしまって申し訳ないですが(笑)。
寺田:いやいや! 嬉しいです。ありがとうございます。
僕も大弥くんを見て「真田だな」と思いました。ラケットを持って舞台の中央に立っているだけで、身体の周りからオーラが出ているような感じがしたのを覚えています。「立海だ、本物だ、この人と戦うのか」と思いました。
フォームひとつとっても本当に強そうで、今の青学(せいがく)では「大弥くん=強い」という認識になっています。青学(せいがく)のみんなからも、今回大弥くんと芝居でぶつかれることが羨ましいとよく言われます。
速川:そうなんだ。嬉しいですね。
寺田:僕も本っ当に嬉しいです。
――速川さんの真田はフォームから強いという話がありましたが、速川さんはテニスの経験はおありですか?
速川:全くないです。
寺田:なのにすごく綺麗なんです。
速川:ありがたいことに運動神経が割と良い方でして(笑)。野球をやっていたので、ラケットのスイングはそのあたりが生きているのかなと思います。でも、友哉もすごく手塚のスイングって感じがしますよ。
寺田:本当ですか!
速川:多分だけど、俺は真田っていうより、テニスのフォームが綺麗って感じでしょ?
寺田:そんなことないです! 真田には「武」というイメージがあるのですが、大弥くんの、一切軸がぶれない感じにも「武」を感じます。真田の必殺技の風林火山を打つ大弥くんも超かっこよくて。
たしか全国氷帝公演のときだったと思うのですが、大弥くんのフォームがかっこよすぎるという話になり、捌けていた青学(せいがく)メンバーがみんなで舞台袖に集まって大弥くんのフォームを観ていました。軸がぶれないというか、侍ですね。
速川:もっと脚、鍛えようかな(笑)。


――寺田さんも手塚らしいフォームというお話でしたが、テニスの経験はおありですか?
寺田:昔、軟式テニスをやっていました。もちろん右利きだったので、手塚が左利きと知った時に「培ってきたものがゼロになる」と思いました(笑)。最初は苦労しましたが、同じく左利きのキャラクターを演じる先輩方にいろいろ教わりました。特に比嘉公演では二階堂 心くん(木手永四郎役)に、フォームだけでなく芝居、歌、ダンスと色々と教えてもらいました。
――対戦を控えたお二人ですが、芝居についてお互いで話し合うことはありますか?
寺田:こと細かには話さないですよね?
速川:そうだね。自分の役は自分が一番知っていると思うので、お互いの役に対して話し合うことはありません。でも、一緒に試合を作っていく仲間として、ラリーの確認や、終盤に向けて熱量がどんどん上がっていく熱量のグラデーション、全体的な流れや芝居については話し合います。試合相手なので当然かもしれませんが、青学(せいがく)の中だと一番よく話します。
寺田:そうですね。細かいことはあまり話さないですよね。
――稽古場の様子を伺いたいのですが、青学(せいがく)のメンバーだと寺田さんが部長的な立ち位置なのでしょうか?
寺田:そうですね。ただ、僕は「俺についてこい!」みたいな性格ではないので、ボソっと「練習やるよ」と言うと青学(せいがく)のみんなが「やるらしいよ!」「やるらしいよ!」と広めてくれて動き出す感じです(笑)。はっきり言いたい時は言いますが、基本的にはそんな感じです。あとは、副部長の大石(秀一郎)役の(藤本)力翔に「集合かけて」とお願いすることもあります。
――立海はいかがですか?
速川:基本的には幸村(精市)役の(潮見)洸太がまとめていて、洸太が見切れない部分を僕がフォローしている感じです。他のメンバーには、背中で見せられたらいいなと思っています。言葉で言わずとも、僕たちの取り組む姿勢を見て自分で気付いて着いてきてくれるのが理想だと思っています。
――少し公演から離れますが、この夏やりたいことはありますか?
速川:先日、立海の一部でバーベキューに行きました。全然晴れていませんでしたが(笑)。ボーリングも卓球も行ったので、夏はもう結構楽しみました。
寺田:青学(せいがく)はほぼ毎日一緒にいるので、わざわざみんなでどこかに出かけようという気持ちにならないんですよ(笑)。明日も明後日も一緒だし、この後数か月間一緒だし……と思って。
でも、そろそろみんなでどこかに行きたいという話は出ています。芸能の神社に行くことを提案したら「なんかジジ臭い」と言われました(笑)。
速川:ちょっと手塚すぎるか(笑)。
寺田:(笑)。それならアスレチックとかに行きたいね、という話になりました。今は青学(せいがく)でボーリングとバスケが大流行中なので、スポーツだったり車での遠出だったりをしたいという話は出ています。一向に実現できていないのですが(笑)。


――最後に、公演を楽しみにしているファンの方々へメッセージをお願いします。
速川:これだけ歴史のあるミュージカル『テニスの王子様』という作品で、注目度も高く、皆さんの期待もものすごく高まっていると思います。その期待を裏切らないように、そして4thシーズンならではの、僕たちだからできる試合、公演を必ず全身全霊でお届けしますので、ぜひ生で観に来ていただけたら嬉しいです。
寺田:手塚と真田の試合は、『テニスの王子様』でも名試合と言われるほどのものでもありますし、本当に全身全霊で演じ切りたいと思います。劇場からの帰り道でも、ずっと僕たちの試合が頭に残っているような、震える試合にします。皆さんの期待には応えます。絶対に。後悔させないような試合をするので、本当に楽しみにしていてください。
取材・文:大崎みき/写真:ケイヒカル












■公演概要
ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン
全国大会 青学(せいがく)vs立海 前編
原作
許斐 剛『テニスの王子様』
(集英社ジャンプコミックス刊)
脚本・作詞・演出
三浦 香
音楽
坂部 剛
Yu(vague)
大石憲一郎
田川めぐみ
TAKA
振付
YOU
井餘田 修
遠山晶司(梅棒)
出演
<青学(せいがく)>
越前リョーマ:竹内雄大
手塚国光:寺田友哉
大石秀一郎:藤本力翔
不二周助:橋本勇大
乾 貞治:世良大雅
菊丸英二:長嶺龍汰
河村 隆:坂上翔麻
桃城 武:有岡歩斗
海堂 薫:渡邊 樹
堀尾聡史:大山蓮斗
加藤勝郎:加藤央睦
水野カツオ:中川湊斗
<立海>
幸村精市:潮見洸太
真田弦一郎:速川大弥
柳 蓮二:梶山武雅
仁王雅治:蒼井嵐樹
柳生比呂士:中山清太郎
丸井ブン太:白金倫太郎
ジャッカル桑原:大村征弥
切原赤也:木村聖哉
<名古屋星徳>
リリアデント・クラウザー:一ノ瀬 隼
<氷帝>
跡部景吾:石川志泉
<四天宝寺>
金色小春:串田真人
一氏ユウジ:内藤将大
忍足謙也:長谷川 幹
渡邊オサム:川隅美慎
<テニミュボーイズ>
進藤 蒼
鶴岡ライアン
山本恵大
<スウィング>
渡貫諒弥
公演日程
東京公演
2026年7月4日(土)~7月12日(日)
日本青年館ホール
大阪公演
2026年7月18日(土)~7月26日(日)
東京建物Brillia Hall 箕面
広島公演
2026年7月31日(金)~8月2日(日)
呉信用金庫ホール
愛知公演
2026年8月7日(金)~8月9日(日)
刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール
福岡公演
2026年8月14日(金)~8月16日(日)
福岡市民ホール 大ホール
東京凱旋公演
2026年8月22日(土)~8月30日(日)
TACHIKAWA STAGE GARDEN
チケット料金
7,800円(税込・全席指定)
チケット取扱い
イープラス
チケットぴあ
ローソンチケット
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https://www.nelke.co.jp/contact/



