【ゲネプロレポート】ミュージカル「忍たま乱太郎」第15弾再演 走れ四年生! 戦え六年生!~閻魔岳を駆け抜けろ~開幕!

レポート

ミュージカル「忍たま乱太郎」第15弾再演 走れ四年生! 戦え六年生!~閻魔岳を駆け抜けろ~が、10月11日(土)より東京ドームシティ シアターGロッソにて開幕した。
尼子騒兵衛の人気漫画『落第忍者乱太郎』および、その原作アニメ『忍たま乱太郎』を舞台化したミュージカル「忍たま乱太郎」(通称:忍ミュ)。2010年の初演から今年で第15弾を迎え、今も多くのファンを魅了し続けている。

メディアクトでは、初日に先立ち行われたゲネプロ公演の模様をレポート。この日のゲネプロ公演は、乱太郎役・沼澤圭、きり丸役・猪股怜生、しんべヱ役・田村祷真の出演バージョンで行われた。

公演レポート

物語は、個性が強すぎてまとまりのない四年生たちが、学園長先生の思いつきで“リーダー決定戦”に挑むところから始まる。
決戦の舞台は断崖絶壁の閻魔岳。怯える四年生たちだったが、六年生の監視のもと、戦いの火蓋が切られる。
知力・体力・時の運を駆使し、頂上を目指す者だけが手にするリーダーの称号。だが勝負は一筋縄ではいかず、さらには謎の忍者集団・クモタケ忍者隊やドクタケ忍者隊が現れ、閻魔岳には不穏な気配が漂い始める――。

今作も、個性豊かな俳優陣が勢ぞろい。
六年生は、立花仙蔵役・湯本健一、潮江文次郎役・渡辺和貴、中在家長次役・新井雄也、七松小平太役・坂垣怜次、食満留三郎役・鈴木祐大、善法寺伊作役・反橋宗一郎が初演に引き続き出演。
一見するとキャラの濃い集団だが、今作では四年生を見守る頼れる先輩としての一面が際立つ。

四年生は、平滝夜叉丸役・西岡諒佑、綾部喜八郎役・大谷誠、田村三木ヱ門役・沖矢悠、浜守一郎役・秦健豪が続投し、斉藤タカ丸役は川口ナオの代役として田中幸介が新たに加わる。
どこか団結力に欠けトラブルの絶えない四年生たちだが、物語が進むにつれて見えてくる彼らなりの絆と成長が胸を打つ。

忍術学園の面々も健在だ。
大川平次渦正役・迫英雄、土井半助役・一洸、山田伝蔵役・今井靖彦、小松田秀作役・輝山立、山田利吉役・松原凛らが前作から続投。再演ではアクションや演出に新たな要素が加わり、さらにスケールアップ。売れっ子プロ忍者・利吉とへっぽこ事務員・小松田による新曲も必見だ。山田家の共闘シーンなど、熱い展開も盛りだくさんとなっている。

ドクタケ忍者隊は田八方斎役・幹山恭市、キャプテン達魔鬼役・高橋光らが出演。クモタケ忍者隊からは天馬役・翁長卓、黒衛役・小林嵩平、鉄幹役・吉田邑樹、一颯役・野間理孔が登場し、物語に緊張感をもたらす存在として活躍する。

忍ミュの東京公演といえば、シアターGロッソならではの高低差を生かしたダイナミックな舞台セットが魅力。今回もプロジェクションマッピングを駆使し、臨場感あふれる世界を表現。忍者ならではの多彩な武器を使った殺陣や迫力のアクションにもぜひ注目してほしい。

【取材会】

――再演を迎えた意気込みをお聞かせください

渡辺:ベースは同じですが、変更点は多くありますし、新曲も入っているので見どころ満載です。ぜひ楽しんでください。

新井:トラブルもありましたが、座組全員の力でここまでくることができました。精一杯頑張ります。

坂垣:ケガなく最後まで、カンパニー一同で楽しく終えられればと思います。

西岡:初めての再演でドキドキですが、引き続きのシーンも変更のあったシーンも、楽しくお届けできたらと思います。

沖矢:タイトルにもある通り、東京・大阪・愛知としっかり走り抜けたいと思います。最後まで頑張ります!

輝山:これまでの忍ミュのように、再演も観に来てくださった方があたたかい気持ちになって帰っていただける作品になっていると思います。劇場でお待ちしています。

松原:僕も再演初参加組です。お客様と一緒に、パワーアップした部分を楽しみたいと思います。頑張ります!

――四年生のお二人は、本作に出演した感想はいかがでしたか?

西岡:『忍たま乱太郎』という作品を、幼少期からずっと見ていました。出演が決まってからはキャラクターをより知るためにアニメをたくさん見返しましたが、小さい頃とは見方が変わっていて。昔は気づけなかった熱い話や胸にしみる部分もありました。そんな作品に出演できることを嬉しく思っています。

沖矢:自分が忍ミュに出るなんて、昔は想像できませんでした。こんなに大きな劇場で大きな役を演じるのは怖くもありましたが、初演やファンミーティングを経て、キャストの皆さんやお客さんのおかげで最近はほっとしながら演じています。再演も絶対に成功させられるよう全力で頑張ります。

――再演と初演の違いや、新たな魅力について教えてください。

輝山:初演を経て、息の合った掛け合いができていると思います。今回は僕たちの曲もできたので、大切に歌いながら皆さんに最高のものをお届けしたいですね。

松原:おっしゃった通り、僕らの曲ができました! 東京公演では特別なギミックもありますし、そういった新鮮な部分も楽しんでいただけたらと思います。

――再演、どんなところに注目してほしいですか?

渡辺:まず、新曲がたくさんあります。会計委員会の深掘りもありますし、忍たまが好きな人には舞台を、舞台が好きな人には忍たまを好きになってもらえるような内容になっています。アニメでも感動するシーンがたくさんありますが、舞台でもさらに深い感動を感じてもらえたら嬉しいです。

新井:今回は初演に比べて、変更点が本当に多いです。話もよりまとまりましたし、新曲もできたし、アクションも増えました。そしてなんと、尼子騒兵衛先生が作詞された六ろの曲に個人的には特に注目してほしいです。

坂垣:実は僕、舞台上で一人で歌うのは初めてなんです。今日は緊張しましたが、明日からはリラックスして臨みたいですね。尼子先生が書いてくださった特別な詩だからこそ、お客様にしっかり届けたいという責任を感じています。僕らは再演といっても、ほぼ新しいシーンばかりなので、昨日まで調整をしていたんですよ。今日まではいい緊張感を持っていましたが、明日からはお客さんに楽しんでほしいです。

――ご自身が演じるキャラクター以外で、“推し”キャラクターを教えてください。

坂垣:俺はしんべヱ! 本当にかわいい! ミュージカルのしんべヱも、動きも中身も全部かわいいんですよ。

西岡:僕は、私情も少し入りますが、七松先輩です。怜次さんのことも、怜次さんの七松先輩も大好きなんです。

坂垣:(笑)今のコメント、絶対使ってください!

沖矢:僕は和貴さん……じゃなくて、潮江先輩です(笑)。実は、僕しか知らない潮江先輩の姿があるんですよ。袖から舞台を見ている潮江先輩を見るのがすごく好きなんです。

渡辺:明日から油断できないね(笑)。凛は誰?

松原:父上です! 事務所の先輩なんですが、僕も数十年後に貫禄が出てきたら父上ポジションを狙いたいと思います。

輝山:僕、楽屋の先輩だよ?(横から圧をかけながら)

松原:あっ。(推しは)小松田さんですね。

輝山:僕は山田利吉さん一択ですね。(胡麻をするジェスチャーを交えながら)

新井:僕はきり丸ですね。キャラクターを演じるうえでいろいろ調べたんですが、皆さん知ってますか? きり丸って学費をアルバイトで稼いでるんですよ! 僕も学生時代は自分で払っていたので、すごく感情移入しちゃいます。

渡辺:私は三木ヱ門ですね。あとはドクタケの俊鬼! 目が離せない愛嬌があります。ドクタケさん、全員かわいいです。

――稽古期間中の印象的なエピソードを教えてください。

坂垣:長次と夕陽を見るシーンがあるんですが、いつも以上にお芝居についてディスカッションをして、いろんなパターンを試しました。
輝山:楽屋では一年生たちと一緒なんですが、「1本あります、2本あります〜♪」っていう、指が11本になる魔法の歌を歌っていて……そのギミックが分からなくて、凛がずっと頭を抱えてました(笑)。
松原:(頭を抱えてその場に崩れ落ちる)だって増えるんですもん……あれは忍術です。
輝山:一生頭抱えてたよね(笑)。ギミック、わかりますか? はい、怜次くん!
坂垣:えっと……手が二つあるから!?
輝山:違います! 和貴くん!
渡辺:(笑いながら)途中で数をごまかして……。……。湯本くんがしんべヱと一緒にスキップで捌けるシーンがあるんですけど、初演ではできなかったんですよ! みんな注目してたのに、今は華麗にできるようになっていて。綺麗なスキップが印象に残ってますね。
西岡:僕は、再演で喜八郎と行動を共にすることが増えました。滝夜叉丸の葛藤をどうお客様に届けるか悩んでいたら、先輩たちがみんな声をかけてくれて。誰一人お芝居について「よくない」とは言わず、寄り添ってくれたのが本当に嬉しかったです。

――最後に、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。

渡辺:今回いろいろご心配をおかけすることもあったかと思いますが、多くの方の協力のおかげで明日初日を迎えることができました。タカ丸役で入った幸介も本当に大変だったと思いますが、頑張ってくれて、僕たちも救われました。歴史のある作品なのでこれまでもいろいろありましたが、このカンパニーなら大丈夫だと信じていましたし、無事に乗り越えることができました。千穐楽まで全員で頑張りたいと思います。

新井:まずは、全員で無事に舞台を終えること! その思いで再演に挑みたいです。たくさんの変更点がありましたが、お客様に楽しんでいただく準備はしてきたので、よろしくお願いします。

坂垣:公演数も多いので、最後まで一公演一公演を大切に演じていきたいと思います。

西岡:初演も大好きでしたが、再演はさらに大好きになって皆さまにお届けしています。ケガなく全力で楽しみたいですし、皆さんも一緒に楽しんでください。

沖矢:ファンミーティングのときに「今年一番のミュージカルは忍ミュだ!」と意気込んだので、本当にそうなるよう盛り上げていきたいです。

輝山:稽古期間を経て、カンパニーの絆の強さを再認識しました。お芝居としても初演を超えられるよう、一人ひとりが頑張ってきたので、最後まで頑張ります。皆さんは何も考えず、この世界を思いきり楽しんでください。

松原:たくさんの方に観ていただけるので、僕らも楽しんで、皆さんの日々の活力になれたら嬉しいです。

取材会は終始笑顔に包まれ、キャスト同士の信頼関係と強い絆が伝わってきた。その結束は、舞台上の登場人物たちの関係性にも色濃く反映されており、物語にさらなる説得力と深みを与えている。明るく、楽しく、そしてどこか胸を熱くする。そんな忍ミュの魅力、は今作でも健在だ。何も心配せず、ただ全力で楽しみに劇場へ足を運んでほしい。

『ミュージカル「忍たま乱太郎」第15弾再演 走れ四年生! 戦え六年生!~閻魔岳を駆け抜けろ~』は、10月20日まで東京ドームシティ シアターGロッソで上演。その後は大阪、愛知へと忍者たちの戦いが駆け抜けていく。

取材・文:水川ひかる/写真:ケイヒカル

■公演概要
ミュージカル「忍たま乱太郎」第15弾再演 走れ四年生! 戦え六年生!~閻魔岳を駆け抜けろ~


原作:尼子騒兵衛 「落第忍者乱太郎」より、アニメーション「忍たま乱太郎」
原案:アニメーション「忍たま乱太郎」より、「四年生頂上決戦!」(脚本:石山優子)
脚本・作詞・演出:竹本敏彰
音楽監督・作曲・編曲・スーパーバイザー:玉麻尚一

開催日程・会場
2025年10月11日(土)~26日(日)
東京都 東京ドームシティ シアターGロッソ
2025年11月1日(土)~3日(月・祝)
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
2025年11月8日(土)・9日(日)
愛知県 春日井市民会館

キャスト:
忍術学園 六年生
立花仙蔵:湯本健一
潮江文次郎:渡辺和貴
中在家長次:新井雄也
七松小平太:坂垣怜次
食満留三郎:鈴木祐大
善法寺伊作:反橋宗一郎
忍術学園 四年生
平滝夜叉丸:西岡諒佑
綾部喜八郎:大谷誠
田村三木ヱ門:沖矢悠
浜守一郎:秦健豪
斉藤タカ丸:川口ナオ
忍術学園 一年生
猪名寺乱太郎(A):塩田宙
摂津のきり丸(A):長谷川悠大
福富しんべヱ(A):山口澄晴
猪名寺乱太郎(B):沼澤圭
摂津のきり丸(B):猪股怜生
福富しんべヱ(B):田村祷真
忍術学園 関係者
大川平次渦正:迫英雄
土井半助:一洸
山田伝蔵:今井靖彦
小松田秀作:輝山立
山田利吉:松原凛
ドクタケ忍者隊
稗田八方斎:幹山恭市
キャプテン達魔鬼:高橋光
竜鬼:小笠原竜哉
俊鬼:伊藤俊
来鬼:来夢
統鬼:川合立統
曇鬼:開沼豊
謎の忍者集団(クモタケ忍者隊)
天馬:翁長卓
黒衛:小林嵩平
鉄幹:吉田邑樹
一颯:野間理孔

公式HP:https://www.musical-nintama.jp/
公式X:https://x.com/nin_myu_info

©尼子騒兵衛/NHK・NEP
©ミュージカル「忍たま乱太郎」製作委員会