【ゲネプロレポート】舞台『鋼の錬金術師』―闇と光の野望―開幕リリース

2026年2月7日、東京・シアターHにて、舞台『鋼の錬金術師』―闇と光の野望―が幕を開けた。
本作は、2001年から2010年まで月刊「少年ガンガン」(スクウェア・エニックス刊)にて連載され、多くの読者を魅了してきた荒川弘の名作漫画「鋼の錬金術師」を原作とする舞台作品。連載20周年を迎えた2023年3月に初の舞台化が実現し、2024年6月には続編『―それぞれの戦場(いくさば)―』を上演。いずれも高い評価を受け、シリーズ第3弾となる本作への期待は、開幕前から大きく膨らんでいた。
脚本・演出を手がけるのは、前2作に続き石丸さち子。多様なジャンルで活躍するクリエイターと実力派キャストが再集結し、シリーズの集大成とも言える舞台が立ち上がった。
主演のエドワード・エルリック役は一色洋平/廣野凌大のWキャストで続投。アルフォンス・エルリック役の眞嶋秀斗、ウィンリィ・ロックベル役の岡部麟、ロイ・マスタング役の蒼木陣と和田琢磨らも再び顔を揃える。さらに本作から、新キャラクターであるオリヴィエ・ミラ・アームストロング役としてAKANE LIVが参加し、物語に新たな緊張感をもたらす。
メディアクトでは、初日に先立って行われたゲネプロ公演の模様をレポートする。
※物語の核心に迫るネタバレは避けているが、観劇前の方はご注意いただきたい。

ゲネプロレポート
シリーズ第三弾となる本作では、アメストリス全土を揺るがす巨大な野望が明らかになり、エルリック兄弟の旅は新たな局面を迎える。
失った身体を取り戻すため、「賢者の石」を追い求めてきた兄弟は、国の裏で暗躍するホムンクルス、そして彼らを束ねる“お父様”(鍛治直人)と対峙。錬金術を封じられ、絶体絶命の窮地に追い込まれた兄弟を救ったのは、敵対関係にあったスカー(星智也)と、シン国の皇女で「錬丹術」の使い手であるメイ・チャン(柿澤ゆりあ)だった。
錬丹術に新たな可能性を見出したエルリック兄弟は、メイを追い、北へと旅立つ。



一色をはじめとする続投キャスト陣は、積み重ねてきた公演数がもたらす確かな厚みと説得力を舞台上に刻む。
どんな窮地に陥ろうとも、アルの身体を取り戻すために思考を止めず、あらゆる事象から答えを導き出していくエドの推理力と判断力は今作でも健在だ。卓越した身体表現でエドの強さと鋭さを体現する一色は、闇の中でも迷いながら前へ進み続ける、翳りのない主人公像を鮮烈に立ち上げる。
アルフォンス・エルリックを演じる眞嶋秀斗(スーツアクター:桜田航成)との兄弟愛もまた、本作の大きな見どころのひとつ。今作では離れて行動する場面も多いが、互いを思い合うまなざしや一瞬の間から、揺るぎない信頼関係が伝わってくる。これは、シリーズを通して培われてきた二人の関係性があってこそ生まれる説得力だろう。



物語の舞台は、氷の女王オリヴィエ・ミラ・アームストロング(AKANE LIV)が統治するブリッグズ要塞へと移る。
AKANE LIVは、圧倒的な存在感とオーラでオリヴィエの強さを体現。男ばかりの軍を率いる姿には一切の揺らぎがなく、観る者を一瞬で制圧する迫力がある。まさにはまり役と言えるキャスティングだ。
また、釈放されたキンブリー(鈴木勝吾)も今作では出番が増え、狂気と知性を併せ持つ危うい存在感でエドたちの行く手を阻む。
演出面にも触れておきたい。
映像演出と音楽が有機的に絡み合い、錬金術が発動する瞬間や戦闘シーンはもちろん、アメストリスという世界そのものが鮮やかに立ち上がる。舞台空間を縦横無尽に使った映像表現は臨場感に満ち、観客を一気に「鋼の錬金術師」の世界へと引き込む。まさに圧巻の一言だ。
脚本・演出を務める石丸さち子は、登場人物や設定が増え、物語が核心へと迫っていく本作を、巧みな構成力で描き切る。原作通りに進めるのではなく、時系列やエピソードの配置を入れ替えながらも、物語の根幹は決して揺るがない。そのため初見の観客でも理解しやすく、原作ファンも納得の内容となっている。原作への深い愛と敬意が感じられる脚本が、観る者を自然と物語へ没入させてくれるだろう。
なお、これまでの物語を振り返ることができる第1弾・第2弾公演のダイジェスト映像はYouTubeで公開中。劇場内でも開演45分前、20分前頃から上映されるため、少し早めに足を運ぶのもおすすめだ。



公演時間は休憩を挟んで約3時間。
エドとアルの旅路はいよいよ終盤へと差しかかり、物語は加速していく。
舞台『鋼の錬金術師』―闇と光の野望―は、2月7日から15日まで東京・シアターH、20日から22日まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演。
エルリック兄弟が辿る運命の行方を、ぜひ劇場で見届けてほしい。
取材・文:水川ひかる/写真:ケイヒカル
キャストコメント①
エドワード・エルリック(Wキャスト) 一色洋平
「芝居だと思わなくていい」
今回の稽古で演出の石丸さんから言われた言葉です。僕にとって、エドとしても役者としても霧が晴れた一言になりました。
僕は演じるのを辞めようと思います。
エドの人生を、旅を、ドキュメンタリーとして、当事者として体験していける役者を目指します。
大人を欺こうだなんて考えていたエドも、今作では「力を貸してほしい」だなんて素直に言えるようにまでなりました。
荒川先生。成長って眩しいですね。
エドワード・エルリック(Wキャスト) 廣野凌大
まずは、第三弾公演、皆様のおかげで上演することができてカンパニー一同本当に嬉しい限りです。ありがとうございます。
個人的に良い意味でとても力も抜けて、今回が演じていて一番エドが馴染んだという印象です。
舞台ハガレンとしても、ここまで乗り越えてきた仲間たちが更に屈強になって帰ってきましたので、演劇の持っている、ハガレンの持っているパワーというものを存分に皆様にお見せできるのではないかと思います。楽しみです。
アルフォンス・エルリック 眞嶋秀斗
稽古が始まる前にストレッチをしていると、稽古場にはこれまで一緒に戦ってきたキャストの顔が見えました。
稽古場も、舞台ハガレンの旅も確かに続いている。
エルリック兄弟として錬金術を探る日々は演劇を探るような日々でもあり、スーツアクターの桜田航成さんと演じるアルフォンス。稽古終盤、シーンの状況的に上手く発することが難しい台詞が一つあり悩んでいたら、航成さんも全く同じことを思っていて二人で笑いました。
シリーズが初めての方も、安心してぜひ劇場へ!
一緒に旅ができましたら嬉しいです。
ウィンリィ・ロックベル 岡部 麟
新しく冬服を作っていただき今回は本番中もいっぱいご飯を食べられると安堵したのも束の間、やっぱりある程度は制限しないといけなそうです!冬の作業着は冷えるので風邪引かないように気を付けます!
ウィンリィもいよいよ、エドとアル2人の旅に飛び込み、大きな渦に巻き込まれていく...そんな回だと思います。
守られるだけじゃなく持ち前の明るさや芯の強さで2人のことを、物語も明るく照らしていきたいです!
オリヴィエ・ミラ・アームストロング AKANE LIV
第三弾公演よりオリヴィエ・ミラ・アームストロング役として参加させていただきますAKANE LIVです。
原作でも強烈な存在感を放つ人物ですが、舞台ではその信念や判断の瞬間を、より立体的に表現できるよう稽古に臨んでいます。
キャスト一人ひとりの熱がぶつかり合う、密度の高い舞台になっています。
この作品が放つエネルギーを、ぜひ劇場で体感してください!
リン・ヤオ/グリード 本田礼生
ついに幕が上がりました。
リンにとって、大きな物語が動く第三弾。
稽古から一貫して考えていたことはシンプルで、「リンを好きな原作ファンの方々の期待を背負って」という事でした。
そして、ランファンやフーの存在も、リンから感じていただけるように。
最後まで真摯に向き合っていきますので、応援していただけたら幸いです。
ゾルフ・J・キンブリー 鈴木勝吾
いよいよ第三弾ということで、ここまで応援していただいたお客様に感謝です。
演劇に足を運んでくださってありがとうございます。これに尽きます。
今作は今までの公演より、会話というか、お芝居の部分が多いなという印象です。僕に限ったことではなく。広く創ることと、密に創ることを意識したかな。
見所は、それぞれの野望ということになりますが、個人的にはウィンリィがらみですが、「ゆるし」という言葉が強く印象に残っています。
それぞれの野望を通してどう生きるのかを感じていただけたら幸いです。舞台でしか出来ない、舞台だから見える鼓動と振動をぜひ劇場で体感してくだされば嬉しいです。
スタッフコメント
脚本・演出 石丸さち子
まずは、この第三弾が上演できることを喜んでいます。
続投の出演者たちは、劇団ハガレンとでも呼びたくなる、「鋼の錬金術師」への深い理解と、表現力、仲間との絆を、培ってきました。そこに新キャストの魅力が加わります!
舞台では実現不可能に思えることを、演劇らしく、人間の力で表現してきましたが、今回はさらにその魅力が満載です。
絶望しては立ち上がり、信じ合い乗り越えていく兄弟の心を、丁寧に大胆にお届けします。
原作 荒川弘先生 応援メッセージ











公演概要
舞台『鋼の錬金術師』―闇と光の野望―
<STAFF>
原作 「鋼の錬金術師」 荒川弘(「ガンガンコミックス」スクウェア・エニックス刊)
脚本・演出 石丸さち子
音楽監督 森 大輔
作詞 石丸さち子 作曲 森 大輔
美術 伊藤雅子 照明 日下靖順 音響効果 天野高志 音響 増澤 努 映像 O-beron inc.
舞台監督 今野健一 / ヘアメイク 馮 啓孝 井村祥子 衣裳 渡邊礼子 小道具 羽鳥健一 殺陣 新田健太 演出助手 矢本翼子 / 制作進行 麻田幹太 / 宣伝デザイン 山代政一 グッズデザイン 山代政一 石本寛絵 デザイン協力 石本茂幸 フォトグラファー TOBI
主催 舞台『鋼の錬金術師』製作委員会
<CAST>※Wキャストは五十音順
エドワード・エルリック 一色洋平/廣野凌大(Wキャスト)
アルフォンス・エルリック 眞嶋秀斗
ウィンリィ・ロックベル 岡部 麟
ロイ・マスタング 蒼木 陣/和田琢磨 (Wキャスト)
オリヴィエ・ミラ・アームストロング AKANE LIV
バッカニア 吉田メタル
マイルズ 岡本悠紀
リン・ヤオ/グリード 本田礼生
メイ・チャン 柿澤ゆりあ
エンヴィー 平松來馬
グラトニー 草野大成
スロウス/ダリウス 青柳塁斗
ハインケル 君沢ユウキ
ヨキ 大石継太
ティム・マルコー 盛 隆二
傷の男(スカー) 星 智也
キング・ブラッドレイ 谷口賢志
ゾルフ・J・キンブリー 鈴木勝吾
ヴァン・ホーエンハイム/お父様 鍛治直人
SUIT ACTOR:
アルフォンス・エルリック 桜田航成
ENSEMBLE:
真鍋恭輔
榮 桃太郎
<日程・劇場>
【東京】
シアターH
2026年2月7日(土)~2月15日(日)
【大阪】
梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
2026年2月20日(金)~2月22日(日)
<チケット情報>
●チケット代金(前売・当日共/全席指定/税込)
平日 13,500円
土日祝 14,500円
●チケットスケジュール
一般発売中:https://l-tike.com/stage-hagaren/
●チケットに関するお問い合わせ
ローソンチケット:https://faq.l-tike.com/
●公演に関するお問合わせ
マーベラス ユーザーサポート:https://www.marv.jp/support/st/
ユーザーサポート営業時間【10:00~17:00 土日祝日休業日を除く】※営業時間外にいただいたお問い合わせは翌営業日以降のご返信となります.
©荒川弘/SQUARE ENIX・舞台「鋼の錬金術師」製作委員会


