【体験レポート】イマーシブ・フォート東京にて、イマーシブシアター「ザ・シャーロック~ジェームズ・モリアーティの逆襲」を体験

イマーシブ・フォート東京は、1周年を迎える25年3月1日(土)から、新コンセプト「さあ、感動の最前列へ」のもと、極上の完全没入体験を取りそろえたライブ・エンターテイメント施設に進化した。
3月以降は、これまでの物語を序章とした二幕制へと進化し、新たな作品として生まれ変わる「ザ・シャーロック~ジェームズ・モリアーティの逆襲」、新たな結末を含めたマルチエンディングを採用し、物語がより多層的になる「江戸花魁奇譚」、人気キャラクターとより親密になる「東京リベンジャーズ イマーシブ・エスケープ」に加え、新作の「真夜中の晩餐会 Secret of Gilbert's Castle」(25年4月下旬予定)を加えた4作品で運営し、今後もイマーシブシアターなど濃密な作品を随時追加していく予定となっている。
メディアクトでは二部制に進化した「ザ・シャーロック~ジェームズ・モリアーティの逆襲」と、「東京リベンジャーズ イマーシブ・エスケープ」を体験したので、その模様を写真と共にお伝えする。
※本記事においては、各体験の核心的なネタバレは無いものの、物語の要素などは紹介しているため、まったく事前情報を入れずに体験したい方は、以降の内容を読むことはお勧めいたしません。
■ザ・シャーロック
イマーシブシアター「ザ・シャーロック~ジェームズ・モリアーティの逆襲」概要
登場キャラクター数:約40
体験可能人数:最大180人/回
体験時間:120分(二部制)
料金:7,800円(税込)
年齢制限:6歳から12歳までのお子様は、付き添いの者の判断・同伴が必要です。
クリエイティブ・ディレクター:津野庄一郎
■ストーリー
1894年のロンドン、ベイカーストリート。
ある日、シャーロック・ホームズのオフィスを一人の女性が訪ねてくる。
「数日前から行方不明になっている婚約者を探してください。」
早速、婚約者の捜索に乗り出したホームズとワトソン。
同じ頃、ロンドンの街で“連続猟奇殺人事件”が発生する。
ロンドン警察のレストレード警部は、シャーロック・ホームズにこの殺人事件の捜査協力を依頼する。
全く繋がりのなかった二つの事件を捜査するホームズだったが、とある真相に辿り着いた時、あの宿敵の影が見えてくる。
やがて、名探偵シャーロック・ホームズに最大の危機が襲いかかる。
二つの事件の裏側に隠された驚愕の真実とは?
3月よりリニューアルが加わった本作。
元々は「ベイカー街殺人事件」という副題がついていたものが変わり「ジェームズ・モリアーティの逆襲」となった。

エントランスは以前よりも手前に設置されている。
導入の説明を受ける場所も変更になっている。


●二部制になってより重厚に
体験時間が90分から120分に増え、一幕・二幕の二部制へと変更された。以前の物語自体が一幕となり、その後の大きな展開が二幕となっている。
一幕では、シャーロック・ホームズへ依頼された人探し、ベイカー街で起きる連続殺人事件、娼婦宿に関する人や、サーカス団、酒場で酒を飲む人々など従来の一幕の物語が同時並行に進行していく。
90分だったものが60分に圧縮されているが、各シーンが効率よく省略されており、より目くるめく物語展開が楽しめるように仕上がっている。
筆者は以前体験した際は、シャーロック・ホームズやレストレード警部など推理側のキャラクターは何度か追跡していたので、それ以外のキャラクターを追跡。マスクをかぶった正体不明の「ジョン・ミラー」や、娼婦宿の女主人「マダムジーン」、物語のヒロイン「シャーロット」などを追うことで、同時に起きている物語の裏側を眺めていくことを楽しんだ。









実は、一幕の終わり部分も少しだけ変容している。
とある事件が起きる殺害場所が変わっている。以前はここで死んでいたはずなのに……と待ち伏せしていても、もしかしたらお目当てのシーンが見られないかもしれないので要注意だ。
また、結末の描写も一部変わっている。
本来であれば、事件がホームズの手により暴かれ、真相がわかって終幕となっていたシーンが、ある出来事をきっかけに、ホームズの推理が誤りだったことが判明する、という終わり方が印象的だ。
60分の一幕結末を終え、そして15分間の休憩を挟む。
基本的に競歩のように常に歩き続けたため、すでに足腰が悲鳴を上げ始めるが、本番はこれから。リニューアルされた二幕の体験へと挑む。
●二幕開始、その結末はどうなる……
二幕はとある人物の葬式シーンから開始される。
そのシーンから物語が紡がれていき、ホームズは自身が披露した推理に矛盾があることを自身で解明する。そして、そこから導き出された答えは、高い知能で犯罪を繰り広げてきたジェームズ・モリアーティ教授が関わっている可能性を示唆していた。しかし、実は彼はすでに死んでいるはず……。
不可解な状況に、筆者はまたどこかで事件が起きるのではないか、と考えホームズの部屋を抜け出し、事件の匂いを探して街を歩き回る。すると、気になる移動をしている人物を見つけたので、それとなく追っていくと、奥まった小部屋でひといきついていた。
その人物は、思いつめた表情で戸棚からとあるファイルを取り出しながめていると、廊下からまたとある人物が。結果、後から来た人物の凶行により殺人事件が発生。ファイルは奪われてしまう。










突然起きた殺人事件に動揺しながらも、その後も散策を続けると、至る所でイベントが発生していた。
詳細は不明だが、一参加者が巻き込まれる形で騒動が起きる。このあたりは、以前開催していた「フォルテヴィータ事件簿」に通ずる自分事としての楽しみも増えているようだ。
筆者は別の場所にいたため巻き込まれることはなかった。残念。
そして、物語は大きなうねりを挙げ、真相に迫っていく。最後はホームズの推理が答え合わせのように繰り広げられ、物語の結末を、まるで当事者のように見届けることができた。
実際に自分が見たシーンだけでは解明できない部分もあるため、そのような結末に至るまでの手がかりを目の当たりで見たい、という気持ちもふつふつと生まれた。それでもあっという間の120分であり、とても情報量が詰まっているため、充実した満足度が得られた。
他のスタッフも参加していたが、かなり序盤にて事件の全容に繋がる核心的なシーンを目撃したらしく、物語の理解がかなり顕著だったらしい。
初めて体験する場合は、推理をしてくホームズ目線を追うのがお勧めだが、二度目以降はぜひモリアーティ教授を探して、その真相を探るのがお勧めだ。筆者も次回があればそうしたいと思っている。
現在では「ザ・シャーロック」の公式LINEを登録することができる。そちらでは、「予告動画」や「主要人物」「マップ」などのメニューから事前に確認できるようになっている。
初めての人も、リピーターで復習したい人もこちらから確認することで、よりスムーズに体験することができるだろう。
■まとめ
・前作が圧縮された一幕、その分見ごたえがあり忙しい
・一幕自体も細かい変更があるので、リピーターは要チェック
・二幕、初見はホームズを追跡するのがホームズ目線で楽しむことが可能
・チャレンジをするのであれば、序盤のとあるシーンで様々な人物の動向を気にしよう
■東京リベンジャーズ イマーシブ・エスケープ
東京リベンジャーズ イマーシブ・エスケープ概要
体験時間:105分
料金:7,800円(税込)
年齢制限:6歳から12歳までのお子様は、付き添いの者の判断・同伴が必要です。
クリエイティブ・ディレクター:津野庄一郎
■ストーリー
東京卍會の抗争に巻き込まれて命を落としてしまったかつての恋人 橘日向の死を阻止するために、花垣武道(タケミチ)がタイムリープしてきた2005年のお台場雑居ビル。
それは今まさに、あなたたちがいる、このイベント会場だった!
東卍を壊滅させようと画策する敵対勢力の登場で、暴走族同士の巨大な抗争が勃発する。
やがて、ビル火災が発生し、あの”最悪の事故”が起こり始める。
それは、
「ここにいる全員が、火災事故で死んでしまう。」
と言う驚愕の事実だった。
東京卍會のメンバーと協力して、このビル火災を食い止め、仲間と自らの命を救い出せ。
これは、いまだかつてない没入体験型2.5次元演劇。
あなたの勇気は、歴史を変えることができるか!?
■登場キャラクター
・花垣 武道
・橘 日向
・佐野 万次郎
・場地 圭介
・龍宮寺 堅
・松野 千冬
・半間 修二









このアトラクションのコンセプトは以下の3点。
1:東京卍會メンバーがゼロ距離で登場
2:観るだけでなく、あなたも一員に。
3:超絶ハイクオリティの大迫力演出を肌で体感。
分かりやすくいうと2.5次元的なキャラクターたちとリアルに自分事として物語体験ができる、というものである。
今回のリニューアルにおいて、物語の大筋、謎解き要素に関しては、大きな変更はなく、キャラクターとの距離がより近くなった印象がある。
写真撮影が許可されているシーンや、個別行動できるシーン(全員ができるわけではなく、おそらくランダム)などにより、アニメから登場してきたかのようなキャラクター達との交流による作品世界への没入がポイント。






総合的なエンターテインメントとしての完成度は高く、物語の導入のスムーズな流れ、敵キャラクター達の高圧的な態度、彼らに見つからないように行動する緊張感、敵キャラクター達に対する東卍キャラクター達の大立ち回り。どれをとっても、目の当たりにできることが素晴らしく、そして、自分たちが行動することで動く物語ということも素晴らしい。実際、原作をまったく知らない人でも楽しめたという(同行者の感想)、なおかつ原作が好きであればより楽しめるという形に仕上がっている。
筆者のチームは、何度も敵チームに捕らわれるという失態を犯しつつ、以前参加した時とは違うルートを楽しめ、さらに様々な謎解きに挑むことができた。
以上、リニューアルが実施されたイマーシブ・フォート東京の二つのアトラクションについてのレポートをお届けした。
今後は2025年4月下旬に予定されている新作「真夜中の晩餐会 Secret of Gilbert's Castle」なども控えており、「さあ、感動の最前列へ」というコンセプトのもと、さらなる進化を期待したい。
イマーシブ・フォート東京
所在地:東京都江東区青海1丁目3-15
アクセス:ゆりかもめ「青海駅」直結、りんかい線「東京テレポート駅」より徒歩3分
公式サイト
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©和久井健・講談社/アニメ「東京リベンジャーズ」製作委員会