【インタビュー】シリーズ最終章 剣劇「三國志演技~蜀漢」荒牧慶彦、植田圭輔 対談インタビュー

インタビュー

シリーズ最終章となる剣劇「三國志演技~蜀漢」が、2026年8月から大阪と東京にて上演される。業界一の「三國志」オタクを自負する荒牧慶彦が企画を手掛け、作品への並々ならぬ愛を注いできたシリーズの第3弾。物語のラストを飾る蜀漢の初代皇帝・劉備を演じるのは、荒牧とともに第一線で活躍する植田圭輔だ。

メディアクトでは、シリーズ最終章に向け稽古開始前の荒牧慶彦と植田圭輔にインタビューを実施。たっぷりの「三國志」愛とともに、作品にかける思いを聞いた。

――ついに蜀漢の物語までたどり着きました。改めて、シリーズ最終章上演に向けての思いをお聞かせください。

荒牧慶彦(以下、荒牧):ここを目指してましたからね。感慨深いです。僕は「三國志」の中で劉備軍が一番大好きで、この物語をやりたいがために、この「三國志演技」というものを作ったと言っても過言ではないので、やっとここまで来れたという気持ちです。

――植田さんは身近なところでご覧になってきて、荒牧さんが本作へかける思いをどう受け取っていましたか?

植田圭輔(以下、植田):シリーズ立ち上げ時はPastureに所属する前でしたが、彼が「三國志」を好きなのを昔から知っていたので、「マジでやりたいことやっとるぞ」と思っていました(笑)。演劇として盛り上がっているのを少し遠くから見ていましたが、より近いところにきて、改めてまっきーの作品にかける思いがすごく伝わってくるし、だからこそ今回は非常に責任重大だなと思っています。

――植田さんが劉備役となった経緯を教えてください。配役の狙いとは?

植田:プロデューサーさん、どうです?

荒牧:いやもう、劉備は植ちゃんでしょう! と思っていたんです。そもそも蜀漢に限ってはPastureの面々に出てほしいとは思っていましたし、僕自身は自分の企画する作品で真ん中はやるべきではないと思っています。じゃあ劉備は誰かと考えたら、植田圭輔ですよ。

植田:いやぁ、嬉しいですね。

荒牧:そこからみんなを当てはめていって。本当は僕自身、長年、趙雲を演じたいと思っていたのですが、いろいろなバランスから難しかったんです。諸葛亮は「三國志」に詳しくないとできない役ということもあり、そちらを演じさせていただくことになりました。趙雲は田中涼星に託した形です。

――植田さんはご自身が劉備、また荒牧さんが諸葛亮を演じると知っていかがでしたか?

植田:シンプルにめっちゃ嬉しかったですよ。僕も蜀が一番好きだし、中学時代、唯一図書室で読んだのがゲームから入って読んだ横山光輝版「三国志」で。物語や登場する武将に感銘を受けたし、それが史実であることにも惹かれたし。まさか自分の役者人生で劉玄徳を演じる日が来るなんて思っていなかったので、それを叶えていただいた気持ちです。諸葛亮に関しては、彼自身が天下を取れる人だと思うのですが、それでも軍師として劉備を支え導くという部分がまっきーに重なるなと。男の子・荒牧慶彦としての「三國志」愛も含めて、孔明にぴったりなんじゃないかなと思うので、まっきーの諸葛亮がどんな感じになるんだろうってすごく楽しみですね。

――「三國志」に基づきながらも、舞台ならではの設定や表現も印象的なシリーズです。今作はどういった見せ方を考えていますか? また、こだわった点も教えてください。

荒牧:劉備軍はわりと従来のイメージに近い、劉備に惹かれた男たちが集う義の軍団という感じになるのかな。舞台ならではという点では、今回もシェイクスピアの要素は入っています。これまで、「ハムレット」「ロミオとジュリエット」ときたので、今回は……という感じです。前回のロミジュリ要素はめちゃくちゃ分かりやすいバルコニーでしたが(笑)、今回も序盤にわかりやすく入れる予定なので、そちらも楽しんでもらえたらと思います。こだわりについては、全部にこだわりすぎていて、どこというのが難しいです(苦笑)。今回描く劉備と彼に仕える五虎大将軍の物語はむちゃくちゃ長いので、どこをピックアップするのかすごく悩みました。五虎大将軍と呼ばれる関羽、張飛、趙雲、黄忠、馬超のエピソードを描きつつ、彼らに支えられた劉備がイケイケドンドンでやっていく姿を見せる、という点はとくにこだわった部分です。

――シリーズ初参加となる植田さんはどんなことが楽しみですか?

植田:つい先日までご一緒していた演出の元吉庸泰さん、脚本の末原拓馬(おぼんろ)さん、そして企画の荒牧さんの作りたいものが、稽古場でどういう相乗効果を生み出すのか楽しみです。シンプルに劉備をたどる物語ってストーリーがいいので、まだ脚本を読む前ですが、自分が好きな演劇が生まれるだろうなと。今からいろんな要素が掛け算されていくのが楽しみですね。

――掛け算という点では、豪華なキャスト陣が演じる各登場人物も楽しみです。お二人が注目しているキャストや配役はありますか?

荒牧:張飛役の皇希にはとても期待していますね。

植田:あ〜イメージつく。めちゃくちゃ張飛っぽいよね。

荒牧:張飛は諸葛亮が「虎殿」と手紙を送った逸話が残っていて、虎ヒゲの武将として有名なので、虎をイメージしたビジュアルにしました。あとは黄忠役の富田 翔さん。黄忠って60代の老将なんですが、翔さんご自身がまだ40代と若いので手練れのエリート軍曹といった雰囲気のビジュアルに仕上がっているので期待しています。

植田:(ビジュアルを眺めながら)めちゃくちゃかっこいいね。

荒牧:そう、めっちゃかっこいいんだよ。ビジュアルは陣営ごとに衣裳のテーマがあって、劉備軍は軍服イメージになっています。劉備の衣裳も、軍服っぽさをテーマに植ちゃんの顔にあうデザインにしています。

――諸葛亮最大のライバル・司馬懿は松田 凌さんです。共演に向けて楽しみなことを教えてください。

荒牧:まずこの3人が集っているのがエモいなと思います。

植田:本当、そうだよね。

荒牧:3人がこうして共演するのって、舞台『K』 第二章 -AROUSAL OF KING-(2015年上演)ぶりだから、10年以上ぶり?

植田:それくらいだね。各々共演はしてきたけど、3人集まることってなかったから。

荒牧:僕らと凌は別陣営ですが、すごく関わりのある役柄なので、とても楽しみですね。

――第二部のスペシャル殺陣ショーも本シリーズの醍醐味です。かなり手数の多い殺陣になりそうですが……

植田:それはもう任せてください! まったく問題ありません。

荒牧:劉備は双股剣という大小2つの刀を持つ二刀流なんですが、植ちゃんは他作品で二刀流の経験もあるそうなので、安心して任せられるなと思っています。

――本編や史実にはない組み合わせでの殺陣が観られるのも第二部の魅力です。「三國志」好きとして、誰と戦ってみたいですか?

荒牧:僕は趙雲と戦いたいですね。だから涼星とバチバチにやりたいかな。

植田:僕は司馬懿と関羽かな。劉備としては絶対に剣を交えることがない相手なので、逆にやってみたいですね。あとはシンプルに松田 凌と早乙女友貴と植田圭輔でやったら、さながら舞台『刀剣乱舞』心伝 つけたり奇譚の走馬灯じゃない? とも思ってます(笑)。

荒牧:アハハハ! たしかに。実際の殺陣の組み合わせはキャストの人数も多いので、どうしようか考え中なんですが、楽しみにしていてください。

――お二人ともプロデューサーや演出家としての顔もお持ちです。お互いにどういった場面で刺激を受けますか。

荒牧:植ちゃんとは感覚の方向が同じだなと感じています。植ちゃんが演出を担う現場で、僕がふと「こうしたら面白くなりそうだな」と思った次の瞬間、それを植ちゃんが言葉にしている、っていうことがよくあるんですよ。逆に僕が全然思いつかなかったアイデアが植ちゃんから出てきて、めちゃくちゃいいなと思うことも多いです。

植田:本当になかなかないことだと思うんです。同い年だし、事務所の社長だし、プロデューサーだし、でも共演者だし、友達だし。関係性の名前がいっぱいある中で、僕らは現場ごとに簡単に関係値を変えられるんです。お互いにパパっと変えたチャンネルが一緒になるというか、周波数が合うというか。そのときしたい会話がすっとできる間柄で、いつもスムーズなんです。それってすごく素敵な関係だなと思うし、影響を受けることが本当に多いですね。

――そんなお二人が演じる主従関係がますます楽しみになりました。では最後に、公演を楽しみにしているファンへのメッセージをお願いします。

荒牧:本作から観るという方々にもわかりやすく描きたいなと思っていますが、劉備軍には過去2作で描いてきた孫呉軍や曹魏軍が深く関わってきます。なので、もっと深く知りたいという方は、1作目の孫呉の物語を観ておいていただけると、よりエモく楽しんでいただけるかなと。「剣劇」シリーズ自体はまた別の題材で続けていくつもりでいますが、「三國志」はこれで一区切りとなります。みんなのかっこいい姿をお見せできると思いますので、楽しみにしていてください。

植田:今回は大阪の新歌舞伎座から始まり、明治座さんに立たせていただきます。以前、立たせていただいたときも、シンプルに親が「こんな劇場に立っているんだ」と喜んでくれたんですよね。そんな明治座で主演を張らせていただくことは、人生でもしかしたらもうないかもしれないですし、この役に選んでいただいたことに責任もすごく感じています。

「あなたが劉備でよかった」と全員に思わせなければ、失敗だと思うんです。失敗にならないよう、責任感も力に変えて、自分にできることをいつも通りやって、みんながいい夏だったと思えるような作品にしたいと思います。応援のほど、よろしくお願いします。

取材・文:双海しお/写真:ケイヒカル

ヘアメイク:鈴木りさ(akenoko▲)、スタイリスト:ヨシダミホ

■公演概要
剣劇「三國志演技~蜀漢」

脚本
末原拓馬(おぼんろ)

演出
元吉庸泰

企画
荒牧慶彦

出演
劉備:植田圭輔

関羽:早乙女友貴

張飛:皇希
趙雲:田中涼星
黄忠:富田 翔
馬超:廣野凌大

龐統:寺山武志

呂布:武子直輝
陳宮:???

曹仁:小西成弥
龐徳:高本 学
曹洪:松田昇大
于禁:三井淳平

孫権:廣野凌大
周瑜:荒牧慶彦
陸遜:佐藤信長
呂蒙:定本楓馬
程普:富田 翔

曹操:福澤 侑(映像出演)
孫策:梅津瑞樹(映像出演)

司馬懿:松田 凌

諸葛亮:荒牧慶彦

伊与田良彦
大城将太
奥住直也
工藤翔馬
新屋正人
高田紋吉
西村功我
福島悠介
藤原儀輝
星 賢太
丸山湧之進
横山慶次郎

開戦の語り 下野 紘

公演日程
【大阪公演】
2026年8月19日(水)~8月23日(日)

【東京公演】
2026年8月29日(土)~9月10日(木)

会場
大阪
新歌舞伎座

東京
明治座

チケット料金
1・2階席
12,500円(税込・全席指定)

3階席
9,500円(税込・全席指定)

※来場者特典として全席種に絵柄回替わり「戦張扇(いくさハリセン)」付き
※未就学児入場不可

一般発売
2026年7月11日(土)10:00~

公式サイト
https://kengekisangokushi.com

公式X
https://x.com/kg_sangokushi


©剣劇「三國志演技〜蜀漢」製作委員会