【ゲネプロレポート】7年越しの「Escort」は5人で!Knights誕生を描く、あんステ「-Desperate Checkmate-」開幕

『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Desperate Checkmate- が、5月26日(月)、Kanadevia Hall(旧:TOKYO DOME CITY HALL)で開幕した。
『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』(通称「あんステ」)シリーズは、スマートフォン向けゲームアプリ『あんさんぶるスターズ!』の舞台化作品として、2016年に初演を上演。以来、ゲーム内のさまざまなストーリーやライブを舞台上で展開している。
本作「-Desperate Checkmate-」では、脚本・作詞に浅井さやか(One on One)、演出・振付に後藤健流と、「劇団『ドラマティカ』ACT4/魔女とお菓子の家」でファンを魅了したタッグを迎え、騎士道ユニット『Knights』の誕生譚となる「追憶*モノクロのチェックメイト」を上演。ファン待望の人気エピソードが満を持しての上演となる。
あんステで『Knights』の5人が揃うのは、2018年のライブ『あんステフェスティバル』以来、なんと7年ぶり。今作では『Knights』を演じるキャストたちが「演出協力」も務め、こだわりの世界観をファンに届ける。





メディアクトでは、初日に先駆けて行われた公開ゲネプロと初日会見の様子をお届けしよう。
描かれるは血塗れの誕生秘話「-Desperate Checkmate-」
本作は、【1部】本編、【2部】ライブパートの二部構成となっている。上演時間は約2時間30分(休憩なし)、主に描かれるのは、メインストーリーの1年前にあたる時期。『Knights』が生まれる少し前の出来事だ。
アイドルの卵が集う夢ノ咲学院では、多くの生徒が希望を忘れ、怠惰な日常を過ごしていた。芸能界における学院の影響力は低迷し、学院内でも一部の生徒のみが優遇される状況だ。「大多数の生徒が陽の目を見ることができない」構造に、大多数は夢を奪われ、心を腐らせていたのである。
大人数を擁するユニット『チェス(バックギャモン)』でも、その状況は同じだった。学院でも指折りの古豪であるこのユニットは、メンバー同士が強みを持ち寄るギルドのようなスタイルで形成されていたのだが、今はその性質が仇となり、やる気のない生徒が集う "腐ったぬるま湯" と化していた。






レッスンに参加する生徒はほとんどおらず、幹部メンバーやリーダーすら、要領よく成績を維持することしか頭にない……。そんな状況の中、完璧なパフォーマンスを目指して孤独にレッスンに励む生徒が、一人いた。
当時2年生の瀬名泉(演:高崎翔太)である。
キッズモデル出身の泉は、背水の陣の覚悟を持ってアイドル業に臨んでいた。完璧主義の泉にとって、学院の現状は歯がゆいものだったが、同学年のユニットメンバー・月永レオ(演:橋本祥平)の存在が彼を支えていた。
破天荒ながら純粋なレオは、ユニット活動を心から愛していた。天才的な作曲能力を持って生まれたレオにとって、自分の書いた曲を喜んで受け止め、ともに活動してくれる『チェス』のメンバーたちは大切で大好きな仲間だったのだ。
だが泉は、レオが他のメンバーから良いように利用されている空気を感じ取っていた。「楽をして成績を上げたい」と考える連中にとって、音楽の神に愛されたレオの楽曲は魅力的だ。
だがお人好しのレオは、自分が利用されていることには全く気づかず、"仲間" からの頼み事とあらば何でも快く引き受けてしまう。そんなレオの危うさに苛立ちを覚えつつ、泉はどうしても彼を放っておけず、いつも面倒を見ていた。
そんな『チェス』に、ある日大きな転機が訪れる。
生徒会により導入された『ドリフェス』システムの影響で、大所帯だった『チェス』は分裂。メンバーが続々と脱退し、かつての仲間は今や敵同士となって乱戦を繰り広げ始め……やがて2人きりとなったレオと泉は、新たなユニット『Knights』を結成し、かつての仲間と戦うこととなる。
これは、上を目指す泉にとって心躍る状況であり、気に食わない連中をぶちのめすまたとないチャンスでもあった。だが、赤子のような純粋さを持つレオの様子は、日に日におかしくなっていく。
一方、1年生の鳴上嵐(演:北村諒)と朔間凛月(演:荒牧慶彦)は、産声を上げたばかりの『Knights』にサポートメンバーとして参加することとなる。
憧れの人を追うためだけに入学した嵐と、"偉大な兄" への複雑な感情に苦しむ凛月。ユニット活動に冷めた目を向けていた2人だが、泉やレオとの関わりにそれぞれの動機を見出し、少しずつ態度を変化させていく。
過去と現在が交錯する複雑なストーリーは、心の機微をさりげなくセリフに乗せる、脚本・浅井の手腕によって、非常に分かりやすく再構成されている。
また、キャラクター同士の独特な関係性を、細やかに、かつ大胆にすくいあげる後藤の演出・振付も見事だ。
さらに、役と作品への愛情が深いキャスト陣の技量が、世界観に深みと熱量を与えている。
とくに「あんステフェス」以来7年ぶりの出演となる高崎翔太は、指先の動きなど、じつに細やかな仕草まで手を抜かず、瀬名泉を演じきっている。その姿勢はまさに泉の性質そのものと言えよう。
そんな高崎の隣に立つ橋本祥平は、今作、月永レオの心の深奥からの叫びをすくい上げ、誰も見たことがない彼を観客の前にさらけ出す。天真爛漫な笑い声から痛々しい傷口の暴露まで、シームレスに移行する橋本の表現力は圧巻だ。
朔間凛月を演じる荒牧慶彦は、「凛月らしさ」と、ふとした瞬間に顔をのぞかせる「意外な一面」を演じ分ける天才だ。芝居パートではもちろん、ライブパートでも、意外性がありながらも凛月らしい激しさを堪能させてくれる。
そして、原作ゲームを含め約10年にわたり鳴上嵐を演じてきた北村諒は、ある意味、座組の誰よりも長く『Knights』を見つめている人物だ。彼の演じる「嵐ちゃん」は、いつも驚くほど新鮮な表情を見せ、愛らしい仕草でファンを虜にしてくれる。
そして、この物語には「核」となる人物がもう一人いる。それは言うまでもなく、のちに『Knights』に加入する朱桜司(演:北川尚弥)だ。
『Knights』結成当時、司はまだ学院に入学すらしていない。そのため、【1部】の本編パートにおける司の出番は限られている。だが、それでもやはり「チェックメイト」の物語は、司の存在なくして絶対に完結しない。本作を観ると、あらためてそう実感させられ、胸が熱くなる。
司を演じる北川尚弥は、年齢・芸歴ともに『Knights』の末っ子ポジション。初めて5人で共演した当時は、本人いわく「やるべきこと(芝居やダンスの稽古)に精一杯で、メンバーに対して心を開く余裕がなかった」と言う(本作の初日会見にて言及)。
しかし、「今は違う」と彼は言う。それは、北川の言葉を待つまでもなく、今作を見れば明らかだ。「『Knights』の先輩方」と単なるチームワーク以上の絆を築いていることは、舞台上の司を通してもひしひしと伝わってくる。
本作の2枚のキービジュアルも示しているとおり、司は『Knights』に光と色彩を与え、同じ方向を見つめるための羅針盤の役割を果たしてくれる、唯一無二の人物だ。ライブパートでは、その司を加えた5人でのパフォーマンスを思いきり堪能できるので、ぜひ楽しみにしていてほしい。
『Knights』を演じるキャストは全員、各キャラクターの初登場時から彼らを演じ続けてきたオリジナルキャストであり、本作では「演出協力」にも名を連ねている。役と作品への愛にあふれる俳優陣が織りなす『Knights』誕生の物語は、ライブパフォーマンスも含め、原作とそのキャラクターたちへの愛情に満ちている。
その惜しみなく注がれる愛情は、キャストたち自身をも輝かせる光だ。
『Knights』が全員揃うのは7年ぶりとお伝えしたが、2017年に上演された「『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ』~Judge of Knights~」からは、およそ8年ぶりの公演となる。
8年越し、初めて5人揃っての披露となる『Knights Escort』や、『We'll be “Knights”』『Article of Faith』といった名曲の数々を、ファンの方々は思いきり楽しんでほしい。
また、物語のキーパーソンとなる生徒会長の天祥院英智(演:富園力也)、英智のそばで献身的に彼を支える青葉つむぎ(演:工藤大夢)、"友人" として温かい目線でレオを見守る三毛縞 斑(演:横井翔二郎/声の出演)の存在感も見逃せない。工藤、横井は『Knights』と同じくオリジナルキャスト、富園は今作が初出演となる。
英智とつむぎには、今回ステージオリジナルの新曲も用意されている。この組み合わせでの楽曲は貴重でもあり、彼らの "その後" を知るファンにとっては特別な一曲となるに違いない。
今作には、贅沢なほどの「これが見たかった!!」が詰まっている。かゆいところに手が届くようなこだわりは、スタッフ・キャストの方々が作品に向ける愛情であるとともに、ファンに対するリスペクトの表れであるとも感じた。
「あんスタ」と「あんステ」、そして『Knights』を愛するファンにとって、必見の一作となっている。
初日会見
ゲネプロに先駆けて行われた初日会見には、Knightsを演じる5名のキャスト(月永レオ役:橋本祥平、瀬名 泉役:高崎翔太、朔間凛月役:荒牧慶彦、鳴上 嵐役:北村 諒、朱桜 司役:北川尚弥)に加え、演出・振付を手掛ける後藤健流が登壇した。
――まず、演出の後藤さんに伺います。本作の演出でこだわった部分、大切にした部分はありますか?
後藤健流:大切にしていた部分というと、「セッション」と「トライ」の2点です。稽古に入る前に下書きとして自分自身が作ってきたものに対して、「これで行こう」と決めるのではなく、稽古場でキャストやクリエイターの皆さんと、「ここどう思う? どうしたい?」といったことをできるだけ話して、丁寧に丁寧に作っていきました。
『Knights』の5名の皆さんには演出協力としても参加していただき、これまでの経験値を活かして、たくさん力を貸していただきました。セッションして、丁寧にトライして、スタッフさん含めみんなを巻き込んで作っていった、というのがこだわった部分になります。
――続いてキャストの皆さんに伺います。久しぶりに5人揃っての公演となりますが、以前と比べてチームワーク、稽古場の空気感など変わった部分はありますか?
橋本祥平:5人での出演は7年前の「Judge of Knights」以来になりますが、びっくりするぐらい変わっていなくてですね(笑)。我々もあれからだいぶ歳を重ねて、大人になったつもりでございましたけれども、むしろ賑やかさが増したんじゃないかと思うくらいで。この5人でいると「時が止まってるな」と感じられるくらい、楽しい稽古場でした。
高崎翔太:今回は自分が出演した「あんステ」の中では一番ダンスが激しくて。とても見栄えがするステージになっている分、役者としては大変な面もありました。
夜遅くまで残って稽古することも多く、もし1人で練習していたら疲れきってしまって、「はぁ……」とぐったりしてしまったかもしれません。でもこのメンバーだと自然と賑やかになって、前向きにトライできたなという印象があります。
荒牧慶彦:仲の良さは全く変わらないんですが、7年前と比べるとやっぱり、個々がそれぞれのフィールドで戦ってきて、自分自身で培ってきたものが確かにそこにあるなと感じます。その出力の仕方も、みんな、より上手になっている。以前よりさらに『Knights』らしくなっているし、役者として全員がさまざまな場所で切磋琢磨した上で、今ここにいると実感しています。
最前線で活躍している人たちはやっぱりすごいなと、改めて思いました。みんなとともに、こうやってまた舞台に立てることをとても光栄に思います。
北村諒:みんなが言っているとおり、いい意味で変わらない場所というか、「あんステに帰ってきたんだな」という思いを日々感じながら稽古をしていました。マッキー(荒牧)が言ったように、それぞれがいろんな経験を積んできた分、心強さが増したなという思いもあります。だからこそ今回、より深く『Knights』の物語を掘り下げられるし、この5人だからこそ作品として深められたんじゃないかなと、今回の稽古場ではすごく感じました。
北川尚弥:こうやって久しぶりに集まってみると、「自分が一番変わったのかな」というふうに思います。
僕は7年前、自分自身でやや壁を作っていた部分があって……当時は自分のやるべきことに必死で、「これを練習しなきゃ」「みんなとご飯に行くより、今はしっかり家で役作りをしなきゃ」と必死でやっていた感覚が強かったんです。
でも今回は、僕自身が心を開くことができて、みんなとご飯にも行けるようになったし、1つの作品をみんな作っていけるのがすごく幸せでした。毎日が本当に楽しかったです。
北村:壁、なくなった?
北川:なくなりました!(笑)
橋本:時間かかったな、ここまで。
高崎:7年か……(一同笑)。
――後藤さんへもう一度伺います。ライブパートの振付を含め、注目してほしい部分を教えてください。
後藤:全部です! 本作はライブパートも含めて作品だと思いますし、僕自身がダンスを踊ってきた人間なので、ライブパートはとくに良いものにしたくて。もちろん本編も全力でやりましたし、両方に全力で取り組みました。本編を見終わった後のライブパートで、もう1段階グーン!と気持ちを上げていただけたら嬉しいです。
振付も、振付師として信頼する方を2人お呼びして、バリエーション豊かなものに仕上がっています。何よりも楽曲が素晴らしいので、その楽曲を最大限活かすために全力で取り組み、最高のステージが出来上がったと思います。
――キャストの皆さんへ伺います。今回、過去編としてのキャラクターを演じるにあたって、工夫したことや実践したことがあれば教えてください。
橋本:今回は『Knights』結成のお話ということで、「この機に一度原点にかえってみよう」という気持ちがありました。今まで培ってきたものを活かしつつ、まっさらな気持ちも持ってやってみようと。また新たな思いで向き合い、励むことができた稽古期間でした。
とくに今回は瀬名泉役の髙崎翔太くんとの絡みがとても多くて……稽古期間中、たくさん話しましたね(高崎「うん、うん」)。2人で作り込んでいったし、みんなとも一緒に作ったと実感できる作品になりました。
高崎:『Knights』というアイドルを演じるわけですから、ライブパートはキラキラした綺麗なステージをお届けするんですけれども、お芝居パートではただ綺麗だけじゃなく、高校生ならでは、アイドルならではの葛藤をしっかり描けたらいいなと思っています。祥平ともいろいろ相談したし、原作のストーリーを読みながら「このセリフは足したほうが良いんじゃないか」とか「このシーンではこういう思いもあるのかな」とか、ある意味、稽古場で台本以上のものを作るつもりで戦ってきました。
お客さまには、最後はキラキラのライブを見て、すごくハッピーな気持ちで帰っていただきつつ、お芝居のパートでは何かグッと心に残るものがあればいいなと思います。
荒牧:今作の「追憶シリーズ」は過去編にあたり、『Knights』の出会いのシーンが描かれていきます。原作の魅力を最大限引き出しつつ、舞台としても素晴らしい作品になっています。翔太くんが言ってくれた通り、尺の都合などで脚本上ではカットされていた部分も、僕らなりに精査して「このセリフはやっぱりあった方がいいんじゃないか」と突き詰めることができました。とてもいい演出家さんと出会えたなと思いますし、いいものを作れたなという実感もあります。
北村:個人的なところで言うと、今回の嵐や凛月は『Knights』に対する思いがまだそんなに深くなく、関係性もしっかり出来上がっていない時代のお話になります。現在の『Knights』を知っているからこそ、今作を見ることによって、『Knights』が出来上がっていく過程というか、「こんな時代もあったんだ」と感じられるんじゃないかと。そこに切なさや感動を覚えられるような、そうした部分がいっぱいに散りばめられている作品です。
その辺りは、キャスト一人一人もしっかり考えましたし、たくさん話し合いをしながら作ってきたので、ファンの皆さんにも満足していただける作品ができたと思います。
北川:今回は司が『Knights』に加入する前のお話なので、本編で司が出演するシーンはあまり多くはないんです。でも、司が加わることによって『Knights』がどう変化していくかという、関係性の部分について感じ取っていただけるように頑張っています。末っ子らしく、チームの一員として、しっかり演じてお届けしたいです。
――今回のシナリオの中で、とくに共感するシーンやキャラクターがいれば教えてください。
荒牧:今回のストーリーは、『Knights』から見れば英智の革命に巻き込まれたというか、英智のしたことによって『Knights』の前身の『チェス』がどんどん分裂していって、月永レオが壊れてしまう……というお話です。ただ僕自身としては、英智くんの気持ちにどこか共感する部分があります。
ストーリーの中では、英智の苦悩や葛藤は「悪」というか、どこか哀しい描かれ方をしています。でも、英智の持つ「自分自身を偽性にしてでも夢を叶えたい」という思いや、アイドルとしての矜持には、とても共感できるんです。
北村:夢ノ咲学院では、英智が仕組んだことも含め、学院内での競争を通してそれぞれの生徒が色んな感情で動いています。制度に抗う人もいれば、成長しようともがく人、逆に「戦わない」と決めて傍観している人もいたりする。そういう「それぞれの立ち向かい方」みたいなものは、俳優という職業にも通じるものがあると感じます。
僕らが俳優として戦っている中でも、やはりそれぞれの戦い方を目にすることは多いですし、そういう点で自分たちの置かれている世界とすごくリンクしていると感じますね。とくに嵐ちゃんは、なんやかんや言いながら付き合ってあげちゃう面があるんですけど、そんな部分にも僕はすごく共感しています。
北川:レオのセリフの中に、「自分たちは寝る間も惜しんで、やらなきゃいけないことをやらなきゃいけない。でもお客さまの拍手を浴びると、それだけで今までの苦労が全て吹き飛ぶ」という主旨のものがあるんですが、これが僕にとってものすごく刺さりました。
どんな仕事でもそうだと思いますが、つらいことがあったとしても、「幸せだな」って思える瞬間があれば、その一瞬のために頑張ってきて良かったなって感じるんじゃないかなと。僕自身、このお仕事をしていてそんなふうに感じることが多いんです。だからこの作品をお届けするにあたって、そうした思いをしっかりと自分の胸に置いておきたいと思ってます。
高崎:世界観についてはみんながたくさん言ってくれたので、僕は『Knights』に絞って言うと……、この5人は、各々が、演じるキャラクターとマッチする面があるんですね。
(橋本は)すごく明るくて、ノリだけで話したりするところがあって。泉がレオに言うセリフに「ノリだけで話さないでよね」というものがあるんですが、まさにそういうキャラクター性を持っています。
(北村は)年下なのに、初対面からタメ口で話してきて(笑)そういうところ、嵐とすごくマッチしていると思うし。
(荒牧は)プライベートではすごくおちゃらけてノリ良く話したりするけど、仕事の場ではプロフェッショナルな対応を見せる辺り、凛月に繋がるなと思う。
(北川は)昨日、2人で一緒に帰ったときに「自分は本編では出番が少ないので、その分ライブパートは任せてください。オレやりますよ!」って言っていて、「すげぇ司っぽいな」と思ったんです。
今回、『Knights』の出会いのお話を演じる上で、各々がキャラクターと似ているというのは、すごく面白い要素だなと思って。そういう部分もお客さまに感じていただき、楽しんでいただけたらなと思います。
橋本:僕も作品の世界観というよりは、個人的にレオという役を演じる上で。自分自身は、レオと同じく人が大好きで、だから仲間だと思っていた人から裏切られる……というか、今作のような出来事を経験したとしたら、多分心が壊れるだろうなと思うんです。
今回、本当につらいセリフをいっぱい言いますし、「なんでこんなこと言うんだよ」って感じるセリフもあります。これは学生時代だからこそ吐ける言葉なのかもしれない、と思うセリフもたくさんあったので、僕も学生の頃の気持ちに戻って、まっすぐ言えるように意識して稽古しました。
『Knights』も僕らも、めちゃくちゃ個性的で、個々のカラーが強い集団です。7年前から「またこの5人で絶対やりたい」っていう思いが強かったですし、原作の『Knights』同様、僕らも「このメンバーでしかできない」「この5人じゃなきゃステージに立てない」と改めて強く思えた稽古期間でした。
――公演を前に、原作の『Knights』を演じる声優の方々と「Knights会(※原作とあんステのキャストが一堂に会した食事会。北村は原作でも嵐役のため、メンバーは総勢9名)」をされていましたが、声優の皆さまから激励や熱い言葉などはありましたか?
橋本:そうですね……じゃ、北村さんから!
北村:(笑)北村さんからは「頑張って」と。すごく強く背中を押していただきましたね、はい。一緒に写真も撮れましたし。
橋本:「キャラ掴んでるよ」とか言われた?
北村:「もうちょっと頑張れ」って。やっぱもうちょっとね、なんかこう、「(嵐が)見えるようにやってくれ」って言われた(一同笑)。
荒牧:声優の方々が、とても解放的に話してくださったんですよね。僕は山下さん(凛月役・山下大輝)とは初対面だったんですが、会った瞬間に「うわぁ、凛月だ!」って言ってくださって。僕からしたら、山下さんこそ「うわぁ、凛月だ!」なんですけど。そういう関係性を保てることがすごく嬉しくて、この公演の励みにもなりました。
高崎:僕はマサミさん(瀬名泉役・伊藤マサミ)とは以前共演したことがあって、集まったときにちょっと軽口を叩いたら「お前のソロパートのキー、高くするぞ!」って脅されました(笑)。「もう逆らえない」って思って、怖かったです(笑)。
橋本:浅沼さん(月永レオ役・浅沼晋太郎)からも、「これは(お芝居に)取り入れられる」と感じられる、ありがたいお言葉をめちゃくちゃ頂きましたね。それと、僕らめちゃくちゃ仲がいいと思ってたんですが、やっぱり声優さんたちの『Knights』もめっちゃくちゃ仲がよくて。
高崎:うん。ほわぁっとしてて、すごくいい雰囲気だったね。
北村:(深く頷きながら)そう、すごく居やすいのよ。それと、同じ役のキャスト同士がみんなそれぞれよく似てるのにびっくりした。
北川:僕と土田さん(朱桜司役・土田玲央)が写真撮ってるとき、「兄弟?」ってみんなに言われましたね。
北村:そう、尚弥とか本当によく似てるよね。なんというか、「自然と似てくるんだなぁ」と思ったりしました。
――1月に開催された「『ネルフェス2024』後夜祭!」では、今作に先駆けてパフォーマンスを披露されましたが、その際の客席の反応から感じた手応えや、改めて感じた本公演への思いはありましたか?
橋本:正直に言うと、5人揃ってのパフォーマンスが7年ぶりということで……すごく怖かったんです、じつは。袖にいるときも、出番ギリギリまで心臓バクバクで。ただ、お客さまのあの温かさ、待っててくださった歓声……。今作では、本編でもライブでも、皆様が欲しいところで欲しいものを投げていきますので、期待していてください!
後藤:これは僕、全世界に向けて言いたいんですけど、彼ら本当にものすごく練習をしてくれるんですよ。渡した振付に対する責任の持ち方が本当に素晴らしくて、限られた時間の中でも、大汗をかきながらすっごく練習してくれるんです。僕は「ネルフェス後夜祭」の振り入れで彼らと初めてご一緒したんですが、想像以上にすごい方々だなと感じて、今作の稽古を非常に楽しみにしていました。
北村:そこは『Knights』なので。完璧なパフォーマンスを見せたいですからね。
荒牧:……いやぁそんなこと、あります(一同笑)。
――それでは最後に、開幕に向けての意気込みをお願いいたします。
橋本:いよいよ本日、初日の幕を迎えます。「ネルフェス後夜祭」のときは「数ヶ月後ここに立つんだ」と思っていましたが、気づけばもうそのときが来たなとドキドキワクワクしております。
5人での公演は7年前の「Judge of Knights」ぶり。そのときに追い掛けていた夢を、また改めて、7年越しにスタートするという新たな気持ちで、お客さまに笑顔とキラキラを全力でお届けしたいです。劇場にてお待ちしております!
高崎:今作はとくに、お客さまが入って初めて完成する作品だと思います。『Knights』はファンサを重要視するユニットですので、お客さまに楽しんで頂けるように意識して臨みます。お芝居もしっかり頑張って、ライブもしっかり盛り上げて、幸せな気持ちで帰っていただけるように頑張りますので、よろしくお願いします。
荒牧:ライブパートを全力でやるのはもちろん、本編の話の核となる、レオ・泉・英智の3人のお芝居が本当に良いので、ぜひ注目してほしいです。哀しい物語に涙してしまう方もいらっしゃるかと思いますが、この物語をしっかりと作り上げられるのはこの3人の実力あってのことだなと、場当たりや通し稽古で客席側から見ていて、すごく思いました。ぜひ楽しみにしていてください。
北村:ずっと「この5人でまたやりたい、集まりたい」と思い続けて言葉にもしてきましたが、実現できるかどうかは僕たちだけでは決められません。「本当にできるのかな」とか、もし実現できなかったとしても「寂しいけど仕方ないのかな」という思いを抱いたこともありました。
今日を迎えられたのは、あんステというコンテンツと、その灯火をつないでくださった方々のおかげです。たくさんのスタッフさんや制作の皆さまの力があって、またこうして『Knights』として、5人で板の上に戻ってくることができました。
僕らを信頼してくださったスタッフさんたち、そして何より、楽しみに待っていてくださったお客さまへの恩返しの気持ちを込めて、「せいいっぱい楽しんで頂いただけるように」と、それだけを考えて稽古してきました。全力で作り上げたお芝居やライブパートが皆さまの胸に届いて、笑顔で帰っていただけたら嬉しいなと願っています。
北川:本編での出演シーンが少ない分、ライブパートでは全力でお届けしたいと思います。舞台は本当に、お客さまが入って初めて完成するもの。お客さまと一緒に、1つの作品、1つのライブを作っていけたら嬉しいです。全力で楽しみましょう! よろしくお願いします。
後藤:「やっと今日という日が来たんだな」と感じています。たくさんのスタッフ、クリエイター、そして何よりここにいるキャストたち、この5名を先頭にみんなでたくさん準備してきました。自信を持ってお届けできます。お客さまには今回、この作品の観劇を心から楽しんでいただきたいなと思いますし、我々も思いっきり楽しみたいです。よろしくお願いします!



『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Desperate Checkmate- は、東京公演が5月26日(月)~6月1日(日)Kanadevia Hall(旧:TOKYO DOME CITY HALL)、大阪公演が6月6日(金)〜8日(日)東京建物 Brillia HALL 箕面(旧:箕面市立文化芸能劇場)にて上演。一部公演のライブ配信も予定されている。
ライブパートも含め、さまざまな角度から楽しめる今作。愛情の集合体のような舞台を、ぜひ自身の目で確かめてほしい。
取材・文:豊島オリカ、写真:ケイヒカル















◆『あんさんぶるスターズ!!』とは
2015 年 4 月にリリースされた『あんさんぶるスターズ!』は、スマートフォン向けゲームアプリで、男性アイドルの育成に特化した「私立夢ノ咲学院」で繰り広げられるアイドルたちの成長や改革を描いている。
2020 年 3 月からは新章『あんさんぶるスターズ!!』として、プレイスタイルで選べる 2 つのアプリ「Basic」「Music」にリニューアルし、現在 1900 万ダウンロードを突破。舞台は「アンサンブルスクエア」へ移り、個性豊かなアイドルが在籍する 4 つの事務所を中心にストーリーが展開されている。
◆『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』シリーズとは
スマートフォン向けゲームアプリ『あんさんぶるスターズ!』の舞台化作品として、2016 年に初演『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』を上演以降、ゲーム内ストーリー・ライブ公演を展開している舞台シリーズ。アイドルたちの成長と改革を、舞台ならではのリアルな演出とライブパフォーマンスで描いている。
<公演概要>
公演タイトル 『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Desperate Checkmate-
期間・劇場 【東京】 2025 年 5 月 26 日(月)~6 月 1 日(日)
Kanadevia Hall(旧:TOKYO DOME CITY HALL)
【大阪】 2025 年 6 月 6 日(金)~6 月 8 日(日)
箕面市立文化芸能劇場 大ホール
原作 『あんさんぶるスターズ!』(Happy Elements 株式会社)
脚本・作詞 浅井さやか(One on One)
演出・振付 後藤健流
演出協力 荒牧慶彦 北村 諒 高崎翔太 橋本祥平 北川尚弥
キャスト
『Knights』
月永レオ:橋本祥平
瀬名 泉:高崎翔太
朔間凛月:荒牧慶彦
鳴上 嵐:北村 諒
朱桜 司:北川尚弥
天祥院英智:富園力也
青葉つむぎ:工藤大夢
アンサンブル
明石侑成 石川蓮恩 兼次要那 木村昌誉 高梨 怜 内藤将大
チケット情報 <一般発売日> 2025 年 3 月 22 日(土)10:00
<チケット料金> S 席・S 席サイドシート 11,000 円(税込/全席指定)
A 席・A 席サイドシート 9,500 円(税込/全席指定)
※詳細は公式 HP をご確認ください。
公演に関するお問い合わせ ネルケプランニング(https://www.nelke.co.jp/contact/)
協賛 ローソンチケット
主催 あんステ製作委員会
公式HP:https://www.nelke.co.jp/stage/ensemble_stage_2025dc/index.html
公式 X:https://x.com/ensemble_stage