【公演レポート】「これからミステリー公演」マーダーミステリー舞台「魅せマダ～ACTOR～」28日B公演レポート

マーダーミステリー舞台「魅せマダ～ACTOR～」が、2024年6月27日～30日の4日間で上演されます。プロの役者が即興芝居で演じる舞台で「台本なし・セリフなし」であらかじめ用意されているのは配役の設定のみという条件のもと、キャストが舞台上で役になりきりながら、時間内に犯人を見つけるべく議論を重ね、推理を行う新感覚ミステリー舞台です。

メディアクトでは6月28日に実施されたシナリオB公演「We’re the STARS !?」の模様をネタバレが含まれない形でレポートさせて頂きます。

※大きなネタバレは含んでおりませんが、先入観を無く観劇したい方は、事前にこちらの記事を読まずに観劇することをお勧めいたします。

本公演は、全キャストがマーダーミステリーのキャラクターとして演じることがコンセプトの作品となっております。したがって、冒頭のシーン以降にどのような展開が待ち受けているか、出演している全キャスト誰も知らないという部分が重要となります。

また、本公演の特徴として「設定書」があります。こちらは、出演するキャストが読んでいる情報を冊子にまとめたもので、入場時に自分が希望するキャラクターの設定書を受け取ることができます。
これを事前に読み込むことで、あたかもキャストと同じ心境で観劇することができるようになっています。

物語は社長兼マネージャーが殺害されたことから始まります。
ネクスタのことを大事にしているメンバーは実は誰かが犯人なのか……ということを考えて意見を交わしていきます。

※キャラクター名は事前公開されていないので、キャストの名前でご紹介します。

瀬川拓人さん演じる緑色担当は、グループ全体を俯瞰した達観したキャラクターを好演。グループの盛り上がりと、世界進出の夢を語るなどスケールの大きさを披露します。
松波優輝さん演じる黄色担当は、他のメンバーにも本名が秘密のミステリアスなキャラクター。とはいえ、芸名を含めた顔芸を披露するなど、シリアスな空気になりすぎない環境を整えてくれました。
宮脇優さん演じる赤色担当は、死体の第一発見者。グループのリーダーで、誰よりもグループ愛を主張し、犯人探しに奮闘します。健気なやりとりが……犯人なのかブラフなのか。
安井一真さん演じる紫色担当は、情報をみんなから集めて推理をまとめるように奔走。とはいえ、途中で即興ラップを披露するなど議論をかき乱すようにも見える行動を取る……。

このように特徴のあるキャラクターたちが議論を進める中、社長が頻繁に利用していたウーバーイーツ配達員の内山さんも乱入。やけに社内の事情を知っているようで、議論に参加することに。

それぞれに秘密や情報を抱える中、新しい情報を集めたり、それぞれの行動を確認したりして事件を追っていきます。
ドタバタな議論を終えると、そのあとは客席による投票・ライブシーンを含むエンディングと進行します。

エンディング終了後はアフタートーク、いわゆるマーダーミステリーにおける「感想戦」となります。
犯人以外にもそれぞれ持っている非公開の秘密などもあり、それらが発表されるたびに「そーなんだー」といった、納得の声が飛び交います。
また、実は各キャストには非公開情報の他に「ACTORミッション！」というものが設けられており、それを劇中に演じる必要がありました。その成否、誰が何をしたかったのか、もしくはやろうとしてできなかったのか、という話題で盛り上がります。「あのシーンのアレ」という部分がたくさんあり、謎の行動に見えたものも何かしら意味があったという納得感が会場を包みます。実際には実行に成功したミッションもあれば、実行するのための難易度が高いものもあり、それらも感想戦に拍車をかけていましたね。
このように、マーダーミステリーにおける「犯人捜し」以外の個人ミッションが、ショー仕立てになっているという工夫があり、ただのマーダーミステリーを遊ぶだけではない「魅せマダ～ACTOR～」と銘打たれた面白さがここにもありました。どちらかといえば、ミステリーを真剣に楽しむというよりも、ミステリー要素のあるエンタメショーを楽しむことができるコンテンツだと感じました。そういう意味では感想戦は多いに盛り上がりました！

今回の公演は、シナリオA・Bと２パターン、キャストのチームが木・金曜と土曜と日曜の３チームがあり、その組み合わせだけで結末や展開が異なることでしょう（さらに日替わりゲストもあり）。ご紹介の通り、キャスト本来のキャラクター性がしっかりと反映されるような内容になっているため、別の公演はまた違った展開になることでしょう。
公演自体は2024年6月30日に終わってしまいますが、今後も「魅せマダ」の展開に注目していきたいです。