【レポート】前作を超える期待以上の熱い試合を! 舞台『ブルーロック』4th STAGE取材会レポート

レポート

舞台『ブルーロック』4th STAGEの取材会が、4月中旬に都内でおこなわれた。本作は、2018年から「週刊少年マガジン」(講談社)にて連載中の『ブルーロック』(原作・金城宗幸、漫画・ノ村優介)の舞台化作品第4弾。

全国から集められた優秀な高校生フォワード選手300人が、“青い監獄(ブルーロック)”と呼ばれる施設で、課せられたさまざまな試練をクリアしながら最強のストライカーを目指す物語だ。第4弾となる今作からは、ストーリーは大きく転換。3次選考を終えた選手たちは、U-20日本代表たちと対戦することになる。

取材会の出席者は、潔 世一役の竹中凌平、蜂楽 廻役の佐藤信長、今作でも引き続き脚本・演出を務める伊勢直弘。すでに4作目ということもあり、リラックスした空気の中で、作品の見どころや本作に対しての熱い思いなどを語った様子をお届けする。

――まず、4th STAGEに向けての思いからお聞かせください。

竹中凌平(潔 世一役):今までは閉鎖された”青い監獄(ブルーロック)“の中で戦っていたのですが、今回はスタジアムに出て戦います。今まで積み上げたものを出し切った作品にしたいと思っています。

佐藤信長(蜂楽 廻役):第1弾から2年で4th STAGEということで、あっという間ですね。毎回言っているのですが、前作を超える熱いものにしたいと思っています。今、稽古が始まったばかりでワクワクしています。

伊勢直弘(脚本・演出):シリーズを通して培(つちか)ってきたものがたくさんあるので、それを最大限にいかしつつ、新しい挑戦をしていけたら。新しい試みとしては、今回はスタジアムでの試合になるので、お客さまに、観劇というよりも観戦いただく気持ちでお届けできたらと思っています。

これまでのシリーズでは、1本のストーリーの中で何試合かありました。間に日常をはさむことでキャラクターのかわいらしさや愛おしさを描いた上で試合に臨むかっこよさを表現してきたのですが、今回は大きな1試合のみです。振り幅がない分、かっこよさを突き詰めて、その1試合の熱量をどれだけ引き出せるかを、彼らと一緒に作っていきたいです。その中でも唯一、ハーフタイムではちょっとした遊びを入れるので、楽しみをお客さまと共有したいですね。

また、注目してほしいのが颯 波留役で出演する荒牧大矢くん。彼は前作で稽古場のアンダースタディとして参加してくれていたのですが、今作では舞台で活躍の場ができました。特に彼は全力で応援してあげたい、と思っています。

――これまで3作つないできた中で、良いチーム(カンパニー)だと感じたエピソードを教えてください。

佐藤:男子高校生の楽屋みたいな感じです。いつも「笑ってはいけない」のようなことをしていますし(笑)、地方ではもちろんみんなでご飯に行ったりもします。

伊勢:演出の立場からすると、皆さんの仲のよさに救われた部分が多々ありました。でも、少しやりすぎなときもありましたね!(笑)アドリブのシーンに、僕が指示した覚えのない効果音が入っていたり、さっと終わらせるシーンなのに10分くらいやっていたり(笑)。お客さまが楽しんでくださっているので何よりですし、「みんなで全力で楽しもう!」という気持ちにあふれた作品ですね。

佐藤:自由にと言われると、何かやりたくてしょうがなくて…。千秋楽では、今後作ることはないだろうと思うほどの大きな紙飛行機を作りました(笑)。

竹中:あの後、まじめなテンションで入らないといけなかったので「いつ終わるんだろう…」と思いながら見ていました(笑)。

伊勢:突出して誰が(おもしろいシーンを)引っ張っている、と言うのはないですが、雪宮剣優役の遊馬晃祐さんは上手にいじられてくれますし、絵心甚八役の横井翔二郎さんは上手に振る舞ってちょっとしたところでも笑いを取ってくれます。何を振っても拾ってくれますしね。

――(キャストの2人へ)これまでの3作で、俳優として進化したと感じている部分はどこですか?

佐藤:蜂楽はとても自由奔放で楽しい人物なので、(他の舞台で)あれもやってみよう、これもやってみたい…もっとやりたい! と、選択肢が増えたように思います。また、今回で第4弾になるので、稽古が始まってすぐにスッと感覚が戻って「蜂楽くんが戻ってきた」という感覚になりました。

竹中:少し「エゴく」なったかも。今までは場の空気に合わせることが多かったのですが、自分を貫くようになったかな…。

伊勢:確かにそうですね。佐藤さんは、この「ブルステ」の現場以外で活躍して経験を積んで、会うたびに芝居の振り幅が大きくなっていると感じます。好奇心を形にする習慣づけができたのでしょうね。竹中さんは、芝居のキレが良くなって、芝居の太さが増しています。その点が「エゴく」なったと感じますし、エゴいとは言ってもやりたいことをただ言葉で主張するのではなく、芝居に提示してくれるので、ベストなやりとりができます。役者としてさらに大きくなりました。

――今作では、ブルーロックのメンバーたちはU-20日本代表というこれまでよりもさらに大きな壁にむきあうことになります。ご自身もこれまでに大きな壁や困難にぶちあたったとき、どのようにして乗り越えてきたのか教えてください。

佐藤:まだ役者になる前、周りが就職して仕事をしているのに自分は…という状況のときですね。当時僕は(地元の宮崎を出て)名古屋の大学に入学したのですが、親に頭を下げて大学をやめて東京に出てきました。もう後には引けない、続けるしかない…。そんな中で、舞台の楽しさや、お客さまから直接反応をいただく楽しさが癖(くせ)になってきていて。今はこうしていろいろな作品に出させていただけるようになりましたし、あの時にやめなくてよかった…と思っています。

竹中:いまだに、目の前には壁しかないです。ひとつひとつをやっていくしかないな、と思っています。でも今作で言えば、セリフの量かな!(笑) それから、漫画は(2次元の世界なので)止まった状態でたくさん喋れるけれども、それを人間が演じるのだからどうしたらいいんだろう…という戦いを今やっているところです。

佐藤:それで言えば、蜂楽の動きもそうだよ! 昨日も伊勢さんと原作のアニメを見ながら動きを確認して「これ、何がどうなっているの?」って(笑)。その動きを舞台でどう見せるかは本当に大変ですね。

――これまで3作続けてきて、あらためて本作のどの点を特に魅力的に感じているか、共感ポイントなどもあったら教えてください。

佐藤:僕自身もスポーツをやっていたので(バレーボール)、違うスポーツとはいえ共感できる点はたくさんあります。“青い監獄(ブルーロック)”という特別な環境の中で、「脱落するのでは」というドキドキハラハラがあり、その中で勝ち上がっていって今回のU-20日本代表戦にたどり着いています。毎試合にドラマがあって、見ている側として感動して勇気をもらえます。それを舞台でどう表現するかをみんなで試行錯誤しながら考えたものをお客さまに届けられて、そして見てくださったお客さまが感動してくださる、あの瞬間が僕はとても好きです。

竹中:かっこいいキャラクターやプレーはもちろん、この作品のテーマである「エゴ」のメッセージが魅力的だと思っていますし、それを強く感じながら演じています。

伊勢:原作を脚本に起こすときに毎回感じているのが、本作は1コマあたりの情報量がとても多いということです。書き進めるのに時間がかかりますし、まとめるのもとても大変です。それだけ緻密な計算のもとに成り立っている作品なんですね。キャラクターの魅力だけに頼らない熱量というものが、作家さんの意図として込められている。それから私自身、本作を通じて「無難に生きるよりも正直に生きる」ことのかっこよさを学べたように思えます。

――冒頭で伊勢さんが「新しい挑戦」とおっしゃっていましたが、ネタバレにならない範囲で今作での新しい挑戦について教えてください。

伊勢:これまでは、1本のストーリーの中に短い試合がいくつかあったのが、今回は90分の試合が続きます。だから、プレーパターンが決まってしまっては飽きられてしまう。だから、展開を複雑にしたり振り幅を広げたりして、新しいバリエーションでお届けする必要があります。お客さまに「ここでこう来たか!」「こう見えるのか!」と思っていただきたいです。

また私自身も、作品を作るうえで「いつも同じではいけない、常にアップデートしなければいけない」と思っています。ありがたいことに、テンプレート通りのお仕事は無いので、どの作品でも新しい挑戦をしようという気持ちを持ち、作品と向き合うたびに「何が最適なのか?」を常に意識しています。

――では、最後にあらためて、公演への意気込みをお願いします!

伊勢:シリーズを通してお客さまからいただいているご期待の声に、モチベーションをもらっています。お客さまを、また新しい驚きに導けるように努めていきたいです。稽古の初動から、みんなすごい熱量で挑んでくれています。ぜひ、ご観戦に来てください!

佐藤:4th STAGEということで、観に来てくださっているたくさんのお客さまからのご期待を強く感じています。今作では初めてピッチに出ますので、とても期待値が高いと思っています。舞台の見た目にもいろいろな変化があるので、僕たち自身も新しい感覚で、同時に、今まで培(つちか)ってきたものを生かしながら新しい作品作りをしていきます。初日にお客さまがどんな反応をしてくださるのかとても楽しみです。

毎回、次回公演を発表したときの皆さんの声が頭に残っています。その強いご期待に応えたいですし、素晴らしい作品になると思います。劇場でお待ちしております。

竹中:回を重ねるごとに、お客さまの期待が高まっているのを感じています。ご期待に応えられるように頑張っていきます。4th STAGEまで来られたのは、お客さまのあたたかい応援があってこそです。ご期待以上のものを作りますので、ご観戦に来ていただければと思います。

取材/文:広瀬有希・写真:ケイヒカル

■舞台『ブルーロック』4th STAGE 公演概要

【タイトル】舞台『ブルーロック』4th STAGE(読み ブタイ『ブルーロック』フォースステージ)
【原作】原作:金城宗幸 漫画:ノ村優介『ブルーロック』(講談社「週刊少年マガジン」連載)
【脚本・演出】伊勢直弘

【タイトル】 舞台『ブルーロック』4th STAGE(読み ブタイ『ブルーロック』フォースステージ)
【原作】 原作:金城宗幸 漫画:ノ村優介『ブルーロック』(講談社「週刊少年マガジン」連載)
【脚本・演出】 伊勢直弘
【出演】
潔 世一:竹中凌平 

糸師 凛:草地稜之 蜂楽 廻:佐藤信長
凪 誠士郎:佐藤たかみち 士道龍聖:松田 岳
烏 旅人:宇野結也 雪宮剣優:遊馬晃祐
千切豹馬:佐伯 亮 二子一揮:前嶋 曜
御影玲王:菊池修司 氷織 羊:三浦海里
馬狼照英:伊万里 有 乙夜影汰:健人
蟻生十兵衛:磯野 大 我牙丸 吟:村松洸希

絵心甚八:横井翔二郎

オリヴァ・愛空:桜庭大翔 閃堂秋人:松本 岳
蛇来弥勒:ジョエル・ショウヘイ 仁王和真:影山達也 音留徹平:中土井俊允
超 健人:古田 蓮 颯 波留:荒牧大矢 不角 源:土居健蔵

糸師 冴:猪野広樹

【日時】2025年5月15日(木)~25日(日)〈東京公演〉
2025年5月30日(金)~6月1日(日)〈大阪公演〉 
【会場】〈東京公演〉THEATRE MILANO-Za
〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町1丁目29−1 東急歌舞伎町タワ 6F
〈大阪公演〉東大阪市文化創造館 Dream House 大ホール
〒577-0034 大阪府東大阪市御厨南2丁目3‐4

【制作】Office ENDLESS
【主催】舞台『ブルーロック』4th STAGE製作委員会

【公式HP】https://officeendless.com/sp/bluelock_stage
【公式X(旧Twitter)】   @BLUELOCK_STAGE 

©金城宗幸・ノ村優介・講談社/舞台『ブルーロック』4th STAGE製作委員会