アメツチプロジェクト Re:flag vol.1 「sacrifice」ゲネプロレポート

レポート

2023年6月28日(水)に開幕したアメツチプロジェクト Re:flag vol.1 「sacrifice」について、その初演に先立って行われたゲネプロの詳細をレポートします。

あらすじ

これは何かを信じて来た者達の物語

国民的アイドル”ハイリガ”のコンサート終わり、ツルタ達”オーヴィス”と言われる熱狂的ファン達はいつものファミレスに集い感想などを言い合っていた

そんないつもの光景は誰かの言葉をきっかけにファン同士のいさかいに発展していた

一方その頃

どこかの国のどこかの町

とある神の教えをめぐってお互いの主張が対立し、争いがはじまろうとしていた

信じる者対信じる者の争いが

2つの時代を超えていま、はじまる

●二つの時代を同時に描き出す挑戦的な作品

物語は二つの舞台が描かれます。

一つ目は、国民的アイドル「ハイリガ」のファンたちが集まるファミレスでのアフタートークです。熱狂的なファンたちは、その熱量を維持したままテーブルごとに会話を進めます。

もう一つは、全く異なる国の教会での布教活動を描いた物語です。しかし、そこでは教典を伝統的に信じる者と、信仰の形を変えていく者とが分かれています。

この二つの物語が同時に描かれるという、一風変わった内容となっています。

●現代:アイドルファン達

ハイリガのファン集会では、明確な派閥争いが繰り広げられています。ハイリガは現在8年目のアイドルグループで、1期、2期のメンバーに加えて、新たに3期のメンバーが加入しています。さらに、4期のオーディションも始まっています。

レオ(演:本川翔太)やテツ(演:神谷春樹)のような古参ファンは、初期の困難な時期を支えてきた1期、2期のメンバーを軽視する運営に不満を抱いています。一方で、現在の運営に満足している新規ファンのツルタ(演:湯本健一)やタツト(演:龍人)は、古参ファンの凝り固まった考えに反発しています。これら相容れない考えを持つファン同士は、次第に意見をぶつけ合うことになります。

さらに、この議論には、3期メンバーを推すフルヤ(演:松波優輝)も参加し、三者三様の終わりなきディベートが展開されます。そんな論争を外から見守るアルバイトの里奈(演:生田輝)と中舘(演:氏家蓮)。そして、その論争に終止符を打つ出来事が起こり、議論は一転します。

店長の伊勢(演:緑川睦)は、毎年のライブ帰りの集客を見越して店を運営しています。

●過去:教典の教えの布教

とある国での教会での出来事は、現代と比べるとシビアな話です。

クルース教という宗教の教えである教典を読み解き、伝道しているクレド(演:湯本健一)とその友人レフォル(演:龍人)。

新たな信仰の形として「お札」を売りさばく教会一派のテネシア(演:本川翔太)とプティオ(演:神谷春樹)。

ラートル皇帝(演:緑川睦)は側近のレイス(演:生田輝)とレガト(演:氏家蓮)を従え、高みの見物をしています。

大学で教鞭を執るクレドにとって、このテネシアの行動は信じがたいものであり、反対意見をぶつけるのですが、変容していく信仰方法により人々が多く救われていると説く教会側。反発したことによって、クレドは破門されてしまいますが、テスタ侯(演:松波優輝)の庇護のもと、信仰を続けることにします。また、教典の翻訳を利用して、民衆の信仰を高めることを提案されたため、隠れながら進めていきます。その結果、教典の翻訳は功を奏し、民衆の認知を高めることに成功したのですが……。

●偶像崇拝

この作品を見て感じることは、一貫してどちらのエピソードにも共通する「偶像崇拝」についてです。

現代では「アイドル」、過去では「神」という、どちらも「偶像」とされるものをどういった形で信じ、布教してくのかということが終始描かれています。また、その方法論が対立し、それぞれの意見のぶつけ合いが、どの時代でも行われるという現実です。

姿形、時代は違えど、考えが異なるがゆえに争いは起きるということが、ある意味皮肉的に描かれているわけです。

我々も何かしらの「ファン」であったり、「推し」なんてものがあるかもしれません。その形のありようというものを少し見直すことができる、少しだけ考え方を深掘りできるような作品です。

取材・撮影:ケイヒカル、文:木皿儀

公演概要

■タイトル
アメツチプロジェクト Re:flag vol.1 「sacrifice」

■日程
2023年6月28(水)~7月2日(日)

■会場
会場:ザ・ポケット
東京都中野区中野3丁目22?8

■出演
ツルタ / クレド  湯本健一
里奈 / レイス   生田輝
中館 / レガト   氏家蓮 
テツ / プティオ  神谷春樹
フルヤ / テスタ  松波優輝
レオ / テネシア  本川翔太
タツト / レフォル 龍人
伊勢 / ラートル  緑川睦

■チケット
前方確約席(3列目まで):8,000円
(選べるブロマイド、ランダムブロマイド付き)
S席:7,500円(ランダムブロマイド付き)
・楽天チケット
https://r-t.jp/reflag-vol1/ 
・ローソンチケット
Lコード:33561 https://l-tike.com/reflag-vol1/
・イープラス
https://eplus.jp/reflag-vol1/
< チケットに関するお問い合わせ >
Mitt 03-6265-3201(平日12:00~17:00)

■スタッフ
脚本・演出 山田英真
音楽 竹下亮
舞台監督 岩淵吉能
音響 竹下亮
照明 上田茉衣子(リヒター)
美術 仁平祐也
衣裳 岩田洋一
ヘアメイク 松前詠美子
宣伝カメラマン インテツ
キービジュアル 鈴木宏治(luxis)
票券 Mitt
進行 葛西祥太
制作 小田夏穂(アメツチ)
プロデューサー 安藤匠郎
製作 アメツチ

■公式情報
HP https://ame-tsuchi.co.jp/sacrifice/
ツイッター https://twitter.com/sacrifice_stage?s=20