【インタビュー】ミュージカル『薄桜鬼 真改』黎明録 主演・木村聖哉インタビュー

2026年10月、シリーズ15年目に突入した、ミュージカル『薄桜鬼』(通称「薄ミュ」)の最新作、ミュージカル『薄桜鬼 真改』黎明録が上演される。「黎明録」は井吹龍之介という青年を主人公に、新選組として名を挙げる前の浪士組との出会いを描く前日譚。「薄ミュ」で「黎明録」が上演されるのは11年ぶりとなる。
今作から「真改」シリーズを土方歳三役として支えてきた久保田秀敏が近藤勇役へ。そして浪士組(後の新選組)の面々には新たなキャストが名を連ねる。「真改」シリーズが新たな一歩を踏み出す本作で、主人公・井吹龍之介を演じる木村聖哉にインタビュー。作品への意気込みや、初主演に向けての心境を聞いた。
――稽古を控えて、今の心境はいかがですか?
不安6割、楽しみ4割ぐらいですね。
――不安のほうが多めなんですね。
そうですね。まだお会いしたことがいない方がたくさんいらっしゃって、人見知りなんですよ(苦笑)。なので、今は不安が多めです。今日は取材で芹沢鴨役の谷口(賢志)さん、土方歳三役の百名(ヒロキ)さんと初めてご挨拶させていただきました。すごく頼もしい先輩方なので、安心しました。顔合わせして、皆さんがどんな方たちなのか分かったら、もうちょっと大丈夫になると思います。


――普段、人見知りが発動したときは、どんなきっかけで打ち解けるんですか?
やっぱり、役で絡みが多いと、シーンの話をしていくうちに仲良くなれたりしますね。なので、今回も稽古が始まれば、自然と打ち解けられるかなと思っています。
――前回の「黎明録」の映像をご覧になったとのこと。印象に残っているシーンや好きなナンバーはありますか?
前回の「黎明録」って、最初が最後のシーンから始まって、また同じところに戻ってくるんですよ。だから「こういうことだったんだ!」って分かった瞬間、すごく感動しました。あの作りが僕はすごく好きです。
――井吹龍之介という人物に、ご自身との共通点は感じましたか?
共通点、あるんですよ! お酒が飲めないっていう(笑)。そこは「一緒だ」と嬉しくなりました。あと、井吹って、新選組を毛嫌いしているんですが、それにも多分ちゃんと彼なりの理由があって。「これはこういうものだから違う」っていう、強い信念みたいなものがある。そういう部分、僕にもあるなと。例えば友達といても、嫌なものはちゃんと嫌だって言うし、「ここはこう」とか「こういうのが嫌だ」とか。僕、筋が通ってないのが嫌いなんですよ。彼も、これは違うって思ったら多分言う人だと思うので、そういう部分は似ているのかなと思っています。僕もこの時代に生きてたら、こんな生き方するんだろうなって。
――新選組には入らない井吹の立場。現段階でどうアプローチしていこうと考えていますか?
新選組にはならないからこそ、アウェイの立ち位置から見える景色って絶対あると思うんです。新選組から見た芹沢さんと、僕(井吹)から見た芹沢さんも、多分見え方が全然違うと思うし。後に隊士となる人たちの見え方も、内側にいる彼らと井吹とでは違うはずで。なので、井吹には周りの関わる人たちがどう見えているのかを考えながら、役作りをしていきたいなと思っています。
――稽古場でも、新選組を演じる皆さんは一緒にいる時間が長くなりそうですね。木村さんは少し外から見る立ち位置になる?
仲良くはしたいんですけどね(笑)。仲良くはしたいんですけど、そういう距離感みたいなものもあってもいいのかな、と思っています。

――ちなみに、木村さんが気になっている「薄桜鬼」のキャラクターはいますか?
斎藤一が気になっています。アニメも観て、過去作の「黎明録」の映像も観させていただいて。やっぱりかっこいいんですよ。斎藤一って1人だけ左利きというのもあると思うんですけど、あの寡黙な雰囲気とか、めちゃくちゃ刺さっています。斎藤一を演じる(三井)淳平くんは、以前共演したことがあるんですが、天使みたいな方なんです。そんな淳平くんが演じる斎藤一がすごく楽しみです。
――斎藤一がお気に入りとのことでしたが、好きな歴史上の人物はいますか?
います!長宗我部元親、なんか好きだったんですよね。たしか社会の授業で知りました。なんで好きだったのかはっきりしないんですけど……名前かな。長宗我部元親って響きに惹かれたのかも(笑)。
――今作を通じて、ステップアップしたいことはどんなことでしょうか。
歌、ですね。今まで勢いのある楽曲を歌う機会が多かったんですが、今回はまた違うものを求められるように感じていて。感情を歌で表現できるようになりたいなって思います。
――共演した方で、歌い方や歌声が素敵だなと思った方は?
めちゃくちゃ思うことあります。高橋怜也くんの歌が好きなんですよね。低いところの歌い方も、高いところの歌い方も、もう全部好きです。ロングトーンもすごいし。彼の歌を聴いていると上手すぎてもはや笑えてくるんですよ(笑)。声質も全然違うと思うので、同じようになるのは無理です、単純に「すごいな」ってリスペクトしています。
――木村さんにとって、本作が初主演となります。座長という立場について、どう感じていますか。
変に気負わないつもりではいます。年上の先輩方が多いので、任せられるところはお任せしてもいいのかな。「座長だからこうしよう」みたいなのは、特には考えてないですね。
――目指したい座長像や、憧れた背中はありますか?
作品によって座長のあり方って全然違うと思うので、「座長ってこういうもの」っていうのは自分の中にないかもしれないです。先輩方も多いので、まとめるという役目は先輩がやってくださるのかなと。でも、できないことがあったときに「なんとかしてあげたいな」って周りから思われる人っているじゃないですか。今の僕が座長をやるうえで必要なのは、そこなのかな。先輩方をうまく頼ったり、周りの方から吸収したりして、この作品を通して成長できる人になっていきたいなと思います。


――作中の隊士たちはそれぞれ“誠”、譲れない信念を持って生きていきます。木村さんにとって、役者として譲れない思いや覚悟はありますか?
辞めない、諦めない。それだけですね。それだけでここまで来ました。しんどい時期もありましたが、それでも辞める選択肢だけはなくて。ただのプライドではあるんですが、これからも辞めないでいきたいなって思ってます。
――心がくじけそうなときも奮い立たせてこられた原動力、そのプライドの裏にあるものは?
子供の頃に一緒に仕事した人たちが頑張ってる姿を見ると、「また一緒にやろうね」って言ったことを思い出したりして。ここで辞めたら顔向けできないな、っていうのが大きいのかな。でも、やっぱり、ダサいかもしれないけど、一番はただのプライドですね。
――最後に、11年ぶりの「黎明録」を待ち望んでいる皆さんへメッセージをお願いします。
「薄ミュ」は今年で15年目。それだけ長い間、たくさんの方に愛されている作品に井吹龍之介役として出演させていただけるのは、本当にありがたく思います。11年ぶりに「薄ミュ」の井吹龍之介をお届けできる作品なので、恥ずかしくないように役作りもしたいですし、座長として、カンパニーの皆さんとちゃんとコミュニケーションを取って、最高の「黎明録」にしたいなと思ってます。是非、楽しみにしていてください!
取材・文:双海しお/写真:ケイヒカル
ヘアメイク:古橋香奈子(LaRME)、スタイリスト:MASAYA






■公演概要
ミュージカル『薄桜鬼 真改』黎明録
公演日程
2026年10月16日(金)〜10月25日(日)
会場
天王洲 銀河劇場
原作
オトメイト(アイディアファクトリー・デザインファクトリー)
脚本・演出・作詞
毛利亘宏
音楽
坂部剛
振付・ステージング
本山新之助
殺陣
六本木康弘
出演
井吹龍之介:木村聖哉
土方歳三:百名ヒロキ
沖田総司:中本大賀
斎藤一:三井淳平
藤堂平助:平松來馬
原田左之助:藤田浩太朗
永倉新八:二階堂心
山南敬助:井澤巧麻
山崎烝:田口司
近藤勇:久保田秀敏
新見錦:竹内尚文
雪村綱道:白崎誠也
芹沢鴨:谷口賢志
アンサンブル:千枝義人 岩崎大輔 SHIMa 齊藤大士 HAYATO 橋本征弥 成尾征吾 成瀬龍世
声の出演/ゲスト出演(10/25のみ)
風間千景:佐々木喜英
公式HP
https://www.marv.jp/special/m-hakuoki/
公式Instagram
https://www.instagram.com/m_hakuoki/



