【レポート】ミュージカル『刀剣乱舞』江 おん すていじ ぜっぷつあー りぶうと 東京凱旋公演レポート

「ミュージカル『刀剣乱舞』 江 おん すていじ ぜっぷつあー りぶうと」が、2025年5月29日（木）に東京・Zepp Hanedaで大千秋楽を迎えた。
本作は、2023年12月から2024年1月にかけて国内6都市のZeppを巡った前作の再演版。演出や構成に新たな要素を加え、東京・大阪・マレーシアの3都市4会場で上演された。

今回は2025年5月27日（火）に開催された公演のレポートをお届けする。

今回のセットリストは

S1『FANFARE』
S2『Honey Love』
『江 おん らっぷ』りぶうとver.
『でいじぇいぱふぉうまんす』りぶうとver.
S3『生存者バイアス』
S4『R.U.N』
S5『ナミダドロップ』
S6『2 THE TOP』
S7『直感リプレイス』
S8『幻想Magic』
S9『NO』
S10『Gray』
S11『ETERNAL FLAME』
『らんきんぐしあたぁ』
『GO! GO! 昔ばなし』
『いろはに演劇』
S12『Free & Easy』
S13『Break of Dawn』
S14『錆びた扉』
S15『Guilty』
『Shining Night』
『私の夢見たすていじ・おうぷん』
S16『36.2℃』

E.C①『Sweet & Bitter』
E.C②『STARTING NOW』

この通り。
前回のツアーからは半分以上がガラッと楽曲が変わり、新曲あり、「りぶうと」の名にふさわしい新しい構成に仕上がっていることに注目だ。

篭手切江（演：田村升吾）、豊前江（演：立花裕大）、桑名江（演：福井巴也）、松井江（演：笹森裕貴）、五月雨江（演：山崎晶吾）、村雲江（演：永田聖一朗）、大典太光世（演：雷太）、水心子正秀（演：小西成弥）の8振りが集結し、熱狂と笑顔に満ちた約2時間のステージを展開した。

幕が開ける前の大典太光世、水心子正秀との前説も健在。
サンプラー遊び、リズ見合わせたダンスに加え、空中に固定されてしまったアタッシュケースを動かそうとするパントマイムを大典太光世が披露。無声ながら小気味の良いやり取りを水心子正秀を繰り広げ、ライブの前の空気を温めてくれた。

そして、本編が幕を開けると、冒頭の『FANFARE』で会場は一気に盛り上がる。続けて、ポップな『Honey Love』優しいメロディーと歌声、振り付けで会場が幸せな空気に包まれるような一体感を帯びる。

MC中のコール＆レスポンスでは、大典太光世が「今日は何曜日だ？」と問い「火曜日ー！」とコール＆レスポンス。豊前江が「火曜日！　Thursdayだな！」と発言したことから「Tuesdayな」とツッコミが入り、それがより一層会場を盛り上げる。
その後、全員が決めセリフを言う流れになるが事態に、一気に会場が和む。ペンライトがターンテーブル＆マイクを意識した「チェケチェケ」からのやりとりでも「Tuesday」がキーワードとなり、何度も使われることに。

『でいじぇいぱふぉうまんす』りぶうとver.では、大典太光世がターンテーブルを操り、過去の刀ミュ楽曲をミックス。前回のリミックスとはまた異なる楽曲採用で（VIVA CARNIVAL、約束の空、お前が知ってる、ユメひとつ、BE IN SIGHT、Secret Sign、百花絢爛、YUKARI、炎舞、獣、漢道、勝利の凱旋、Free Style、IGNITION、mistake、Can you guess what?　など）、胸が躍る。

ユニット曲のメドレー、ソロパートとそれぞれが色彩豊かに個性を光らせ歌い上げる。
ソロパートではそれぞれ新曲を披露。
篭手切江の『直感リプレイス』から始まり、全員が衣装を変え、新たな装いで登場し、個性的な楽曲を展開していく。
マジシャンのような杖を模したマイクで村雲江が『幻想Magic』、力強く五月雨江がロックに『NO』、桑名江がさわやなにポップな『Break of Dawn』を歌い上げ、松井江のクールな『錆びた扉』を噛みしめるように伝え、豊前江の切なげな『Guilty』、大典太光世のピアノ弾き語り『Gray』、水心子正秀のしっとりとした『Free & Easy』。彼らの新境地を垣間見ることができる。

MCコーナーでは、即興劇『ブレーメンの音楽隊』を上演。
松井江がロバ、五月雨江が犬、豊前江が猫、大典太光世が雄鶏、村雲江がボスの泥棒、篭手切江と桑名江が手下役を担当。水心子正秀のストーリーテリングに合わせ、時に無茶振りも交えたやり取りで、会場を笑顔と拍手で満たした。

終盤、篭手切江と大典太光世の連弾がスクリーンに映し出されると、アンコールの幕開けを告げるように客席が湧いた。8振りはそれぞれの色のグッズTシャツ姿で再登場し、『Sweet ＆ Bitter』『STARTING NOW』の2曲を披露。大歓声の中で幕を閉じた。

8振りの音楽と笑顔が会場を揺らし、刀剣男士たちの絆が生む一体感が観客の心を深く打った。
終始熱狂と感動に満ちた「江 おん すていじ ぜっぷつあー りぶうと」東京公演は、刀ミュの魅力を余すところなく伝えるステージとして刻まれた。

取材：木皿儀

※写真は、東京公演のものです。