【ゲネプロレポート】越前リョーマ役・竹内雄大「歴史と最高のバトンをしっかりと受け継いで…」『テニミュ』4thシーズン 青学(せいがく)vs比嘉 開幕

リリース情報

ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学(せいがく)vs比嘉が、1月11日(土)に東京・日本青年館で開幕。初日に先立ち、同劇場にて公開ゲネプロと初日会見がおこなわれた。メディアクトでは、ゲネプロと会見の様子を劇中写真とともにレポート。今作から青学(せいがく)は新キャストとなり、新生・青学(せいがく)として初めての本公演となる。

関東大会で強豪たちを倒した青春学園中等部テニス部は、ついに全国大会へ出場。沖縄代表の比嘉中学校と熱戦を繰り広げる。沖縄武術の体得者でありダークホースと呼ばれる比嘉中に、青学(せいがく)がどう対抗するのだろうか――。

11代目青学(せいがく)から大きなバトンをしっかりと受け取った新生・青学(せいがく)メンバーと、対峙する比嘉中のメンバー、不動峰・六角・立海のメンバーが全力でぶつかりあった、熱い公演となった。聴きごたえのある長さと力強さを兼ね備えた歌唱ナンバーの数々、全国大会とそれにまつわる対戦校たちのエピソード、同校部員同士の関係性の深まりなど、見どころが満載だ。

1幕90分、20分の休憩をはさんで2幕90分。合わせて3時間20分ほど。原作の「あのエピソードも!」と思わず笑顔になったり情緒をかき乱されたりしてしまうシーンも盛り込まれており情報量は多いながらも、すっきりとまとまっている。

特筆したいのは、歌唱と、感情の流れの明確さだ。キャラクター1人ひとりの見せ場では、ソロや学校ごとのナンバーがしっかりと入っているので、そのシーンで見せたいものが分かりやすい。また、全体歌唱など多くの人数が集まったナンバーでは、大勢の声の量によるものだけではない、迫力と熱意に圧倒される。

感情の流れの面では、ひとつのシーンにたどり着くまでのエピソードの積み重ねが丁寧に成されているのを感じた。例えば2幕のvs比嘉戦におけるシングルス2・菊丸vs甲斐戦。菊丸(長嶺龍汰)は1幕で、黄金(ゴールデン)ペアの相手である大石(藤本力翔)とのやりとりを経てこの試合に臨んでいることが丁寧に描かれている。対する甲斐(益川和久)も、六角・佐伯(松永有紘)の対戦で感じた焦りやいらだちを抱えたまま菊丸との試合に臨む。試合の前の2人の表情や雰囲気が、1幕の前半で見せていたものと違って見えるのは、それぞれのこの経緯が描かれているからだろう。

シングルス1では、リョーマ(竹内雄大)が、爆発的な技と圧倒的な体格差のある田仁志(平川聖大)にどう立ち向かっていくのか。シングルス1では、復帰したばかりの手塚(寺田友哉)が、比嘉中を束ねる力を持つ木手(二階堂 心)とどのような試合を繰り広げるのかに特に注目してほしい。特に手塚・木手戦では、木手としてすでに円熟みさえ感じる二階堂の芝居と歌唱で、木手が比嘉の部員の中でどんな存在なのかをあらためて理解できる。ふたつのダブルスの試合(不二・河村vs平古場・知念、乾・海堂vs不知火・新垣)ももちろん見どころだ。

また、セットがよりシンプルに、機能的になっていることにも触れたい。高い段差により、キャストたちが隠れることなくさまざまな場面転換やシーン表現も可能になっている。特にベンチワークが見やすくなり「ベンチの出入り、なるほど」と思える使われ方もしている。段差があるだけに、怪我には気をつけてもらいたい。

お披露目会でも披露され、本作でも歌われるナンバーの中に「人生最高の通過点」という歌詞がある。「OK俺が(俺たちが)つないでやるさ」と、リョーマと青学(せいがく)メンバーたちは歌う。それは、これまでの地区予選で戦ってきた対戦校の相手の思いを背負って全国大会の舞台に立つ気持ちであると同時に、11代目をはじめとしたこれまでのキャストたちからの思いも背負ってこの作品に挑む、というふたつの意味があると受け取れる。代々のキャストに渡され、思いを託されてきた彼らのラケットを握ってナンバーを歌い上げる彼らの決意を、しっかりと受け止めたい。

リョーマを演じる竹内は、ふとした表情が11代目・今牧輝琉や9・10代目の阿久津仁愛を思い起こさせる表情をする。また、手塚を演じる寺田友哉も、宇野結也(9代目)・和田琢磨(6代目)などが演じていた手塚をふっと思い起こさせる。しかし、顔かたちだけではなくそこに“思い”が乗っているからこそ、そのような雰囲気が出ているのではないだろうか。青学(せいがく)をリードする2人が、過去キャストの皆の思いをすべて背負い、これからどんな青学(せいがく)と『テニミュ』を作り上げていくのか楽しみでならない。

リョーマたちにとっても、新・青学(せいがく)キャストたちにとっても、新しい舞台の幕開けだ。大きな改革を経て、さらに長く愛される『テニミュ』へ。向かい風を追い風に。航海に乗り出す彼らにとって、この公演が人生最高の通過点になることを願ってやまない。

囲み取材の模様

また、ゲネプロ前には会見がおこなわれ、キャストたちがコメントを寄せた。登壇者は越前リョーマ役・竹内雄大、手塚国光役・寺田友哉、木手永四郎役・二階堂 心、田仁志 慧役・平川聖大。※田仁志 慧の「慧」は旧字体

竹内雄大(越前リョーマ役)
いよいよ全国大会が始まります。僕たち新・青学(せいがく)にとっては初めての本公演です。青学(せいがく)だけではなく、比嘉をはじめとしたキャストの皆さんに支えられ、1人ひとりが成長できてとてもいい作品になりました。

(見どころは)田仁志戦に注目してほしいです。リョーマくんが、あんなにも大きな田仁志くんにどうやって挑むのかを観てほしくて。いろいろな着眼点がある試合だと思っているので、まばたきをせずに観てほしいです。

約2か月の稽古を終えて、刺激をし合いながら1人ひとりが成長して、充実した稽古だったと思っています。20年以上続くこの『テニミュ』の歴史と最高のバトンを僕たちがしっかりと受け継いで、皆さまに最高の2025年の幕開けを観てほしいと思っています。ぜひ劇場でご観劇ください!

寺田友哉(手塚国光役)
全国大会に向けて、“強い青学(せいがく)”を目指してみんなで稽古をしてきました。これだけの長い間愛されている作品に関われることに、毎日刺激を受けていて幸せです。『テニミュ』カンパニーの一員として全力でがんばっていきます。

青学(せいがく)は、何も分からないところから始まりました、ラケットの振り方から始まり、その日からみんなで「いい作品を作っていこう」「かっこ悪くても、泥臭くてもいい」と話し合い、日々精進してきました。ありがたいことに、多くの先輩方やスタッフの皆さんからアドバイスをいただき、それらを受け止めてきました。全員が全力で走っていこう、と決めた青学(せいがく)メンバーのことを、誇りに思っています。

関東大会から進化した青学(せいがく)をお見せするのはもちろん、僕たちは公演の中でも学びを得て成長していきます。限られた公演数ではありますが、その中でも成長していく僕たちをご覧いただけたら幸いです。全員が一瞬一瞬に魂を燃やして挑んでいます。今回僕も、心くん(二階堂)演じる木手との試合があります。手塚本来の強さを表現しているので、闘志を燃やした僕たちの姿をぜひご覧ください。

二階堂 心(木手永四郎役)
先代の方々からバトンを受け継ぎながらも、「いちから新しいものを作っていこう」という気持ちで新しい風を吹かせられたらと思っています。

比嘉中テニス部は、木手が集め、技も率先して教えてきた、木手が部長としての役割を果たしている学校です。僕自身のテーマとして、稽古中も木手と同じようにできたらと思い、稽古を進めてきました。実際、最高のチームに仕上がっていると思います。『テニミュ』ファンの皆さんは、『テニミュ』のこの長い歴史の中でたくさんのいい思い出があると思います。僕たちも皆さんの記憶の中に色濃く残れるように、素晴らしい試合と素晴らしい舞台にしようと思っていますので、ぜひご期待ください。

平川聖大(田仁志 慧役)
今までは、客席で観て憧れていた側でした。この舞台に立てて、素直にうれしいです。パフォーマンス中は、自分を俯瞰(ふかん)で見ています。お客さまが(客席に)入ったらどうなるのが楽しみです。(見どころは)僕(田仁志)の持ち味であるパワープレイ。リョーマ君と体格差がある中で、どんな試合展開になっていくのか、お互いがどう切り抜けていくのかが見どころです。また、比嘉として沖縄の空気感やダークホースの存在感も注目ポイントです。

今作が新年初めての観劇になる方も多いと思います。そうではない方々にとっても、初笑いならぬ“初熱狂”となる舞台になるように仕上げてきました。僕にとっても暑い冬です。外の寒さをかき消すくらいの情熱がこもった作品です、劇場でお待ちしております!

取材/文:広瀬有希、撮影:ケイヒカル

【公演概要】
ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学(せいがく)vs比嘉

原 作 許斐 剛『テニスの王子様』(集英社 ジャンプ コミックス刊)
脚本・作詞・演出 三浦 香
音 楽 坂部 剛/Yu (vague)
振 付 遠山晶司(梅棒)/YOU
主 催 テニミュ製作委員会
協 賛 ファミリーマート

出 演:
<青学(せいがく)>
越前リョーマ役:竹内雄大、手塚国光役:寺田友哉、大石秀一郎役:藤本力翔、
不二周助役:橋本勇大、乾 貞治役:世良大雅、菊丸英二役:長嶺龍汰、
河村 隆役:坂上翔麻、桃城 武役:有岡歩斗、海堂 薫役:渡邊 樹、
堀尾聡史役:大山蓮斗、加藤勝郎役:加藤央睦、水野カツオ役:中川湊斗

<比嘉>
木手永四郎役:二階堂 心、甲斐裕次郎役:益川和久、平古場 凛役:桜井 一、
知念 寛役:坂田大夢、田仁志 慧役:平川聖大、不知火知弥役:高岩芯泰、
新垣浩一役:津山晄士朗、早乙女晴美役:鷲尾 昇  ※田仁志 慧の「慧」は旧字体

<不動峰>
橘 桔平役:熊沢 学

<六角>
葵 剣太郎役:宮脇 優、佐伯虎次郎役:松永有紘、黒羽春風役:桐田伶音、
天根ヒカル役:栗原航大、樹 希彦役:森下紫温、木更津 亮役:岸本舜生、
首藤 聡役:中嶋 健、オジイ役:うじすけ

<立海>
真田弦一郎役:速川大弥、柳 蓮二役:梶山武雅、柳生比呂士役:中山清太郎

<テニミュボーイズ>
徳田海斗、樋口明志

公演日程 
東京公演 2025年1月11日(土)~1月19日(日) 日本青年館ホール
大阪公演 2025年1月25日(土)~2月2日(日) 梅田芸術劇場 メインホール
東京凱旋公演 2025年2月8日(土)~2月15日(土) TACHIKAWA STAGE GARDEN
チケット料金 7,800円(全席指定/税込み)
お問合せ ネルケプランニング  https://www.nelke.co.jp/contact/
公式サイト https://www.tennimu.com/
テニミュ・モバイル https://sp.tennimu.jp/

©許斐 剛/集英社・テニミュ製作委員会