【ゲネプロレポート】『fine』vs『紅月』愛と矜持の「喧嘩祭」ついに開幕!あんステ「Our First Fight」ゲネプロレポート

レポート

『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Our First Fight- が、1月16日(金)東京・品川プリンスホテル ステラボールにて開幕した。

『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』(通称「あんステ」)シリーズは、スマートフォン向けゲームアプリ『あんさんぶるスターズ!』の舞台化作品として、2016年に初演を上演。以来、ゲーム内のさまざまなストーリーやライブを、舞台ならではの演出とパフォーマンスで展開している。

本作「-Our First Fight-」は、脚本・作詞に浅井さやか(One on One)、演出・振付に後藤健流の強力タッグがシリーズを続投。夢ノ咲学院で屈指の実力を誇る2つのアイドルユニット『fine』『紅月』が、ユニットの命運を賭けてステージ上で激突する。

メディアクトでは、初日に先駆けて行われた公開ゲネプロを取材した。

あんステ「-Our First Fight-」ゲネプロレポート

本作の上演時間は、約2時間(休憩なし)。【1部】本編、【2部】ライブパートの二部構成で、原作メインストーリーの1年目・夏に行われたドリフェス【喧嘩祭】の様子が描かれる。

物語の舞台は、アイドルの卵たちが集う私立夢ノ咲学院。伝統芸能を重んじる和風ユニット『紅月』のリーダー・蓮巳敬人(演:梶田拓希)は、生徒会長・天祥院英智(演:富園力也)から下された命令に、大きなショックを受けていた。

その決定とは、他ならぬ『紅月』の解散命令だ。敬人は英智の幼なじみとして、また生徒会副会長として、長年英智を支えてきた。『紅月』も、英智の所属する『fine』を守るために作られたユニットで、その威光を際立たせるような役割をも担っている。そんな『紅月』への解散命令は、まさに寝耳に水。いつにも増して理不尽な英智の判断に対し、敬人は頭を抱えていた。

『紅月』が解散を免れる方法は、ただ一つ。1週間後に開催されるドリフェス(=夢ノ咲学院のアイドルによるライブ対決)【喧嘩祭】にて、英智がリーダーを務める『fine』に勝利することだけだ。

敬人は戸惑いながらも、『紅月』の他のメンバーである鬼龍紅郎(演:武子直輝)、神崎颯馬(演:神永圭佑)とともに、打倒『fine』を掲げてライブに向けて準備を始める。

一方、英智の側にも、とある強い思いがあった。幼い頃から病弱で、常に「死」を身近に感じていた英智。家柄や立場の影響もあり、心をひらける相手とほとんど出会えなかった英智にとって、敬人は数少ない心からの「友人」だった。

月日が経ち、二人とも大人に近づいた今、英智は敬人との真剣勝負を願うようになっていた。「病弱だからと手加減されることなく、全力でぶつかり合ってみたい」と。英智の病は完治せず、「死」は今も身近にある。命の期限を見越しているからこそ、英智はこれまでも、波乱を厭わずさまざまな行動を起こしてきた。今回は、その対象が敬人に向いた形となる。

名実ともに学院最強の王者として君臨する、『fine』。

その『fine』を「No.2」として支え続けてきた、『紅月』。

英智と敬人、それぞれが率いる2つのユニットは、【喧嘩祭】のステージで互いの信念と矜持をぶつけ合う。

キーパーソンとなる蓮巳敬人を演じる梶田拓希は、今作が「あんステ」初出演。3月には「劇団『ドラマティカ』SPECIAL ACT」への出演も控えている。今作の敬人は、人間らしい心の揺らぎを大いに見せてくれる。クールな表情の奥に潜む生々しい感情の起伏を、梶田の情熱的な芝居が描き出す。長い手足を活かした優雅なダンスも必見だ。

また、『fine』の1年生・姫宮桃李役を務める戸塚世那も、今作がシリーズ初出演となる。今作、桃李が本領発揮するのは、なんといってもライブシーン。桃李の「愛らしさ」へのこだわりと、それをファンに届けるための(表には見せない)ひたむきな努力が、輝きをまとって歌い踊る戸塚の全身から伝わってくる。

二人が吹き込む新風が作品にどんな影響を与えているか、観客の皆様にはぜひ期待してほしい。

また、フレッシュな二人を「あんステ」ならではの絆で包み込む、先輩キャスト陣にも要注目だ。

『fine』のリーダー・天祥院英智は、穏やかにたたえた笑みの裏に本音を隠す策略家。彼が併せ持つ冷酷さと、驚くべき魂の強靭さ、熱さを、富園力也が優雅かつ力強くステージ上に立ち上げる。

日々樹渉を演じる安井一真、伏見弓弦を演じる飯山裕太も、それぞれ「あんステ」経験者。各キャラクターが持つユニークなバックボーンや、そこから生じる複雑な心模様を見事に表現する。安井、飯山は、それぞれに異なる大胆さを持つ実力派俳優たち。彼らが学院最強と謳われる『fine』の説得力を支える。

『紅月』の鬼龍紅郎は今作、英智とはまた別の角度から敬人の本質を浮かび上がらせる役割を担う。紅郎を演じる武子直輝は、豊かな感性と緻密な芝居で、紅郎の豪胆さと繊細さを織り上げる。

また、『紅月』の末っ子・神崎颯馬を演じるのは、原作でも颯馬のボイスキャストを担当している神永圭佑。「あんステ」への出演歴も長い。さすがの包容力とバランス感で、颯馬の持つ純粋さと『紅月』への揺るがぬ忠誠心を、感度高く客席へ届ける。

演出面では、今回も後藤健流の手腕が光る。今作では、原作ファンにとって「まさかここを再現するとは」と驚くようなシーンが、いくつも大切に描かれる。

後藤の演出はいつも原作へのリスペクトが深く、各キャラクターの本質・想い・担おうとしている役割を正確に見つけ出し、掬い上げた上で、ステージングと芝居、動線、セットリスト、振付、照明や舞台装置の変化など、あらゆる手段を活かして鮮やかに描き出す。物語を彩るアンサンブルの活かし方も絶妙で、こだわり抜かれた照明や舞台装置の動きとともに、観客のイマジネーションを豊かに想起させてくれる。

今回注目したいのが、【1部】で描かれる【喧嘩祭】のライブシーンだ。原作ゲームに登場する「ドリフェス」がどのように行われているのかが、ステージならではの表現で立ち上がる。選曲のバランスも最高に良く、とくに『紅月』の名曲『想ひ出綴り』に対し、『fine』が新曲で迎え撃つ様子はまさに頂上決戦にふさわしい構図である。

もちろん、【2部】のライブパートも必見だ。今作のテーマ曲『Give a fist bump.〜はじめてを、はじめよう』を含む9曲が華やかに披露され、『紅月』『fine』それぞれの個性と愛にあふれるライブは、ここでしか味わえない熱と光で胸をいっぱいに満たしてくれる。【2部】ではペンライトに加え、声援やうちわもOK。アイドルたちを思いきり応援できる。

「人を笑顔にしたい」という英智の強い想いが、ステージ全体に息づいているような今作。見どころも「あんステ」らしさも満載となっている。

ユニット存続を賭けて、『fine』という名の太陽を食らおうと挑む『紅月』の大勝負を、あなたもぜひ客席から見届けてほしい。

初日会見レポート

ゲネプロに先立ち行われた初日会見では、富園力也(天祥院英智役)、安井一真(日々樹渉役)、戸塚世那(姫宮桃李役)、飯山裕太(伏見弓弦役)、梶田拓希(蓮巳敬人役)、武子直輝(鬼龍紅郎役)、神永圭佑(神崎颯馬役)の7名が登壇し、稽古場での様子や公演に向けての意気込みを語った。

——まず、役作りや稽古でこだわった部分、大切にした部分をお聞かせください。

富園力也(天祥院英智役):今回『fine』の4人が揃うということで、やはり何と言ってもパフォーマンスを意識しました。『fine』らしさを出すために、身体の可動域をしっかり使って、片手のちょっとした動きであっても身体全体を使って、さらにダンスを大きく見せるということを、メンバーと一緒に練習しました。

安井一真(日々樹渉役):そうですね。僕にとっても『fine』として全員が集まっての公演は久しぶりだったので、『fine』の中にいる日々樹渉はどんな人物だったかというのを、原作や過去作を見て研究し直しました。今回は、(『ドラマティカ』の公演などで)"個"として存在するときと比べ、『fine』の一員として在るときの渉をどう表現するかという部分を、とくに模索しながら稽古しました。

戸塚世那(姫宮桃李役):パフォーマンスでは手の指先までしっかり表現すること、お芝居では、桃李が『fine』の中でどういう立ち位置でいると良いかを意識して稽古しました。英智と弓弦がクールな雰囲気なので、渉と桃李でテンションを上げて盛り上げてみようか、といった試行錯誤をたくさんしましたね。

飯山裕太(伏見弓弦役):チームみんなで揃えるところはもちろん意識しつつ、それぞれのキャラクター感も大切にしました。【喧嘩祭】の熱量や勢いを、それぞれのキャラクターを大切にしながらいかに皆さんにお届けできるかというところは、みんなでよく話し合って決めていきました。

梶田拓希(蓮巳敬人役):敬人は『紅月』のリーダーという立場なので、お芝居やパフォーマンスはもちろん、より良いリーダーで在れるようにと。(武子、神永は)僕にとって先輩のお二人ですが、その先頭に立つ気持ちで「どうしたら良いのか」ということをずっと考え続けました。

武子直輝(鬼龍紅郎役):えー、みんなと仲良くなるために「ご飯に行きたいな」と思っておりました。空想の中ではたくさん一緒にご飯に行って、仲を深めたつもりでございます(一同:「希望?」「仲悪いみたいじゃないですか(笑)」)。素晴らしいチームワークだと思っております(笑)。

神永圭佑(神崎颯馬役):颯馬の持っている可愛らしさやまっすぐさを前面に出したとき、『紅月』という硬派なユニット全体が明るく見えてくる。そのきっかけとなるのは颯馬の役割だったりします。そういった陰と陽のコントラストは、非常に意識して作り込んできました。

——『fine』『紅月』ともに、このメンバーでの「あんステ」は初参戦となる今作。稽古期間中に印象に残っているエピソードなど、チームワークについて教えてください。

富園:『fine』としては、とにかくたくさん練習を重ねました。稽古が終わってご飯を食べてから「もう一回やろう」と集まって、居残り練習したことも多かったです。でも、それがとてもいい雰囲気で、遅くまで残って一緒に練習できるのが部活みたいですごく楽しくて、本当に「青春だな」と感じました。

安井:そういえば、僕ら『fine』が2時間くらい残って練習していたとき、パッと椅子の方を見たら、敬人役の拓希(梶田)がなぜか座ってて。一人でじっと座っている姿がなんだかめちゃくちゃ面白くて、「拓希、なんでいるの?」「幻じゃないよね?」って笑い合ったのが楽しい思い出でした。

戸塚:あと、『fine』はみんな食いしん坊で、ふと気がつくといつもケータリングのところに集まってましたね。鳥みたいにずっとお菓子をつまんで食べてて(笑)。いっぱい食べてパワーをつけられたから、いっぱい自主練もできたのかなって思います。

飯山:自主練では、本当にそれぞれの得意分野を意識してできたのが印象的です。ダンスが得意な力也(富園)は「振りはこうしたら揃うんじゃないか」「手はこの位置にしたらいいんじゃないか」と教えてくれたし、一真くん(安井)は歌が得意だから「こういう風に歌ったら良い感じになるよ」とか。世那(戸塚)とは「みんなで会話を弾ませるためには、こういうふうに持っていったらいいかな」など、ディスカッションが活発にできた、いい稽古場だったなと思います。

梶田:『紅月』は、スケジュールの関係でなかなか一緒に自主練できなかったんですが、それぞれがしっかり練習を積んでいて。圭佑くん(神永)はスタジオを借りて個人練習して、直輝くん(武子)はとにかく音楽を聴き込んで……というのを重ねて、それを持ち寄ったときにバチッと決まることが多くて。録音が必要なときも、一発でうまくいったりして。そういう、個々で鍛錬したものが集まるとバチッと揃うのは、『紅月』らしくて良いなと思いました。

富園:『紅月』、本当に凄いんですよ。自主練している気配がないのに、次見たらばっちり揃ってるから、「え、なんで!?」って。なんでこんなバチッと決まるの?って、いつもびっくりしていました。

武子:稽古で印象的だったこと、僕は演出家の後藤健流くんと別の作品でチームメンバーとして共演しており、本当に信頼している仲間です。そんな後藤くんと「あんステ」で、演出家と出演者として関わることができたのは、何よりも嬉しい再会でした。以前はともに戦うメンバーだった彼が、今回は総指揮として僕らのために色々な案を出し、見せ方を考えてくれる。その時間が何よりも濃い時間だと感じたし、僕自身も心から尊敬しているからこそ、「ここはこうしたい」「こうした方が良いんじゃないか」と案を出せました。そうすることで、今作が良い方向に大きく変われば良いなと思えたんです。

もちろんテクニカルチームの方々にもたくさんお世話になりました。観客の皆様には、ぜひそうした演出の部分も一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。

神永:僕の印象的だったことは、さきほど一真くんが話していた「『fine』の自主練になぜか拓希がいる事件」の真相でもあるんですが。じつは、僕や直輝くんがスケジュールの都合で稽古場に残れないときに拓希が残って、スタッフさんに手伝っていただきながら振付の動画を撮ったり、それをLINEグループに投げたりしてくれていたんです。リーダーが率先してそうやって動いて空気を作ってくれて、「こういうふうに合わせましょう」と提案してくれて。だから僕は、『紅月』は蓮巳敬人あっての『紅月』だし、今作では梶田拓希あっての『紅月』でもあるなと思っていました。

——続いて、今回新たに「あんステ」に参加された梶田さん、戸塚さんに質問です。ご自身が演じる役についての印象をお聞かせください。

戸塚:桃李くんは、すごく可愛らしくて、努力家です。口の悪いところにも愛くるしさがあふれているのが、僕はすごく好きで。と同時に、僕自身がこんなにのびのび桃李くんを演じられるのも、『fine』の他の3人のキャストのおかげだなと感じています。とても良いチームで、『fine』がこの4人で本当に良かったなと、心の底から思います。

梶田:蓮巳敬人という人間は、ある意味とても傲慢で、真面目で、いつもしかめっ面をしていますが、じつは突発的な出来事に弱かったり、ずっと悩んでいたりもします。小さな頃は自分のことを「すごくできる奴だ」と思っていたけれど、朔間零と出会って打ちのめされた、というエピソードもある。そういう部分に、すごく共感しています。僕自身、「できそうだな」と思う瞬間もあれば、先輩方のお芝居を見て「自分はまだまだだな」と実感することも多くて、お芝居を作るときもすごく悩むタイプです。だからこそ、敬人のそういうところがすごく好きで、愛しさを感じます。

——ありがとうございます。続いて、続投された先輩キャストの皆様に質問です。今回の稽古の中で、ご自身が演じるキャラクターやユニットについて、新たに発見したことがあれば教えてください。

富園:そうですね。今まで演じてきた中で、天祥院英智という人は「色々な顔を持っている人だな」とすごく感じています。今回は、彼の本性というか、本当に思っていることを一人きりで吐露するシーンが多いんですが、その中で出てくる本音の部分や、敬人とぶつかり合うときに本心で発する言葉が新鮮です。僕の中でもお気に入りのシーンなので、そこはとくに丁寧に演じていきたいです。

安井:『fine』のメンバーの中では、弓弦役の裕太(飯山)とは以前から共演していて、「弓弦をこんなふうに素敵に演じる人がいるんだ」と感銘を受けていました。最初は映像で見てすごく素敵だなと思って、実際共演してみたらやっぱり素敵で、お芝居も、ダンスも歌も本当にまじめに取り組むし、自分の良さをちゃんと知っている素敵な役者さんだなと感じていました。

英智役の力也、桃李役の世那とは、今回が初めての共演です。世那は努力家なところが桃李に通じると思うし、力也は楽しくふざけ合える部分もありつつ、ときおり見せる儚い視線が英智にぴったり。演じるキャラクターに似ている部分があって、人柄もとても良い二人です。

そんなふうにリスペクトできる方たちと、新生『fine』を改めてつくり上げていくことができたこの期間が、とても楽しかったです。

飯山:僕がこれまで出演させていただいた2作品の「あんステ」には、どちらにも桃李がいませんでした。それもあって、自分がその場にいる意味や、弓弦が出ることでシーンを成立させる意味についてずっと考えながら演じていたんですが、今回桃李がいることで、守るべき存在がいるだけで、「自分がいる意味ができた」と強く感じられました。さらに『fine』というチームの存在も加わり、今まで以上にシーンに自然に居やすくなって、「僕がいる意味」を改めて実感できたことが、今回とても大きな発見でした。

武子:そうですね。まず蓮巳敬人という役は、真面目で、一つのことにすごく集中して熱心に取り組む人で、何より『紅月』を大切に思っている素敵な一面がありますが、演じる梶田にも同じものを感じます。僕から見た『紅月』の印象は、どちらかといえば蓮巳が一人でワーッと悩んで頭を抱えて、それを神崎と鬼龍が支える構図に見えることが多いんですが、その点では梶田は結構悩みを共有してくれる。で、僕はわりと負けず嫌いだし、「人の心がない」と言われるくらい(笑)、「ここができてないよ」ということをはっきり伝えるんですが、それに対して梶田は「もっと言ってください、直したいので」と返してくれる。本当に真摯に受け止めてくれるんですね。だから、彼を「支えよう、守ろう」とちゃんと思えたし、自分が鬼龍を演じて、梶田が蓮巳になっているときに、役とのシンパシーみたいなものをすごく感じました。

梶田が蓮巳敬人であってくれて、新しい蓮巳敬人になってくれて、本当に良かったなと心から思います。

梶田:……泣きそうなんですけど(一同笑)。

神永:本当に、何より(梶田は)純粋なリーダーだなと思います。もうね、その純粋な心が我々にはないもので(笑)。初心に戻してくれるというか、存在感が本当に素敵で、梶田拓希という人間性も僕は本当に大好きです。先ほどの話にもあったとおり、頭を抱える敬人を他の二人が支えるという構図も『紅月』には多いんですが、今回の【喧嘩祭】は敬人と英智が発端となり、率先して引っ張って戦っていくライブでもあります。拓希も稽古場の段階から僕らを引っ張っていってくれたし、稽古場での居方について「見習わなきゃいけないな」と感じることもたくさんあり、彼に対してすごく尊敬する気持ちがあるし、「この公演を成功さえたい」という思いがより一層強まりました。

——続いて、富園さんと梶田さんにお伺いします。今回の物語で中心となる英智と敬人。お二人がその関係性をつくるためにしたことがあったら教えてください。

富園:えーっと、なんだろう?

梶田:ステーキじゃないですか?

富園:そうだ、「お肉を食べて力をつけよう」と言って、二人でステーキを食べに行ったり、カフェに行ったり。あと、僕の自宅に来てもらってテレビゲームなんかもしましたね。

梶田:お鍋も作ってくれました!

富園:そういった(お泊まりなどの)子どもっぽいこともして、その中で関係性を深めていきました。

梶田:力也くんは過去作にも出演されているし、原作の知識も僕よりずっと持っていらっしゃったから、僕としては「力也くんから、『あんさんぶるスターズ!』という作品の話を聞いてみたいな」と思って。だから一緒に出かけたときに、「これってこうかな?」と、作品やキャラクターの話を深く聞いたりもしながら、この二人の関係性をつくりあげていきました。

——ありがとうございます。続いて、神永さんに質問です。原作でボイスキャストも務められている神永さんですが、どちらも演じているからこそ感じる、「あんステ」版の【喧嘩祭】の魅力はありますか?

神永:そうですね。自分のキャリアの中でも、『あんさんぶるスターズ!』シリーズは最も長く一緒に歩ませていただいている作品で、本当にたくさんの愛を感じ、たくさんの愛を受け取ってきました。僕自身の中では、原作の「あんスタ」と舞台版の「あんステ」は別のものとして考えるようにしていて、それぞれのメンバーにもカンパニーにも、違う良さがあると思います。

でもやはり、自分が颯馬に声と魂を吹き込んだ【喧嘩祭】というお話を舞台で演じるのは、なんだか懐かしい気持ちになりました。原作では直近のお話でもないので、「久々に帰ってきたんだなあ」という懐かしさと、舞台で演じる新鮮さとが入り混じった不思議な感情があります。改めて、僕自身とても好きなストーリーなので、初日が開けることが楽しみです。

——ありがとうございます。【喧嘩祭】のストーリーではありますが、稽古中に喧嘩はありませんでしたか?

梶田:そうだなあ。曲の取り合いはありましたね(一同笑)。

安井:あったあった。居残り練習のときに、拓希が「もう1回やりますか?」って圧をかけてきてね(笑)。

梶田:『fine』が1回曲を披露したら、僕たち『紅月』がやって、それを繰り返して。

富園:パフォーマンスで見せ合うみたいな。刺激を受け合って、さらにパフォーマンスを上げていく、というのはありましたね。

——ありがとうございます。では最後に皆様から、開幕に向けた意気込みをお願いいたします。

富園:『fine』と『紅月』という、ともに魅力あるユニットがぶつかり合うことで生まれる、その魅力があふれている作品です。今作を見たら、どちらも好きになってもらえると確信しています。この作品を見て、ぶつかり合うことの大切さや、「この人のパフォーマンスいいな」「歌がいいな」「ダンスがいいな」「チーム力がいいな」など、何か1つでも持ち帰っていただけたら幸せです。ぜひ楽しんでください。

安井:これまでにもたくさんの「あんステ」シリーズに出演させていただきました。それぞれの作品が大好きで、今まで出てきた全ての作品に良さを感じていますが、今回はやはり『fine』と『紅月』がメインということで、とくに思い入れがあります。ダンスや歌ももちろん素敵なものをお届けしますが、個人的にはお芝居の部分にもすごくグッと来る作品になりました。皆様ぜひ、楽しみに観に来てください!

戸塚:僕自身今回からの参加となりますが、ここにいるキャストの皆さんも、スタッフの方々も、本当に温かい人ばかりです。そんな方々がすごい熱量で稽古に臨んだ今作、胸が熱くなるような作品になっています。姫宮桃李として一生懸命がんばりますので、よろしくお願いします。

飯山:「あんステ」を今まで観てくださっている方も、まだ観たことがない方も、安心して楽しんでいただけるストーリーです。外は寒い季節ですが、劇場の中は思いっきり真夏で熱くぶつかり合っていますので、ぜひ応援しに来ていただけたら嬉しいです。温かい、そして熱い気持ちになって帰っていただけたらなと思っております。

梶田:敬人と英智は、死を身近に感じている存在同士。だからこそ、より「今」を大切に生きています。僕たちも、この「今」を行きている世界で、皆様にとって大切な作品になれるよう、人生をより豊かにできるよう、たくさんの想いを込めてつくってきました。それを全力で楽しんでいただけたら嬉しいです。

武子:稽古の序盤から、本番と変わらないくらいの熱量で、全員が今日まで挑んできました。今確信していることは、絶対に面白い作品になっていること。お客さまを絶対に楽しませる自信があります。これはもう間違いなく、僕が保証します。……まあ、「良くなかったから返金してください」と言われても僕は責任とれないのですが(一同笑)、僕の中ではそれくらい確信しています。すごく熱量が高い作品で、お客さまも観ながら拳を握りしめてしまうかもしれませんが、くれぐれもお隣の方と喧嘩だけはしないように、よろしくお願いします!(笑)

神永:上手だな(笑)。そうですね。この【喧嘩祭】のストーリーの上演を、首を長くして待ってくださっていたファンの方もたくさんいらっしゃると思います。そうした方々の期待にも添えるよう、我々にしかできないものをしっかりお届けしたいです。新年あけて、お仕事がまた始まっちゃった、でも「あんステ」があるからがんばれます、と言ってくださった方もたくさんいらっしゃいました。そうした声にしっかりお応えできるよう、舞台上で役を生き、素敵な作品をお届けできるようがんばります

『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Our First Fight- は、東京公演が1月16日(金)~25日(日)品川プリンスホテル ステラボール、兵庫公演が1月30日(金)〜2月1日(日)AiiA 2.5 Theater Kobeにて上演。全公演で来場者イベント実施が決定しているほか、一部公演のライブ配信も予定されている。

取材・文:豊島オリカ、撮影:ケイヒカル

■公演概要
「あんさんぶるスターズ!THE STAGE」-Our First Fight-

開催日程・会場:
2026年1月16日(金)~25日(日)
東京都 品川プリンスホテル ステラボール
2026年1月30日(金)~2月1日(日)
兵庫県 AiiA 2.5 Theater Kobe

スタッフ
原作:「あんさんぶるスターズ!」(Happy Elements株式会社)
脚本・作詞:浅井さやか
演出・振付:後藤健流

出演
fine
天祥院英智:富園力也
日々樹渉:安井一真
姫宮桃李:戸塚世那
伏見弓弦:飯山裕太

紅月
蓮巳敬人:梶田拓希
鬼龍紅郎:武子直輝
神崎颯馬:神永圭佑

アンサンブル
石川蓮恩 / 神谷亮太 / 笹尾ヒロト / 瀬戸口希哉 / 高橋陸人 / 竹迫祐貴

公式HP:https://ensemble-stage.jp/2026off/