【インタビュー】矢田悠祐&山本一慶 8年ぶりの共演でデュエットにも注目! リーディング『銀河鉄道の夜』インタビュー
11月30日(木)から12月3日(日)まで東京芸術劇場シアターイーストにてリーディング『銀河鉄道の夜』が上演されます。ジョバンニ役を矢田悠祐さん、カムパネルラ役を山本一慶さん、それ以外の役と語りを紫吹淳さんが担う3人での朗読劇。矢田さんと山本さんは2016年にも『銀河鉄道の夜』に出演しており、8年ぶりの共演となります。
メディアクトではビジュアル撮影の現場にお邪魔して、矢田さん、山本さんのインタビューを実施。8年前の思い出トークや今作の見どころについて自由に対談していただきました。息ぴったりの掛け合いをお楽しみください!
ーー先ほどビジュアル撮影を終えられたとのことですが、感想を教えてください。
矢田 8年ぶりでしたが、実際に会ってみるとそんなに久しぶりな感じはしなかったですね。
山本 うん。この8年の間に共演はしてないけど、プライベートで会ったりゲームのボイスチャットで声を聞いたりはしてたからね。でも、改めて役の扮装をしてみると…。
矢田 2人とも大人になったなって感じはするよね(笑)。
山本 ね(笑)。でも、お互いにいろんな経験をして、また同じ作品に帰ってこれるというのは役者としてもなかなかないことだと思うので、楽しみな気持ちが増しました。あとは告知用の動画も撮ったんですが、矢田ちゃんに「ライブの告知みたいやな!」って言われたのがちょっと気になっています。
矢田 いや、一慶のテンションが高すぎなんやって!
山本 俺はいつも通りにやっただけなんだけどな…。あれでテンションが高いって言われちゃうと、本番はどういうテンションでやればいいのか分からなくなりますね(笑)。
ーー『銀河鉄道の夜』を8年ぶりに上演するというお話を最初に聞いたときはどんなお気持ちだったんですか?
山本 ここに来て矢田ちゃんと改めて共演するなんて、やるや〜ん!って思いました。素敵なサプライズだなと。矢田ちゃんは?「え〜、またやんの?(嫌そうな顔で)」って思った?(笑)
矢田 (笑)。俺は8年前を振り返ると、めちゃくちゃ楽しかった思い出があるんです。『銀河鉄道の夜』って題材そのものはコメディではないけど、とにかく笑いが耐えない作品で。なので今回お話をいただいたときも、即答で「やりますやります!」って言いました。
山本 嬉しいなぁ。今回も挿せるところは挿していこう、笑いをね!(笑)
ーー8年前の『銀河鉄道の夜』はどんな舞台だったんですか?
矢田 朗読劇と言いつつ、客席に降りてみたりとか、めちゃくちゃ動き回る作品だったんですよ。朗読劇としてはあまりないスタイルで、楽しかった記憶があります。
山本 自由度が高い舞台だったよね。
矢田 アコギでBGMを弾いてもらったりして。上演したのは冬やったよね。…てか、 俺、めっちゃ覚えてるわ、当時のこと。
山本 ほんとだよ。超思い出してきてるじゃん! 今日会ったばっかりのときは「8年前のこと、ひとつも覚えてない」って言ってたのに(笑)。今回は演出も音楽も8年前とは変わるから、どういう方向になるのか楽しみだね。
矢田 今回はお箏の演奏があるって聞いて。和のテイストと『銀河鉄道の夜』という題材がどうハマるのか、現時点ではまったく想像がつかなくて楽しみです。
山本 和楽器って言葉に寄り添う音楽だからね。
矢田 え? なんか急にカッコいいこと言い出したな。
山本 いや、カッコつけてるわけじゃなくて(笑)。リズムやビートを刻むんじゃなく、日本語と相性のいい日本の楽器じゃん。朗読劇で使うと、意外としっくりくるかもよ。
矢田 なるほど! 確かにそう。
ーー8年前の出来事で、他に記憶に残っていることはありますか?
山本 僕が覚えてるのは図鑑ですね。ジョバンニとカムパネルラが図鑑を開きながら夜空に浮かぶ星座を眺めるシーンがあって、その時に小道具として図鑑がわりに使っていた本が、個性豊かすぎて。魚の開きの絵とかが載ってるんですよ。
矢田 あったなぁ(笑)。
山本 本番でパッと開いたら魚の開きの絵が出てきて、笑うシーンでもないのに舞台上で2人とも普通に笑うっていう(笑)。とにかく若かりし頃の我々は楽しいことが大好きだったので、常に何か楽しいことを探してましたね。矢田ちゃんとだからこそ、あそこまでリラックスしてやれたんだろうな。
ーーそんなふうに楽しいことを共有できる仲間と、長く関係が続いているのは素敵ですね。
矢田 僕らは元々ミュージカル『テニスの王子様』で7代目青学(せいがく)で共演していて、そこからの縁なんです。「テニミュ」が終わってから仕事で共演することはなかったんですが、コロナ前までは1年に1回、青学で集まったりもしてました。
山本 一時期、同じゲームにハマってた時はほぼ毎日オンライン上で会ってたしね。あとはお互いのSNSを見たりもしますし。
矢田 俺、仕事で青学のメンバーと共演することってあんまりないかも。だから今回はいい機会だなと思っています。
ーーちなみに、お互いの第一印象って覚えていますか?
山本 うわ〜、もう覚えてないなぁ(笑)。最初に会ったのがどこだったのかすら覚えてない。でも出会った当初の印象としては、オシャレな人だなと思っていた記憶があります。うん万円する靴とか履いててさ。「靴にそんな値段かけるなんて、ありえねーよ!」って言いまくってた。
矢田 頑張ってたんよ、当時は(笑)。俺から見た一慶の第一印象は、稽古着でオレンジのバスパン(バスケットボール用のパンツ)ばっかり履いてんな〜っていう。
山本 履いてたわ!(爆笑)俺は服に全然興味がないからさ、高校の部活で使ってたやつをずっと履き続けてたんだよね。ていうか酷いな、俺がオシャレさを褒めた後に「バスパンばっかり履いてる」って。何だよそれ。
矢田 (笑)。
ーー出会った当時と今で、印象が変わったところはありますか?
矢田 いやぁ、変わらずじゃないですか? お互い大人になったとは思うけど。
山本 俺は一個ある。矢田ちゃんは髪が黒くなった! 昔はずっと明るい髪色で、冒険しまくってたのに。
矢田 小まめに染めるのがめんどくさくなって。
山本 うわ〜! こんなこと言う人間じゃなかったのになぁ。
矢田 服も着心地重視になったもん。オシャレとかどうでもいい。ダボダボのやつがいい。
山本 あんなにオシャレに着込んでたのに!? でもようやくその境地に達したんだな。俺は出会った頃からその域にいたのよ。今も昔もずっとダボダボの服着てるもん。
矢田 普通の人が一周回って行くところに最初から行ってたんや(笑)。
山本 そう、俺は一周目からそこだった。だからバスパン履いてたの(笑)。
ーー今回8年ぶりということで、お互いに楽しみにしているところはありますか?
山本 具体的にどこがというよりも、単純に8年も経てばいろいろ変わっているだろうから。声の出し方とかも昔とは違うだろうしね。
矢田 確かに。「テニミュ」の時の取材されてる動画とか見ると、俺、めっちゃ声高かったもん。
山本 ウニャニャニャニャ…(高音)みたいな感じだったもんね。
矢田 それ、どうぶつの森のキャラクターの声やん。
山本 (笑)。
矢田 俺が楽しみにしてるところは一慶の歌かな。今回は歌もあるのですが、8年前はなかったから、聞くのは本当に「テニミュ」以来かも!
山本 そっか。俺はたまに矢田ちゃんの歌聴いてるよ。SNSにカッコつけて歌ってる動画アップしてるじゃん。あれ見て「やってんな〜」って思ってて…。
矢田 おい(笑)。
ーー他に、今作ならではの見どころはありますか?
矢田 今回はプロジェクションマッピングもあるみたいで。どんな感じになるかはこれからですが、そこも8年前との違いですかね。
山本 『銀河鉄道の夜』の世界観と音楽とプロジェクションマッピングがかけ合わさると、心地いい、素敵な空間になりそうだね。だから俺たちは、今回は絶対に笑ってはいけない…。
矢田 マジで? 厳かにやらないとダメ?(笑)
山本 うん。厳かにやらないと(笑)。
矢田 いやいや、せっかくなんで楽しくやろうよ。と言いつつ、演出家さんがめちゃくちゃ厳しいかたやったらどうしよう(笑)。
山本 それは大丈夫! 俺はこの間ご挨拶させていただいたけど、すごく穏やかなかただったよ。
矢田 よかった(笑)。稽古はまだこれからなので僕らとしてもどうなるか分からないですが、楽しくやっていけたらと思います。
ーーそれでは最後に、本作を楽しみにしているファンのかたに向けてメッセージをお願いします。
山本 8年ぶりの矢田ちゃんとの共演ということで、今の言葉で言うと「エモい」作品になると思います(笑)。『銀河鉄道の夜』は不思議なお話ですが、その不思議について考えれば考えるほど、心がほっこりする温かい作品です。ぜひ穏やかに、自分と向き合う時間にしていただけたらと思います。
矢田 8年前に観にきてくださったかたはもちろん、最近僕のことを知ってくださったかたも、『銀河鉄道の夜』という題材に触れるのが初めてというかたも、観にきていただけたら嬉しいです。2人のデュエットとかもあるらしいので。楽しみにしていてください!
取材・文:井上明日香/撮影:ケイヒカル
【公演概要】
タイトル:リーディング『銀河鉄道の夜』
原作:宮沢賢治
上演台本・音楽:新内多賀太夫
演出:彌勒忠史
日程:2023 年11 月30 日(木)~12 月3 日(日)
劇場:東京芸術劇場シアターイースト
出演:矢田悠祐、山本一慶、紫吹淳
料金:S 席8,500 円 A 席7,500 円(税込・全席指定)