劇団ヘロヘロQカムパニー第40回公演 「タイムアフターレコーディング」ゲネプロレポート

レポート

人々の想いが錯綜するアフレコ現場の物語

劇団ヘロヘロQカムパニーの第40回公演「タイムアフターレコーディング」が2023年6月23日(金)に上演が開始されました。
今回は、その上演に先駆けて行われたゲネプロについてレポートします。

◎ストーリー
舞台は1978年。
人気アニメ作品『無限闘志メカ グラハムダーV』の最終回のアフレコ現場で起こる事件や困難に立ち向かい、収録を完遂しようとする声優とスタッフたちの奮闘が描かれています。しかし、その裏では地球の未来を左右する恐ろしい陰謀が渦巻いています。

●多種多様な登場人物
物語の舞台はアニメ制作現場です。本作オリジナルの劇中アニメ『無限闘志メカ グラハムダーV』を取り巻く多種多様な人物が登場します。


主役でありながら遅刻を繰り返す上江須穣児(演:岩崎諒太)、独断と偏見で最終回を撮ろうとする監督の長城和夫(演:置鮎龍太郎)、急遽掃除夫としてやってきたが制作に協力をする男性・灰田雷蔵(演:関智一)など、個性豊かなキャラクターが思惑を持って行動します。それ以外にも、最終回だけ演出を担当する元監督や、人間関係のトラブルを抱えたキャスト陣、プロデューサー、脚本家、技術、音響監督、スポンサー、その娘、漫画家を目論む記者などなど。それぞれが自身の目的を持って行動していく群像劇ではありますが、「アニメの最終回を収録する」という主題となる目標があり、そこを目指していく過程で、各々が自身の感情と人間関係で物語は複雑化していきます。

掃除夫の灰田雷蔵を演じる関智一。舞台中もしっかりと雑巾でスタジオ内のものを掃除していた。

杖を突いて歩く監督の長城和夫を演じた置鮎龍太郎。他スタッフとの確執が描かれる。

それぞれが最終回の進行のために前向きに行動してはいるものの、誰かの策略によりうまくいかない状況が続きます。物語はドタバタコメディの様相を呈していきますが、それだけではありません。人間関係や人間ドラマ、伏線が張り巡らされ、物作りをする人間にとってのエールがあります。中盤以降に大きな転換があり、視点が一変します。

そして、伏線が一つ一つ解け、連なり、それが紡がれるころには、満足感となって優しい気持ちで終演を迎えます。奇をてらうわけではない面白さを詰め込んだ物語は、淀むことなく起伏を繰り返すことで、客席を楽しませてくれることでしょう。

●劇中アニメ『無限闘志メカ グラハムダーV』
舞台上でアフレコ現場を再現するという点が挙げられます。その再現性の高さと作品の深い掘り下げは、オリジナル作品でありながら1970~1980年代のアニメを体験できる面白さを提供します。公演パンフレットには、細かい設定資料が掲載されており、その作り込みに感嘆の声が上がりました。アニメの収録現場を再現したシーンは必見で、映画『ラジオの時間』のリアルさを彷彿とさせます。

ところどころ、荒唐無稽な部分もありますが、情熱を持って挑む出演者のやりとりによって、物を作ることの大変さと面白さが十分に表現されていました。

舞台中に存在するアフレコシーン。スタッフのいるブースも見えるため、臨場感のある展開が楽しめる。

日替わりゲストは各回様々な人が登場。ゲネプロの回では声優の山口勝平氏が山口勝平役で出演。

●時代背景を映すワード
1978年を舞台にしている以上、その時代を感じられるものが描かれています。
例えば、「川崎麻世」「キャンディーズ」「柔道一直線」「ひょっこりひょうたん島」「サンダーバード」「スター・ウォーズ」「未知との遭遇」「ユリ・ゲラー」「石森章太郎(1985年に、石ノ森章太郎に改訂)」など。こういったワードが出るたびに、ニヤリとできる世代もいれば、「?」となる世代もいるような気がします。その差を楽しむ、という見方もできるかと思います。

今は令和の時代ですが、平成のさらに前の昭和の良き歴史・文化を描きつつ、メディアの進化を浮き彫りにする作品となっています。

昭和後期を彷彿とさせる時代背景を映すような服装、小道具などにも注目。

冒頭にも述べた通り、単純に「面白かった」だけではありません。ぜひ、心を動かす熱量を体感してください!

なお、A席については出演者の「関智一」「置鮎竜太郎」のどちらかに連絡することで、予約を受け付けられるようになっています。ご本人のツイッターに「希望のステージと枚数」をリプライすることで、直接リプライを返して予約できるというユニークな仕様です。

■関智一扱い受付
https://twitter.com/seki0908/status/1670686292269731845?s=20

■置鮎竜太郎扱い受付
https://twitter.com/chikichikiko/status/1670708304052625410?s=20

取材・文:木皿儀、撮影:ケイヒカル

公演概要

■タイトル
劇団ヘロヘロQカムパニー第40回公演 「タイムアフターレコーディング」
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ 提携公演

■日程
2023年6月23日(金)~7月2日(日) 

■会場
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ
〒151-0053 東京都渋谷区代々木 2-12-10 こくみん共済 coop 会館1F
TEL:03-3375-8741

■スタッフ
演出:関 智一/野坂 実
脚本:伊福部崇

■出演
関 智一 
長沢美樹
那珂村たかこ
置鮎龍太郎
?本和子
飯田誠規
岩崎諒太
久保梨瑛 ※Wキャスト★
大石達也
大村 彩 ※Wキャスト★
櫻井 殊
稲垣祐希絵 ※Wキャスト☆
井上舞香 ※Wキャスト☆
光部樹
辻原智也
山本翔太
岡田雄樹

白石涼子(青二プロダクション) ※Wキャスト☆
前川涼子(アトミックモンキー) ※Wキャスト★

大場達也
三原一太(はらぺこペンギン!/DRプロジェクト)
大髙雄一郎(Theatre劇団子)

■日替わりゲスト
6月
23日(金)19時 山口勝平
24日(土)13時・18時 世界
25日(日)13時 木村昴 18時 竹内栄治
26日(月)19時 東地宏樹
27日(火)19時 狩野翔
28日(水)19時 白井悠介
29日(木)19時 豊永利行
30日(金)14時・19時 石谷春貴
7月
1日(土)13時・18時 井上和彦
2日(日)13時 畠中祐

■お問い合わせ
劇団ヘロヘロQカムパニー
〒174-0041 東京都板橋区舟渡3-8-16-3F
TEL・FAX 03-5914-6838
E-MAIL info@heroq.com

■公式サイト
https://heroq.com/

■公式ツイッター
https://twitter.com/1Heroq

ギャラリー