【イベントレポート】TVアニメ『【推しの子】』スペシャルイベント 苺プロダクション☆ファン感謝祭2025(夜の部)

2025年2月2日(日)に立川ステージガーデンにて行われたスペシャルイベント『苺プロダクション☆ファン感謝祭2025』の模様をレポートでお届けする。
『【推しの子】』は、2020年4月より『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で連載がスタートした芸能界を題材にした物語。地方の産婦人科医である主人公・ゴローが、推しのアイドル・アイと出会うも、とある出来事で死亡してしまう。しかし、ゴローはアイの子どもに転生し、さらにさまざまな出来事が巻き起こり……彼女と同じ芸能界の道へ進んでいくことになる。
ミステリー要素に加え、芸能界の世界をリアルに描いたことが人気を博し、2024年12月に原作が完結。
テレビアニメは1期が2023年4月~6月、2期が2024年7月~10月に放送され、好評のうちに終了。実写ドラマ、映画、2.5次元舞台とさまざまなメディアミックスが続いている。
今回のイベントは、主人公たちが所属する事務所「苺プロダクション」のファン感謝祭という体で行われるスペシャルイベントとなっている。
出演者は下記の通り。
大塚剛央(アクア役)、伊駒ゆりえ(ルビー役)、潘めぐみ(有馬かな役)、石見舞菜香(黒川あかね役)、大久保瑠美(MEMちょ役)、内山昂輝(姫川大輝役)、前田誠二(鳴嶋メルト役)、小林裕介(鴨志田朔夜役)
イベントは「朗読コーナー」「ゲームコーナー」「ライブコーナー」3つの要素で構成されている。
■朗読コーナー
アニメ第2期を振り返る形で、伊賀拓郎によるピアノの生演奏をBGMにスクリーンに映し出された画像に、呼応するよう各キャストが生朗読で綴る。
主なエピソードは2.5次元舞台編の稽古、脚本修正問題、舞台本番。その後、新曲PV撮影と続く。
この脚本修正シーンでは、サプライズゲストが登壇した。
鮫島アビ子役の佐倉綾音と吉祥寺頼子役の伊藤静の二人だ。アビ子の締め切りギリギリの進行を吉祥寺が手伝い、それぞれ言い合いながら仕上げた後、原作とメディアミックスの苦労を互いに吐露する(昼の部では意見をぶつけ合うシーンだった)。自身が好きな作品が望まぬ形になることへの悲しみを涙ながらに訴えるアビ子と、それを優しく包む吉祥寺。心を震わせるような声の演技に会場が包まれていた。
舞台本番は紗幕に画像を映し出し、キャストは『東京ブレイド』のキャラクターに模した服装をそれぞれまとって演技。ブレイド(姫川大輝)とつるぎ(有馬かな)の出会い、キザミ(鳴嶋メルト)と匁(鴨志田朔夜)の対決、鞘姫(黒川あかね)との最終対決など。さながらリアルな舞台とも見紛う内容で、これまで映像だけだったものが実際にそこで演じられる熱量に圧倒される内容だった。


■ゲームコーナー
「再現ドラマを再現しよう」という、作中のドラマ・舞台をキャストが再現するコーナー。
夜の部では『東京ブレイド』のワンシーンを題材に、各キャストがお題に沿った劇に挑む(昼の部では『今日は甘口で』だった)。配役は下記の通り。
①お題「全員、昔のメルトみたいにヘタクソで動きもぎこちない役者だったら」
鞘姫:前田誠二
刀鬼:伊駒ゆりえ
匁:大久保瑠美
ナレーション:伊藤静
※お題を見た進行役の内山は「こんなの声優さんにお願いしたくないよー」とツッコミを入れていた。
②お題「全員、歌舞伎役者だったら」
鞘姫:潘めぐみ
刀鬼:小林裕介
匁:大久保瑠美
ナレーション:大塚剛央
どちらも個性的な演技となり、アドリブなども相まって原作のかけらも一ミリも残っていないようなカオスな展開に。
①のメルト編は、となりにメルトを実際に演じた前田がいるにもかかわらず「メルトを降ろす」と言ってやる気の大久保。全員が下っ足らずや、しゃくれているような喋り方、また大げさな動きで頑張る伊駒、と、会場が盛り上がった。
②の歌舞伎役者編は、ナレーションの大塚が雰囲気を作り、それにつられ身振り手振りを加えた潘、小林の好演もあり、新たな作品として仕上がりつつ(客席からの『よ!』などの掛け声も、盛り上がりの要因となった)、石見の独特の言い回しも会場中に笑いを生み出した。
評価するのは原作者の鮫島アビ子役の佐倉。特に歌舞伎役者編では、3人はなんらかの日本芸能を演じていたと評し、すごく楽しかったと好評だった。
大盛り上がりの中、斉藤ミヤコ役Lynnとぴえヨン役の村田太志と登壇し、次のライブコーナーへの繋ぎとして当日イベント会場で販売された物販グッズの紹介を始める。特に、トートバッグの持ち方を昼の部に指摘されていた内山のイジリが発生し、気がつけば、さまざまなグッズを着せられたり持たされたりして会場は笑いに包まれていた。


■ライブコーナー
●セットリスト
B小町:ルビー(CV:伊駒ゆりえ)、有馬かな(CV:潘めぐみ)、MEMちょ(CV:大久保瑠美)
・01 Say What?
・02 深海 52Hz
・03 POP IN 2
・04 STAR☆T☆RAIN
・05 サインはB
「Say What?」は紗幕に映像と歌詞を打ち出し、クールな曲調が際立つような演出。「深海 52Hz」は深海を再現したように気泡が下から上に流れ、孤独な苦しさと切なさを表現。
表題曲の「POP IN 2」は、物語中でも重要な役割を担う楽曲。作中でこのMVは話題となり、新生B小町の躍進に繋がった。作中では視聴回数は2000万回を更新するが、実際の世界では3300万回(2025年2月現在)を超え、物語と現実をクロスオーバーした内容になっている。
また、B小町がMVを撮影するために宮崎県を訪れ、そしてアクアの転生前のゴローの遺体を発見するシーンに繋がる。物語の推進と伏線回収に繋がる大切な楽曲である。
そんな大切な楽曲を紡ぐB小町のメンバーは、「POP IN 2」のPVを再現したリボンが印象的な衣装に身を包み、登場。
ダンスの難易度は高く、振り付け担当の方が「スイマセン、作った時に、歌うこと忘れてました!」と言われたほどではあるが、それが実際に完成度高く披露されるということに感動を覚える。
既存曲の「STAR☆T☆RAIN」「サインはB」はもちろん大盛り上がる。コール&レスポンスが多い『サインはB』が本日の最後を飾る楽曲となり、会場が揺れるほどの「うりゃおい」が叫ばれ一体感となり包まれ、有終の美を飾った。
最後には新作アプリや第3期が2026年放送開始ということが発表され、熱気冷めやらぬ中、幕を閉じた。
次期アニメの放送は2026年と1年以上先にはなるが、今後のさまざまな展開が期待される内容だった。

取材・文:木皿儀
※配信アーカイブは2月9日(日)まで視聴可能です。もし気になった方はそちらをご覧ください。
ライブ配信チケット情報
販売チケット
[通常チケット]4,400円(税込)
[「選べる推しキャラグッズセット&銀テープ」付き配信チケット 全8種]各7,700円(税込)
販売サイト https://eplus.jp/ichigoproduction2025/st/
販売期間 2025年1月8日(水)12:00~2025年2月9日(日)21:00
アーカイブ配信期間 2025年2月2日(日)各公演終了後~2025年2月9日(日)23:59
開催概要
TVアニメ『【推しの子】』スペシャルイベント 苺プロダクション☆ファン感謝祭2025
HP:https://ichigoproduction.com/Season2/event/index.html
開催日 2025年2月2日(日)
会場 立川ステージガーデン
出演者
大塚剛央(アクア役)、伊駒ゆりえ(ルビー役)、潘めぐみ(有馬かな役)、石見舞菜香(黒川あかね役)、大久保瑠美(MEMちょ役)、内山昂輝(姫川大輝役)、前田誠二(鳴嶋メルト役)、小林裕介(鴨志田朔夜役)
出演者は変更となる場合がございます。
サプライズゲスト:Lynn(斉藤ミヤコ役)、村田太志(ぴえヨン役)、佐倉綾音(鮫島アビ子役)、伊藤静(吉祥寺頼子役)
開催時間
<昼の部>開場12:30-開演13:30-
<夜の部>開場17:30-開演18:30-
チケット種
[前方確約チケット(1,2階席)]9,900円(税込)
[通常チケット(1,2,3階席)]8,800円(税込)
[注釈付きチケット(3階席)]8,800円(税込)
配信
[通常チケット]4,400円(税込)
[「選べる推しキャラグッズセット&銀テープ」付き配信チケット 全8種]
各7,700円(税込)
推しグッズ発送は、2025年5月上旬を予定しております。
配信チケットは、お一人様昼公演・夜公演それぞれ1種1枚までご購入可能です。最大各公演全9種ご購入いただけます。
©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会