【ゲネプロレポート】架空戦記漫画の舞台化『日本三國』実力派キャストが揃い踏み!

レポート

2025年7月25日(金)、東京・シアターHにて舞台『日本三國』が開幕した。

原作は、松木いっかによる架空戦記漫画『日本三國』。文明が崩壊した近未来の日本を舞台に、日本再統一を目指す青年・三角青輝の活躍を描く本作は独特な設定とリアリティのある描写が話題を呼び、歴史や架空戦記ファンの間でも高い評価を得ている。舞台化発表時には、大きな反響を巻き起こした。

主演の橋本祥平をはじめ、実力派キャストが揃った本作。そのゲネプロ公演の模様を、メディアクトでは劇中写真とともにレポートする。
※物語の核心に触れるようなネタバレは避けていますが、事前情報なしで観劇を楽しみたい方は、観劇後の閲覧をおすすめします。

ゲネプロレポート

舞台が始まると、三角青輝(演:橋本祥平)がひたむきに何かを記している姿が浮かび上がる。その眼差しには、強い信念がにじんでいた。
続けて流れる舞台テーマ曲「これから」は、壮大な物語の始まりを予感させる一曲。殺陣や激動の未来、登場人物たちの心情を織り込んだ歌詞が、本編への期待を高める。

物語の主人公・青輝は、かつて愛媛群で司農官の職に就いていた。だが、妻・東町小紀(演:田野優花)に降りかかった悲劇をきっかけに、腐敗した政治を正し、泰平の世を築くことを誓う。
青輝は辺境将軍・龍門光英(演:松田賢二)のもとへの士官登用試験「登竜門」に挑むべく、首都・大阪へ向かう。その道中、同じく士官を目指す阿佐馬芳経(演:赤澤 燈)と出会う。

試験の内容は、「10分以内に龍門に膝をつかせること」。数々の挑戦者が諦めていく中、芳経は真剣で斬りかかり、龍門の姿勢を崩すという奇策で突破する。一方の青輝は、自身の農政改革プランを提示し、その志を認められて龍門自ら膝をつかせる。

同じ頃、北方の聖夷では、輪島桜虎(演:佐藤日向)を筆頭とした政変が勃発。新政権は大和への西征をほのめかし、やがて大和・聖夷・武凰の三国による思惑が交錯し始める――。

激動の時代を描くこの舞台では、合戦シーンの迫力と重厚なドラマを俳優陣が全身全霊で体現している。キャスト発表時点で話題となった豪華な顔ぶれだが、その期待を遥かに超える熱演を見せる。名優たちが火花を散らすように演じ合う“芝居合戦”も、今作の大きな醍醐味と言えるだろう。

中心に立つのは、三角青輝を演じる橋本祥平。
舞台の鼓動そのもののような青輝の言葉は、滝のようにほとばしりながらも、ひとつとして零れ落ちることなく観客の耳と心へと届いていく。声の緩急、間合い、視線、手の動き、すべてが「言葉の熱」として劇場に放たれる。橋本の演技からは、青輝の内に燃え続ける勇気と正義、そして怒りや哀しみすら感じられ、息をのむ時間が続いた。

青輝と好対照を成すのが阿佐馬芳経。まさに“智”の青輝と二極となる“武”を体現するような存在で、赤澤 燈の立ち回りは、鋭く、軽やかで、観る者を魅了して離さない。どこか掴みどころのない不敵さが、芳経という男の懐の深さや、戦いに賭ける覚悟を物語っている。

大和の士官たちもまた、一癖も二癖もある強者ぞろい。
松田賢二が演じる龍門光英は、ただそこに立っているだけで舞台の空気が変わる。武人としての威厳と、智の人としての静けさ。その両方を備えた堂々たる存在感で、舞台の核を成している。高潔にして堅物、それでも誰もが一目置かざるを得ないカリスマが、松田の声と立ち姿からにじみ出る。

辺境将軍隊軍師・賀来泰明を演じるのは平野 良。「賀来は決して失敗しない」——その異名に違わぬ存在感で、登場のたびに場の空気を一変させる。複雑に入り組んだ策謀も、平野の口を通すと一気に鮮やかさを帯び、観客の思考にまで明晰に届いてくる。とりわけ長台詞にこそ、彼の真価が宿る。戦を読み解く知略に加え、信念と情の揺らぎまでをも内包させるその言葉運びは、まさに舞台という戦場での切れ味鋭い“武器”といえるだろう。
そんな賀来と龍門の間にある深い信頼と絆。彼らのやりとりに込められた想いが、やがて物語の終盤で涙を誘う――それは“熱演”のひと言では語り尽くせない、説得力と蓄積の力だ。

平 殿継をゲネプロで演じたのは松原 大。殿器にも通じる横暴な性格を持ちながらも、窮地に陥り多くの部下を失ったことで、彼の内面に変化が生まれていく。己の在り方を見つめ直していく様は、表情や声の抑揚ひとつひとつに丁寧に表現されていた。

大和の士官として登場する菅生 強(演:山本一慶)や長嶺士遼(演出:宇野結也)も、それぞれに異なる魅力を放つ存在だ。山本が演じる菅生は、冷静沈着ながらも内に熱を宿した人物。静と動のバランスを保ちつつ、言葉よりも立ち姿や目線で語る芝居が印象的だった。

この重厚な布陣に、さらに彩りを加えるのが、輪島桜虎を演じる佐藤日向。そのたおやかな微笑みに目を奪われ思わず「尊いッ!!」と叫びたくなるが、真の美しさは、芯から燃えるような戦う姿にこそある。

長尾武兎惇(演:安藤夢叶)は飄々とした立ち居振る舞いの中に、桜虎や国への熱い想いを秘めている。軽やかな言動の奥に確かな信念を感じさせる芝居に目を惹かれる。また、九羅亜輝威を演じた青柳塁斗は、全身から漲るエネルギーで戦いの場面に躍動感を与えた。

そして忘れてはならないのが、物語に緊張感と恐怖をもたらす“絶対悪”の存在、平 殿器。
演じるのは宮下雄也。この役を渇望していたという宮下は、その言葉通り魂を削るような芝居で殿器という“怪物”を完成させた。何を考えているか分からない、なのに見逃せない。掴めそうで掴めない不穏さと不気味さが全身から滲み出る。一切の隙を見せない“純然たる悪”でありながら、ふと彼なりの正義が感じられてしまうのがまた恐ろしい。殿器という存在がいるだけで、青輝たちが立ち向かう壁の高さが際立ち、物語に凄みが生まれている。

舞台は怒涛の勢いで展開し、物語は加速する。聖夷の西征、策略合戦、そして幾度となく訪れる選択の時。休憩を挟みながら約3時間の上演時間の中で、原作4巻分が描かれている。

予習すればより深く没入できるが、観劇前の知識がなくても十分に理解できる構成も特筆すべき点。脚本・演出を手がけた西田大輔が、作品世界に敬意を払いつつ、時代背景や文化を丁寧に再構築している。過去の回想も効果的に盛り込まれており、物語への導入が自然だ。

また、今回の舞台は「人間が演じる意味」を強く感じさせてくれる。命を宿した芝居は、ただの演劇ではなく、登場人物たちの“人生”を目撃しているかのような臨場感をもたらす。苦しむ民の声すら聞こえてきそうなほどに。

その臨場感は、大和側だけではなく聖夷側の正義や信念にも光を当てる。吉満寛人演じる閉伊弥々吉はその象徴的存在であり、桜虎に懸ける彼の想いは終盤の見どころのひとつ。

この物語をどの立場から観るかによって、受け取る印象は大きく変わる。
縦横無尽に舞台を駆け回る登場人物たちには、それぞれの覚悟と譲れぬ信念がある。大切な人の想いや言葉を胸に抱き、勇気をもって乱世を生き抜こうとする彼らの姿は、現代を生きる私たちにも確かな共鳴を呼び起こすはずだ。

舞台『日本三國』は、東京・シアターHにて8月3日まで上演される。

後に奇才軍師と称される三角青輝の伝説は、まだ始まったばかりだ。その激動の時代を、ぜひ劇場で目撃してほしい。

キャストコメント

三角青輝 役:橋本祥平
孫子曰く、『先んじて戦地に処りて敵を待つ者は佚し、後れて戦地に処りて戦いに趨く者は労す。故に善く戦う者は人を致すも人に致されず。』即ちこの一ヶ月という稽古期間、準備を怠らずこの日の戦に向けての爪を研ぎ続けておりました。
特に『日本三國』の面白さでもある言葉の力、それに加えて生身の人間が演じる意味としてセリフ以外の行間の奥深さを大切に、演出の西田さん、百戦錬磨のキャストの皆様のもとで多くの学びがあった稽古。
いよいよ、舞台『日本三國』の幕が上がります。きっと皆様の中でも残り続ける瞬間がある物語。
天下泰平を目指すこの一歩、勇気を出して皆様の前に立たせていただきます。

阿佐馬芳経 役:赤澤 燈
いよいよ舞台『日本三國』開幕いたします。
ここまで様々な媒体で何回も言ってますが、とにかく原作がめちゃくちゃ面白い。ので、そんな作品を舞台化することへのドキドキ感はありますが、面白い作品を演劇で表現できる喜びはひとしお。
その中で阿佐馬芳経、ツネちゃんさんの魅力をしっかりお届けできるように、そして、演出・西田さんのもと、祥平を筆頭に全員で『日本三國』の世界を皆様へお届けしたいと思います。
素敵な瞬間がたくさんあります。是非、劇場で。

輪島桜虎 役:佐藤日向
お話をいただいた時、桜虎という女の子が、単に魅力だけではなく、総帥として、そして1人の女の子としての脆い一面も持っており、そこが読者の皆様の心を掴んでいるからこそ、この子を舞台で演じる責任の重さとワクワクが同時にありました。
聖夷のみんなと積み上げてきたものは、必ず皆様のもとへ届くと感じています。
まもなく、開戦。

龍門光英 役:松田賢二
高潔で文武に秀で、誰もが尊敬の念を抱く将軍・龍門光英を演じます。
まあ、こんなヒーローに憧れていた…というのが正直なところなんですが。
若い方たちそれぞれが作り上げる強い強い覚悟とともに僕もいます。
是非とも多くの方に観ていただきたいです。すごく面白い舞台です。
よろしくお願い申し上げます。

平 殿器 役:宮下雄也
連載当初から『日本三國』のファンで、「舞台化するなら平 殿器をやりたい」と思っていたので、オファーが来た時は嬉し過ぎて呼吸を忘れました。この作品の見どころの一つでもある「言葉で戦う」シーンは緊張感を持って挑みたいと思います。演出の西田大輔さんが稽古中に仰った「芝居をやっていて1番贅沢なことは新しい感情に出会うこと」という言葉が凄く印象に残っていて、僕も実際に稽古を通して新しい感情に出会えた瞬間がいくつもありました。劇場シアターHで新しい感情と感動を体感してください。お待ちしてます。

スペシャルコメント

脚本・演出 西田大輔
いよいよ舞台『日本三國』の幕が開きます。
原作へのリスペクトを忘れず、俳優・スタッフと舞台でやる意味を大切に紡いできた稽古の日々でした。
僕自身も創りながら、たくさんの「新しい感情」に出会いました。
この「日本」が舞台の物語。
皆様にも、触れて欲しい、体験してほしいと心から願っています。
ご来場お待ちしています!

来場者イベント

スペシャルカーテンコール(撮影タイム)
写真&動画撮影可能なスペシャルカーテンコールを実施します!
撮影した写真&動画は「#舞台日本三國」をつけて、ぜひSNSで投稿してください!
【対象公演】
7/25(金)18:00  7/29(火)18:00  7/30(水)18:00  8/1(金)18:00  8/2(土)18:00

アフタートーク
終演後にアフタートークを開催いたします!

【対象公演・登壇者】
■7/26(土)12:30
賀来泰明 役:平野 良、菅生 強 役:山本一慶、長嶺士遼 役:宇野結也、平 殿器 役:宮下雄也

■7/26(土)18:00
輪島桜虎 役:佐藤日向、閉伊弥々吉 役:吉満寛人、長尾武兎惇 役:安藤夢叶、九羅亜輝威 役:青柳塁斗

■7/27(日)18:00
三角青輝 役:橋本祥平、阿佐馬芳経 役:赤澤 燈、東町小紀 役:田野優花、輪島桜虎 役:佐藤日向、龍門光英 役:松田賢二、平 殿器 役:宮下雄也

■7/31(木)13:30
三角青輝 役:橋本祥平、賀来泰明 役:平野 良、東町小紀 役:田野優花、閉伊弥々吉 役:吉満寛人、龍門光英 役:松田賢二

■8/2(土)12:30
阿佐馬芳経 役:赤澤 燈、菅生 強 役:山本一慶、長嶺士遼 役:宇野結也、長尾武兎惇 役:安藤夢叶、九羅亜輝威 役:青柳塁斗

お見送り会
お帰りの際に出演キャストがお客様をお見送りします!

【対象公演・お見送りメンバー】
■7/27(日)12:30
菅生 強 役:山本一慶、長嶺士遼 役:宇野結也、平 殿継 役:松原 大、長尾武兎惇 役:安藤夢叶、九羅亜輝威 役:青柳塁斗、平 殿器 役:宮下雄也

■7/29(火)12:30
賀来泰明 役:平野 良、輪島桜虎 役:佐藤日向、閉伊弥々吉 役:吉満寛人、長尾武兎惇 役:安藤夢叶、九羅亜輝威 役:青柳塁斗、龍門光英 役:松田賢二

■7/30(水)12:30
三角青輝 役:橋本祥平、阿佐馬芳経 役:赤澤 燈、菅生 強 役:山本一慶、長嶺士遼 役:宇野結也、東町小紀 役:田野優花、輪島桜虎 役:佐藤日向、閉伊弥々吉 役:吉満寛人

■8/1(金)12:30
三角青輝 役:橋本祥平、阿佐馬芳経 役:赤澤 燈、賀来泰明 役:平野 良、平 殿継 役:田中暖真、東町小紀 役:田野優花、龍門光英 役:松田賢二、平 殿器 役:宮下雄也

リピーター特典・リピーターチケット

リピーター特典
劇場で2回以上ご観劇のお客様にオリジナルブロマイドをプレゼントします!
※リピーター特典は、席種·購入方法を問わず全てのチケットが対象となります。

■第1弾特典 アザーカットブロマイド(全12種/ランダムで1枚お渡し)
三角青輝(橋本祥平)/阿佐馬芳経(赤澤 燈)/賀来泰明(平野 良)/菅生 強(山本一慶)/長嶺士遼(宇野結也)/東町小紀(田野優花)/
輪島桜虎(佐藤日向)/閉伊弥々吉(吉満寛人)/長尾武兎惇(安藤夢叶)/九羅亜輝威(青柳塁斗)/
龍門光英(松田賢二)/平 殿器(宮下雄也)

【配布期間】
7/26(土)12:30公演~7/29(火)18:00公演 ※配布期間終了後の配布はございません

■第2弾特典 舞台写真ブロマイド(全12種/ランダムで1枚お渡し)
三角青輝(橋本祥平)/阿佐馬芳経(赤澤 燈)/賀来泰明(平野 良)/菅生 強(山本一慶)/長嶺士遼(宇野結也)/東町小紀(田野優花)/
輪島桜虎(佐藤日向)/閉伊弥々吉(吉満寛人)/長尾武兎惇(安藤夢叶)/九羅亜輝威(青柳塁斗)/
龍門光英(松田賢二)/平 殿器(宮下雄也)

【配布期間】
7/30(水)12:30公演~8/3(日)13:30公演 ※配布期間終了後の配布はございません

【特典受け取り方法】
劇場内リピーター特典受付にて「前回来場時のチケット」と「当日観劇のチケット」をご提示ください。
「当日観劇のチケット」にスタンプし、特典をお渡しします。

【特典引換場所】 特典引き換えブース

【受付時間】 開場~開演まで、休憩中

リピーターチケット購入 プラスワンキャンペーン
各公演終了後、劇場にてリピーターチケットの販売をいたします。
リピーターチケットをご購入のお客様には、その場で「リピーター特典ブロマイド」をランダムで1枚プレゼントします。
※お渡しする特典は「リピーター特典」と同じものです。

取材・文:水川ひかる/写真:ケイヒカル

公演概要

【原作】松木いっか『日本三國』(小学館「マンガワン」連載)
【脚本・演出】西田大輔
【出演】
三角青輝 役:橋本祥平、阿佐馬芳経 役:赤澤 燈
賀来泰明 役:平野 良、菅生 強 役:山本一慶、長嶺士遼 役:宇野結也、
平 殿継 役(Wキャスト):松原 大/田中暖真、東町小紀 役:田野優花
輪島桜虎 役:佐藤日向
閉伊弥々吉 役:吉満寛人、長尾武兎惇 役:安藤夢叶、九羅亜輝威 役:青柳塁斗
龍門光英 役:松田賢二
平 殿器 役:宮下雄也
書川勇輝、本間健大、田上健太、白崎誠也、田中 廉、若林佑太、宮﨑聡美、宮原理子

<公演日程>
2025年7月25日(金)-8月3日(日) 東京・シアターH


<チケット料金(税込/全席指定) >
S席:12,000円/A席:9,500円

<チケットスケジュール>
・一般発売(先着)
6/21(土)12:00~
https://l-tike.com/nsangoku-stage

©松木いっか/小学館 ©舞台『日本三國』製作委員会