【ゲネプロレポート】上弦の鬼との死闘を描く! 『舞台「鬼滅の刃」其ノ伍 襲撃 刀鍛冶の里』

レポート

2025年4月11日(金)から天王洲 銀河劇場にて 、『舞台「鬼滅の刃」其ノ伍襲撃 刀鍛冶の里』が上演される。
シリーズ5作目となる本作は、『舞台「鬼滅の刃」其ノ伍 襲撃 刀鍛冶の里』と題して、上弦の鬼に襲撃された刀鍛冶の里を守るべく、炭治郎は禰豆子たちと共に激闘を繰り広げる。舞台「鬼滅の刃」シリーズ初参加の黒死牟役の加藤和樹、童磨役の浦井健治らが映像出演する、“上弦集結”のシーンにも注目が集まっている。

メディアクトでは、初日の上演に先立って行われたゲネプロ公演の模様を、劇中写真とともにレポート。ストーリーや演出の核心には触れないが、ネタバレを避けたい方は観劇後に読んでいただけると嬉しい。

公演レポート

物語の流れは、前作『舞台「鬼滅の刃」其ノ肆 遊郭潜入』の続きだ。
上弦の陸との激戦を経て、意識不明の大けがを負った炭治郎(演:橋本祥平)は2カ月の眠りから目覚める。その代償は大きく、日輪刀も刃こぼれしてしまった。新たな日輪刀を求め、鋼鐵塚 蛍(演:宇野結也)の元を訪ねるため、刀鍛冶の里に単身向かうことに。
しかし、鬼の目から隠されているはずの里に上弦の肆・半天狗と上弦の伍・玉壺が秘密裏に侵入を企てていた……!

冒頭から目まぐるしく歌唱パートが続く。
冒頭には、鬼舞辻無惨(演:佐々木喜英)をはじめとする、上弦の鬼が勢ぞろいする楽曲。
続いて、炭治郎とその妹の竈門 禰豆子(演:髙橋かれん)による過去の想い出を垣間見るパート。鬼殺隊の殺陣などもふんだんに描かれ、豪勢に楽曲を彩る。
そして、刀鍛冶の里に向かう際には炭治郎を主体としたコミカルな楽曲。
厳かで、華やかで、コミカル――多彩な楽曲が、この作品の幅広さを体現している。

炭治郎が訪れたのは、美術と映像の融合によって表現された“里”。
そこで出会う、主要なキャラクターである霞柱・時透無一郎(演:下村未空)、恋柱・甘露寺蜜璃(演:川崎愛香里)、炭治郎と同期の隊士・不死川玄弥(演:内海太一)。彼らと協力して、迫りくる上限ノ鬼と激闘を繰り広げることとなる。

物語中盤で描かれる上弦の鬼が集結するシーンも見ものだ。
鬼舞辻無惨および黒死牟(映像出演:加藤和樹)、童磨(映像出演:浦井健治)、猗窩座(映像出演:蒼木 陣)といった上弦の鬼たちが等身大で姿を現し、“無限城”がそこに再現される。今回の本筋ではないが、上弦の鬼たちに強者たるやりとりにも注目したい。

さて、刀鍛冶の里での上限ノ鬼との戦闘は、同時並行的に描かれる。

玉壺(演:川﨑優作)の水獄鉢によって絶体絶命の状況に陥る時透無一郎(演:下村未空)だが、人を助ける感情に感化されその真価を発揮する。両親の死、双子の兄の分かれという壮絶な過去の記憶を思い出し、大切な人を守るという同じ思いを胸に玉壺に対する。

半天狗(演:風間由次郎)が生み出す分裂体である喜怒哀楽(空喜、積怒、哀絶、可楽)と相対するのは炭治郎と玄弥。玄弥は過去に兄の想いを踏みにじったことを思い出し、自身を鼓舞する。炭治郎は、禰豆子の血を刀に組み合わせた爆血刀により圧倒的な火力で猛攻をしかけていく。刀が赤く燃える表現と日の呼吸の演出が相まって、熱く美しい斬撃が目に映える。

その後、喜怒哀楽が合体した憎珀天(演:糸川耀士郎)とは主に蜜璃が対応。

強力で巨大な攻撃を、強靭な肉体としなやかな身のこなしで交わしていく。自身の得意な体質を呪うも、それでも自身にできることに尽力してきた蜜璃の想いが詰まった戦闘描写は艶やかで、かつ感情を震わす気概を感じる。彼女の日輪刀は薄くしなやかさが特徴で、新体操のリボンのような形状を見事に使いこなしている部分にも注目してほしい。

その場にいる鬼殺隊が全身全霊で挑む上弦の鬼2体との戦闘は、何度もピンチを迎えながらも撃破に至る。
炭治郎役を担う橋本祥平の全力で戦い、呼吸がままならぬ様は本当の死闘を演じるに相応しい演技だ。

原作『鬼滅の刃』のテーマを担うキーパーソンである禰豆子は、今回のエピソードにおける象徴的存在の一人だ。
鬼でありながら人を守り、太陽の下で炭治郎と共に歩むことを願ってきた彼女の転機となるシーンがある。
彼女を強く思う炭治郎との兄弟の絆と希望の物語を、ぜひその目で確認して欲しい。

ゲネプロ公演を終えた炭治郎役役の橋本祥平の顔は晴れやかだった。
本作では超越したキャラクターたちの動きを再現するため、富んだ表現技法が用いられている。かなりハードな戦いだ。
それでも彼の表情は晴れやかであり、カーテンコールでは「阪本奨悟の想いを乗せて最後まで走り抜けたいです!」という言葉を発した。その言葉通り、怪我無く最後まで公演を続けてもらうこと切に願う。

なお、公式よりコメントが届いているので、そちらもお届けする。

コメント

脚本・演出 元吉庸泰
繋いで、繋いで、繋いで。ようやく幕が開きます。最高の原作に素晴らしい座組が集まりました。
『刀鍛冶の里』は“人”というものがどうやって生きていくのだろうという物語に溢れています。
襲撃してくる上弦。迎え討つ炭治郎。激化し多様化する戦い。
物語が花開きクライマックスに向かっていく瞬間に、お客様含め全員で立ち向かいたいと思います。
全員で紡いだ舞台、楽しんで下されば幸いです。

竈門炭治郎役 橋本祥平
本来この場のコメントをする予定でした阪本奨悟さんに代わり、僭越ながらコメントを書かせていただきます。
今回の稽古場にて元吉さん筆頭に“繋ぐ”という言葉を掲げて今日まで進んできました。
言葉にするのは簡単かも知れませんが、それを強く思い体現するこの座組の覚悟は本物です。
今回、阪本奨悟さんは本当に悔しい思いをしたと思われます。けれど、稽古動画を見てくれたり、現場に来て通しを見てくれたり、辛いはずなのに全力で応援してくれるその姿に勇気と底知れぬ力を貰いました。
こんなにも温かく、一人はみんなの為にみんなは一人の為に行動できる座組はそうありません。
次に繋ぐ為に、奨悟の居場所を守る為に、みんなのこれまでの努力を守る為に、自分にできる精一杯を作品に込めます。
最初は怖く感じた初日、ですが今では心強い仲間と最高に仕上がった演劇があります。
僕から言えることは一つ、楽しみにしていてくださいませ。

竈門禰豆子役 髙橋かれん
この物語を皆さまに届けられること、本当に嬉しく思います。『鬼滅の刃』という作品に向き合い、禰󠄀豆子ちゃんと、お兄ちゃんと、心を重ねた稽古期間は、幸せで濃密なものでした。
鬼殺隊と鬼、流転を貫く者と不変を希求する者。その狭間に立つ彼女の想いを、まっすぐに届けられるよう、全身全霊で挑みます。
初演から繋がれてきた絆と愛を受け継いで、二人の兄と、座組の皆さんと、手を取り合って大切に紡いでまいります。
劇場でお待ちしております。

鬼舞辻無惨役 佐々木喜英
いつも舞台を応援してくださる皆様に支えられて、2020年に初演を迎えた舞台「鬼滅の刃」も約5年をかけて「其ノ伍」まで辿り着く事ができました。誠にありがとうございます。
いよいよ刀鍛冶の里の物語。原作の巻数で言うと折り返し地点を過ぎたあたりでしょうか。ここまで多くの鬼殺隊・鬼達の命を懸けた物語がありました。その全ての物語と全キャストの想いを背負い、始祖の鬼として、これからの後半の物語に繋げていく所存です。鬼滅の刃を愛する全ての皆様に、この作品が届きますように。乞うご期待ください。

取材・文:木皿儀/写真:ケイヒカル

<ライブ配信>
【配信サイト】DMM TV
【配信日時】2025年4月20日(日)18:00公演
2025年4月27日(日)13:00公演
2025年4月27日(日)18:00公演

【販売価格】各公演 4,000円(税込)
3公演セット:12,000円(税込)
◆詳細はこちら https://www.dmm.com/digital/stage/-/theater/=/name=kimetsu-2025/

<ライブ・ビューイング>
【会場】全国各地の映画館
【上映日時】2025年4月20日(日)18:00
【チケット料金】3,800円(税込/全席指定)
◆詳細はこちら https://liveviewing.jp/kimetsu-stg5/

<Blu-ray&DVD>
【発売日】2025年10月29 日(水)
【仕様】 [完全生産限定版]
■Blu-ray ¥10,780(税抜価格\9,800)【ディスク2枚組(本編BD+特典映像BD)】
■DVD \9,680(税抜価格\8,800)【ディスク2枚組(本編DVD+特典映像DVD)】
※三方背ケース/デジジャケット仕様/特製ブックレット
【収録内容】<本編映像>公演本編の模様

<特典映像>メイキング&バックステージ映像 ほか
【店舗別購入特典】
・アニプレックス オンライン
舞台写真ブロマイドセットA(竈門炭治郎、竈門禰豆子、不死川玄弥)
・アニメイト
舞台写真ブロマイドセットB(竈門炭治郎、時透無一郎、甘露寺蜜璃)
・ufotable
舞台写真ブロマイドセットC(半天狗、玉壺、憎珀天、鬼舞辻󠄀無惨)
・Amazon.co.jp<【Amazon.co.jp限定】商品のみ対象>
舞台写真ブロマイドセットD(竈門炭治郎、竈門禰豆子、鋼鐵塚蛍)
※竈門炭治郎…橋本祥平さん、憎珀天…糸川耀士郎さん の絵柄となります。あらかじめご了承ください。
※各特典の絵柄などの詳細は追ってお知らせいたします。
※特典内容は予告無く変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
※店舗別購入特典はなくなり次第終了となります。
※運用及び特典内容に関する詳細は各店舗にお問い合わせください。

◆詳細はこちらhttps://kimetsu.com/stage/2025/bddvd/

作品紹介

『鬼滅の刃』とは
「週刊少年ジャンプ」にて2016年11号より連載が開始された、吾峠呼世晴による漫画作品。
人と鬼との切ない物語に鬼気迫る剣戟、時折コミカルに描かれるキャラクターたちが人気を呼び、単行本1巻~23巻で累計発行部数が1億5000万部を突破。
連載が終了した今なお注目を集め異彩を放つ本作。
独自の世界観を構築し続け、幅広い世代に愛されている。

舞台「鬼滅の刃」とは
「週刊少年ジャンプ」にて2020年5月まで連載していた吾峠呼世晴による漫画『鬼滅の刃』を舞台化した作品。
2020年のシリーズ1作目以降、2021年に2作目、2022年に3作目、2023年には4作目を上演し、2025年4月に東京・兵庫で、5作目となる『舞台「鬼滅の刃」其ノ伍 襲撃 刀鍛冶の里』の上演を予定している。

<STORY>
時は大正、日本。
炭を売る心優しき少年・炭治郎は、ある日鬼に家族を皆殺しにされてしまう。
さらに唯一生き残った妹の禰豆子は、鬼に変貌してしまった。
絶望的な現実に打ちのめされる炭治郎だったが、妹を人間に戻し、家族を殺した鬼を討つため、
“鬼狩り”の道へ進む決意をする。

『いざ 刀鍛冶の里へ!』

潜入した遊郭で音柱・宇髄天元と共に上弦の陸・堕姫と妓夫太郎を倒した炭治郎、善逸、伊之助。
死闘の果てに負った傷も癒え、再び任務に戻る中、
炭治郎は新たな刀を求めて鋼鐵塚 蛍の元を訪ねることに。
しかし、鬼の目から隠された刀鍛冶の里には
上弦の肆・半天狗と上弦の伍・玉壺が秘密裏に侵入を果たしていた。

「私、いたずらに人を傷つける奴には、キュンとしないの!」
「邪魔になるからさっさと逃げてくれない?」
突如鬼の襲撃を受け混乱する里と、里に暮らす刀鍛冶たちを守るため
居合わせた炭治郎、禰豆子、不死川玄弥の必死の応戦に加え、
霞柱・時透無一郎と恋柱・甘露寺蜜璃も参戦。
鍛え上げられた技を発揮し、悪鬼滅殺のため全力を注ぐ。

一方、約百年振りに上弦の鬼を殺されたことに激しい苛立ちと焦りを隠しきれない鬼舞辻無惨は、本拠地である無限城に、残る上弦の鬼を緊急召集。
現れたのは上弦の参・猗窩座、
そして、上弦の弐・童磨と上弦の壱・黒死牟という
無惨の配下最強の鬼たちだった…!

人間と鬼、その因縁が、いよいよ大きなうねりを増していく──。

公演概要

【公演タイトル】舞台「鬼滅の刃」其ノ伍 襲撃 刀鍛冶の里
【公演期間・劇場】東京:2025年4月11日(金)~4月20日(日)天王洲 銀河劇場
兵庫:2025年4月25日(金)~4月27日(日)AiiA 2.5 Theater Kobe
【原作】『鬼滅の刃』吾峠呼世晴(集英社ジャンプ コミックス刊)
【脚本・演出】元吉庸泰
【音楽】和田俊輔

【出演】
竈門炭治郎 阪本奨悟
      代役:橋本祥平
竈門禰豆子 髙橋かれん

時透無一郎 下村未空
甘露寺蜜璃 川崎愛香里
不死川玄弥 内海太一

鋼鐵塚 蛍 宇野結也
小鉄 武井ダマセノ瑠珂、髙橋翔大(W キャスト)

半天狗 風間由次郎
玉壺 川﨑優作
憎珀天 橋本祥平
    代役:糸川耀士郎

鬼舞辻無惨 佐々木喜英

<アンサンブル>
藤榮史哉 島野知也 松岡歩武 ASUKA 金澤慎治 中沢凜之介 南条采良 篠塚音初

<支>
一原みのり 小山純佳 三橋優樹 吉田時尋
※支(ささえ)とは、作品における全風景を担う役柄の呼称になります。

<映像出演>
黒死牟 加藤和樹
猗窩座 蒼木 陣
童磨 浦井健治

〈スウィング〉
岩澤健三郎 夏目桃佳

※竈門炭治郎役は阪本奨悟に代わり橋本祥平が出演し、憎珀天役は橋本祥平に代わり糸川耀士郎が出演します。

【チケット料金】平日:12,500円/土日:12,800円(全席指定/税込)
【一般発売日】2025年3月8日(土)10:00
【監修】集英社(「週刊少年ジャンプ」編集部)
【協賛】ローソンチケット
【協力】一般社団法人 日本2.5 次元ミュージカル協会
【主催】舞台「鬼滅の刃」製作委員会
【公式サイト】https://kimetsu.com/stage/
【公式X】@kimetsu_stage

©吾峠呼世晴/集英社
©舞台「鬼滅の刃」製作委員会