【ゲネプロ＆囲み取材】「舞台 華の天羽組 -天京戦争編- powered byヒューマンバグ大学」レポート

「舞台 華の天羽組 -天京戦争編- powered byヒューマンバグ大学」が、12月9日（土）より東京・品川プリンスホテル クラブeXで上演される。

原作は、YouTube登録者数179万人の話題作「ヒューマンバグ大学 闇の漫画」。人間の闇をテーマとして漫画動画を公開しているYouTubeチャンネルは、総再生数が20億回を超えている。中でも極道シリーズは、個性溢れるキャラクターが属する極道の組織争いをテーマにしており、熱く、時には涙するストーリー展開が人気を博している。

今回は、人気シリーズ「華の天羽組-天京戦争-」が初の舞台化。

メディアクトでは、前日に実施された囲み会見とゲネプロの様子をお届けする。

本作は、裏社会の任侠組織「天羽組」たちの姿を主人公・⼩峠華太の目線で描いた極道物語だ。

物語の舞台となるのは、日本有数の繁華街「空龍街」。シマ内で騒ぎを起こしたチンピラや、組の許可なく違法風俗や薬物売買の斡旋を行う国内外の半グレたちを相手に界隈で「コロシの天羽組」と呼ばれる天羽組が死闘を繰り広げる姿を描いている。

「ヒューマンバグ大学」の魅力といえば、そのひとつは間違いなく個性豊かなキャラクターたちだろう。一度見たら忘れられない濃いキャラクターたちは、実力のある豪華な俳優陣が描くことで息が吹き込まれ、原作からそのまま飛び出してきたような勢いで舞台上を駆け回っていた。

主人公の小峠を演じるのは馬場良馬。「俺の名前は小峠華太、○○している（今の小峠を取り巻く状況）アラサーの極道だ」という動画ではお決まりの台詞を聞いた瞬間、テンションが上がるファンも多いのではないのだろうか。ストーリーテラー的な存在を担う馬場の台詞量は膨大だが、一つ一つに熱が籠っており、作中何度も心を震わせられる。

2代目若頭兼武闘派組員の野田一（演：碕理⼈）、武器や戦闘スタイルを異名に取る狂人たち、小林幸真（演：磯⾙⿓乎）、和中蒼一郎（演：國島直希）、須永陽咲也（演：五⼗嵐啓輔）たちの活躍からも目を離せない。それぞれの獲物や拳を駆使して戦う姿は、生きた人間たちが演じるからこその迫力があった。

敵対組織京極組の面々も、それぞれの魅力が光る。天羽組とは敵対しているが、京極組にもそれぞれの仁義や正義があり、決して憎みきることが出来ない人間みが溢れていた。

組きっての実力派、⼀条康明を演じる杉江⼤志は見事な殺陣と異質な雰囲気で観客に強烈な印象を残していた。

校條拳太朗が演じる京極組の若き天才構成員の久我虎徹は、どこまでも真っ直ぐな男だ。感情が高ぶった際に光る原作宛らの鋭い眼差しに、心を掴まれる観客も多いだろう。

公演時間は休憩なしの2時間10分。組同士の抗争を中心に、怒涛の展開が続く。物語の多くを占める圧巻の殺陣は、クラブeXだからこその迫力となっている。円形のステージ上に余計な装飾はなく、役者たちのぶつかり合いを肌で感じることが出来る。360度どこから見ても臨場感を感じられるステージは、座る席によって見える景色や登場人物たちの表情も変わってくるだろう。何度も足を運ぶことで発見できる魅力も多いはずだ。

公演は12月17日まで。冬の寒さも吹き飛ばしてくれるような男たちの熱い死闘を、ぜひその目で見届けて欲しい。

公演前に行われた囲み会見では、それぞれが今作にかける意気込みを語ってくれた。

國島：僕自身のシーンはそんなに多くはないですが、大切なシーンを任せられています。みつさんとは今年のはじめから他の作品でも共演をしているので、お互い言えることは言えるし、それを出せればいいなと思っています。

見どころは、臨場感です。奥行はそんなにないですが、360度のぎりぎりをせめたてたで臨場感を感じていただければと思います。

林：今回そうそうたるメンバーの仲間入りをし、人気のある作品に携われたことを嬉しく思います。稽古以外の時間も、めちゃくちゃ練習しました。今作はいわゆるヤクザものだと思っていたのですが、それだけではありません。ヤクザとは違う極道と任侠の意味を持っている作品です。登場人物たちは裏社会の人間ではありますが、それぞれの確固たる正義が交錯する作品となっています。よろしくお願いします。

磯貝：まず原作がとても面白く、僕も大好きな作品です。個々のキャラクターの個性が、舞台でも強く出ていると思います。それぞれの正義をぶつけ合う熱い戦いを、ぜひ観に来てください。グリングリーン！

杉江：できました　おもろい作品　できました。人生で一番、五七五を言う２時間になるんじゃないかなと思います。作品自体は、このご時世には減ってきた任侠ものです。僕自身任侠ものが好きなので出演出来て嬉しいですし、若い世代にも注目されているのではないでしょうか。普段YouTubeを見ていて舞台を観劇したことがないような方たちにも足を運んでいただけたらと思いますし、面白い作品ができました。原作にたくさんあるアクションも、生だからこそより届くのではと思います。この作品がもっと続いていくように、円形の劇場を走り抜けていきます。

校條：やってやる　一生懸命　やってやる。京極組はこんな感じでいきたいと思います（笑）。特殊な劇場の良さを活かして、殺陣の先生たちも複雑なものを考えてくれました。細かい技術も必要ではありますが、元の作品の熱さをしっかりと届けたいと思います。

馬場：明日初日　説明台詞　言えるといいな。字余りですね。

一同：字余り（笑）。

馬場：今回は若い世代に人気の作品の舞台化第一発目です。出て来る登場人物ももちろん、演じる役者たちも個性が強い顔ぶれが揃いました。稽古日数も限られている中、キャラクターと役者たちの個性がぶつかり合って面白いものが出来たんじゃないかなと思います。今回の劇場は、どこから観ても舞台を近くに感じることが出来ます。天京戦争で実際にぶつかっているさまを目の前で見届けていただけたらとても嬉しいです。よろしくお願いします。

記事：水川ひかる／撮影：ケイヒカル

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