今牧輝琉&佐々木 崇 共通するテーマは「仲間への想い」ミュージカル『新テニスの王子様』The Third Stage インタビュー
ミュージカル『新テニスの王子様』The Third Stageが10月6日から上演されます。シリーズ3作目となる今作は、主人公・越前リョーマが日本代表の合宿所を飛び出し、アメリカ代表になるところから始まります。また、いよいよU-17 WORLD CUP(アンダーセブンティーン ワールドカップ)がスタート。平等院鳳凰率いる日本代表は、ドイツやフランスなど数々の強豪国に挑みます。
今回、メディアクトでは越前リョーマ役の今牧輝琉さんと平等院鳳凰役の佐々木 崇さんにインタビューを決行。今作の見どころや、お互いに期待していることを語ってもらいました。
ーーいよいよ10月6日(金)から公演が始まります。今の気持ちを教えてください。
今牧:今(取材時)はこれまでシーン別に稽古していたところを繋げていくという作業の最中で。ようやく全体の流れを把握できて、これは面白くなるぞ〜!と感じています。
佐々木:台本も面白いですし新しく外国人キャストも増えて、さらにパワーアップした『新テニミュ』になるはず。今は僕が描いている理想に早く追いつきたいと必死に稽古しています。
ーー「理想」とは具体的にどんなものですか?
佐々木:『新テニミュ』はとにかくエンターテインメント性が高い舞台なんです。「このタイミングでセリフを!!」「このタイミングで打つ!!」という役者とスタッフさんとの一体感が大事で。でもそれがピタリと合わさった時に、めちゃくちゃ面白くなるんです。
今牧:そうですね! 佐々木:また、リョーマやその他のキャラクターの成長物語というドラマ要素もあります。エンタメとドラマ、どちらもお客様にしっかりと見てもらえるようにするというのが僕の考える理想。どちらの要素もないがしろにしたくないからこそ、必死なんです。
ーー新キャストもたくさん増えましたが、稽古場の雰囲気はいかがでしょう?
今牧:新しく中学選抜メンバーに加わった立海の2人(幸村精市役・藤田浩太朗さん、柳 蓮二役・梶田拓希さん)はもちろん、外国人キャストが本当に個性的で、国際色豊かな雰囲気です!
佐々木:フランスからアメリカからオーストラリアから、いろんな国の人がいるもんね。この前、ドイツチームの稽古を見ていたんですが、キャストがずっと英語でやりとりしていて。なかなか見られない光景だなと思いました。
今牧:すご〜! でも僕も最近、英語を頑張ってるんですよ。日常会話くらいは話せるようになりたいなと思って。チャーリー(エルマー・ジークフリート役)が、フランクに英語を教えてくれるので、勉強しています。
佐々木:いいね。今回は顔合わせから楽しかったですね。顔合わせって普通はだいたい緊張して終わるものなんですが、皆の挨拶がとてもユニークで。若干スベっても、それも含めて「イェーイ!」って盛り上がるような(笑)。あんな顔合わせは初めてでした。
今牧:日本人だけだと、なかなかそんな空気にならないですもんね。日本のミュージカルとしても新しい試みだなと思います。
佐々木:そうそう。これは脚本/演出の上島(雪夫)さん、作詞の三ツ矢(雄二)さんもおっしゃっていましたが、日本で作られるミュージカルは、外国人の役であっても日本人が演じるのが主流じゃないですか。でも今回は、アメリカに縁のあるキャストが歌うアメリカのナンバーとかがあって。観ていると、本当にアメリカにいるみたいな気持ちになるんです。
今牧:アメリカ代表の曲、本当にかっこいいですよね。稽古場でも他のキャストから自然と「フー!」って声が上がっていて。本番ではどうなるのかな?お客さんにも声を出してもらってもいいんじゃないかと思ってます!
ーーThe First Stage、The Second Stageの頃は発声禁止だったので、どうなるか楽しみですね。では、今回の公演で自分が演じるキャラクターの注目してほしいポイントは?
今牧:リョーマの今回のテーマは「仲間への想い」だと思っていて、そこは大事にしたいポイントです。そもそもリョーマがアメリカに行った理由は平等院を倒したいから。自分が強くなるためなら国なんて関係なく、どこにでも行っちゃうような人だったリョーマが、自分のいるべき場所を改めて考え直す。人間として1つ成長するお話だなと思っています。
佐々木:平等院は自分のせいで前回のW杯に負けてしまったという苦い経験があって、それゆえに「全ての責任を自分が取る」という気持ちで今回のチームを作っています。なので、稽古の段階から他の日本代表の選手のことを見て、試合に勝っても負けても、その人はこの試合でどういう成長をしたんだろうと考えるようにしています。自分自身に対してどうというよりは、常に誰かと一緒にいて、ある意味で一歩引いた立場から眺めつつ、でも熱く引っ張っていく。「責任を取る」というのはそういうことだと思うので。仲間への想いが強くあるという意味では、リョーマと似ているかもしれませんね。あとはなんと言っても強さを背中で見せないといけないので、そこは自分自身にプレッシャーをかけて頑張ろうと。
ーー頼りになる日本代表の主将ですね。
佐々木:頼りに…ならないといけないですよね(笑)。圧倒的じゃないといけないですから。そういうプレッシャーを感じています。
ーーリョーマ、平等院以外で注目しているキャラクターやキャストはいますか?
佐々木:たくさんいますよ! まずはドゥドゥ・オバンドゥー役のジョエル・ショウヘイ。とにかくダンスがかっこいいんです。日本じゃ見られない動きだなと思います。
今牧:同じく、ドゥドゥのダンスは本当にヤバいです! 力が抜けているのに様になっているというか。僕らが同じように踊っても、ああはならないと思います。
佐々木:あとは健ちゃん(種ヶ島修二役・秋沢健太朗さん)。僕は彼のことを役者としてとても信頼しているのですが、今回は「種ヶ島劇場」とでも呼ぶべき見せ場があるので楽しみにしていてください(笑)。稽古はこれからなのですが、ますたく(亜久津 仁役・益永拓弥さん)との絡みのシーンもあるので、そこも楽しみです。
ーー前作では高校生キャストと中学生キャストがそれぞれに影響を与えあっているように見えていたのですが、今回はいかがでしょうか?
佐々木:そうですね。現時点でも、高校生だけで演じるパート、中学生だけで演じるパートをお互いに見ながら刺激を受けあっている感覚はあります。
ーー今牧さんが注目しているキャラクターやキャストはいかがですか?
今牧:僕が気になるのは、ティモテ・モロー役のジェレミー。「パリコレ」と呼ばれているキャラクターなのですが、ジェレミー自身が本当にパリコレに出ていたモデルさんなので楽しみです。あとは幸村役の浩太朗くん! 浩太朗くんの、テニスができる喜びに対する表情がすごく好きなんです。注目していただきたいです。
ーー青学(せいがく)としては、不二周助役の持田悠生さんがThe First Stageでテニミュボーイズを演じて以来の『新テニミュ』への出演となります。「戻ってきたな」という感覚はありますか?
今牧:ありますね。でも、もっちー(持田さん)とは『テニミュ』4thシーズンでずっと一緒にやっていたので。僕が「おかえり!」と迎え入れるというよりは、一緒に『新テニミュ』をやれて嬉しい。一緒に戻ってきたって感覚です。
ーー今牧さんと佐々木さんが本公演でお互いに期待していることはありますか?
今牧:期待というか、The Second Stageに比べて、今回は平等院がちょっとだけ優しくなってると思っていて。前回はもう…鬼だったじゃないですか!? 言うことも厳しいし、徳川(カズヤ)さんのことも容赦なくボコボコにするし…(笑)。でも今回は、平等院が背負っているものや感情が見えてきて、優しくなったように感じています。でもリョーマ目線としては「平等院を倒したい」という気持ちがあるので。平等院の抱えているものや強さを舞台上で目の当たりにしたいです。
佐々木:…なるほどね! 確かに、鬼だったね(笑)。The Third Stageでは今のところ、そういうシーンがないもんね。今、輝琉に言われて気づきました。
ーー前作では平等院が何を考えてあんなに厳しくしているのかというところが描かれていなかったですもんね。
佐々木:嫌なヤツでしたよね。僕でさえも思いましたもん(笑)。
今牧:本当ですよ。中学生側からしたら、鬼さんや入江さん、徳川さんみたいな優しい先輩に囲まれて、さあ合宿を頑張るぞ!ってなってたところに、いきなり海外から帰ってきて、徳川さんの腹に光る球(デストラクション)を食らわせるという…。しかもあれ、結果的に徳川さんが守ってくれただけで、最初はリョーマにぶつけようとしてましたからね!?(笑)
佐々木:「試した」とか言ってね、鬼でしかないよね(笑)。
今牧:あのあと、コーチ陣に怒られたんですかね?「平等院くん、それはさすがにやりすぎですよ」みたいな…。
佐々木:いやあ、コーチの言うことも聞かないでしょ。だって早々に「ヘボコーチ」って呼んでたし(笑)。
今牧:確かに(笑)。
ーー実力があるからこそ許される振る舞いですね(笑)。では、佐々木さんからリョーマ/今牧さんに期待することは?
佐々木:今回、リョーマは気持ちの転換点があるんですよ。ただ単に「勝ちたい」「強くなりたい」だけではない何かにリョーマが気づく瞬間が。そこをしっかり見せるには、今までリョーマが持っていた価値観と、気づいた瞬間の感情と、気づいたあとの3つのコントラストを見せないといけない。そこがハッキリ見えたら、今牧輝琉はめちゃくちゃいい役者だと思います。そういうシーンが2箇所ほどあるよね?
今牧:ありますね〜。
佐々木:そういう意味でリョーマはやっぱり主人公なんだなと思います。その他のキャラクターももちろん成長を感じるシーンはあるんですけど。あと、個人的にはThe Second Stageより、もっと輝琉と仲よくなりたいと思っています。同じ日本代表として…いや、今回は違うけど(笑)。
今牧:あはは!
佐々木:皆が輝琉を「弟にしたい」と思ってるんですよ。今回は兄(リョーマの兄・越前リョーガ役・井澤勇貴さん)もいないですし。
今牧:本当ですよ。前回ラストで「俺と一緒にアメリカ代表として戦おうぜ」って誘っておいて…。
佐々木&今牧:今回、おらんのかーい!
佐々木:あはは!(笑)思ったよね? お前が誘ったんだろ!ってずっこけましたけど(笑)。でも手強いお兄ちゃんがいない隙にね、お兄ちゃんの座を奪っていきたいと思っています。
ーー小野健斗さん(徳川カズヤ役)も、今牧さんのこと大好きですからね。
今牧:そうだ! 今回は、徳川さんとリョーマのいいシーンもあるんですよ。
佐々木:ライバルは多いですが、頑張ります(笑)。
取材・文:井上明日香/撮影:ケイヒカル ヘアメイク/小山清香、相澤玲亜
公演概要
ミュージカル『新テニスの王子様』The Third Stage
原 作:許斐 剛『新テニスの王子様』(集英社 ジャンプ SQ.)
脚本・演出:上島雪夫
作 詞:三ツ矢雄二
音 楽:兼松 衆
振 付:上島雪夫/井餘田 修
出 演 越前リョーマ 役:今牧輝琉、不二周助 役:持田悠生、亜久津 仁 役:益永拓弥、
跡部景吾 役:高橋怜也、幸村精市 役:藤田浩太朗、真田弦一郎 役:吉田共朗、
柳 蓮二 役:梶田拓希、白石蔵ノ介 役:武本悠佑
平等院鳳凰 役:佐々木 崇、種ヶ島修二 役:秋沢健太朗、デューク渡邊 役:大久保圭介、
徳川カズヤ 役:小野健斗、入江奏多 役:泰江和明、君島育斗 役:星野勇太、
毛利寿三郎 役:丸山龍星
ユルゲン・バリーサヴィチ・ボルク 役:ザック・コバヤシ、Q・P 役:パース・ナクン、
ミハエル・ビスマルク 役:バーンズ勇気、エルマー・ジークフリート 役:チャーリー、
A・フランケンシュタイナー 役:JAY、手塚国光 役:山田健登
トリスタン・バルドー 役:鮎川太陽、ティモテ・モロー 役:ジェレミー・クロディス、
オジュワール・ドロン 役:才川コージ、プランス・ルドヴィック・シャルダール 役:DION、
エドガー・ドラクロワ 役:ロマ・トニオロ、ジョナタン・サン・ジョルジュ 役:胡凛ウィリアムズ
ラルフ・ラインハート 役:ルーク・ヨウスケ・クロフォード、ドゥドゥ・オバンドゥー 役:ジョエル・ショウヘイ、
キコ・バレンティン 役:乃本セイラ
テニミュボーイズ:大久保銀河 坂田大夢 内藤光佑 西岡諒佑
公演日程
東京公演:2023年10月6日(金)~10月15日(日) TOKYO DOME CITY HALL
大阪公演:2023年10月20日(金)~10月29日(日) メルパルクホール大阪
東京凱旋公演 2023年11月3日(金・祝)~11月12日(日) TACHIKAWA STAGE GARDEN
チケット料金 S 席:9,500 円/A 席:7,500 円(全席指定/税込み)
一般発売日 2023 年 9 月 10 日(日) 10:00~
主 催 新テニミュ製作委員会
協 賛 ファミリーマート
お問合せ ネルケプランニング https://www.nelke.co.jp/about/contact1.php
公式サイト https://www.tennimu.com/
テニミュ・モバイル https://sp.tennimu.jp
©許斐 剛/集英社・新テニミュ製作委員会