【ゲネプロレポート】山田ジェームス武による初演出作品「舞台『4月1日』」出演、矢田悠祐・白柏寿大・小沼将大・大野紘幸

レポート

10月5日(土)、東京・浅草九劇場にて舞台『4月1日』が開幕する。これに先立ち、同劇場にて公開ゲネプロが行われた。

本作は、俳優として様々な舞台で活躍する山田ジェームス武が初めて演出を務めるオリジナル作品である。

メディアクトでは初日を前に実施されたゲネプロ公演とインタビューの様子をレポートする。

■ゲネプロレポート

本作は、5年前の4月1日、新宿アルタ前にて撮影された写真に、手が女性の上半身に触れているような様子が映されていたことを理由に、痴漢事件の容疑をかけられたサッカー日本代表・梅花和令(演:ゲスト(ゲネプロでは山本涼介))が、自身が無実であることを主張するところから始まる。

神田(演:山田ジェームス武)の経営するBARに、偶然集まった灰原(演:矢田悠祐)、氷川(演:白柏寿大)、陣内(演:大野紘幸)、新谷(演:小沼将大)の4人の男性。

4人はその日、それぞれ、友人の裏切りによる失職、プロポーズの失敗、勤務先からの解雇、洗濯機の故障といった、大小さまざまな不幸に見舞われていた。神田を含めた5人で皆の不幸話で盛り上がる中、BARで流れていたサッカーの映像をきっかけに、5人全員がサッカー好きであることが発覚する。

サッカーについて話す中で、梅花和令と、彼が引き起こした痴漢事件が話題に上る。更に話を進めると、なんと、5人全員が犯行当日である5年前の4月1日の犯行時刻付近、犯行現場である新宿にて、梅花和令を目撃していたことが発覚する。

5人の記憶を繋ぎ合わせ、5年前の4月1日の梅花和令の足跡を辿る。

本当に梅花和令は痴漢行為を行ったのか。行っていないとしたら、なぜ梅花和令の手が女性の上半身に触れているような写真が残っているのか。

真相は是非劇場で確かめて欲しい。

■囲み取材

―――山田さんの初演出の舞台ということですが、演出をすることが決まった時の山田さんお気持ちをお教えください。

(山田)すごく楽しみでしたが、蓋を開けたらしんどかったです。

今後この経験を色々な舞台に生かしていきたいですし、また挑戦する機会があれば挑戦したいです。

―――普段役者さんとしてご一緒されている皆様は、役者仲間である山田さんの演出する舞台に出演することが決まった時、どのようなお気持ちでしたか?

(小沼)右を差されたら右を向こうという気持ちでやりたいと思っていました。
彼が色々経験してきたからだと思いますが、熱心にアドバイスをしてくれて、そういう部分がすごく勉強になりましたし、この舞台を成功させたいと強く感じました。

(白柏)出演が決まった時は、緊張と嬉しさを同時に感じました。大切な役者の先輩の初めての演出というプレッシャーを自分も一緒に担いたかったですし、勝手に担っていたつもりでした。
稽古が始まって、演出をしているジェー君に違和感がなくて、安心して稽古できました。

(矢田)他の作品で共演したときによく芝居の話をしていたので、出演が決まった時は楽しみでした。他の舞台で若い子にアドバイスしているのを見ていたので、実際に稽古が始まって、演出側の席にいるのを見たときに違和感はありませんでした。
白柏と同じく、初演出舞台ということで、成功させたいという気持ち、できることは全部やれればいいなという気持ちです。明日初日なのでお客様にどう届くのかが楽しみです。

(大野)今回初めましてでしたが、ジェーさんが休憩時間がないくらい動いていらっしゃったし、芝居に対してすごく熱い方で、いろいろなことを勉強させてもらいました。
初演出舞台に出演させていただけることがすごく光栄ですし、舞台を成功させたいという気持ちです。

(山本)ジェー君が演出と聞いて「面白そうですね。出ます!」と出るのを決めました。僕は稽古期間が短めでしたが、ジェー君も役者なので的確に指示をくれて助かりました。

―――今回特に注目してほしいポイントを教えてください。

(山田)話の内容的に考察的な部分があるので、そこに注目してほしいです。

あと、キャストの仲が良いからこそ生まれる距離感、テンポ感も味わってほしいです。

■山田さん個別インタビュー

―――先程演出について、「蓋を開けたらしんどかった」というお話がありましたが、何が一番しんどかったですか?

(山田)演出と役者の切り替えがなかなかできなくて大変でした。
役者として出演もしているのに、人のセリフを聞くより映像や照明に集中してしまうことがあり、その切り替えに苦労しました。

―――今回初演出ということですが、演出にはもともとご興味があったんですか?

(山田)元々は強く興味を持っていたわけではありません。年齢を重ねるうちに年下の役者達にアドバイスをする機会が増え、それによって自分が役者として得ることも多く、30歳を超えたあたりから、一度演出に挑戦してみたいという気持ちが芽生えました。

―――今回演出をやることになったきっかけをお教えください。

(山田)プライベートでも仲良くしている矢田と、別の作品で共演した際に、舞台上ではあまり絡みがなかったので「もっとバチバチに芝居がしたいね」という話をしていました。そこから「じゃあ作っちゃえばいいんじゃない?」という流れになったのが、最初のきっかけです。

―――今回演出するうえで意識した点はありますか?

(山田)お客様が考察する要素があるので、お客様が疲れずに楽しめるように、話が難しくなりすぎないように意識しました。

―――また演出をやるとしたら、どういうものをやりたいですか?

(山田)今回、皆とじっくりディスカッションをして、いろんな挑戦をしたいなと思いました。コメディやシリアスなど、いろんなジャンルに挑戦したいです。

―――次回出演してほしい役者さんはいますか?

(山田)めちゃくちゃいます。一番を挙げるとしたら・・・・・・・・・・・・・・・稲垣成弥。同世代だと気兼ねなく意見を言い合えるので、同世代を集めて舞台をやってみたいです。

―――他の出演者の皆様とはどのくらいのお付き合いですか?また初対面の時の印象を教えてください。

(山田)将大君は10年くらいの付き合いですが、初対面の時はイケイケな感じでヤンキー気質があるように感じました。でも蓋を開いたらめちゃくちゃ天然でアホだったので、そのギャップがかわいかったです。
矢田君は3年くらい前に共演しましたが、見た目がおしゃれで、ヤンチャそうなやつだな、ガラ悪いなと思ってました(笑)
寿大は2年くらい前に共演しました。当時年下があまり好きではなかったので、結構ドライな反応をしてしまいましたが、めげずに積極的に話しかけてくれて、元気で社交的なやつだなと思っていました。
大野君は今回が初めましてでしたが、めちゃくちゃいいです。僕の好みのお芝居ですし、いろいろ挑戦してくれるし、自然に、楽しそうに演じているのをみて、こっちも楽しくなってきます。

―――他の出演者の皆様の、役者さんとして好きなところを教えてください。

(山田)将大君は天然すぎて僕の技術じゃ扱いきれないですね笑 首輪を繋いでおかないとまだ扱えないので、首輪を外しても大丈夫になれるように頑張ります。
矢田君はなんでも柔軟にできるところですかね。急な注文にも絶対に反発せずに「一回やる」ということを徹底してくれています。役者として見ていた時には「すごく器用でいいな」と思ってたんですけど、演出家として見たときに「こんなに助かる役者いないわ」と思うくらい助かります。
寿大は誰よりも考えてそのキャラクターを大事にしてくれるので、自分の意図とそぐわない時もありますが、「確かにそういう面もあるな。それを大事にしなきゃいけないな。」と新しい発見ができます。
大野君はすごく真っすぐに色々挑戦しているところが好きです。

―――最後に、舞台を楽しみにしている皆様へのメッセージをお願いします。

(山田)今回初めての演出で、役者とスタッフの力をたくさん借りている部分もあるのですが、今現状で僕が作れるもの、皆で協力して作れたものだと思います。
本番に入る前から完成させた状態でお届けするのはもちろんですが、日に日に進化していく部分もあるような作品なので、毎日毎日、昨日を更新して最後まで素敵な作品を届けられたらと思います。

記事:大崎みき/写真:ケイヒカル

■公演概要

舞台「4月1日」

日程:2024年10月5日(土)~2024年10月13日(日)
会場:浅草九劇場

演出:山田ジェームス武
作:福島徹 彦( JBT)

出演者:
山田ジェームス武
矢田悠祐
白柏寿大
大野紘幸
小沼将大

ゲスト:
山本涼介 / 北乃颯希 / 深澤大河

プロデューサー:
菅谷みにい EIKI

製作 プロダクション:
MinyMixCreati部