馬場良馬、安里勇哉W主演舞台「1993-The Bang Bang Club-」ゲネプロレポート

レポート

2023年7月21日(金)~30日(日)に俳優座劇場にて上演する「1993-The Bang Bang Club-」の明日の初日に向け舞台挨拶、ゲネプロが行われた。その模様を、各キャストからのコメントを添えてお届けする。

○あらすじ

1993年3月11日。スーダン南部コンゴール州アヨド村。カメラを抱えた男が、空き地に佇む一人の少女を撮影している。男の名前はケビン・カーター。その後ろ姿だ。写真を撮り終えたケビン、ふり返り、満足げな笑みを浮かべ──
──数日後。
アメリカ「ニューヨーク・タイムズ」編集部。そこに南アフリカの雑誌社「ザ・スター」編集部から封筒が届く。開けると、一枚の写真が入っていた。飢餓の少女が今にもハゲワシの餌食になろうとしている悲惨な瞬間が切り取られたその光景に、一同は言葉を失う。掲載するか否か‥‥‥
社内で議論が上がるも、一人の若者の意見に皆が賛同する形で、到着から10日後、名もなきその写真は、NYタイムズ紙の一面を飾ることになる。

そこから一年後。
「ハゲワシと少女」はピューリッツァー賞を獲得。真っ先に掲載したNYタイムズ社内は歓喜に包まれる。そんな中、若者記者に、受賞者であるケビン・カーターへの取材の命が下る。早速、南アフリカにある「ザ・スター」編集部まで足を運んだ若者だったが‥‥‥

1994年にピューリッツァー賞を受賞したケビン・カーターとその仲間達で結成されたバンバン・クラブを独自の視点で描き、ジャーナリズムの本質に迫る──

●戦場カメラマンのリアルを描く
本作は、あらすじの通り、戦場カメラマンとして命を懸けてシャッターを切ってきた4人の男達「バンバン・クラブ」たちを中心に、彼らを追う記者たち、南アフリカで生活する黒人たちの視点なども描かれます。群像劇としての面白さを堅持しつつ、主役であるピューリッツァー賞を受賞した写真を撮影したケビンの報道と現実の生活との狭間に苦悩する姿を描く、社会的なテーマが象徴的な作品に仕上がっています。
戦場カメラマンというものが死と隣り合わせの職業であり、なぜ命をかけてその仕事をするのか。死生観、ジャーナリズムというもの考え方に多角的な視点が持たせてあり、観た人の中にずしりと碇を下ろすような、そんな作品でした。ただただ「楽しい」だけではないことが面白く、観て「考える」作品として楽しんで頂きたいです。

※ピューリッツァー賞とは
ピューリッツァー賞は、アメリカ合衆国における新聞、雑誌、オンライン上の報道、文学、作曲の功績に対して授与される賞である。(ウィキペディアより引用)

●各キャストのコメント
ゲネプロの際に各キャストからコメントがありましたので、そちらをお伝えします。

ロビン・コムリー役:藤江萌
久しぶりの舞台なので緊張しているんですけど、頑張ります! よろしくお願いします。

ジョアオ・シルバ役:横山涼
この作品は史実を元にした作品ということで、その時代の方へのリスペクトを忘れず、お客様が楽しめるよう全力でお芝居していくよう頑張ります。

ケン・ウースターブルック役:宮下貴浩
皆さんと一緒に良い作品作っているので、ぜひ劇場でお待ちしております。

スコット・アカーマン役:伊勢大貴
オリジナルキャラクターをやらせて頂きます。
この作品自体ジャーナリズムという難しい題材なので、みんなで考えて、それをどう表現するかみんなで考えたので、よろしくお願いします。

アルフ・クマロ役:小笠原健
黒人の役を演じさせるんですけど、僕が言いたいことは、助手のソニーが言ってくれると思うので(笑)、当時の黒人の想いなどをソニーから伝えられると思うのでよろしくお願いします。

ソニー・ナクトウェイ役:宮崎卓真
先輩から言われたように当時の黒人の方々が思っていたかもしれない、そういった信念のようなしっかりとお届けたらなと思っています。

ナンシー・ビュルスキー役/ジュリア・ロイド役:石井陽菜
今回は実際にあったお話ということで、実際に生きた人の証……そういった人に恥じないように演じていきます。よろしくお願いします。

グレッグ・マリノヴィッチ役:高崎翔太
今日は、カメラマンの方々に見られるのはとても緊張しますが、頑張っていきたいと思います(笑)

ピーター・マクラウド役:安里勇哉
ケビン・カーターという人物を追い、見に来てくれる方と一緒に知っていきたいなと。毎公演、毎公演新鮮な気持ちで、実際にこういう人が居たんだということをしっかり伝えたらいいなと思っています。

ケビン・カーター役:馬場良馬
僕演じるケビン・カーターが30年前に撮った「ハゲワシと少女」という写真が、世界で物議を醸しだして論争になったことで、無知であることを考えてみる機会になれば……。今回の作品を通してこんなことがあったということを知って頂きたいです。今の社会への、生きていく糧になって頂ければと思います。よろしくお願いします。

取材・撮影:ケイヒカル 文:木皿儀

<公演概要>
舞台「1993-The Bang Bang Club-」
脚本:鈴木智晴(劇団東京都鈴木区)/演出:扇田賢(Bobjack Theater)

【日時】2023年7月21日(金)~7月30日(日)

【会場】俳優座劇場(〒106-0032 東京都港区六本木4-9-2)

【出演】
馬場良馬、安里勇哉(W主演)

伊勢大貴
石井陽菜
小笠原健
宮下貴浩
横山涼
宮崎卓真
藤江萌

高崎翔太

アンサンブル
在原桂馬、佐藤祐亮、東井隆希、広瀬登紀江、花沢詩織

【上演スケジュール】(全13回公演)
7月21日(金)18:30
7月22日(土)14:00/18:00
7月23日(日)14:00/18:00
7月24日(月)休演日
7月25日(火)18:30
7月26日(水)14:00/18:30
7月27日(木)18:30
7月28日(金)18:30
7月29日(土)14:00/18:00
7月30日(日)14:00

●アフタートークショー開催決定!
7月26日(水)14時公演
出演:伊勢大貴 石井陽菜 藤江萌