【ゲネプロレポート】舞台「光が死んだ夏」東京・紀伊國屋ホールにて開幕

レポート

舞台「光が死んだ夏」が、1月9日に東京・紀伊國屋ホールで幕を開けた。

「光が死んだ夏」は2021年よりヤングエースUPで連載されている、モクモクれんによるマンガ。作中では、とある集落に住む男子高校生・佳紀と、その幼なじみ・光の姿をした“ナニカ”の日々が描かれる。「光が死んだ夏」は今年7月にテレビアニメ化もされた。今回の舞台化では、脚本・演出を藤井颯太郎が担当し、音楽をさのみきひとが手がける。

メディアクトでは、初日に先駆け行われたゲネプロのレポートを劇中写真と共にお届けする。

※物語のネタバレは避けていますが、まっさらな状態で観劇したい方は観劇後にお読みください。

幕が上がると同時に、会場には悲痛な叫び声が響き渡る。ある集落で育った男子高校生・光が、山で行方不明になったのだ。

やがて光は戻ってくる。しかし同じ集落で育ったよしきは、目の前にいる親友の中身がもはや別のナニカであることに気づいてしまう。それでもなお一緒にいたいと願うよしきは、友の姿をした存在とこれまで通りの日常を過ごす選択をする。だが時を同じくして、集落では不可解な事件が起こり始めていく――。

光の身体に入り込み人間としての生活を送るヒカルは、感受性が非常に豊かだ。映画を観てぽろぽろと涙をこぼすなど、感情をむき出しにする姿は外見以上に幼く、眩しく見えるほど。しかしヒカルは、どこまでいっても人間とは本質的に異なる存在だ。

自分の正体に気付いた人間を躊躇なく殺してしまったり、友人のはずの山岸朝子も手にかけようとしたりと、人の倫理観が欠落している。純真無垢で好奇心旺盛、その在り方はまるで子どものようだ。今牧輝琉が見せる無垢な笑顔は、まさにヒカルそのもの。眩しさの中に潜む仄暗さや人ならざる異質さ、その危ういバランスを繊細に表現する演技にぜひ注目を。

そんなヒカルと共に過ごすうちに、よしきもかつて光に抱いていた感情とは異なる、ヒカルだけへの思いを抱くようになる。よしきは、ごく普通の男子高校生だ。だからこそ、恐怖と思いの狭間で葛藤し続ける姿に胸が締めつけられるだろう。舞台初挑戦となる本島純政が、揺れ動く心情を丁寧かつ熱量たっぷりに演じ、その感情の波に観る者は否応なく引き込まれていく。

主軸となる二人以外にも、謎の主婦の暮林理恵(山野 海)、ある会社の調査で集落に訪れた田中(村田 充)などさまざまな人間が関わりながら物語は進んでいく。ヒカルとよしきの同級生である山岸朝子(橘 めい)巻 ゆうた(松尾 樹)、田所結希(澤田理央)らは無邪気で眩しい青春を体現しているが、だからこそ日常と非日常のアンバランスさが際立っていた。

舞台上には終始、得体の知れない不穏な空気が薄く漂い続けていた。忍び寄る恐怖を五感で体験できる点も、舞台ならではの大きな魅力だ。無二の夏を生きる人間のリアルを体感しに、ぜひ劇場へ足を運んでほしい。

舞台『光が死んだ夏』は、1月18日まで東京・紀伊國屋ホールで上演される。

舞台『光が死んだ夏』

日程・劇場 :
【東京】2026年1月9日(金)~1月18日(日) 紀伊國屋ホール
原作:モクモクれん『光が死んだ夏』(KADOKAWA「ヤングエースUP」連載)
脚本・演出:藤井颯太郎
音楽:さのみきひと
出演:
辻中佳紀 本島純政
ヒカル 今牧輝琉
山岸朝子 橘 めい
巻 ゆうた 松尾 樹
田所結希 澤田理央
暮林理恵 山野 海
武田 一 赤星昇一郎
田中 村田 充
橘 カレン 鳩川七海 村上亮太朗

主催:舞台『光が死んだ夏』製作委員会
最速先行:2025年10月3日(金)12:00~10月13日(月祝)23:59
一般発売:2025年11月22日(土)10:00
チケット料金:9,800円(全席指定/税込)

◆公式サイト:https://www.nelke.co.jp/stage/hikanatsu_stage/
◆公式X:https://x.com/hikanatsu_stage (@hikanatsu_stage)
ハッシュタグ:#ひかなつ舞台

©モクモクれん/KADOKAWA・舞台『光が死んだ夏』製作委員会