【レポート】プロジェクトリコロ第7回公演「Statice」ゲネプロレポート

プロジェクトリコロ第7回公演「Statice」（スターチス）。2023年12月20日(水)～24日(日)に六行会ホールで上演される公演に先駆け、実施されたゲネプロレポートをお届けします。本公演はWキャスト（-side Witch-／-side Wizard-）の2バージョンに分かれていますが、ゲネプロは「-side Witch-」バージョンとなります。
また、「-side Wizard-」につきましてはレポートはありませんが、公演写真がありますので、そちらをお届けいたします。

本公演についてのインタビュー（https://mediact.info/interview_info/8046/）を実施しておりますので、そちらも合わせてご覧ください。

物語は架空のファンタジー設定。

魔法使い達は、魔法を使いながら生活をしています。選抜された魔法使いは魔法軍として人間との戦争を繰り広げています。魔法を思い通りに使いこなせない少女ノエル（演：黒崎 澪）は魔法軍に入りたいと考えていますが、なかなかうまくいきません。人間のことを詳しく知れば魔法軍の選抜に入れる……ということを考え、商人のジェンマ（演：柳瀬晴日）に人間と同じ衣服を借り、夜に行動を起こします。しかし、飛行中に落下し、直接人間の村に踏み入ってしまいます。そこで出会ったのは人間の少女ユーリ（演：楓）でした。初めて見る人間に驚くけれど平然を装うノエル。ノエルのことを同じ人間と疑わないユーリ。この二人の出会いから、人間と魔法使いの争いに変化が起きる物語の幕が開きます。

ユーリは血は繋がってはいませんが、家族と思える人達と教会で身を寄せ合って生活しています。古い書物による言い伝えを信じ、戦争相手の魔法使い達に恐怖を抱いて過ごしています。怖がりのカミーユ（演：松尾彩加）、読書好きのニコル（演：夢月）、病気を患っているエルム（演：千歳ゆう）達の面倒を見ているシスター・マイヤーズ（演：道井 悠）。彼らは魔法使いをまだ見たことはありません。

翌日、ノエルは人間の村に踏み入ったことを妹のルナ（演：柴田茉莉）と幼馴染みの二人ジンジャー（演：栞菜）とローズ（演：星野七茜）に告げます。危険なことを叱咤されますが、ノエルはユーリとの出会ったことにより、人間は皆が思っているほど悪い存在ではないのではという思いが強まっていました。そして、それを証明するためみんなで人間の村に行くことにします。
人間の村で再会するユーリとノエル。魔法使いだということを隠したノエル達は、歓迎されて食卓に迎え入れられます。穏やかな時間を過ごし、ノエル達は岐路に着くことに。
しかし、トラブルに見舞われた際、ノエルは人間を守るためつい魔法を使ってしまいます。魔法を目の当たりにした人間達は慌てふためき、魔法使いは必至でその場を去ります。分かり合えたはずの存在同士でしたが、生まれ育った環境により離れ離れになってしまうのです。

彼らが再び出会い、そして手を組むことで物語は大きく動き出します。

この物語は「人間」と「魔法使い」の確執と共存をテーマにした群像劇です。
かつての魔法使いの英雄達とその歴史を知る者達の葛藤、人間と魔法使いとハーフの義賊集団の関係性、人間と魔法使いが手を組むことで戦争を止めようとする子供達、様々な立場の登場人物が自身の想いを遂げるために行動を取ります。それは心が張り裂けそうな場面に出くわすかもしれません。それでも目を背けることなく、最後の最後まで予断の許さない展開を見届けてあげて下さい。

素直な気持ちだけじゃダメなこと、素直な気持ちが世の中を変えることをご体験できる物語体験を、ぜひ。

繋がり紡がれる物語

本公演は、前作「Lilac」の前日譚にあたります。それも大きく時代が離れた物語です。
「Lilac」の世界では、人間と魔法使いが手を取りファミリア契約を結ぶことにより、強い魔力を得ることができる世界です。しかし、「Statice」ではそういった知識が存在しない中で、登場人物達は行動を取っていきます。この物語の結末がどう「Lilac」の世界に繋がるのか、そこを考えながら観るとまた違った楽しみが生まれるかもしれません。むろん本公演だけ観ても、しっかりと完結します。そこはご安心ください。前作を知って観るのか、知らずに観るのか、二通りの楽しみ方があるということで、どちらでお楽しみ頂くは皆様次第です。

文：木皿儀／撮影:ケイヒカル

-side Wizard-の公演写真

撮影:奏小雪

写真まとめ