【ゲネプロレポート】Valkyrie×Ra*bitsが紡ぐ「返礼祭」の優しい奇跡。『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Blessing Moment- 開幕

『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Blessing Moment- が、10月31日(金)東京・品川プリンスホテル ステラボールにて開幕した。
『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』シリーズ(以下:あんステ)は、スマートフォン向けゲームアプリ『あんさんぶるスターズ!』の舞台化作品。2016 年の初演以降、アイドルたちの成長と改革の物語を舞台ならではの演出とライブパフォーマンスで描き出し、人気を博している。
今作「-Blessing Moment-」で描かれるのは、ホワイトデーに開催される夢ノ咲学院の一大ライブ【返礼祭】を巡る物語。原作ゲームのストーリー「モーメント*未来へ進む返礼祭」を軸に、『Valkyrie』と『Ra*bits』の面々がそれぞれの思いをぶつけ合う群像劇が、舞台の上に丁寧に立ち上げられる。
脚本・作詞には浅井さやか(One on One)、演出・振付には後藤健流と、前作や『ドラマティカ』シリーズでも好評を博したタッグが続投。キャストには、斎宮宗役の山崎大輝、影片みか役の猪野広樹ら、おなじみの実力派俳優たちが名を連ねる。
メディアクトでは、初日会見とゲネプロ(公開通し稽古)の模様をお届けする。
『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Blessing Moment- ゲネプロレポート
男性アイドルの卵たちが集う、私立夢ノ咲学院アイドル科。中でも異彩を放つ人気ユニット『Valkyrie』は、3年生の斎宮宗(演:山崎大輝)と2年生の影片みか(演:猪野広樹)の2人で構成されている。



『Valkyrie』の持ち味は、ヨーロッパの名画を彷彿とさせるような美しい世界観と、細部までこだわり抜かれた芸術的なステージング。リーダーの斎宮宗は根っからの芸術家肌で、衣装、小道具、セット、そして演者である自身とみかの歌声、ダンス、指先の小さな動きに至るまで妥協せず、彼の美意識で貫くのがモットーだ。
もう一人のメンバー・影片みかは、そんな宗に憧れて学院に入った。幼い頃に親に捨てられ施設で育ったみかにとって、気高く美しい宗は、初めて出会ったときから神さまのような存在だった。
学院でも異色の実力を持つ『Valkyrie』は、もともと多くの熱烈な信奉者を抱えている。加えて最近は、大手アニメ会社や玩具会社とのタイアップが成功。幼稚園児から小・中学生まで、幅広い年代の女の子たちが『Valkyrie』に熱狂し、既存の枠を超えたファン層を急速に拡大しつつあった。
そんな上り調子の状況ではあったが、みかはこのところずっと思い悩んでいた。3年生の宗の卒業が間近に迫る今、『Valkyrie』をどうすべきかが彼には分からなかったのだ。
宗は卒業後、海外に拠点を移すことを決意し、『Valkyrie』の主軸をみかに委ねようとしていた。しかしそもそも、宗がいない『Valkyrie』など、みかにとっては禁忌に近い未来像だった。
宗を誰よりも信奉するみかは、自身の全てを『Valkyrie』に注ぎ、「宗の理想を実現するための操り人形」として生きていた。みかにとって『Valkyrie』とは宗そのものであり、自身はその作品の一部でしかない。
"己が引き継ぐことで「Valkyrie」を汚すくらいなら、いっそ美しいまま消滅させるべきではないか。"
そんな思いに囚われたまま、宗が卒業する前のラストライブを控え、みかは大きく揺れ始める。
一方、夢ノ咲学院全体にも、そわそわとした卒業ムードが漂っていた。
ホワイトデーに開催される、夢ノ咲学院の一大ライブ【返礼祭】。それは、ユニットの主体が下級生に譲られる特別なイベントであり、卒業を控えた3年生にとっては、学院生活の締めくくりとなるステージでもあった。



「小さくてかわいい」がコンセプトの4人ユニット『Ra*bits』のリーダー・仁兎なずなは、【返礼祭】を区切りにアイドル活動からいったん離れる決意をしていた。『Ra*bits』の他のメンバーは、全員1年生。結成当時は悔しい思いもたくさんしたが、今は立派に成長している。そんな後輩たちを誇らしい思いで見守りながら、なずながひそかに心配していたのが、他ならぬ『Valkyrie』の2人だ。
なずなは、かつて『Valkyrie』のメンバーであり、みかの兄弟子といえる存在だった。ある出来事がきっかけで『Valkyrie』を脱退した後も、宗やみかのことをずっと気にかけてきたのである。
物語は、『Valkyrie』と『Ra*bits』それぞれの未来を巡って回りだす。
これからも宗の「人形」であり続けたいと望む、みか。
それを拒絶し、厳しい言葉を投げかける宗。
なずなは、かつての仲間として、2人がより良い未来を選べるように、そして自身も悔いなく前に進むために、思いきって行動を起こす——。



*
夢ノ咲のアイドルにとって、大きなターニングポイントとなる【返礼祭】。その舞台化第一弾となるのが、今作「-Blessing Moment-」である。
【返礼祭】というライブ名には、「ファンへの返礼(ホワイトデー)」と「後輩から先輩への返礼」の二重の意味が込められている。その名の通り、今回は『Valkyrie』と『Ra*bits』の1・2年生たちが、卒業していく宗となずなに、それぞれの思いを贈るストーリーとなっている。
2018年の「あんステ」初登場以来、『Valkyrie』を演じ続ける山崎と猪野。彼らは今回も圧倒的かつ息ぴったりのパフォーマンスで観客を魅了する。山崎演じる宗の一挙手一投足には、まさに妥協のない美学が宿る。気難しくも愛情深い宗の言葉に従う、繊細ながら誰よりも強固なみかの忠誠心を、猪野が独自の柔らかな感性で描き出す。


2人という少人数であっても、『Valkyrie』のライブパフォーマンスでは「目が足りない」という感覚でいっぱいになる。シルエットまで完璧に『Valkyrie』を再現できるのは、2人の観察力と表現力、そして役への愛情の成せる技だろう。
一方の『Ra*bits』も見逃せない。大崎捺希演じる仁兎なずなは、快活な笑顔の奥にほのかに灯る暗い何かを秘めている。そして、その仄暗さを覆うほどの明るいパフォーマンスもまた、なずなの魅力だ。
なずなの「陽」の部分を引き出す、何よりの支えとなっているのが、『Ra*bits』の1年生たちだ。


花のように可憐でありながら、芯の強さをにじませる紫之創(演:熊谷魁人)。天真爛漫だが、ときにドキッとするほど本質を突く言動を見せる天満光(演:奥井那我人)。そして「普通」というコンプレックスを乗り越えようと、誰よりも強く頼もしく成長しつつある、次期リーダーの真白友也(演:宮崎湧)。
実力派揃いのキャスト陣が、生の舞台ならではの魅力を存分に発揮し、四者四様の愛らしさをふりまく。


声の出演では、みかの親友として鳴上嵐(演:北村諒)が、そして『Valkyrie』との因縁深い生徒会長・天祥院英智(演:富園力也)が、それぞれ色彩豊かな糸となり、印象的なシーンを織り上げる。
ステージで生き生きと歌い踊る彼らを見ていると、彼らにとって【返礼祭】は、アイドル活動のみならず人生のターニングポイントでもあることを、改めて実感させられる。
とくに夢ノ咲学院という"場"を愛するファンにとっては、【返礼祭】のステージに観客として同席できることそのものが、奇跡のような体験になるのではないだろうか。
二度と訪れることのない、"今"という時間。宗が、みかが、そしてなずなたちが選び取るのは、どんな未来なのか。儚いからこそ強く輝くアイドルたちの青春を、ぜひその目で見届けてほしい。
初日会見レポート
初日に先駆けて行なわれた初日会見では、『Valkyrie』を演じる山崎大輝、猪野広樹、『Ra*bits』を演じる大崎捺希、奥井那我人、宮崎湧、熊谷魁人の6名が登壇し、稽古中の様子や本作への意気込みなどを語った。






——まずは順番に自己紹介をお願いします。
山崎大輝:斎宮宗役の山崎大輝です。久しぶりの本公演ということで頑張っていきたいと思います、よろしくお願いいたします。
猪野広樹:影片みかを演じます、猪野広樹です。よろしくお願いします。
大崎捺希:仁兎なずな役の大崎捺希です。よろしくお願いします。
奥井那我人:天満光役の奥井那我人です、よろしくお願いします!
宮崎湧:真白友也役の宮崎湧です。……ハッピーハロウィン!(一同笑)
熊谷魁人:紫之創役の熊谷魁人です。ハッピーハロウィン!
——『Valkyrie』と『Ra*bits』、それぞれユニットとしては久しぶりに本公演への出演となりますが、以前と比べてチームワークや稽古場の雰囲気感など、変わった部分があれば教えてください。

大崎:(雰囲気は)めちゃくちゃいいです。「MoM」(2018年上演の『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ』~Memory of Marionette~)ぶりに集まって、7年ぶりという喜びもありますし、僕自身もみんなも成長しているのを感じます。(山崎)大輝がすごく楽しそうにはじけていて、稽古場も楽しい雰囲気でした。それに、『Ra*bits』が踊っていると(猪野)広樹くんがニコニコ見てくれているんですよ。仲いいでしょ?……ハッピーハロウィン!(一同笑)
奥井:7年ぶりになるんですね。皆さんとこうしてまた、変わらないメンバーで一緒に「あんステ」という作品に携われて、本当に嬉しいです。……ただ、ちょっとあの、みんなやっぱり内面的にも大人になったなと感じられて。僕が初めて光くんを演じたのは19歳のときで、そのときの子どもらしいわちゃわちゃ感は薄まったのかな、と思っていたんです。でも、稽古でみんなと過ごしているうちに、わちゃわちゃ感を取り戻せた感覚があります。ハッピーハロウィン!
宮崎:今回はメインキャストが6名と少人数なので、稽古ではやることが多くて大変でした。でもその分、すごく有意義な時間をぎゅっと駆け抜けました。苦労した分、その時間は本番で背中を押してくれるものになったと思うので、すごく実のある1ヶ月だったなと感じています。
(奥井)那我人も今言っていたとおり、前回の共演から時が経って、肉体的にも精神的にも熟成してしまった部分もありますが、光を演じる那我人が幼心をくすぐってくれたり、休憩時間に心をほぐしてくれたりして、『Ra*bits』らしさを高めてこられたと思うので、本番では思いっきりはじけていきたいと思います。
熊谷:変わったところ、ということなんですが、僕は「あまり変わってないな」と思うんです。那我人くんは「大人になった」なんて言ってくれたんですけど、休憩時間にみんなでふざけ合っているときなどには、やっぱり「ああ、まだまだ子どもだな僕達って」と思いましたし、そういうところが『Ra*bits』メンバーの良さなのかなと思います。本番でも、そうしたキャストの子供らしい一面を『Ra*bits』として活かせたらと思っています。
猪野:7年ぶりに、誰も変わらずこのメンバーでまた会うことができて嬉しいです。今回のお話は「さよなら」をする物語なので、7年間待っていてくださった皆さんや、この役に対して、一つお別れを言えるときがくるというか、そんな覚悟を持って稽古に挑ませていただききました。
稽古はすごく楽しく有意義で、みんなで「ああでもない、こうでもない」とセッションができる期間でした。本当に楽しかった分、初日を迎えるにあたって緊張してしまって……今、ここ数年で一番緊張していて、お腹が痛くて。「どうか早く終わってくれないか」という思いで頭がいっぱいになっています(一同笑)。
山崎:変わっていない部分も非常にたくさんありますが、変わった部分を挙げるとすれば、個々の推進力のようなものがついたことを感じます。「どう進めていこうか」「どういうシーンにしたいか」といったことをみんなで話し合いながら、意見を出し合いながら煮詰めていったんですが、そのときに各々が自ら推進していく力というのを強く感じました。それは、この7年で一人ひとりが力をつけて、この場所に戻ってきたからなのかなと思います。
逆に変わらない部分っていうのは……ハッピーハロウィン、って感じです。
宮崎:ありがとうございます。(一同笑)
——役作りや稽古において、こだわった部分や大切にした部分を教えてください。

大崎:稽古期間中に、原作で『Ra*bits』を演じている声優さん方とご飯に行かせていただく「Ra*bits会」を開きました。その中で、それぞれのキャラクターや『Ra*bits』の"深み"をどう表現できるかといったことを教えていただいたり、『Ra*bits』について色々なことをお話させていただきました。僕たちならではの舞台版の『Ra*bits』の演じ方についても、改めてたくさん考える機会になりましたので、お客さまにはぜひ期待していただけると嬉しいです。
奥井:僕がとくにこだわったというか、印象に強く残っているのは、ダンスですね。今回は新曲もありますし、以前踊ったことのある楽曲も振付がまるごと変わっています。皆さんにはそこも楽しみにしてほしいし、一緒に盛り上がっていただけたら嬉しいです。
宮崎:大層なことを言ってしまうかもしれないのですが、今回僕は「誰かの正義の裏側には、別の正義がある」ということをすごく大切に稽古しました。各々が抱いている正義がぶつかり合って心のうねりを生む、というシーンを、とくに広樹くんとは稽古からじっくり一緒に作ってもらって。「この時間軸では、裏側でどんな心の動きがそれぞれに起きているのか」ということを、丁寧に作り込みながら板の上のシーンに乗せることを意識して、心の機微を大切に、お芝居を作りました。
熊谷:僕は、とくにライブパートで、いかに『Ra*bits』らしくお客さまを巻き込んで、可愛さをお届けできるのかということを考えました。歌唱指導やダンスの先生にもたくさんのアドバイスをいただいて、可愛らしさを表現できる歌い方やダンスを意識して、そこにこだわって稽古してきました。
猪野:今回はメインキャストが6人と少人数なので、それぞれに焦点がしっかり当たります。全員が主役だと思って、全員が舞台上で誰よりも輝いている作品になったらいいなと思いながら稽古に臨みました。それを実現するにあたって、キャストはもちろん、スタッフさんや制作さんも含め全員でとても良いセッションをすることができて、本当に「全員で作っている」という実感ができたので、幕が開けた後が楽しみですね。ただ、(幕開け前の)今は本当に、怖いです。
山崎:役作りの上では、初めて『Valkyrie』が登場した7年前の本公演から、できるだけ「繋がるように作りたい」ということを大切にしました。と同時に、今回初めて観に来てくださる方にもしっかりお届けしたかったので、「本作の中でもしっかり起承転結を作る」ということも意識しています。今回の脚本は、原作のお話全体の中では、起承転結の"転結"にあたる部分だと思います。だからこそ、本作だけでもしっかり楽しめるように、その部分は大事にしました。
——『Valkyrie』『Ra*bits』どちらにとっても、前作から時間軸がぐっと前進したストーリーになっています。ユニットごとに、時間軸が進んだ先の関係性をどのように作ってきましたか?
猪野:宗に関して言えば、「MoM」でひとつ成長した部分があって、今回の物語は「みかの成長」にフォーカスされています。みかは、宗という存在から逸脱できないというか、飛び出すことに対して大きな恐れを感じているし、それについては「考えたこともない」という段階にあって、でもみかに対して自立を促す宗がいる。
今作では、みかの葛藤や暗い部分を含めて表現できたらいいなと思って、2人で話し合いながら作り込んでいきました。「このセリフはこういう意味で、あそこでは突き放そうと思ってる。でもその裏には愛があって……」というような話し合いをして、先ほどお話に出ていた"起承転結"についても、我々2人の中ではしっかり作れたかなと思っています。
山崎:そうですね。(前作から今作に繋がる部分を含め)脚本上では描かれていないストーリーをどれだけ具体的に表現するのか、といったところをかなり考えました。今作で初めて「あんステ」に触れる方にも違和感が生まれないように、間口を大きく広げられるように、という意識がありました。
「3人よれば文殊の知恵」という言葉がありますが、なずなも含めて3人で、「過去こういうことが僕たちの間にはあったよね」「だから、ここはこうなるんじゃないかな」といったことを出し合って、「ああ、確かに。じゃあ、ここはこう表現してみようか」とディスカッションしながら作り上げていきました。
——ありがとうございます。『Ra*bits』の皆さんはいかがですか?

大崎:そうですね、僕たち『Ra*bits』は一緒にいた時間が長かったこともあって、役としてはもちろん、俳優としても、今まで培ってきたことや一緒に重ねた思い出を最大限お芝居に活かして、全ての熱量をそこに込めて、作品に落とし込もうと思ってやってきました。
奥井:時間軸が進んでいるからこそ、自分が演じるキャラクターの成長を表現するのは難しかったですね。各々のキャラクターが成長して、それが合体して今の『Ra*bits』になるという、その役作りが難しかった部分はあります。でも、キャストそれぞれの成長や、お世話になった先輩の背中を見て僕自身成長してきたこともたくさんあって、今の形に至るので、本番でそこも見ていただけたら嬉しいです。
宮崎:本編でも「にーちゃん(なずな)の卒業」が描かれていて、『Ra*bits』のみんなが、きっと本人たちも分かってはいたけど触れにくいような、心の柔らかいところをギュッとされるようなトピックがテーマになっているんですよね。だからこそ、一歩踏み込んでというか、僕らキャストもここまで一緒にやってきた思い出を、板の上で走馬灯のごとく膨らませて、一瞬一瞬にかけるような瞬間を生み出せたらなと思って作り上げました。
熊谷:キャスト同士が今まで『Ra*bits』に起きた1年間の出来事をしっかり把握して、「こういうことがあったね」「こういうこともあったね」「じゃあ、こういうふうにやろう」というのは、もちろんたくさん話し合いました。ただ今回、僕が演じるしののん(紫之創)のセリフで、「特別なことがなくても、何でもない日々の繰り返しがちょっとずつ集まって太陽みたいに輝いているんだよ」というセリフがあって、僕は本当にそうだなって思うんです。みんなで一緒にやってきたこの7年間は、僕らが演じる『Ra*bits』が夢ノ咲学院で過ごした1年間につながっていると思うので、キャスト陣の絆も作品に乗せて活かせたらいいなと思います。
——稽古中、印象的なエピソードはありましたか?
大崎:先ほども言ってしまったんですけど、僕たち『Ra*bits』がライブパートを歌って踊って練習しているときに、広樹くんがすごくニコニコしながら見てくれているのが印象的でした。
猪野:『Ra*bits』を見てると心が洗われるんですよね、かわいくて。今回のライブパートの衣装がさらにかわいくて、愛でたくなっちゃう。
大崎:ありがとうございます。
猪野:『Valkyrie』は格式高いので、我々「かわいい」とかないので。『Ra*bits』はなんというか……萌え、ですね。久しぶりにこの言葉言いました(笑)。
——逆に、大崎さんは稽古場で『Valkyrie』のパフォーマンスを見ていてどう思いましたか?
大崎:前作では『旧Valkyrie』として一緒にパフォーマンスするパートもありましたが、やっぱりかっこいいですよね。もう、シンプルにかっこいいです。今回は新曲もあるし、前回無かった曲も披露されますので、心臓をぐわっと掴まれるような、目を離せない鬼気迫るパフォーマンスを見ることができて、個人的にもすごく嬉しく思います。
——先ほど「Ra*bits会」のお話が出ましたが、声優陣とどんなお話をされましたか?
大崎:声優の皆さんも、今ちょうど「スタフォニ」(声優出演ライブ『あんさんぶるスターズ!!Starry Symphony - Superbloom- 』)の稽古中ということで、「お互いに頑張ろうね」と。
奥井:「僕らも見に行きますから」ってね。
山崎:……うわべ1ミリの会話やん?
大崎:違う違う(笑)。ほんとに色々お話させていただいたんですよ。役のことも本当にたくさん。
熊谷:なずなに焦点を当てたお話がたくさん出て、「その角度からの考えは無かった」と思うような視点や感情もたくさんインプットさせていただいたので、そのあたりもリンクして板の上に出せたらと思っています。
——『Valkyrie』のお二人は、「Valkyrie会」をしてみたいですか?
猪野:やるならもうパリに行かないと、と思っています。
山崎:フランスぐらい行かないとね(笑)。僕は以前、作品とは別のところで高橋広樹さん(原作・斎宮宗役)にお会いしたことがあって、その際に不躾ながらも「僕の斎宮宗はどう演じたらいいでしょうか」といったことをお訊きしたんですよ。そしたら、「きみの思うようにやりたまえ!」とのことだったので、もう胸を張って本日からも宗を演じさせていただきます。
——ありがとうございます。では最後に、開幕に向けての意気込みをお願いいたします。
大崎:この日が来るのを待っていました。悲しさもあるストーリーですが、悲しいだけじゃなく、ここから前を向いていけるような、そして皆さんの心を動かせるような素敵な作品になっていると思います。気合を入れて届けます、よろしくお願いします!
奥井:全26公演、一つひとつの公演を本当に大切にして、今できる全てを注ぎ込み、「ありがとう」という感謝の気持ちを込めて、全身全霊でお届けしてまいります。応援のほどよろしくお願いします。
宮崎:とにかく、幕が開くのが本当に楽しみです。8年間分の作品への感謝の気持ちを込めて、お客さまの日々の喧騒をかき消せるほどの燃料にして、26公演せいいっぱい真摯に駆け抜けます。嫌なことを全部忘れて劇場に足を運んでいただけると嬉しいです。それを楽しみに命を燃やしてまいります。よろしくお願いいたします。
熊谷:今回描かれる【返礼祭】は、ファンの方々にとっても僕たちにとっても本当に大切なものですし、思い出深い作品になるだろうなと感じています。『Ra*bits』としても俳優としても成長した姿を、皆さんにお届けできたらなと思います。全力で「かわいい」をお届けするので、ぜひ劇場で楽しんでいただけたら嬉しいです。お待ちしております!
猪野:なんやかんやありますが、全てはお客さまのためですので、しっかりと地に足をつけて、頭をピッと高くして。格式も高くして、全26公演乗り越えたいと思います。よろしくお願いします。
山崎:【返礼祭】のストーリー、本当に待ちわびてくださっているお客さまもいらっしゃると思います。原作では、この【返礼祭】をもって「!」のストーリーが完了し、「!!」へと時間軸が移り変わっていきます。次につながる架け橋となるストーリーなので、その点も予感させるような作品にできたらいいなと思っています。僕らが演じる「Blessing Moment」、ぜひよろしくお願いします。
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『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Blessing Moment- は、10月31日(金)〜11月9日(日)東京・品川プリンスホテル ステラボール、11月14日(金)〜 23日(日・祝)神戸・AiiA 2.5 Theater Kobeにて上演。U-NEXTにてライブ配信も予定されている。
取材・文:豊島オリカ、撮影:ケイヒカル

























<公演概要>
公演タイトル 『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Blessing Moment-
期間・劇場 【東京】 2025 年 10 月 31 日(金)~11 月 9 日(日)
品川プリンスホテル ステラボール
【兵庫】 2025 年 11 月 14 日(金)~11 月 23 日(日・祝)
AiiA 2.5 Theater Kobe
原作 『あんさんぶるスターズ!』(Happy Elements 株式会社)
脚本・作詞 浅井さやか(One on One)
演出・振付 後藤健流
キャスト
Valkyrie
斎宮 宗:山崎大輝
影片みか:猪野広樹
Ra*bits
仁兎なずな:大崎捺希
天満 光:奥井那我人
真白友也:宮崎 湧
紫之 創:熊谷魁人
アンサンブル
兼次要那 高橋陸人 竹迫祐貴 内藤将大 中川月碧 藤田倖羽
チケット情報 <一般発売日> 2025 年 9 月 20 日(⼟)10:00
<チケット料金> S 席 11,000 円(税込/全席指定)
A 席 9,500 円(税込/全席指定)※兵庫公演のみ
※詳細は公式 HP をご確認ください。
公演に関するお問い合わせ ネルケプランニング(https://www.nelke.co.jp/contact/)
協賛 ローソンチケット
主催 あんステ製作委員会
Ⓒ2021 Happy Elements K.K/あんステ製作委員会



