【ゲネプロレポート】東京卍會と芭流覇羅の抗争を描くミュージカル「東京リベンジャーズ」#2 Bloody Halloween

レポート

2025年3月28日(金)に東京・天王洲 銀河劇場でミュージカル「東京リベンジャーズ」#2 Bloody Halloweenが幕を開ける。

原作は「週刊少年マガジン」にて2017年から2022年まで連載された和久井健による大人気漫画「東京卍リベンジャーズ」。2023年11・12月に上演された第1作目に続く今作では、東京卍會と芭流覇羅(バルハラ)の間で起こった抗争、通称「血のハロウィン」が描かれる。

メディアクトでは、初日に先立って行われたゲネプロ公演、囲み取材の様子をレポート。

演出やストーリーの詳細は控えるが、ネタバレを見たくないというファンは観劇後に読むことをおすすめする。

ゲネプロレポート

物語は、東京卍會の創設エピソードから幕を開ける。マイキーこと佐野万次郎(演:北村諒)やドラケンこと龍宮寺堅(演:井阪郁巳)らをはじめとした創設メンバーたちが、自分たちのチームを作る夢を語り合う姿を軽快なナンバーとともに描く。

時は流れ、現在。前作で「8・3抗争」を終わらせ、ドラケンの死を回避した武道。しかし現代に戻っても東京卍會は変わらず巨悪な組織のままで、日向は武道の目の前で友人の千堂敦(演:久保侑大)に殺されるという最悪の展開を迎えてしまう。

武道は陽向の死を阻止しようと、再び過去と現在を行き来することを決意。「血のハロウィン」と呼ばれる抗争の中での悲劇を回避するため、今回も武道の壮大なリベンジが始まる。

公演時間は途中休憩15分を挟む約2時間45分。前作よりもボリュームアップし、原作でも屈指の人気エピソードが描かれる。

本作のメインとなるのは、東京卍會VS芭流覇羅(バルハラ)の抗争。しかし、単なる勢力争いにとどまらず、それぞれのキャラクターが抱える信念や思惑が絡み合う人間ドラマこそが今作の見どころだ。実力派俳優たちによる熱演が、キャラクターたちの想いを一層際立たせる。

主人公・花垣武道を演じるのは竹中凌平。前作よりもさらに泥臭く、真っ直ぐに日向や東京卍會の仲間たちを救うため奔走する姿は、決して一般的な“カッコいい”主人公像ではない。しかし、そのひたむきさが周囲の心を動かし、未来を切り開いていく。

紅一点の橘日向は、可愛らしさの中に芯の強さが光る。澄んだ歌声にもその魅力が宿り、観客の心を引き込む。

マイキーを演じる北村諒は、舞台では黒川イザナを演じる前代未聞の二刀流が話題に。イザナ役を経験したからこそ生まれた、より深みのあるマイキー像が、歌声にも奥行きを与えている。彼に寄り添う副総長・ドラケンも前作以上に頼もしさを増し、東京卍會を支える。

また、創設メンバーである三ツ谷隆(演:酒寄楓太)や林田春樹(演:皇希)らが脇を固める東京卍會は、「常に皆が一人一人のために命を張れるチーム」としての熱さを見せつける。対して、稀咲鉄太(演:平松來馬)や半間修二(演:磯野大)の不気味さが際立ち、敵対する勢力の冷酷さがより強調されていた。

今作のキーマンとなるのは、羽宮一虎(演:岸本勇太)、場地圭介(演:鈴木勝吾)、松野千冬(演:佐藤流司)の3人。

羽宮を演じる岸本は、その闇や孤独を歌声にのせ、まなざし一つにも感情を込めた演技が印象的。場地を演じる鈴木は、圧倒的な歌唱力で場地の強さと信念を表現し、力強い生き様に説得力を持たせた。場地の腹心である千冬を演じる佐藤は、本作が初登場となるが、佐藤らしい熱量のある芝居と歌声によって、千冬の心情をリアルに伝えていた。

“不良×ケンカ×ミュージカル”という一見ミスマッチに思える組み合わせ。しかし、生身の人間が生み出す熱量が加わることで、唯一無二の舞台へと昇華された。会見では竹中が「二幕構成となり、曲数も増えたことで、エンターテイメント性がさらに高まった」と語るなど、前作を超える仕上がりに自信をのぞかせた。

さらに、公演後にはライブパートも用意されており、ペンライトやうちわを持って楽しむことができる。

ミュージカル「東京リベンジャーズ」#2 Bloody Halloweenは、4月6日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場で、4月11日(金)~13日(日)まで京都・京都劇場で上演される。

◇囲み会見◇

――初日を迎え、現在の心境はいかがですか?

竹中:1年半前に第一弾が終わったときはバッドエンドでしたが、今作でリベンジできることが本当に嬉しいです。

鈴木:初日というのは何度経験しても緊張するものですね。稽古場で積み上げてきたものを、お客様にどう届けるか……。『東京リベンジャーズ』という作品の持つ志を、しっかり伝わればと思っています。

佐藤:場地さんと一緒です!よろしくお願いします!

岸本:僕は前作を劇場で観劇しました。そのときに感じたことを踏まえ、一虎としてどう動くべきかを考えて稽古に臨みました。自分の中で形になったので、それを皆さんにお届けできるのが楽しみです。

伊藤:ついに幕が上がるということで、すごく緊張しています。でも、歌を通して日向の気持ちをしっかり届けたいと思います。

――初参加の皆さんは、どのようなお気持ちですか?

岸本:もともと原作が大好きで、そこに一虎として参加できることが嬉しかったです。決まってから改めて原作を読み返したのですが、新たな発見もありました。原作のボリュームがすごくある作品なので、今後もさらに盛り上げていきたいです。

佐藤:周囲から『東リベのミュージカルをやるならこの役だろう』と言われていたキャラクターが実はいたので、千冬役での出演が決まったときは驚きました。ですが、佐藤なら千冬が出来るだろうとオファーをいただいたと思いますので、その期待に応えられるよう頑張ります。

伊藤:女性キャストが一人ということで、最初は驚きと緊張がありました。でも、皆さん本当に優しくて、楽しくお稽古ができました。

――役作りで苦労した点は?

鈴木:山積みでした!(笑)歌が多いだけでなく、キャスト全員が作品の世界観を共有しながら作り上げることが難しくもあり、やりがいのある部分でした。特攻服をまとった彼らの想いを、誤解なくお客様に届けたいですね。

竹中:花粉の時期がしんどかったですね(笑)。でも、勝吾さんが言ってくれたことがすべてだと思います。

岸本:魔法のパワーワードだ(笑)。ミュージカルだからこそ、セリフのシンプルさが重要だと感じました。歌に乗せることで、キャラクターの想いをどう表現するかが難しくもあり、面白い挑戦でした。

――ご自身の役との共通点はありますか?

佐藤:猫が好きです!

鈴木:俺も!(笑)。それと、本当の仲間が大好きで、偽物が大嫌いなところです。後輩が大切なので、千冬や一虎とのシーンは特に大事に演じています。

竹中:あまりないですね……。自己肯定感が低いところは似ているかもしれません(笑)。あと、血液型が一緒です!

伊藤:日向はヒロインでありながら、男性陣に負けない強さを持っています。私もグループ内では腕っぷしが強いほうなので、そこは共通点かもしれません。

――ファンの皆さまへ、メッセージをお願いします。

竹中:原作でも屈指の人気を誇る“血のハロウィン編”を、舞台ならではの熱量でお届けします。配信もありますので、ぜひご覧ください!

取材・文:水川ひかる/写真:ケイヒカル

ミュージカル「東京リベンジャーズ」#2 Bloody Halloween 公演概要

■タイトル
ミュージカル「東京リベンジャーズ」#2 Bloody Halloween
(読み方:ミュージカル「トウキョウリベンジャーズ」チノハロウィン)

◾️原作
和久井健「東京卍リベンジャーズ」(講談社「週刊少年マガジン」KC)

■演出
三浦 香

■脚本・作詞
赤澤ムック

■音楽
manzo TAKA

■振付
遠山晶司(梅棒) 泰智

■キャスト
花垣武道:竹中凌平 佐野万次郎:北村 諒 龍宮寺 堅:井阪郁巳/場地圭介:鈴木勝吾 羽宮一虎:岸本勇太/松野千冬:佐藤流司/三ツ谷 隆:酒寄楓太 林田春樹:皇希 千堂 敦:久保侑大 佐野真一郎:佐々木 崇 稀咲鉄太:平松來馬 半間修二:磯野 大/橘 直人:佐藤信長 橘 日向:伊藤理々杏(乃木坂46)

■公演日程
東京公演(天王洲 銀河劇場):2025年3月28日(金)~4月6日(日)
京都公演(京都劇場):2025年4月11日(金)〜13日(日)

■公演会場日程

■チケット価格
VIP席(前方5列以内確約・公演パンフレット付き):16,800円(税込)
S席(公演パンフレット付き):12,800円(税込)
ペアS席(連席2枚セット・公演パンフレット2冊・1,000円分のグッズ購入券付き):25,600円(税込)
A席:9,800円(税込)

■チケット販売スケジュール
キャストFC先行:9月1日(日)17:00〜9月16日(月)23:59
マガジン先行:9月4日(水)10:00〜9月29日(日)23:59

【公式サイト】
https://musical-tokyo-revengers.com

【公式X(旧Twitter)】
https://x.com/revengers_mu

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©︎和久井健・講談社/ミュージカル「東京リベンジャーズ」製作委員会