【レポート】キャスト総勢17名が出演のシリーズ第6弾!『青山オペレッタ THE STAGE ~メッザ・ルーナ/光と影~』ゲネプロ&フォトセッションレポート

レポート

「青山オペレッタ THE STAGE」第6弾公演となる『青山オペレッタ THE STAGE ~メッザ・ルーナ/光と影~』が2024年3月28日(木)~3月31日(日)に東京・シアター1010で上演されます。本公演は、『青山オペレッタ THE STAGE』の定番の本編ドラマ、劇中劇、レヴューの3部構成で行われ、過去最大総勢17名のキャストによる『青山オペレッタ』で初めて描かれる“メッザ編”の物語となります。

今回、メディアクトでは本公演に先駆けて実施されたゲネプロ公演の模様をレポートさせて頂きます。本レポートでは劇中劇の配役、レヴューの曲順などが掲載されています。事前に知りたくない場合は、観劇後などの閲覧をお勧めいたします。

第一幕:本編ドラマ

本編ドラマでは、演出家・八木尾卓也(演:小林竜之)の発案から選抜舞台を実施することが決められます。
ロンドン公演を大成功させた「チーム・メッザ」を中心に、それ以外のチーム「チーム・ノーヴァ」「チーム・ピエナ」「チーム・ファルチェ」から選抜したメンバーで公演を行うとのこと。
演目(劇中劇)は、ロマンティック・バレエの最高傑作と言われる「ジゼル」。結婚前に死んだ乙女がウィリという死霊となり、森に迷い込んだ男たちを死ぬまで踊り狂わすというオーストリアに伝わる民間伝承を元に作られた作品で、主人公のジゼルが愛する人に裏切られても愛を貫く様を描きます。本来はバレエの演目ではありますが、「青山オペレッタ」用として大胆にアレンジされます。

本編ではこの演目に出演するために切磋琢磨するメンバーの模様が描かれます。メッザからトップスタアであるベネラ・南雲朝斗(演:橋本真一)は主演のジゼル役として当確。相手役のアルブレヒト役は演じる人によっていかようにも変容する役どころではありますが、貴族という隠しきれぬ気品を見事に表現できることによりマルテ・寺嶌渉(演:田淵累生)がほぼ当確。主演とダンスール・ノーブル(バレリーナのパートナーのこと)は決まったため、次の配役争いが起きます。
今期よりメッザに配属されたばかりの日々野天音(演:石橋弘毅)と疑似姉妹として姉の関係性に当たる椿理玖(演:佐藤祐吾)が取り合うのは、女王ミルタ。ミルタは死霊ウィリ達を率いる存在で、別名「復讐の女王」と呼ばれています。先輩としての存在感を示す理玖に対し、意識まで憑依する迫真の演技で迫る天音。かわいがっていた妹に対して対抗心を抱きたくない理玖と、憧れる理玖のように振る舞えるように努力する天音。これまでの関係性が崩れてしまう可能性を朝斗は危惧しています。その理由として、4年前にトップスタアになった朝斗は、最年少で先輩を差し置いての任命ということもあり、予想以上に周りの反応がありました。その結果、朝斗に抜かれてしまった先輩は青山オペレッタを去ることになってしまいます。この経験から、過去を知る朝斗と渉は過去を理玖と天音の二人に重ね、元々の関係が崩れてしまわないか心配していました。


配役発表の日、順当に「ジゼル=朝斗」「アルブレヒト=渉」と発表され、注目のミルタは……「天音」と発表されます。その発表を聞き、自身の限界を悟り青山オペレッタを去ろう考える理玖と、ミルタに選ばれてしまったことで「姉さま」と慕う理玖に嫌われてしまったと自己嫌悪する天音。それぞれが異なる反応を示します形になります。しかし、朝斗からの叱咤により「逃げること」を辞める決意を固めた理玖は、天音に「ミルタ」を懸けた演技の勝負を挑みます。
講師陣監視のもと、再審査。天才的な才能でミルタを憑依し憎しみを最大限に表現した天音に対抗する理玖。自分ができる自分だけのミルタを、復讐だけではなく、孤独や悲しみや過去の追憶を細かく表現します。結果は、物語の奥底まで独自に解釈深め、それを立体的に表現できた理玖を講師陣は評価し、ミルタ役を射止めることになります。

同じ役を違うキャラクターが演じるという、二重構造の面白さと難しさ。演じるタイミングによる微細な表現の違いがこの本編ドラマの見どころになります。キャラクターとしての感情も踏まえた、理玖役の佐藤祐吾さんと天音役の石橋弘毅さんの演じ分けをぜひご注目下さい。

またタイトルにも使われているイタリア語の「メッザ・ルーナ」とは日本語で「半月」を意味しています。彼らを象徴する言葉でもありますので、その辺りの意味を回収する部分なども楽しみましょう。

第二幕:劇中劇

第一幕で描かれた通り演目は「ジゼル」。本編ドラマでは、選抜のためのレッスンや対決が描かれていましたが、その結果、出演するのは下記の8名となりました。

・ジゼル:南雲朝斗(演:橋本真一)
・アルブレヒト(ロイス):寺嶌渉(演:田淵累生)
・女王ミルタ:椿理玖役(演:佐藤祐吾)
・バチルダ姫:日々野天音(演:石橋弘毅)
・ヒラリオン:斎鷹雄(演:中山優貴)
・クーランド大公:加賀見祥太(演:友常勇気)
・ウィルフリード:美園爽人(演:佐藤たかみち)
・ベルタ:宮嶋あさひ(演:長江崚行)

チーム・ノーヴァから3人、チーム・ピエナから1人、チーム・メッザから4名が選抜されました。

本来であればバレエの演目ではありますが、セリフあり歌ありダンスアリというミュージカル舞台に仕上げられていて、物語の構造や丁寧さを備えた、観やすい劇なっています。


見どころは終盤の女王ミルタが死霊を操り、森に迷い込んだヒラリオン、そしてアルブレヒトを踊り殺そうとするシーンです。ヒラリオンはジゼルの幼馴染み。自身の行動の結果、ジゼルを殺してしまったという罪悪感が彼を突き動かしていたのでしょう。ジゼルに会いたい一心で迷信とされている森を出歩きます。しかし、死霊は愛する人を踊り殺すといわれています。アルブレヒトはジゼルからの寵愛を受けてはいなかったため、出会うことができず、ミルタと他の死霊によって踊り殺されてしまいます。
一方のアルブレヒトは身分の違いからゆえ傷つけてしまったジゼルへの想い、純粋に愛していたジゼルに出会いたくやはり森に迷い込みます。ジゼルからの気持ちもあり、ミルタによって死霊として蘇ったジゼルと再会を果たすことに成功したアルブレヒト。そこで出会った二人が踊り、過ごすことは、何物にもかえがたい大切な時間ということが痛い程伝わってきます。その先に待つのが彼の死だとしても……。

彼女が選んだ愛を、彼が選んだ愛を、現代では描くことができない恋愛物語として切なく噛みしめることができる劇中劇になっていました。劇として没入して楽しむこともできますし、先ほどの本編ドラマを思い出し、この作品を演じるために出演者が切磋琢磨してきたことを想い、感慨深く感じることもできます。

人それぞれ「青山オペレッタ THE STAGE」ならではの、様々な視点から楽しむことができるでしょう。

レヴュー

ラストは出演者が勢ぞろいする。レヴューとなります。
レヴューでは、チーム・メッザ2曲、チーム・ノーヴァ1曲、チーム・ピエナ1曲、チーム・ファルチェ1曲の全5曲となっています。セットリストは下記の通り。


幕間「AOYAMAトワイライト」(相良 明之助&八木尾 卓也+八田紀代彦&真鳥 夕)
M1「Future is in my hands」(ファルチェ+宮嶋あさひ&聖 波留)
M2「Trust my path」(ピエナ)
M3「流転相克」(メッザ)
M4「夢の先 finale」(ノーヴァ)
M5「神なき世界で」(メッザ)
カーテンコール「輝く空を仰ぐ時」(全員)


メッザの新曲を含めた「青山オペレッタ」楽曲7曲を存分に楽しむことができます。
今回の公演では“声出し解禁”となりますので、今まで以上に会場のソーレ(ファン)と一緒に楽しめる多彩なステージとなることでしょう。

フォトセッションコメント

ゲネプロ公演の前にフォトセッションが行われ、そこで5名からの舞台に対するコメントがありましたので、そちらもご紹介させて頂きます。

南雲朝斗 役/橋本真一さん
本日はお集まり頂きありがとうございます。
今回、座長としてという立場として立ちますが「青山オペレッタ」としてはまだ1年生で、メッザのメンバーだったり、青山オペレッタの先輩方に助けてもらいながら今日の日を迎えることができました。4番目のチームがここで揃ったということで、待望のメッザ公演だという風に言って頂くことも多いですが、この作品はメッザ公演というだけではなく、青山オペレッタという1つの作品の魅力を届けられるような、そしてこのコンテンツをステップアップできるような公演としてお届けできれば良いなと思います。応援して頂ければ嬉しいです。よろしくお願いします。

椿 理玖 役/佐藤祐吾さん
本日はありがとうございます。僕は前回からの参加だったんですけども、雰囲気が打って変わってと言いますか、ストーリーが進みました。シリアスだったり、役者全員が共感できるような内容、青山オペレッタならではのストーリーになっていますので、早くお客様にお届けしたい気持ちと、あとレヴューで華やかなチームを満喫して頂ければと思います。よろしくお願いします。

寺嶌 渉 役/田淵累生さん
本当に素晴らしいキャストの皆様に支えられながらに初日を迎えられることを嬉しく思います。青山オペレッタ、そしてベネラ(女役)を、手となり足となり、犬となり支えられるよう(笑)頑張りますので、応援のほどよろしくお願いします。

日々野天音 役/石橋弘毅さん
初出演になるんですけど、先輩たちの胸を借りながら一生懸命メッザの一員として稽古してまいりました。また、これだけの人数が集まったことによる演出だったりとか、華やかなレビューショーだったりも用意しているので、ぜひ楽しんで、応援して頂けたらと思います。よろしくお願いします。

宮嶋あさひ 役/長江崚行さん
数年前に初演を迎えて、その時はノーヴァと講師陣の何名かで作品が始まったんですけど、今ではこんなにたくさんの仲間たちに囲まれ、そしてメッザ公演までやっと進むことができて、感慨深い気持ちでいっぱいです。今回の座長は真一君なんですけども、僕はコンテンツの座長として……(皆から「コン長」と声が上がる)あまり聞き馴染みのない言葉で、コン長として、まずはメッザの4人がストレスなく舞台に集中できるようにサポートしていけたらなと思いますので、皆様もぜひ応援よろしくお願いいたします。

以上、ゲネプロ&フォトセッションのレポートとなります。
チーム・メッザ4人が揃った初の公演ということもあり、彼らの過去と現在が分かり、その未来を期待できる内容になっていると感じました。また、これまではCD、ラジオ、舞台とメディアミックス展開をしてきた「青山オペレッタ」ですが、この春には青春歌劇団育成ゲーム「青山オペレッタ」のリリースが控えています。シリーズ全体の今後も注目していきましょう。

ゲネプロ&フォトセッション写真一覧

取材:木皿儀/写真:ケイヒカル

■公演名
『青山オペレッタ THE STAGE ~メッザ・ルーナ/光と影~』

■公演日程
2024年3月28日(木)~3月31日(日) 全7公演
3月28日(木)18:00公演
3月29日(金)13:00公演
3月29日(金)18:00公演
3月30日(土)13:00公演
3月30日(土)18:00公演
3月31日(日)12:00公演
3月31日(日)16:00公演

■劇場情報
シアター1010(https://www.t1010.jp/
〒120-0034 東京都足立区千住3-92千住ミルディスI番館10F

■チケット情報 【席種】 ・全席指定(応援グッズ付き) 13,200円(税込) ・全席指定 9,900円(税込)

<STORY>
青山オペレッタ――
東京・青山にある、未婚の若い男性だけで構成された歌劇団。
その歴史は古く、100年以上に及ぶ由緒ある歌劇団で、
その成り立ちから女性役も男性が演じるのが特色。
青山一のベネラと呼び声高い、南雲朝斗率いる「メッザ」。
美麗で優秀なベネラたちが集まる「メッザ」には、
姉妹のように仲睦まじい、理玖と天音という二人のベネラがいた。
庇護する先輩の理玖と、理玖を盲目的に慕う新人の天音。
だが、新たな舞台の幕開けが、そんな二人に残酷な現実を突きつける。
そして二人の問題は、かつての南雲の傷をも蘇らせることになるのだった――

【出演者】
■チーム・メッザ
南雲朝斗 役/橋本真一
椿 理玖 役/佐藤祐吾
寺嶌 渉 役/田淵累生
日々野天音 役/石橋弘毅
■チーム・ノーヴァ
宮嶋あさひ 役/長江崚行
斎 鷹雄 役/中山優貴
櫻井ノエ 役/大隅勇太
加賀見祥太 役/友常勇気
■チーム・ピエナ
美園爽人 役/佐藤たかみち
聖 波留 役/輝山立
横澤寿泉 役/平賀勇成
夏目 澪 役/設楽銀河
■チーム・ファルチェ
正留宗一郎 役/フクシノブキ
八田紀代彦 役/堀海登
真鳥 夕 役/岩崎悠雅
■劇団関係者
相良明之介 役/杉江大志
八木尾卓也 役/小林竜之
夢咲 辰樹 役/下野紘(声の出演)
◆アンサンブル
久野木貴士
小結湊仁
田嶋壮志
船橋拓幹

■「青山オペレッタ THE STAGE」公式X(旧Twitter)
@aoope_stage(https://twitter.com/aoope_stage

■「青山オペレッタ THE STAGE」公式HP
https://stage-aoyamaoperetta.com

【スタッフ】
企画・原案:サイバード
キャラクターデザイン:滝田 ちひろ
シナリオ原案:伊東 愛
脚本・演出:村井雄(KPR/開幕ペナントレース)
製作・著作:青山オペレッタTHE STAGE製作委員会