【ゲネプロレポート】通称「チェリまほ」の舞台化「チェリまほ The Musical」 ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~開幕!

「チェリまほ The Musical」 ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~が2025年4月11日(金)に東京・Kanadevia Hallで幕を開けた。

原作はスクウェア・エニックス「ガンガンpixiv」で連載中、豊田悠による累計発行部数300万部突破の大人気コミック『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』。通称「チェリまほ」。テレビドラマ化をきっかけに映画、アニメ、そしてタイでの実写ドラマ放送など、国内外で愛される作品へと成長してきた。

そんな話題作が、ついにミュージカル化。脚本・演出を手がけるのは川尻恵太(SUGARBOY)。新たな“チェリまほ”の魅力を舞台の上で描き出す。

メディアクトでは、初日の上演に先立って行われたゲネプロ公演の模様を、劇中写真とともにレポート。ストーリーや演出の核心には触れないが、ネタバレを避けたい方は観劇後に読んでいただけると嬉しい。

<ゲネプロレポート>
物語の主人公は、童貞のまま30歳を迎えた安達清(演:松田凌)。突然「触れた人の心が読める魔法」を手に入れ、同僚・黒沢優一(演:荒牧慶彦)の“自分への恋心”を知ってしまう。
最初は戸惑う安達だが、残業帰りの食事や休日のデートを重ねるうちに、少しずつ心を開き、黒沢に惹かれていく。
安達は、不器用ながらも誠実で、相手の気持ちをまっすぐ受け止めようとする優しさが魅力。そんな揺れ動く心を、松田が繊細に、丁寧に表現していた。
一方、安達に恋する黒沢は、見た目よし、仕事もできて、女性社員からも絶大な人気を誇る“完璧な男”。だがそのスマートな外見の裏には、安達への抑えきれない恋心が渦巻いている。荒牧は、クールで爽やかな黒沢のむっつりすけべな一面まで、愛嬌たっぷりに演じ分け、笑いとときめきの緩急を見事に操っていた。



原作でも名シーンとして知られる“壁ドン”など、ファン歓喜の名場面も高い再現度で舞台化。その一方で、ささやかな会話のやりとりにも、ふたりの心の距離が丁寧に描かれていた。見ていて胸があたたかくなるような自然なやりとりは、役作りへの真摯な姿勢、そして松田と荒牧の長年の信頼関係があってこそだろう。



さらに、柘植将人(演:菊池修司)と綿矢湊(演:中山咲月)によるもう一つの恋の物語も見逃せない。第一印象は最悪だったはずのふたりが、互いを知るうちに惹かれ合っていく過程が胸を打つ。童貞の恋愛小説家・柘植が、湊の可愛らしさに振り回される姿を菊池がコミカルに演じる一方、クールな湊がふと見せる優しさも愛おしい。ふたりの掛け合いには、恋に落ちる瞬間の輝きが詰まっていた。
営業部の新卒・六角祐太(演:坂井翔)や、清楚な見た目とは裏腹に一癖ある事務員・藤崎希(演:高田夏帆)、そして登場するたびに場をかき回す先輩社員・朝比奈(演:郷本直也)など、脇を固めるキャラクターたちも個性豊か。それぞれがしっかりと物語を生きていると感じられるのは、俳優たちの丁寧な芝居と、舞台ならではの温度感の賜物だろう。
黒沢と安達は、すれ違いや嫉妬といった恋愛の壁を一つずつ乗り越えながら、少しずつ心の距離を縮めていく。30歳まで童貞だったら魔法が使える――そんなファンタジックな設定の裏にあるのは、人と人との心の触れ合いを描いた、誠実で温かなラブストーリー。





春のはじまりにぴったりな、優しさとときめきに満ちたこの作品。ぜひ、劇場で体感してほしい。
<前日会見>








――今のお気持ちや意気込みをお聞かせください。
松田:春という始まりに相応しい作品になったと自負しております。稽古段階からキャスト、スタッフ全員で力を合わせて参りました。桜が咲くように、この物語も皆さまの心に花開いてくれたら嬉しいです。
荒牧:「キャスト全員が本当に楽しみながら創った舞台です。きゅんきゅんしながら、笑いながら、たくさんの“楽しさ”が詰まった作品になりました。ぜひ楽しんでください!
菊池:毎日の稽古がとにかく楽しかったです。このカンパニーだからこそ生まれた空気感があります。お客様と一緒に、この世界観を楽しめたらと思っています。
中山:自分が出演していないシーンでも、一観客としてワクワクすることができました。観ていただけたら、きっと素敵な一日になるはずです。

――作品の見どころを教えてください。
川尻:ミュージカル化するにあたって、原作へのリスペクトをもって挑み始めました。その結果、安達も黒沢も舞台スペシャルとして、ここでしか見られない新しい二人になったのではと思います。原作をもとに皆で話し合って創り上げたものですので、今まで原作はもちろん、ドラマやアニメを楽しまれていた方々も新鮮な気持ちで見ていただけると思います。公式Xでもチラ見せしていますが、会場には“天使”もあちこちに潜んでいます。きゅんきゅんしたり笑ったり、いろんな楽しみ方をしていただけたらと思います。
――本作はさまざまなメディアミックスがされている人気作品です。ミュージカルならではの魅力を教えてください。
松田:歌と踊りで感情や関係性を紡げるのがミュージカルの魅力です。どういった歌を歌うのか、原作のあの場面やこの場面を「こういう風に表現するんだ」と楽しんでいただけたらと思います。オープニングナンバーが特に、作品の世界観を象徴しているのではと思います。観劇後は笑顔で帰って欲しいですし、明日を華やかに彩る作品になれたらと思っています。
荒牧:安達と黒沢の関係はもちろんですが、その周囲のキャラクターたちとの関係性があってこその物語。天使たちも含めて、彼らがいるから“二人”が輝くのだと感じました。
菊池:ミュージカルの魅力は歌の中に想いや気持ちが盛り込まれているところだと思いますが、今作はその色がより強いと思います。楽しい曲もあれば心がぎゅっと締め付けられる曲もあります。観劇しながらジェットコースターのように気持ちが揺れ動くところを楽しんでいただけたらと思います。
中山:稽古の段階で楽曲に触れていた時と、本編を観た後では、同じ曲でもまったく違った印象を受けるはず。歌詞の意味やキャラの心情が見えてきて、“ああ、こういうことだったんだ”と感じてもらえると思います。

――安達と黒沢、柘植と湊。それぞれきゅんとするおすすめシーンはありますか?
荒牧:アップで見ていただけないのがすごく残念なんですが…迫った時にいい顔をするんですよ(笑)。安達の切なさや戸惑いを間近で独り占めしているので、きゅんとしています。
松田:彼にしか出来ない黒沢の空気の纏い方が素敵だと思います。「いいよ」っていう三文字だけで自分たちの想いや恋の始まり、いろんなものを表現できると言う可能性を感じました。お客様にどう響くのか楽しみです。
黒沢を見ていると、完璧な姿の奥底にある綻びにきゅんときます。黒沢のそういうところを荒牧くんが丁寧に演じて下さっているので、このポイントはしっかりお伝えできる自信があります!ぜひ楽しみにしてください。
菊池:柘植目線だと、湊の飴と鞭がいいですね。人を好きになる瞬間って、実はすごくさりげないもの。その些細な仕草に戸惑う柘植の姿も含めて、お客様はきゅんとして下さるのではと思います。
中山:柘植はルックスだけ見るとこんなにかっこいいのに、ちょっと変というお茶目さやギャップにきゅんときます。
川尻:「ここできゅんとして欲しい」というポイントはたくさんあるんですが、あえて言うなら何気ない会話が一番きゅんとするんじゃないかなと思いました。観劇するたびにきゅんとするポイントが増えるので、ぜひ何度でも観ていただけたらと思います。

――観劇を楽しみにしている皆さまに、メッセージをお願いします。
荒牧:SNSなどで情報が発信されるたびに皆さまの期待値のハードルが上がっていると感じますが、それを超える仕上がりになったと自信を持っています。ぜひ劇場で楽しんでください!
松田:今の黒沢の一言が聞いて、改めて大丈夫だと感じました。恋の始まり、心の揺れ、いろんな“始まり”が詰まったこの作品。劇場でお待ちしています。ぜひ一緒に歌って踊りましょう!
取材・文:水川ひかる/写真:ケイヒカル



























■公演概要
「チェリまほ The Musical」 ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~ 作品情報
■原作 豊田 悠 「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」
(掲載「ガンガンpixiv」スクウェア・エニックス刊)
■公演日程
【東京】2025年4月11日(金)~4月20日(日) TOKYO DOME CITY HALL
【愛知】2025年4月25日(金)~4月27日(日) アイプラザ豊橋
■劇 場
【東京】TOKYO DOME CITY HALL
〒112-0004 東京都文京区後楽1-3-61 東京ドームミーツポート1F
【愛知】アイプラザ豊橋
〒441-8141 愛知県豊橋市草間町字東山143-6
■出演者
【安達 清】松田 凌
【黒沢優一】荒牧慶彦
【柘植将人】菊池修司
【綿矢 湊】中山咲月
【六角祐太】坂井 翔
【藤崎 希】高田夏帆
【黒沢茉莉】長谷川 唯
【朝比奈】郷本直也
【アンサンブル】
伊藤秀馬、岩間大樹、岡村拓真、進藤 蒼、瀬戸口希哉、立花 涼、久門大起
■スタッフ
脚本・演出:川尻恵太(SUGARBOY)
主催:「チェリまほ The Musical」製作委員会
■チケット
一般発売日:2025年3月1日(土)10:00
S席 12,100円/A席 9,900円(全席指定/税込)
<A席>東京公演:第3バルコニー/愛知公演:2階席後方4列
ローソンチケット:https://l-tike.com/play/mevent/?mid=741917
©豊田悠/SQUARE ENIX・「チェリまほ The Musical」製作委員会
■お問い合わせ先
【公演に関するお問い合わせ先】
ネルケプランニング:https://www.nelke.co.jp/contact/
【チケットに関するお問合せ】 ローソンチケット:https://faq.l-tike.com/