【稽古場取材】幻のハンター専用ゲーム〝G・I (グリードアイランド)〟に挑む『HUNTER×HUNTER』THE STAGE 3 稽古場取材

『HUNTER×HUNTER』とは
1998年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて連載を開始した冨樫義博による漫画作品。
父に会うため、父と同じハンターを目指すべく過酷な試練に立ち向かう主人公・ゴンと、その仲間となるキルア・クラピカ・レオリオの熱い想いや行動を唯一無二の世界観で描く。
シリーズ累計発行部数は8400万部を超え(2022年10月現在)、アニメ化もされ、日本だけにとどまらず全世界に熱狂的なファンを擁する。
あらすじ
父親・ジンの手掛かりを求めて、幻のハンター専用ゲーム〝G・I (グリードアイランド)〟
落札を目指してヨークシンシティに乗り込んだゴンとキルア。
しかし幻影旅団との戦いの末、資金なきままオークション当日を迎えることとなった2人は作戦を変更し、全てのG・Iを落札した大富豪・バッテラ氏が雇うプレイヤーとしてゲームに挑むこととなる。
ゲンスルーやツェズゲラ、ゴレイヌといった参加プレイヤーたちとゲーム内でしのぎを削る2人。
旅の道中、ビスケとの出会いを機に特訓を重ね、戦闘能力を上げるゴンとキルアは、立ちはだかる難敵たちに立ち向かいゲームのクリアを目指す!!
果たしてゴンは無事クリアをし、ジンに会うことができるのか…??
今回の舞台は原作でも根強い人気を誇る「G・I編」。
念能力者しか遊ぶことができない伝説的ゲーム「G・I」に挑むゴンとキルアの成長が描かれる。
これまでに登場した念能力という概念に加え、RPGのようなゲームのルールが加わることでただの力だけでのバトルではなく、派閥ごとの戦略戦が描かれていくことになる。
今回メディアクトでは、本番を1か月後に控えている稽古風景の取材をお届けする。
まず行われたのは「G・I編」でもキーポイントとなるドッジボール戦。「G・I」のゲームマスターの一人レイザーとのバトルだ。
このドッジボールシーンでは実際のボールを使う。
ボールの動きに合わせて、キャラクターの立ち位置や角度を入れ替えながら、舞台上の見え方を丁寧に確認していく。原作では一般的なドッジボールだけではなく、念能力を使った特殊な攻守戦もポイントだ。











「白の賢人(ホワイトゴレイヌ)」や「黒い賢人(ブラックゴレイヌ)」といった人物の入れ替わり、「伸縮自在の愛(バンジーガム)」によるボールの独特挙動などの再現性も取り入れつつ、演出家の山崎 彬の指示のもと決めていく。いわゆるミザンス付けというものだ。
主要キャラクターであるゴン(演:西山蓮都)、キルア(演:阿久津仁愛)、ビスケ(演:高橋 愛)、ゴレイヌ(演:松田大輔 ※取材時稽古では代役が担当)、ツェズゲラ(演:北村圭吾)、ヒソカ(演:丘山晴己)、レイザー(演:spi)を中心に試合が描かれるが、それ以外の仲間、レイザーの念獣なども試合の臨場感を高めるために細心の注意が払われている。
本番の舞台では、照明や音響の演出が加わったり、盆と言われるステージ上で回転する装置が動くが、稽古時点では存在しない。それらが実施されると想像しながら稽古は進められていく。
試合の終盤、ゴン、キルア、ヒソカによる三位一体の捕球。原作屈指の名シーンでもあるが、どのような角度が最も見やすく理解できるか、客席から臨場感があるか、何度も検証していく。対するレイザーの位置も、違和感が生まれないよう、かつ見栄えが良くなるような配置を検討する。演じるspiの、見事な肉体が躍動する全力の打球と捕球にも注目だ。
様々な演出がトータル的に重なり合い、緩急のある激しい攻防が描かれるはずだが、まだそういった要素がない稽古の段階でも十分に手に汗握るやり取りが行われていた。上演当日にどのような形で描かれるか楽しみである。
ある程度、通しで一連の流れを確認したら、次のシーンへ。
レイザー戦後、ゲンスルー(演:坂東巳之助)とのやりとり。


さすが歌舞伎役者だけあり坂東巳之助が発声することで、これまでとは違った空気になる。一気に緊張感が増し、緊張感のある言葉でのやりとりが新鮮で心地よい。この緊張感が、物語の全編に渡って描かれることを想像するだけで心が躍る。今回は動きを伴ったバトルシーンなどの稽古は見られなかったが、その点にも期待が高まる。
場面変わって、幻影旅団のメンバー、ノブナガ(演:村田 充)、フェイタン(演:平松來馬)、マチ(演:秋野祐香)、フィンクス(演:田鶴翔吾)、シャルナーク(演:織部典成)、シズク(演:清井咲希)、コルトピ(演:椎名鯛造)の登場。








それぞれの配置をジオラマで確認し、やりとりを真剣に検討。言葉一つひとつに旅団らしい冷徹さと緊張感がにじみ出ている。そこを割くようにヒソカが入り、クロロに関する交渉を行う。
ヒソカらしさと幻影旅団らしさがしっかり表れていて、適度な緊張感の中でやりとりが進むシーンだった(また、旅団のキャストは、他にも兼役で様々な場面での出演が予定している。そういった面でも期待しよう)。
休憩を挟みながら約4時間、あっという間の取材終了となった。
合間には、キルア役の阿久津仁愛が武器として使う予定のヨーヨーを練習していたり、それをゴン役の西山蓮都が眺めて意見を交わしたりと、まさにゴンとキルアのようなやりとりも見られ、大変微笑ましかった。
そういった意味では、ビスケを演じる高橋 愛も難しい役どころで(かわいらしい見た目とは裏腹に、超実力者という設定)、ドッジボールで投げるポーズなどを一人で自主練している光景も見られた。













「G・I編」は『HUNTER×HUNTER』においては、ゴンとキルアの成長物語の過程の一つである。念を覚えたばかりで、まだ至らない点も多かった二人。
このゲーム内でビスケと出会い、血の滲むような修行を経て身に付けた実力で、様々なカードを獲得していく。全くの知識がないところから、自由自在にカードを利用できるようにまでなっていく。ビスケのセリフではないが「親の気持ち」のように、彼らの友情と成長の物語をぜひ目の当たりにしてほしい。
なお、「G・I編」はゲーム内の様々なルールやカードの効果などが存在している。できれば、原作やアニメで少しでも内容を把握しておく方が、その理解にメモリを使うことなく楽しめるだろう。少しだけ予習しておくことをお勧めする。
取材・文:木皿儀/写真:ケイヒカル
<公演タイトル>
『HUNTER×HUNTER』THE STAGE 3
[公演詳細]
東京公演:2025年5月17日(土) ~ 5月25日(日)
劇場:天王洲 銀河劇場
大阪公演:2025年6月7日(土) ~ 6月15日(日)
劇場:SkyシアターMBS
原作:冨樫義博(集英社「週刊少年ジャンプ」より)
脚本・演出:山崎 彬
音楽:坂部 剛
【キャスト】
ゴン:西山蓮都
キルア:阿久津仁愛
ビスケ:高橋 愛
ノブナガ:村田 充
フェイタン:平松來馬
マチ:秋野祐香
フィンクス:田鶴翔吾
シャルナーク:織部典成
シズク:清井咲希
コルトピ:椎名鯛造
ツェズゲラ:北村圭吾
ゴレイヌ:松田大輔(東京ダイナマイト)
レイザー:spi
ヒソカ:丘山晴己
ゲンスルー:坂東巳之助
ほか
[チケット代]
11,000円(全席指定/税込)
サイドシート:11,000円(全席指定/税込)
立見券:7,800円(税込)※東京公演のみ
※未就学児入場不可
※サイドシートとは
舞台・映像・演出が見えづらいお席となります。
お席によりましては、スピーカーが近く、かなり音量が大きい場合がございます。
当日の座席位置の変更、返金対応など一切行えませんので、予めご了承いただいたお客様のみご購入ください。
※立見券とは
立見券は、券面に指定された番号の位置での立見観劇となります。(2階席または3階席後方エリア)
指定された立見位置以外でのご観劇は出来ません。また、折りたたみ椅子等のお持ち込みはご遠慮ください。
大きなお手荷物は客席内にお持ち込みいただけません。お手回り品は足元の内側に入れてご鑑賞をお願いいたします。
当日の席種や位置の変更、返金対応等など一切行えませんので、予めご了承いただいたお客様のみご購入ください。