【ゲネプロレポート】新たな“世界”のステージへ!舞台『ブルーロック』3rd STAGE東京公演開幕

レポート

8月17日(土)、東京・シアターHにて舞台『ブルーロック』3rd STAGEの東京公演が開幕する。これに先立ち、同劇場にて公開ゲネプロがおこなわれた。

本作は、2018年から「週刊少年マガジン」(講談社)にて連載中の「ブルーロック」(原作・金城宗幸、漫画・ノ村優介)の舞台化作品第3弾。

 全国から集められた優秀な高校生フォワード300人が、“青い監獄(ブルーロック)”と呼ばれる施設で、さまざまな試練を課せられながら最強のエゴイストストライカーを目指す物語だ。脚本・演出は、第3弾となる今回も伊勢直弘が引き続き担当する。

メディアクトでは公開ゲネプロを取材。キャラクターの特徴などと合わせて、本作の見どころを撮り下ろし写真とともにレポートする。彼らの性格や背景などの細かい部分に触れている箇所もあるため、初見の楽しみを大事にしたい読者は観劇後に読むなどの対策を取ってほしい。

前作は、二次選考(セレクション)「奪敵決戦(ライバルリーバトル)」が終了し、潔 世一(演:竹中凌平)が糸師 凜(演:草地稜之)率いるチームに引き抜かれたところで終わった。今作ではさらに世界観が大きく広がり、世界選抜メンバーたちとの5vs5での戦いと、そこから始まる三次選考・適性試験(トライアウト)の様子が描かれる。

今作も潔役を続投している竹中は、潔が自らのエゴをより高め、プレースタイルを急速に進化させていく様子を熱演。初演からますます熱を帯びていく試合シーンでは、全力疾走を続けながらの長セリフをこなしている。息をつく間もないほどに走り、蹴り、また駆け抜ける。そんな中でもしっかりと聞き取れるセリフ回しと、主人公らしい存在感はさすがのひと言。窮地に追い込まれてもまた新しい世界の扉をぶち開けて進化して行く潔と竹中から目が離せない。

圧倒的な実力で、ブルーロックランキング1位に君臨する糸師 凜。前作では、まだその性格や考えていることがほぼ分からなかったが、今作では、悔しがったり挑発に乗って怒りをあらわにするなど、人間らしい部分がじょじょに見えてきている。演じるのは草地稜之。高圧的で、基本的に他者に対して上から目線。しかしサッカーに対しては真摯で、精神統一も含めた鍛錬をおこたらない凜を好演している。

前作で自分の中の「かいぶつ」と決別し、また階段を1段上がった蜂楽 廻を演じるのは佐藤信長。怖いもの知らずで天真爛漫、しかしズバリと核心をついた言葉を投げかけることもある。鋭く華麗なドリブルワークでブルーロックランキングの上位をキープしている実力者だ。演じる佐藤は自らの持つ周りを明るくする雰囲気と笑顔が役とマッチ。今回も端々で強い印象を残している。

スピードなら誰にも負けない。「お嬢」と呼ばれるほどの美形でサラサラの長髪がトレードマーク、しかし誰よりも猛々しく勇猛果敢で負けず嫌いな千切豹馬は、今回も佐伯亮が演じている。自分の得意なことを分析し、その能力をいつどのように見せれば良いアピールになるか把握し実行しているクレバーな面も魅力的だ。

 その千切と前回はチームを組み、正々堂々としたプレースタイルと強いフィジカルが特徴のヒーロー・國神錬介は前作に引き続き織部典成が演じる。今作で國神は大きな壁にぶち当たることになる。

オールラウンダー・御影玲王を演じるのは3作連続で菊池修司。周りがうらやむほどに何でも持っている玲王は、本当に自分が望むものは手に入れられていない。宝物である凪 誠士郎は自分の元を去り、置いてけぼりになったと思い込み腐りかけたものの、自分の能力を見つめて殻を破る姿に胸が熱くなる。

その凪 誠士郎を演じるのは前作に続き佐藤たかみち。長い手足と白い髪が似合うビジュアルは、2次元からそのまま出てきたキャラクターのようだ。天才と呼ばれる人間は、自分の能力の大きさにはなかなか気付けない。しかし舞台で言えば、凪は1作目で敗北を知り、2作目では、玲王との約束を果たすために互いにさらに強くなる道を選んだ。今作でまた大きく成長し、進化を続けて行く天才・凪からも目が離せない。

潔が、蜂楽、馬狼照英、凜など多くの人間と関わって彼らからさまざまなものを得ながら成長していくのに対して、凪と玲王はニコイチとも言える関係性だ。玲王はワールドカップの優勝のため、凪は玲王の夢を一緒にかなえるためにさらに強くなろうとしているのだが、お互いの思っていることをちゃんと口にしないせいでどんどんすれ違いが生まれていく。この2人が、お互いに(主に玲王側が)何のわだかまりもなく、ともに同じチームで笑顔でプレーできる日を願ってやまない。

今作から加入。エキセントリックな無二の人物、士道龍聖は松田岳が演じる。「振り切った芝居ができる」と取材会で脚本・演出の伊勢直弘が太鼓判を押していたとおり、普段の突拍子もない言動も含め、試合中の思いもよらない動きなども、まさに士道そのものだ。彼のプレースタイルはサッカーとしての枠にはまらないが、リアルな人間である松田はその動きも見せた上で実力派プレーヤーであることも分からせてくれる。時たま裏返る声や息遣いを駆使したセリフ回しも加わって、舞台版の士道龍聖として強烈な存在感を示している。

宇野結也は、持ち前の抜群の身体能力で烏 旅人を好演。どこか達観的でありながら相手の弱点をとことん攻めて行くリアリストな旅人は、ニヒルな表情も魅力的だ。その旅人とペアとなる乙夜影汰は健人が演じる。和のアクションを思わせるキレの良いプレースタイルに注目を。

柔和な態度と顔つきに似合わず力強いドリブルが特徴の雪宮剣優(演:遊馬晃祐)、まだその能力の全貌を明かしてはいないものの、ちらりと見せた秘密に今後大きな期待が持てる氷織 羊(演:三浦海里)、潔・氷織と組み合わされると癒やしの空気を作品に与えてくれる七星虹郎(演:阿部快征)。我牙丸 吟 (演:村松洸希)、五十嵐栗夢(演:書川勇輝)にもしっかりと見どころが用意されている。

蟻生十兵衛(演:磯野 大)と時光青志(演:中林登生)は、今回は主に日替わりシーンなどで清涼剤的な役割も請け負っているが、試合中には彼らの強烈なフィジカルが見て取れる場面もあるので楽しみにしていよう。

世界選抜チームのジュリアン・ロキ(演:上山航平)、レオナルド・ルナ(演:土居健蔵)、アダム・ブレイク(演:牧野裕夢)、パブロ・カバソス(演:窪寺 直)、ダダ・シウバ (演:秋山皓郎)、彼らが圧倒的な力を持っていることがうそくさくなってしまえば、この作品の特に序盤において説得力が生まれない。野球をやってきた上山の身体能力、牧野のサッカー実力者としての説得力などが、世界選抜メンバーの強さに裏付けを与えている。 

また、ストーリーテラーでもありブルーロックのメンバーたちの指導を請け負う絵心甚八は、引き続き横井翔二郎が演じている(2では映像出演)。よどみなくまくしたて、驚異の滑舌で熱弁をふるったり、時に力強く選手たちを叱咤激励する。漫画やアニメの中からそのまま出てきて存在しているような横井が演じる絵心の存在感には、誰しも驚くことだろう。

『ブルーロック』は、この三次選考から物語の方向性や世界観も大きく変わっていく。舞台3作目である本作では、絵心からの解説や世界選抜選手たちとの試合を通して、スピーディではあるがスムーズにその変化を観客に伝えている。世界を知り、自分たちの実力を思い知ったところで次はまた別の大きな挑戦が用意されている。息つく間もなく、挑戦と敗北、覚醒と進化をし続けている。1時間50分ほどがあっという間だ。

今作も舞台セットは、可動式パネルと舞台中央の八百屋傾斜を使用。そして、点差や現在のチームメンバーが分かりやすい仕様に。映像と視点移動により、さらにスピード感をリアルに感じられる工夫も凝らされている。原作の特徴である、登場人物の登場や喋りに合わせてその人の名前が映し出されるいわゆる「アニメ・漫画的」な表現もありつつ、人が演じる演劇としての面白さもしっかりと感じさせてくれる作品に仕上がっていると感じた。

 サッカーに必死な彼らの熱い戦い、成長、葛藤、悩み、そこからの脱出。大きな壁にぶつかっても、驚異的な頭の回転や、自分を縛りつけていた鎖を引きちぎってそこから脱出する彼らの姿が『ブルーロック』という作品の大きな魅力だ。舞台では、生の現場で役者たちが体当たりで演じることによって、彼らの必死さをよりリアルに体感できる。

今作では、新しく風を吹かせてくれるキャラクターが多く加入した。彼らの活躍が、進化がとどまるところを知らない潔にどのような変化をもたらすのか。これからのことも大いに気になるが、まずは本作で彼らの今の生きざまを心と頭に焼き付けたい。

公演は8月25日(日)まで、東京・シアターHにて。

取材・写真・文:広瀬有希

■ライブ配信概要
大阪&東京千穐楽公演のライブ配信がDMM TVにて配信!

■配信公演
・大阪公演
 2024年8月12日(月・祝) 17:30公演
・東京公演
 2024年8月25日(日) 16:00公演

<配信情報>
舞台『ブルーロック』、舞台『ブルーロック』2nd STAGEをDMM TVにて無料配信決定!

舞台『ブルーロック』無料配信 2024年8月13日(火)18:00〜
URL:https://tv.dmm.com/vod/detail/?season=mcjzkbvwze4qqavbyjaj35g4m 

舞台『ブルーロック』2nd STAGE無料配信 2024年8月14日(水)18:00〜
URL:https://tv.dmm.com/vod/detail/?season=3ihtutzgdsvqgvdybrz0qzb11

また、8月15日(木)18:00より、
舞台『ブルーロック』3rd STAGE 8月12日(月・祝)17:30公演の同時視聴会の実施も決定!
詳細は舞台ブルーロック公式Xをチェックお願いいたします。

■舞台『ブルーロック』3rd STAGE 公演概要

【タイトル】            舞台『ブルーロック』3rd STAGE(読み ブタイ『ブルーロック』サードステージ)
【原作】            原作:金城宗幸 漫画:ノ村優介『ブルーロック』(講談社「週刊少年マガジン」連載)
【脚本・演出】       伊勢直弘

【出演】                         
潔 世一:竹中凌平         糸師 凛:草地稜之                                                                  
蜂楽 廻:佐藤信長         御影玲王:菊池修司        凪 誠士郎:佐藤たかみち                         
士道龍聖:松田 岳         烏 旅人:宇野結也         乙夜影汰:健人              雪宮剣優:遊馬晃祐
氷織 羊:三浦海里         七星虹郎:阿部快征                                                                 
蟻生十兵衛:磯野 大      時光青志:中林登生        國神錬介:織部典成        千切豹馬:佐伯 亮
我牙丸 吟:村松洸希      五十嵐栗夢:書川勇輝                                                   
ジュリアン・ロキ:上山航平  
レオナルド・ルナ 他:土居健蔵         アダム・ブレイク 他:牧野裕夢        
パブロ・カバソス 他:窪寺 直          ダダ・シウバ 他:秋山皓郎
絵心甚八:横井翔二郎

【日時】              2024年8月9日(金)~12日(祝月)〈大阪公演〉
               2024年8月17日(土)~25日(日)〈東京公演〉 
【会場】           〈大阪公演〉東大阪市文化創造館 Dream House 大ホール
               〒577-0034 大阪府東大阪市御厨南2丁目3‐4
                〈東京公演〉シアターH
                       〒140-0012 東京都品川区勝島1丁目-6-29
【チケット】         価格:11,500円(税込)※全席指定
               詳細は公式サイトをご確認ください。
https://officeendless.com/sp/bluelock_stage/schedule

◆チケットに関して:公演事務局 0570-200-114(11:00~18:00 日祝休業)

【制作】             Office ENDLESS
【主催】             舞台『ブルーロック』3rd STAGE製作委員会
【お問合せ】         Office ENDLESS
               公演事務局: info@officeendless.com(平日10:00~17:00)
※お問い合わせは24時間承っておりますがご対応は営業時間内とさせていただきます。
               ※お問い合わせの際は必ず公演名をお伝えください。

【公式HP】        https://officeendless.com/sp/bluelock_stage
【公式X】            @BLUELOCK_STAGE 
               ハッシュタグ「#ブルーロック」「#BlueLock」「#ブルステ」「#エゴい」

©金城宗幸・ノ村優介・講談社/舞台『ブルーロック』3rd STAGE製作委員会